野良箱

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北森鴻「花の下にて春死なむ」

花の下にて春死なむ (講談社文庫)花の下にて春死なむ (講談社文庫)
(2001/12)
北森 鴻

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【あらすじ】
ビア・バー「香菜里屋」(かなりや)マスター工藤が探偵役の連作短編ミステリー。
第52回日本推理作家協会賞短編および連作短編集部門受賞作。

「花の下にて春死なむ」…俳人・片岡草魚が自室で死んだ。部屋の中では、季節はずれの桜が咲いていた。
「家族写真」…駅に設置された、貸し出し・返却自由の本棚の複数の本に、同じモノクロ写真が挿んであったという。
「終の棲み家」…カメラマン・妻木信彦の個展ポスターが、何者かによって全て剥がされてしまった。
「殺人者の赤い手」…赤い手の魔人が子供を襲うという怪談が流行っている。
「七皿は多すぎる」…回転寿司で、鮪ばかり続けて7皿食べた男の真意とは。
「魚の交わり」…かつて、放浪の俳人・片岡草魚と接点を持ったらしい女性がいた。

【ネタバレなし感想】
タイトルは「はなのもとにてはるしなむ」と読みます。

ビア・バー「香菜里屋」には、推理好きが集まっています。
あとがきの解説には、「安楽椅子探偵」ものであり「推理クラブ」ものであると書いてありました。

小さな日常ミステリーといった感じでした。
物語の舞台が日本中に散らばっているとはいえ、最終的にはビア・バー「香菜里屋」内が中心となって話が進みます。

どんでん返しの要素があって面白かったです。
ヒントがちりばめられているのに、自力では、真相にたどり着けませんでした。

登場する料理がおいしそうです。
が、私はビールが飲めないので、「香菜里屋」が実在しても、行けそうにありません。

多岐に渡って取材しないと、書けなそうなお話でした。
ビア・バー「香菜里屋」シリーズは、あと2冊出ているそうです。
  1. 2008/07/03(木) 07:04:08|
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アンドレ・ブルトン「黒いユーモア選集2」

黒いユーモア選集 2 (2) (河出文庫 フ 7-2)黒いユーモア選集 2 (2) (河出文庫 フ 7-2)
(2007/08)
アンドレ・ブルトン

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【概要】
シュルレアリスムの先導者、アンドレ・ブルトンが、精神分析学に基づき、様々な人物の小説・戯曲・詩等を集め、説明・紹介したアンソロジー。

【ネタバレなし感想】
なんでいきなり「2」なんだと思われるかもしれませんが、「1」も買ったのですよ。
ですが、「1」は読んでる途中でなくしてしまったのです。
なので、「2」の感想だけ書きます。

この本は、すごく難しかったです。難解!

紹介されている個々の作品は、「黒い」「ブラックだ」「毒がある」ということは理解できるのですが、どの辺が「ユーモア」なのか分りづらいものが多かったです。

そもそもこの本が定義している「ユーモア」が難しいんです。
以下、引用。

『ユーモアとは、自我が非常に悪い立場に置かれている時に、超自我に結びつく快楽の原理が、自我に結びつく現実の原理に対して行う一つの復讐である。』

む、難しいーーーー!
何言ってんだアンドレ。

素直に面白いと思ったのは、次の部分です。

『われらは自由兵、やって来るのは伍長殿。―自由バンザイ、バンザイ、バンザーイ!われらは自由兵。―忘れてはならないわれらの義務、それは自由でいることだ。もっとゆっくり行こう、でないと時間どおりに着いてしまう。自由、それは断じて時間どおりに着かないってこと―断じて、断じて!われらが自由の教練のため。そろって不服従だ…いや、そろってではないぞ!』

ピカソの書いたらしい文章が凄まじいです。
絵だけでなく、文章でも食べていけたんではないでしょうか。
たいへん個性的です。

テーマ:読んだ本 - ジャンル:本・雑誌

  1. 2008/06/30(月) 19:35:28|
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伊集院静「眠る鯉」

