野良箱

同人漫画サークル

舞城王太郎「みんな元気。」

みんな元気。 (新潮文庫 ま 29-2)みんな元気。 (新潮文庫 ま 29-2)
(2007/05)
舞城 王太郎

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長編(中篇?)1本と短編2本。
【あらすじ】
「みんな元気。」…目を覚ますと、隣で姉が浮かんでいた。
「Dead for good」…友達の兼増のサディズムは果てしない。
「矢を止める五羽の梔鳥」…山火事と避雷針と連続殺人事件。

【ネタバレなし感想】
「ふすう」「はぐぅ」「ふぇたふぇた」など変な擬音が沢山出てきました。
物語の中の時間の飛び方が異常です。
小学生目線で話を進めてると思ったら、19歳を過去形で語ったり。
なんじゃこりゃ。
悪夢のような小説です。

3作とも猟奇的表現を含みました。最近、若干耐性ができてきましたが、まだまだグロが苦手です。
文章ならまだしも、映像や画像は、絶対無理です。

前に、舞城作品を読んだ時は、「村上春樹 酒鬼薔薇聖斗 2ch 萌え ギャル を足して割って 強烈な個性で和えた」という印象でしたが、今回は少し違いました。
「町田康 筒井康隆」要素を少し感じました。(町田作品も筒井作品もちょっとしか知りませんが)

「みんな元気。」は、家族という単位について、未来の可能性とそれを選択することについて、といった内容を通して愛というものを語っていたように思います。
性的な内容が結構ありました。
同性同士のエロもちょっとありましたが、百合ものには分類できないと思います。精神的に何か違う感じがします。

すかしてるようなふざけているような文体でありながら、熱さがあり、また、哲学的・精神分析的でもありました。
植木ばさみなどは、テーマの表現としてかなり直接的だったと思います。
飛べる、飛ぶ、ということ、体が裏返る、飲み込まれるということは何を意味しているのかは、まだ分りません。
他の人の考察を見たり、もっと読み込みこんだりすれば理解できるのかもしれません。

残り2本も短いながらインパクトありました。
「Dead for good」は、暴力描写が多い殺伐とした雰囲気の中、「誰かを殺すことが~、誰かを生むことが~」の部分が前向きで、光を放っているように感じられました。
「矢を止める~」は、かなりカオスでした。(他の2本もですが)
漢字や言葉の遊びとそこから生まれるイメージと夢と現実がごちゃまぜです。

テーマ:本の紹介 - ジャンル:小説・文学

  1. 2008/09/11(木) 19:49:39|
  2. 読書感想文(小説)

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