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同人漫画サークル

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 感想

【途中まで、ネタバレなし感想】
エヴァの新作映画見てきました。
上映後、館内がどよめいていました。皆、いっせいにお連れの方々と話だしました。
映画館出てすぐはネタバレできませんから(これから見る人がいるから)、まずはその場で堰を切ったように思いの丈をって感じでしょうか。

私は、テレビ版と旧映画版を全部見たはずなんですが、10年経っていることもあり記憶が薄れています。
ですので、テレビ版との細かい比較はできません。

序は、TVの総集編+新要素という印象だったのですが、破は、え、こんなんあったっけ?見覚えないんだけどというシーンがほとんどでした。

私よりは、旧作エヴァに詳しい弟によれば、いくつかのシーンやセリフは、旧作でもあったものだけど、展開の順序が違ったり、似たシチュエーションでも配役が異なったりしているそうです。

アニメ制作の勉強など一つもしたことのない素人ですが、脚本、コンテ、動画、ともにあり得ないクオリティだったと思います。圧倒されました。
感動とも興奮ともつかない、昂揚した気持ちになりました。
どんな頭してたら、こんな話が考えられて、こんな絵が描けるんだ!という感じです。

エヴァンゲリオン各機の躍動感が半端ないです。

テーマ性を持ちつつ、終始楽しませハラハラさせてくれるエンターテイメント性に溢れた作品でした。
旧作や序を見ていなくても楽しめると思います。
死海文書とかゼーレの目的とか私もよく分ってませんが、そーいうの抜きにしても面白いです。

っていうか、アスカってこんなかわいかったっけ!?

エンドロール後もお見逃しなく!続きがあるよ!

【以下、ネタバレあり感想】
※破 未見の方は、絶対に見ないで下さい。面白さ半減どころの騒ぎじゃありません。







【食】
シンジの手作り弁当、アスカとレイの料理修業、赤い海を浄化するプロジェクトで泳ぐ魚、農園のスイカ、皆で食べるお弁当、ヒカリ委員長と昼ごはんを食べるアスカ、ミサトさんと加持さんの居酒屋談義、エヴァンゲリオン零号機を捕食し取り込む使徒…etc 全体的に「食」「食べること」というテーマが一本通ってました。

惣流改め式派・アスカ・ラングレーは、人と馴れ合ったり一緒にご飯を食べるのがあまり好きではないという設定になっていました。多分、旧作と違うと思います。もうちょい明るく人気者っぽかった気が。今作のアスカは、エヴァの中にしか居場所がないのです。

「食事」には、人と人を結びつけたり、料理で気持ちを伝えたりするコミュニケーション機能があります。
レイは、「誰かと(他のひとと)食事をすると楽しい?嬉しい?」とゲンドウに問います。
ゲンドウは「ああ…」と答えます。
楽しいんか!ゲンドウ。碇指令全然楽しそうに見えないんですけど。

シンジくんは、手作り弁当を作り皆に振舞うなど、家庭的でお母さんみたいでした。そして、旧作より若干穏やかでフレンドリーかなぁと思いました。(TV版でも弁当作ってましたがよりパワーアップしてました。)

レイとアスカは、慣れない料理で包丁傷をいくつも作りました。
アスカは、「馬鹿シンジにはこのくらいの味がいいのかな?」とか言って作ってますし、レイにいたっては、一緒に居るとポカポカする碇君に、お父さん(碇指令)と仲直くしてもらって、碇君にもポカポカになってほしいという思いやりから料理をはじめるのです。ほほえましい。
レイの「ポカポカ」はアスカに言わせれば「それって好きってことじゃない」ってことでした。
女の子が好きな男の子を喜ばせたくて料理をはじめる。
ラブコメの王道、というかもはやベタとも言っていい、それでいて、とってもニヤニヤな展開です。

レイは、アスカとシンジとゲンドウとミサトさん(?)に手作り料理食事会への招待状を出します。
この子が、他人の為にこんなにがんばるなんて!ええ子やないの!クラスの人に「おはよう」も言えるようになったしね!「ありがとう」も言えたしね!

