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同人漫画サークル

レイモンド・チャンドラー「長いお別れ」(原題:THE LONG GOODBYE)

長いお別れ (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 7-1))長いお別れ (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 7-1))
(1976/04)
レイモンド・チャンドラー清水 俊二

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【あらすじ】
私立探偵フィリップ・マーロウは、酔いつぶれた男テリー・レノックスと知り合い、友達になった。
レノックスは、妻(資産家ハーラン・ポッターの娘)を殺した容疑をかけられ、マーロウの手を借りてメキシコに逃亡した。
レノックスは、罪を告白する手紙を残し自殺した。
ある日、レノックスからマーロウ宛ての手紙が届いた。
そこには、「事件についてもぼくについても忘れてくれたまえ。だが、その前に<ヴィクター>でギムレットを飲んで欲しい。それから、こんどコーヒーを沸かしたら、ぼくに一杯ついで、バーボンを入れ、タバコに火をつけて、カップのそばにおいてくれたまえ。それから、すべてを忘れてもらうんだ。テリー・レノックスのすべてを。それでは、さよなら。」と書かれていた。
マーロウは、レノックスの無実を信じている。
マーロウは、別件の探偵仕事をするなかで、再びレノックス事件に関わっていく。

【途中まで、ネタバレなし感想】
上記のあらすじの部分に進むまでに、100ページくらいかかります。

ジャンルとしては、ハードボイルド小説、推理小説、に分類されるようです。
酒と女とタバコに関する描写が渋いです。

人間関係がかなりこんがらがっています。
ロマンス要素もあります。

400ページ過ぎたあたりからが、特に面白かったように感じます。
一部、話に頭が着いていかない箇所がありましたが。アクションシーンのあたり。
後で、もう一度読み返して見ます。登場人物が多いので、少々混乱しました。

そして、500ページ過ぎでびっくり展開をみせます。

【以下、ネタバレあり感想】





レノックス事件の真犯人が明らかになった後も、テリー・レノックスの死は、本当に自殺だったのか、それとも他殺だったのか、はっきりしないまま、ラスト付近まで来ました。

そこで唐突に現れた新キャラクターが、スペイン人らしき男、シスコ・マイオラノスです。
マイオラノスは、レノックスの自殺したメキシコのホテルに雇われていて、当時現場にいたというのです。
マイオラノスの話を聞いた後、探偵マーロウは、レノックスは生きている、告白をほんとらしく見せるために自殺を装ったのだ、マイオラノスは、最初から部屋の中にいて、手紙を書いていたのだと言いました。
ここを読んで、は!?どいういうこと!?と思いました。
そこで、マイオラノスは色眼鏡を外して「ギムレットにはまだ早すぎるね」と言いました。
マイオラノスは、整形したテリー・レノックス本人だったのです。
びっくり。微妙に叙述トリック?と思いましたが、映像で見ても、マイオラノスとレノックスが同一人物だと分らないのだから、トリックにはあたらないんでしょうね。

マーロウとレノックスは、物語の最後でさよならをし、以後会う事はなかったようです。

「長いお別れ」というタイトルは、マーロウが、自殺してしまった友人レノックスと永遠に会えないことを表しているのかと思っていた。でも、違いました。
再会後の最後のさよならも、確かに長いお別れなのですが、メキシコへの逃亡を手伝ってから、再会するまでの間を「長いお別れ」と呼んでもいいと思います。
「さよなら」が「長い」って感じで。

ネットで「長いお別れ」について検索したら、物語の終盤、マイオラノスことテリー・レノックスが言った「ギムレットには早すぎる」という言葉は、とても有名で、名台詞の一つとされているそうです。
ただ、主人公の探偵マーロウが言ったのだと間違えて覚えている人が少なからずいるのだそうです。

色眼鏡を外したマイオラノスについて、「人間の眼の色は誰にも変えることができない」と書かれています。
このことが、彼がテリー・レノックスであることを示しているのですが、今だったら、カラーコンタクトで簡単に変えられますよね。
この作品が発表された1953年には、まだなかったんですね。カラコン。

殺されたジルヴィア・レノックスの顔が、誰だか分らなくなるくらい潰されていたということで、「こ、これは、きっと、別の人間の死体なんだ!レノックスの妻は本当は生きているんだよ!」などと推理したのですが、大はずれでした。

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

  1. 2008/10/14(火) 00:47:09|
  2. 読書感想文(小説)

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