野良箱

同人漫画サークル

アニメ「電脳コイル」感想

電脳コイル (1) 通常版 [DVD]電脳コイル (1) 通常版 [DVD]
(2007/09/25)
折笠富美子.桑島法子.矢島晶子

商品詳細を見る

TVシリーズ放送時、リアルタイムで何話か見ていたものの、全体のストーリーは把握していませんでした。
最近、レンタルDVDで通して見ました。

ふおおお、よ、よくできてます。
キャラクターや世界観、小物、ストーリーが大変作りこまれていました。
うまい。うますぎる。
作画が一度も崩れず、ハイクオリティな作品でした。

オープニングとエンディングの絵や歌詞が、かなり重要なポイントを示していました。

神社の多い歴史が残る街で、近未来的な電脳空間を扱う話なのがとても面白かったです。

メガビ(メガネビーム)やメタタグ(札)、暗号、メタバグ、電脳ペット、コイル探偵局など子供の好きそうな要素が満載ですが、内容的には大人向けな部分もあったと思います。

都市伝説が効果的に使われていました。
科学とオカルトの融合です。

基本的に登場人物は全て眼鏡をかけています。
視力矯正の為ではなく、メガネを通すことで電脳世界を見、また、さまざまな操作を行っているのです。
メガネの描き方というか省略の仕方が独特なので、眼鏡好きの人が見ても萌えないかもしれません。
メインキャラクターは、小学生の女の子です。

ヤサコの初恋の人「4423」の正体とは?
イサコ様がキラバグを集める目的とは?
都市伝説のミチコさんって誰?
などなど、続きが気になりまくって一気に見てしまいました。

伏線の張り巡らし方と、その回収の仕方が大変お見事でした。

総集編が単なる既存シーンの切り貼りに終わらず、物語の中で重要な役割を持っていたのもうまいです。

【以下、ネタバレあり感想】

最初、イサコ様の強気で偉そうな面ばかり見せられていたので、はじめて「お兄ちゃん」と言った時はイメージと違って驚きました。
「もうすぐ、お兄ちゃんが帰ってくるんだよ」とのことでしたが、兄ノブヒコはとっくに死んでいたのでした。
兄の死を知らされ号泣するイサコ様がかわいそうでした。
イサコ様は、兄の精神が「あっちの世界」に行ってしまったと思っていたのです。
肉体は、まだ生きているものと。

ヤサコの初恋の人「4423」は、イサコ様のお兄さんであるように描写されていました。
しかし、実際には、「4423」はイサコ様本人の患者番号だったのです。
これにはびっくり。全く予想していませんでした。

ヤサコが幼い頃に「4423」と名乗る少年と出会った鳥居のたくさんある階段は、現実世界ではなく、イサコ様の心を癒すために作られた治療空間だったのですね。
どうりで、探しても見つからないはずです。
治療空間の中のお兄さんは本物ではなかったのです。
本人は、空間の作られる前に事故でなくなっているので。

黒くて背の高い人型イリーガル(に見える)「ヌル」の正体は、ヤサコのおじいちゃんでした。
電脳体を分離して治療空間に入り、そのまま帰らぬ人となったのです。
「私は4423を探している」おじじは、イサコ様を探していたのですね。
はあー、全然気づかなかった…。

おじじとおばばが明るい性格で助かりました。
おばばは、タマコおばさんの引き起こした事件のせいてそれまでの記憶が飛んでいます。
これは、かなり悲惨なことだと思うのですが、おばばはコミカルに振舞っていたので、話が重くなり過ぎなくて済みました。

都市伝説のいう「あっちの世界」は、イサコ様の治療空間が変質したものであり、また、「ミチコさん」というのは、イサコ様とヤサコの「初恋」という感情が生み出したイリーガルだったのです。

初恋をこんなにドス黒いものとして描いた作品は、初めて見ましたよ。
その発想はなかった。
二人とも、「わたしのお兄ちゃん」という感覚だったのでしょうね。
だから、幼い心に独占欲や嫉妬などが起こったのでしょう。

サッチーは、のどかな顔をしている割に、ばんばんビームを撃ってきて電脳ペットを殺してしまったり、メガネを壊したりしてくるので怖かったです。
しかし、最終的にはヤサコの乗り物となって活躍してくれました。
サッチーがあちこちの古い空間を書き換えるのは、人々が「あっちの世界」に迷い込む隙を与えず、電脳メガネによる事故を繰り返さない為だったようです。

この作品は、外国でも受けそうです。
お祭りや神社など、日本の伝統的な面が描かれているので。
ただ、電脳メガネが壊れた時の「お年玉2年分」という感覚が、向こうの人にも分るのか気になります。
海外にもお年玉の習慣はあるのでしょうか。

玉子おばちゃんは、本気でハラケンのことが好きな気がします。
「死人になんてあなたを渡さない」みたいなセリフがありましたし。
ガチ?

ハラケンが初めてサッチーに「待て」「お手」をした時は、ふおおおおおおおとなりました。
ハラケンのペットがサッチー!?って感じでかなり驚愕、そして、わくわくでした。

「フォーマットしています」「管理外ドメイン」「停止」「NO DATA」という文字など、電脳空間の描写はCGでしょうか。
とてもかっこよかったです。

最終回手前では、メガネを否定します。
「手で触れるもの、形のあるものだけが本物だ。」
それがオチやテーマだとしても子供向けアニメとして良く出来ているのに、この作品はその上を行っていました。
手で触れられないもの、例えば、電脳ペットのデンスケは、そして、この胸の痛みは偽物なのか?
否!
それもまた本物なのです、という感じで。
形がないけれど偽物ではないものの代表例は、「心」でしょうね。

「胸の痛みがある方向に出口がある。」というのは、何かに行き詰った時や道を見失った時に思い出すと良い言葉だと思います。

見てよかったアニメです。
凄く面白かったです。
  1. 2009/05/29(金) 21:24:57|
  2. 未分類

FC2Ad