眠る鯉 (文春文庫)眠る鯉 (文春文庫)
(2005/12)
伊集院 静

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短篇集
【あらすじ】
花いかだ…守口喜一郎は、三十八年勤めた会社から、元会長の妻が危篤だという電報を受けた。
川宿…十五年前に鍛冶屋を廃業した斉藤清次は、画家の小嶋治輔に絵を習う。
う八…真次郎のは、背中を黒紫の斑に覆われ、死を感じた。
しぐれの実…祖父の一年目の命日に、祖母が亡くなった。
時計の傷…結婚五十五年目の夫婦の所に、孫から葉書が届いた。
ラビット君…四十四歳の那須征雄は、霧の中で、息子の幻を見た。
眠る鯉…池の岸で、重岡辰三、八十三歳の遺体が発見された。心臓麻痺だという。

【ネタバレなし感想】
登場人物の平均年齢が高いです。

七十歳越えの男性が、長年恋心を秘めていたり、昔の恋心を蘇らせたり、というストーリーが多めです。

「う八」は、最後にタイトルの意味が分るようになっています。

「ラビット君」は、ボクシングの話が出てくるので、他の作品とは毛色が違います。

「眠る鯉」の中で、若かりし頃の重岡辰三が「鯉になりたい」と一度だけ思う場面があるのですが、そこが印象的でした。

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  1. 2008/06/26(木) 04:02:55|
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矢口敦子「償い」

償い (幻冬舎文庫)償い (幻冬舎文庫)
(2003/06)
矢口 敦子

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【あらすじ】
元医師のホームレス日高英介(36歳)は、火事の第一発見者となった。
火事の一件以来警察と繋がりが出来、探偵役となった日高は、続発している殺人事件について調査していく。
ある日、日高が図書館で出会った中学生草薙真人(15歳)は、かつて日高が命を救った少年だった。
真人には、人の心の泣き声が聞こえるのだという。

【途中までネタバレなし感想】
帯には、「人の肉体を殺したら罰せられるのに、人の心を殺しても罰せられないのですか? 心に沁みる、ミステリの隠れた傑作。暖かい感動の輪が広がり、50万部突破!!」と書かれています。

裏表紙のあらすじは、結構後半の内容までネタバレしているので、読まない方がより楽しめるかと思います。

真人の、「女の子と見紛うような容姿」という設定が生きています。

ほんの脇役まで、ストーリーに密接に関わっていたりするので、気が抜けません。

【以下、ネタバレあり感想】
【“矢口敦子「償い」”の続きを読む】

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  1. 2008/06/18(水) 05:51:01|
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アゴタ・クリストフ「悪童日記」

悪童日記 (ハヤカワepi文庫)悪童日記 (ハヤカワepi文庫)
(2001/05)
アゴタ クリストフ

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【あらすじ】
戦争中、【魔女】と呼ばれる祖母に預けられた、双子の少年。
彼らは、「作文」をし、大きなノートに書いていった。
そのノートの中身こそが、本書である。

双子は、精神を鍛えたり、乞食の練習をしたり、盲と聾の練習をしたり、断食の練習をしたり、残酷なことの練習をしたりする。

【途中まで、ネタバレなし感想】
あとがきで、作者が女性だと知りました。
男性が書いた物だとばかり思っていました。

wikipediaによると、色々な酷い描写は、単に想像で書かれたのではなく、ある程度史実に基づいているそうです。(wikipediaを完全に信用するわけには行きませんが。)

本書の中では、地名や国名、時代をぼかしてありましたが、注釈によると、第二次世界大戦中のハンガリーが舞台で、ナチスドイツによるユダヤ人の迫害やジェノサイド(集団殺戮)、解放軍「ソ連」などの要素が描かれていたようです。

おっといきなり18禁。って感じの本でした。
健全な青少年にはオススメできません。
変態さんオンパレードでございます。

残酷描写もあります。
が、淡々と客観的な、まるで観察日記のような文章なので、グロ耐性がなくても読めてしまいました。

おばあちゃんのキャラクターが濃いです。
不潔で、かつて夫を毒殺をした疑惑があって、ノーパン主義者で、性格がひんまがっています。
そのわりに、仕事や家事はしっかりやっているようです。

