野良箱

同人漫画サークル

カミュ「異邦人」

異邦人 (新潮文庫)異邦人 (新潮文庫)
(1954/09)
カミュ

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【あらすじ】
ムルソーは、母親が死んだという電報を受け養老院に向かった。
門衛に勧められるまま、大好きなミルク・コーヒーを飲んだ。
埋葬の時には涙を流さなかった。
その翌日、海水浴に行き、恋人の女と関係を持ち、喜劇映画を見た。
ムルソーは、ある事件を起し、裁判を受けることになった。

【ネタバレなし感想】
「私」=ムルソーを女性だと思って読み始めました。
「主人」というのを、夫・旦那だと捉えてしまったのです。
実際には、仕事上の上司とか雇い主とかいう意味の模様です。

ムルソーが恋人のマリイとイチャついているシーンを読んでも、「夫がいるけど、女性も好きなバイセクシャル」なのだと勘違いしてました。

裁判は、ムルソーの引き起こした事件よりも、彼自身の在り方に焦点が当てられていました。

ムルソーも自覚していますが、彼は、気持ちや心より、肉体的な感覚や衝動で動くことの多い人物です。
「マリイを愛していて結婚したい」ではなく「彼女に欲望を感じる」、「母親が死んで悲しい」ではなく「葬式で疲れた、やっと寝れる」なのです。
著者解説を参照すると、ムルソーは、非人間的なのではなくて、自分に正直で、周囲の人に対して演技をしていないだけなのだと取れます。
果たしてそれが罪になるのか。って所が大事な話なのでしょう。

犯罪の理由を聞かれて「太陽のせいだ」と答えた。このやりとりはどこかで聞いたことがありますが、この物語が元ネタなんですかね。

サラマノ老人は、スパニエル犬に対してツンデレ過ぎると思います。
もう少し優しくしてあげても良いのでは。

最初の方は、「われわれは、●●した。■■が、●●とは見えなかった。私は、●●だと感じた。」という感じで文体が固く淡々としていて、これは、日本語版がやや直訳っぽいせいなのかと考えていましたが、後半、流れるような文章になっていたので、原文の雰囲気を活かして訳すとこうなるのかなと思い直しました。

裏表紙のあらすじは、結末までネタバレしてますので、初見の方は要注意です。

テーマ:感想 - ジャンル:本・雑誌

  1. 2009/07/04(土) 00:39:50|
  2. 読書感想文(小説)

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