と、ポカポカしていたところ、事態は急変。
アスカの乗った参号機が使徒に乗っ取られて(?)暴走。お食事会はお流れになってなってしまったのです。
うわーん、綾波かわいそうー。綾波の優しい気持ちはどこにやったらいいんだー。

ほのぼの日常生活を見せられた分、その後の展開は、大変悲痛なものでした。
いくらなんでもどん底に突き落としすぎですわ。

「食べる」ということには、コミュニケーションや栄養補給の他に、別の側面もあります。
食べる、特に、肉食の場合、それは、他のいきものの生命を奪うということを意味するのです。
その残酷さと自然の厳しさ恐ろしさを、この映画でまざまざと見せ付けられました。
エヴァ零号機を捕食する使徒とか怖すぎでした。レイが喰われたー!使徒の体が巨大なレイになったー!
あと、初号機がアスカの乗った参号機を喰ってませんでした?
TV版の「使徒を喰ってる…!」のシーンは、初めて拘束具が外れる時とほぼ同時でしたよね。
あれも相当衝撃的でしたが、今回は、エヴァの共食いですよ。より残酷感が増してました。

上映後、チキンカレーを食したのですが、その間ずっと、破の食事・捕食シーンが頭をよぎってました。

【父と母】
シンジは、父さん=ゲンドウに誉めてもらい、認めて欲しかったのです。
使徒殲滅後、ゲンドウから「シンジ よくやった」と言われ、本当に嬉しかったのです。
しかし、アスカを殺すよう命じた父など、もやは尊敬することも信じることはできなくなりました。
嫌悪感を露にし、エヴァへの搭乗を拒否します。
ここらへん、シンジ君と言うと真っ先に思い出すウジウジ期です。

シンジ君のよく聞いているカセットウォークマン。あれ、時代設定にしては、型が古い携帯音楽プレイヤーだよなぁと、10年前も思ってましたが、これは、元々ゲンドウのものだったようですね。
シンジ「これで耳を塞いでいれば、嫌な世界から父さんが護ってくれる気がしたんだ」
レイの持つ眼鏡がゲンドウ=父的な想人的な?を象徴するように、シンジのウォークマンもまた父性を表していたのです。
父に失望したシンジはウォークマンを捨てましたが、それをレイが拾い自らのコックピットに持ち込みました。
うう、レイは優しい子だよ。

ミサトさんの十字架ネックレスは、セカンドインパクトで死んだらしい父の形見っぽいですね。これは、旧作通りだったような。
そして、アスカの人形。あれは、精神を病んだアスカの母が、アスカだと思い込んでいた人形ですよね。旧作だと。これは、お母さんと自分両方の象徴だと思われます。

親と子の繋がりをフューチャーした作りでした。

【旧作との違い】
いかんせん旧作の記憶が曖昧なもんですから、間違ったこと書くかもしれません。
あらかじめお断りしておきます。

真希波マリという全くの新キャラクターが登場します。
彼女は、エヴァのザ・ヴィースト(ビースト)モードなど、エヴァの操作を他のパイロットより熟知しているようです。
「赤縁眼鏡をかけていて、語尾ににゃあをつけるなど、イケてる腐女子って感じ。」(by 一緒に観た私の弟)
他のチルドレンと違い、エヴァに乗る意義に悩んだりしてません。そもそも乗る事に意味を求めてすらいない感じです。
戦い方は、大変豪快です。
ヨーロッパ機関の大人達は彼女を利用していますが、真希波もまた大人達を利用しているようです。
彼女が何を企んでいるのかは、まだ、謎に包まれています。

参号機のパイロットがTV版のトウジからアスカに変更。
自ら参号機のテストパイロットに志願したアスカでしたが、試運転中なんやかんかでエヴァ暴走。
ゲンドウは、アスカの乗ったエヴァを使徒とし、それを倒すようシンジに命じます。
エヴァVSエヴァ。
人型同士の上に、両者に人が乗っているので、それはもう悲惨です。
「あれにはアスカが乗ってるんだよ!そんなことできないよォ!」
そのように叫び戦うことを拒否するシンジでしたが、システムがダミーに切り替えられ、初号機が獣っぽい感じに変貌。
ダミーシステムってこんなのでしたっけ?コックピット内の見た目が変化しました。
初号機は、アスカの乗った参号機の首を絞め、ぼっこぼこに攻撃、アスカの入ったエントリープラグを握り潰しました。いや、噛み砕いたんですっけ?
シンジは「止まれ止まれ止まれ!」とコックピット内でガチョガキョ操作しましたが無駄でした。

