野良箱

同人漫画サークル

伊坂幸太郎「魔王」

魔王 (講談社文庫 い 111-2)魔王 (講談社文庫 い 111-2)
(2008/09/12)
伊坂 幸太郎

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【あらすじ】
会社員の安藤は、弟の潤也と暮らしている。
安藤は、自分の思ったとおりに他人を喋らせる能力があることに気づく。
彼は、これを「腹話術」と名づけた。
カリスマ的な政治家犬飼が人気と話題を集めていた。

【途中まで、ネタバレなし感想】
「少年サンデー」で連載中の、「魔王 ジュブナイルリミックス」からポロロッカ(逆流)して、原作小説を読んでみました。

漫画版の感想に触れているエントリーは以下の通りです。
最近、サンデー「魔王」の潤也が面白い
小説「グラスホッパー」の感想と漫画版「魔王」感想(小説「魔王」とはほぼ無関係)
ゲッサンで魔王ジュブナイルリミックスの蝉スピンオフ(小説「魔王」とはほぼ無関係)

漫画と全然違う!!安藤の年齢からして違います。
漫画の方は、オリジナル展開しまくっているのだということが判明しました。
それでいて、キメ台詞は外さないと言いますか。
原作付き漫画の枠を超えていると思うので、小説既読の方にも新鮮な内容だと思います。

小説版を読み終えて。
どうして「サンデー」という少年誌で、これをコミカライズしようという企画が持ち上がったのか、ものすごく謎です。
少年漫画にしようがないストーリーなので。
実際にはバリバリの少年漫画になっているのが、奇跡だと思います。


【以下、ネタバレあり感想】






2008/10/18現在、サンデーでは、安藤亡き後の弟、潤也のストーリーが展開されてます。
今後の展開が気になって、原作本に手を出したわけですが、あまり参考にならなそうです。
漫画の潤也は、競馬のできる年齢ではないので、全く別の話になる可能性が大です。

潤也は、貯めた金をどう遣おうとしているのかわからないまま終幕でした。
ここで終わり!?とびっくりです。

話のテーマとしては、洪水を止められなくても大きな流れの中で立ち続けること、対決していけば世界は変わるかも、ということにについてを安藤兄弟を通して語っていたのだと思います。

犬飼が、本当に間違った方向に民衆を導く魔王なのかどうか、作中でははっきりしなかったと思います。
この後、大暴走するのかもしれませんが、今の所は、結構まともな政治家に見えます。
このまともに見えるって所が危険なんでしょうね。

犬飼を襲った人や安藤が脳溢血で死んだのは、ドゥーチェのマスターの能力っぽいですね。
だとすると、なぜ、犬飼を守ることをやめたのでしょうか。一旦休んだだけ?

反戦主義者や平和主義者が馬鹿にみえる現象。
なんなんでしょう。実際そういう風潮ありますね。

宮沢賢治の「だめでせう とまりませんな がぶがぶ湧いてゐるのですからな ゆふべからねむらず血も出つづけなものですから (中略)あなたの方からみたらずゐぶんさんたんたるけしきでせうが わたくしから見えるのは やっぱりきれいな青ぞらと すきとほった 風ばかりです。」
は、ロックですね。「はっぴいえんど」の「はいからはくち(肺から吐く血とハイカラ白痴のダブルミーニングらしい)」に通じるものを感じます。

安藤が死ぬ際に、上記の詩が引用されるのは、漫画でも同じでした。
ここの構成、演出、フォントのでかさが素晴らしくてですね、非常にインパクトある、印象的な画面になってました。
漫画ならではの表現といいますか、良かったです。
最後、小説じゃなく、漫画の感想になっててすいません。
魔王 1―JUVENILE REMIX (1) (少年サンデーコミックス)魔王 1―JUVENILE REMIX (1) (少年サンデーコミックス)
(2007/11/16)
伊坂 幸太郎

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  1. 2008/10/18(土) 07:38:07|
  2. 読書感想文(小説)

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