主人公の少年達は、根は素直な子供なのだと思います。
その行動とは裏腹に、あまり、不良って感じはしません。
非常に大人っぽい、理知的な喋り方だからでしょうか。

【以下、ネタバレあり感想】
【“アゴタ・クリストフ「悪童日記」”の続きを読む】

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  1. 2008/06/16(月) 20:19:59|
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手塚治虫「漫画の奥義」聞き手・石子順

漫画の奥義   作り手からの漫画論 (知恵の森文庫 a て 1-4)漫画の奥義 作り手からの漫画論 (知恵の森文庫 a て 1-4)
(2007/12/06)
手塚 治虫石子 順

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石子順氏が聞き手となり、手塚治虫が漫画について語った本です。

戦前、手塚以前にも漫画が沢山あったのですね。

手塚先生は、幼い頃より様々な漫画を読んできたようです。
手塚先生の父親が、漫画を沢山所有しており、また、自身も漫画を描いていたそうです。
(手塚父は、手塚母へのラブレターに自作漫画を描いていた)

手塚「なぜ、漫画家の漫画評論がないのかっていうと、漫画の描き手が同時に評論家であるということは、ありえないことでもあるからなんです。
その一つには、ほとんどみんな、他の人の漫画を読んでいないからです。ですから、自分の漫画しか知らないんです。
 なぜ読まないのかっていうと、他人の作品を読むのは腹がたつということもあってね。他人の漫画を読んで“こんちくしょう”と、必ず思うわけです。“自分よりおもしろいものを描いてやがる”というコンプレックスと、それから同時に対抗意識があるからなんですよ。」

上記の一文を読んで、さすがは一部から「嫉妬神」と呼ばれているだけあるなぁと思いました。
(手塚先生が、絵の上手い人や、若い才能に嫉妬する様子から「嫉妬神」の呼び名がついたらしい。)

手塚先生が、いじめられっこだったという話や、戦時中のエピソードが語られていました。

チャップリン映画の影響を受けているそうです。

「のらくろ」の話題が多く出ていました。
私は、「伍長」と「小隊長」ともう一つ、あわせて3冊は読んだと思います。
この本で語られていた、初期と後期は読んでいません。
途中で、のらくろが軍隊を辞めていたとはしりませんでした。

手塚「ぼくは、漫画を描かないのは死んだと同じだと思うんだよ。」
   「ぼくなんて、ここで漫画を取り上げられて、死ぬまで描くなといわれたら、そこで死んだも同じですよ。」

手塚先生にとって漫画=人生と言いますか、漫画にかける想いが半端ありません。

気になった会話。
手塚「今の子どもが『キン肉マン』を見たりしても、子ども時代の消えない思い出とはならんでしょうな。」
石子「そうですね、『キン肉マン』などを見てる子どもが『キン肉マン』の真似をするかもしれないけれど、漫画家になろうなどとははたして思いつづけていくかどうか…。」
手塚「それだけのインパクトはないでしょう。時代がそうさせたということもありますから。」

ええー、キン肉マンは、いまだにグッズ出てますし、キン消しは人気ですし、しっかり子供時代の思い出になってる人も多いでしょうし、キン肉マン読んで漫画家になった人もいると思いますよ?

ちなみに、この本では、キン肉マンを完全否定しているわけではありません。
「一時代を作ったと言われる作品には、時代の先取りがある」例として、キン肉マンを挙げ、評価しています。

ブラックジャック執筆にあたり、毎回4つ以上のアイディアを出していたというのが凄いです。

この対談は、手塚先生が亡くなられた事で、途中終了しています。
手塚先生は、連載開始の際、最終回の結論をあらかじめ用意していると語っています。
それが、語られなかったのは残念です。

聞き手の石子氏が、対談で聞こうと思っていたけど、それが実現しなかったのは、以下のような事柄だそうです。
「新人漫画家とかれらの作品をどう思っているか」「“劇画”と呼ばれる分野を生み出した青年漫画家について」「美少女像はどこからだれの影響で生み出されたのか」etc...