渚カヲルの早期登場とエヴァ搭乗。
月面基地かどこかで、宇宙服も着ずに座るカヲルくん。
それを観たゲンドウと冬月は
「人か?」「まさか」という会話をします。
…そんだけかい!もっと良く見ろよ!興味持てよ!宇宙に人いるんだで!?
カヲルくんの言う「お父さん」っていうのは、ゲンドウがシンジの父だから、はじめましてのご挨拶という意味でしょうか。自分の父ってことはないですよね。
ラスト、黒いエヴァンゲリオン(多分6号機)にプラグスーツを着たカヲル君が搭乗しています。
そして、意味深なセリフを。
「碇シンジ 今度こそ 君だけは幸せにしてみせる」
ループものってことでしょうか?
テレビ版、旧映画版、貞本漫画版を含めて、何度も繰り返した、しかし、毎回少しずつ異なるパラレル世界。
カヲルくんは、その全てを見てきた。それでも、シンジ君はバッドエンドを迎えることしかできなかった。
ならば次こそ…!っていう?
真相は、次回Q以降を待ちましょう。

一旦腐ったシンジ君が自分の意志でエヴァに乗る。
もしかしたら、旧作でもこういうのあったかもしれませんが覚えてません。
今作のシンジ君は、すごくヒーローっぽいし主人公らしかったです。
「僕は、エヴァンゲリオン初号機パイロット!碇シンジです!」(TVでもあったかも?)

レイの代わりはいない。
レイの「私が死んでも代わりはいるもの」という有名なセリフは今回も健在でした。
しかし、シンジはそれに対して「綾波は綾波一人だよ!代わりなんていない!」と力強く宣言し、使徒に取り込まれたレイを救出しようとします。
「綾波を返せぇええええ!!!」
うおお、熱い、熱過ぎる。
取り出されたレイ。抱き合う二人の姿(精神的な魂の体?イメージ映像?)が感動的でした。

アスカが加持さんLOVEじゃない。
少なくとも今作では、加持さんに対する好意は描かれていませんでした。

初号機、ネルフ本部に蹴りを入れて駄々をこねる。
このシーンは、はじめて見た気がします。

【街、背景】
なんか、凄い描き込んであって、凄い動いてました。
無意味にゾクゾクしました。
エヴァダッシュ時に、カーブ用の道が出たり、踏み台用のビルみたいのが出たりしてました。
予め用意してあったシステムなんでしょうね。でも、何のために?w
メカッぽく未来的な部分も良いのですが、昔ながらの懐かしい風景や自然も、とてもよく描けています。

【使徒、戦闘】
使徒がどれもすっごく強くて、以前はこんなに苦戦したっけ?って感じでした。
デザインも新しい気がします。
生き物のような機械のような、予想不可能な変形や動きをします。

エヴァ三体による使徒を素手でキャッチ作戦。
クラウチングスタートからの疾走、そして、ハードル越え的ジャンプ。
そのスピード感や巨大感が凄まじいです。かっこよ過ぎです。
わくわくと心躍りました。
TV版ではただ落ちてくるだけで、結構あっけなく倒してましたが、破ではめっちゃ強くなってました。
エヴァ三体でようやく倒せた感があります。

レイを取り込んだ使徒って、TV版で初号機に食べられたやつですっけ。これまた、激強くなってました。

アスカの弐号機登場シーンは、テレビ版とは異なりました。
マントみたいな布はしてませんでした。
アスカの初戦は、実に爽快でした。

【ストーリー構成】
しょっぱなから戦闘。いきなりクライマックスで、観客を引き込みます。
日常パートと戦闘パートの切り替えやテンポがとても良かったです。
所々に謎めいた要素が入ってきます。
飽きさせない内容でした。
明るさと暗さ、柔らかさとハードさの落差が激しくメリハリが利いてました。
前半見てて、「庵野秀明も年取って少しは丸くなり、人間愛に目覚めたかなぁ」と思ってたのに、後半の鬼畜ぶりったらなかったよ!
あんた、頭おかしいよ!いい意味で!

