野良箱

同人漫画サークル

ロバート・A・ハインライン「夏への扉」

夏への扉 (ハヤカワ文庫 SF (345))夏への扉 (ハヤカワ文庫 SF (345))
(1979/05)
ロバート・A・ハインライン福島 正実

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【あらすじ】
1970年、ダンは恋人と親友に裏切られ、愛猫ピートと共に冷凍睡眠(コールドスリープ)することにした。

【途中まで、ネタバレなし感想】
6歳の女の子と、ゲームとはいえ結婚の約束をする大人って。
紫の上(若紫)状態ですね。

猫のピートが喧嘩強いです。鳴き声が可愛いです。

ロボットが生活に入り込んでいる世界を描いています。
タイプライターのキーボードを使って大きな図面を描く製図機というのは、未来予想として良い線突いてると思います。

SFの世界と違って、1970年の服も2000年の服もそんなに変わってませんよね。

タイムパラドックスを扱っており、恐らく後の「時をかける少女」や「涼宮ハルヒの憂鬱」「バックトゥー・ザ・フューチャー」に続くタイムトラベルものの基礎になっているだろう作品でした。
(夏への扉以前にも、タイムスリップものの作品は沢山あるらしい。)

【以下、ネタバレあり感想】

ダンは、1970年からコールドスリープに入り、2000年に蘇生、そこで数ヶ月を過ごし、タイムマシンで1970年に戻りました。そこから再びコールドスリープし、2000年へ。
リッキィと結婚しました。

リッキィもダンより数年後にコールドスリープに入っていたため、結果、二人の年の差はそれほどなくなりました。

ダンが最初に2000年に目覚めた時に起きていた、いくつかの不自然な点は、タイムマシンで1970年に戻った自分の行動によるものでした。
ダンがベルにゾンビー・ドラッグを打たれてぐったりしていた時、窓の外にも未来から来たダンがいたことになります。
未来での記憶をしっかり持ったまま、その通りの行動を取ったダンですが、一歩間違えていたら、さらに歴史が変わっていたのでしょうね。
冷凍場(サンクチュアリ)から、蘇生したリッキィを連れ出したのは、2度目のコールドスリープを経たダン自身でした。
ここら辺の流れは、タイムマシンの存在を知ったので大体の予想がつきましたが、考えうる限り最高のハッピーエンドだと思います。
ダンとリッキィが結婚して、二人でピートの世話をするというのは、ダンとリッキィが出会った頃からの約束でしたから。
私の予想が間違っていた点があります。
それは、ダンは過去に飛んだあと、リアルに30年を生き、歳を取ってからリッキィと再会するのだと思ったのです。
まさか、2度目のコールドスリープに入るとは。

無理やりコールドスリープに入らされたことで、猫のピートと引き裂かれてしまったダンですが、また会えてよかったです。
コールドスリープ中にピートが死んでしまうのではないかと心配でした。

家電等機械を扱う会社は、技術と経営両方が無ければ成り立ちません。
ダンは一貫して技術畑の人間として描かれていました。

ハイヤード・ガールを文化女中器と訳してました。
女中って言うと和風に感じますが、お掃除メイドロボだと、これまた何かが違います。
女中やメイドという程、形状が人間に似ているわけではないようです。
ハイヤード・ガールとだけ書いてあったら、イメージが湧きにくかったと思います。
現代だと、文化女中器に近い自動掃除機ありますよね。
センサーで物を避けて、自分で充電するやつ。

本作品は、タイムマシンとコールドスリープの2段構えでした。
涼宮ハルヒシリーズでもそれに近い展開がありました。
3年前にタイムスリップして、3年凍結されて目覚める、みたいな。

タイムマシーンで、過去に行けるか未来に行けるかは確率半々というのはギャンブルですね。
飛んだ先で最初に出会ったサットン夫妻は、ヌーディストなので服を着ていませんでした。
だから、ダンには、自分がいるのが未来なのか過去なのか分りませんでした。
笑えました。

1970年のある日、ダンが二人同時に存在し始めたその起点を考えると頭がグルグルしてきます。
1回目のコールドスリープをする前から、未来から来たダンがいる事になってしまうわけで…。

テーマ:SF小説 - ジャンル:本・雑誌

  1. 2008/11/22(土) 22:58:31|
  2. 読書感想文(小説)

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