大変興味深いです。むしろ、ここからが本題といった感じです。

本の内容と関係ないのですが、ページによって印刷が濃かったり薄かったり(と言うか、太字だったり細字だったり?)というのが、気になりました。

  1. 2008/06/15(日) 05:27:58|
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東野圭吾「さまよう刃」

さまよう刃 (角川文庫 ひ 16-6)さまよう刃 (角川文庫 ひ 16-6)
(2008/05/24)
東野 圭吾

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土産に貰った本。

帯には「正義とは何か。犯罪被害者の叫びを聞け。遺族による復讐を描いた社会派サスペンス。」と書かれています。

【あらすじ】
娘を蹂躙され死体にされた父親、長峰が、密告電話で犯人を知り、その一人を殺害する。
長峰は、娘の為に復讐を誓い、もう一人の犯人を追う。

【途中まで、ネタバレなし感想】
約500ページの長編ですが、サクサク読めました。

タイトルの刃というのは、正義を表しているようです。
読んでいると正義がどこを向いているのか分らなくなります。
正義が、さまよっているのです。

警察は、必ずしも正義を行えるわけではないようです。
法律の限界があります。

少年犯罪がテーマでした。
少年法は、主に罪を犯した少年の更正を目的に作られているようです。
そこに、被害者遺族へのフォローが、まるで存在していないのでは?遺族の怒りはどこに持って行けばよいのか?というのが、この物語で語られていると思います。

復讐鬼と化した長峰ですが、その性格は穏やかです。
やがて、長峰の協力者が現れます。(といっても、長峰には第二の殺人を犯さず、自首してほしいとも思っている。)
世論も警察までも長峰に同調・同情しているように描かれていました。
読んでいて、長峰に肩入れしてしまう部分はありました。
一方で、復讐や殺人は良くないという常識も当然だと思いました。
丁度、作中に出てきた世論調査の結果のような気持ちでした。

犯人の少年は、同情の余地なしな、幼稚な外道に描かれていました。

テレビ業界、週刊誌など、マスコミの裏側や汚い大人の世界が垣間見えました。

【以下、ネタバレあり感想】 【“東野圭吾「さまよう刃」”の続きを読む】

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  1. 2008/06/14(土) 16:46:08|
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明治の文学 第23巻「田山花袋」 編集・坪内祐三

田山花袋 女子高生とか好きだからー!

帯には、「女よりも男の方がラヴが生命だよ」と書かれています。
これは、作中のセリフです。

田山作品は「萌え文学」として紹介されているのを何度か見たので、この度読んでみました。

【あらすじ】
「少女病」…男は、電車の中で少女に見とれた挙句…
「蒲団」…文学者の男は、妻子ある身でありながら、女弟子に恋をしてしまった
「縁」…作者やその周囲の人がモデルとなった小説
    友人は、病に伏していた
「私のアンナ・マアル」…「蒲団」にまつわるエッセイ的なもの

【ネタバレなし感想】
あずまんが大王の木村先生風に言うと
「女学生とか好きだから!!」って感じのお話でした。

ただ、あとがきの解説によると、この作品で言う「女学生」というのは、ロリコン的な意味ではなく、「売春婦に対しての素人女」的な意味なのでは?ということです。

「縁」だけでなく「蒲団」も、作者と周りの人をモデルに書かれているようです。

「縁」の中で、すでに発表されていた「蒲団」の一節「妻がもし死んだら?自由の道が開けたら?」が、皆の頭を過ぎり、沈黙するというシーンがありました。
奥さん、気まずいですね。
その他、小説として発表したことが、現実に影響を及ぼしていることが書かれていました。

作中の女性たちは、皆性格が良いように思います。
が、作者の女弟子がモデルになっている「敏子」は、男で身を滅ぼすタイプのようです。
敏子の最後の行動が理解し難いのですが、現実にもこういう例が多いのだと思います。

女性、女学生、少女の魅力を語っている部分については、その精神的・内面的な点というよりは、主に外見や造形を描写しているといった感じでした。
あと、「惚れた女が他の男にとられるのが恨めしい」、「少女がいつか誰かの嫁になる日は、呪うべき日だ」などという感情が描かれていました。