【音楽】
おなじみの戦闘BGMの他、本来なら戦闘にそぐわないような童謡系の曲も使われてました。

「いつまでも絶えることなく友達でいよう 今日の日はさようなら また会う日まで」(ちょっと、伊集院光さんの深夜馬鹿力を連想しかけたけど、それどころじゃなかった)
友達同士で首の絞め合い喰らい合いで、この曲はあまりに残酷。
映画「博士の異常な愛情」等、似たような例はいくつもありますよね。超悲惨な場面で変に明るかったり穏やかだったりする曲が流れるという。
「博士の~」の場合歌詞も似てました。「また会いましょうー」みたいな。もう絶対会えないよ!っていうシーンで。


「翼をください」
エヴァにほんと翼生えたっぽいですよ。頭に輪っかまでつけて、人間より神に近いものに進化したようです。
この曲って、病気で余命いくばくもない子供視点の歌でしたっけ。
サードインパクトで世界が終わりそうらしいです。まあ大変。

365歩のマーチ「幸せは歩いてこない3歩進んで2歩下がる」
真希波は、どうしてこんな古い歌知ってるんでしょうか。

ミサトさんと加持さんの居た居酒屋でも古い演歌か歌謡曲かかってましたね。

【サービスサービスゥ】
萌えがパワーアップしていたように思います。

眼鏡っ娘、真希波の巨乳。
アスカのパンツやお尻、胸の谷間の繊細にして大胆な描写。
裸エプロンに近いアスカ。(下着エプロン?水着エプロン?)
アスカの全裸。その一部をナイスディフェンスする小物達。
恋する乙女たちの初々しさ。
加持×シンジのキス未遂。そして、デートのお誘い。愛に性別は関係ない。(これは、TVでもあったかも)
ミサトさんのだらしない大開脚寝相。(かえって萎え?)
アスカの華麗な蹴り。
アスカの縞パン。(だったと思う)
孤独に慣れ親しんでいたはずのアスカの心境変化。
「見えすぎ」なアスカのプラグスーツ。

【小島よしお】
シンジ「でも…そんなの関係ないよ!そんなの関係ないよぉ!」
激シリアスかつ鬼気迫るシーンなのに、不謹慎にも「っでも そんなの関係ねぇ!」を思い出してごめんなさい。

【声】
声優さん達、お疲れ様です!
素晴らしい熱演でした。
絶叫も、コメディ部分も、微妙なニュアンスのセリフも素晴らしかったです。
年齢を重ねても、声がお若い。さすがプロ。

【予告】
アスカ黒い眼帯してましたね。よかった、生きてたんだ…。しかも、表情が生き生きしてる。廃人モードじゃない。
そういえば「一命は取り留めましたが、精神汚染が」とかいうセリフがあったような。あれ、アスカのことだったんですね。
アスカは死んだとばかり思ってました。
あんだけ萌えさせ感情移入させといて即行殺すなんてドS過ぎる!とか勘違いしてました。
って、実はやっぱり死んでて、あれは3人目のアスカとかそういうことはないですよね。

レイとシンジ君は、エヴァの中で溶けたっぽいですね。無事、サルベージできるとよいのですが。

カヲル君の活躍に期待。

【その他、全体的感想】
アニメって凄い…!と改めて感じました。
様々な部分で、実写映画ではできない表現をやってのけてると思います。

破までは、分りやすく(このアニメ世界における)現実を多く扱っていました。
この先は、設定の消化や精神世界の描写に重きが置かれたりするんでしょうか。
このままの路線で行ってくれると楽しいです。
と言っても、精神攻撃や内面描写もすごく面白いですけどね。エヴァの真骨頂の一つですしね。

最終的にちゃんと収拾がつくのか若干心配ですが、なるようになれ!精神で続編を待ちます。
話が崩壊したら、それはそれでエヴァらしいです。
  1. 2009/07/12(日) 01:19:11|
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