野良箱

同人漫画サークル

パウロ・コエーリョ「悪魔とプリン嬢」

悪魔とプリン嬢 (角川文庫)悪魔とプリン嬢 (角川文庫)
(2004/09)
パウロ コエーリョ

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【あらすじ】
田舎町ヴィスコスに異邦人がやってきた。
異邦人は、「われわれは誘惑に屈する機会をあたえられれば、遅かれ早かれ必ず誘惑に屈する、というのが私の発見した真実だ。条件さえ整えば、地球上のすべての人間がよろこんで悪をなす」と言う。
異邦人は、ホテルのバーで働いているシャンタール・プリン嬢に純金を見せ、「七日の間に町の誰かが死体になれば、金が住民皆のものになる、つまり、『汝、殺すべからず』の戒めを破り、犯罪を犯して欲しいのだ」と持ちかける。
殺しをするのは、町の誰であっても構わないし、殺す対象も誰でもいい。
「世界の全てが悪なのだと分れば、異邦人のくぐった悲劇は正当化される」とプリン嬢は言う。
人間は、善なのか悪なのか、その賭けの行方は。

【ネタバレなし感想】
善と悪ということについて、描かれています。

レオナルド・ダ・ヴィンチが、「最後の晩餐」を描いた時のエピソードは実話なのでしょうか、創作なのでしょうか。
イエスとユダのモデルが同じ人物だというのです。(イエスのモデルを務めた時から、ユダのモデルを務めるまでの3年間で、すっかり落ちぶれて別人のようになってしまった。)
善と悪は、表裏一体で、同じ顔を持っているのだという意のことが書かれています。

作中に登場する、「呪われた狼」は、何を象徴しているのでしょうか。
現れたタイミング的に、善・良心・罪への恐怖・臆病さの内のどれかだと思うんですが。
「呪われた狼」という言葉のイメージでは、悪って感じなんですけどね。

異邦人に取り付いた悪霊は、次のように言います。
「善は存在しない。徳というのは恐怖の顔の一つでしかない」

人生について、人間の心理について、心に刻んでおきたい良い感じの文章がいくつも含まれていました。

訳者あとがきによると、アフロ・ブラジル系の宗教、福音主義的新派閥のキリスト教、新興宗教の信者が増えているブラジルにおいて、作者は、マリア信仰を奉じているのだと言います。
  1. 2008/07/06(日) 21:54:38|
  2. 読書感想文(小説)

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