「少女病」は、短いながら、少女観察の細かさ、その描写の巧みさ、そして、衝撃のラストまで、大変インパクト溢れる作品でした。

「蒲団」「縁」では、明治時代における「新しい女」「古い女」というものが描かれていました。
その分類の仕方は、現在とそう変わらないと思います。

外国語やカタカナ言葉が多かったです。
「陥落」と書いて「ロスト」と読ませたり、「人生」と書いて「ライフ」と読ませたりしていました。

「蒲団」「縁」と続いて、女弟子(実際のモデルがいる)を愛している男(作者がモデル)というのが書かれていましたが、解説には、「実際の作者は、弟子を愛しておらず、恋心は創作なのでは?」と書いてありました。
そこの所どうなんでしょう。
もし弟子への恋心が創作だとしても、田山作品を読んだ田山のリアル知り合いが気まずくなるようなストーリーだと思います。
特に、弟子本人と妻と子供が。
  1. 2008/06/12(木) 18:51:52|
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東野圭吾「怪笑小説」

怪笑小説 (集英社文庫)怪笑小説 (集英社文庫)
(1998/08)
東野 圭吾

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上の表紙画像は、私が読んだものと装丁が違います。

土産に貰った本です。
同じ東野ブラックギャグシリーズ(3部作?)は、「毒笑小説」「黒笑小説」と読んできたので、この「怪笑小説」は、ぜひ読みたいと思っていました。

毒笑小説 感想
黒笑小説 感想


【あらすじ】
短編集。
「鬱積電車」…電車内の人々は、各自、脳内で毒づいていた。
「おっかけバアさん」…老女シゲ子は、隣りの主婦からチケットを貰い、杉平健太郎(杉サマ)の歌謡ショーに来ていた。
「一徹おやじ」…父の夢は、息子をプロ野球選手にすることだ。
「逆転同窓会」…教師の同窓会に、ゲストとして生徒を招くことに。
「超たぬき理論」…飛ぶタヌキを目撃したことで、タヌキの超能力について研究することになる。
「無人島大相撲中継」…相撲中継をラジオのように再現できる男がいた。豪華客船で火災が発生し、乗客は、無人島に辿りついた。
「しかばね台分譲住宅」…分譲住宅の前に死体が落ちていた。
「あるジーサンに線香を」…若返りの実験を受けた、じいさんの日記。
「動物家族」…中学生肇の目には、人間が動物に見える。

【途中までネタバレなし感想】
面白かったです。
最後の一行でオチる系の作品が多く、大変好みです。
短時間で読めました。
登場人物の描写が、いい意味で品がなく、身も蓋もありませんでした。
シリアスな東野作品も良いですが、ブラックギャグもお勧めです。

【以下、ネタバレあり感想】
【“東野圭吾「怪笑小説」”の続きを読む】

テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学

  1. 2008/06/07(土) 17:48:18|
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小林多喜二「蟹工船・党生活者」

蟹工船・党生活者 (新潮文庫)蟹工船・党生活者 (新潮文庫)
(1954/06)
小林 多喜二

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土産として貰った本。

【あらすじ】
カムチャッカで操業する蟹工船では、乗組員が過酷な労働に従事させられ、資本家達に搾取されていた。

【ネタバレなし感想】
作者は、共産党員で左翼の人だったそうです。
この本に収録されている2作とも、共産主義的な話でした。

「蟹工船」は、個人の名前がほとんど出てこず、主人公も明確ではありません。
会話文が方言だらけでした。

ばっちい感じの描写が多いので、飲食店で読むのには向いていません。

「党生活者」は、非合法の共産党員である「私」が主人公です。

共産主義というものがなんであるのかよく分りませんが、この本を読む限り、「労働者の支配者階級への闘争」とかそんな感じらしいです。

謎の政治運動用語が出てきたので、読後、ネットで調べてみました。
今後使う機会のなさそうな言葉です。

小林多喜二が、拷問で殺されていたとは知りませんでした。

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

  1. 2008/06/05(木) 21:00:02|
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