野良箱

同人漫画サークル

明治の文学 第23巻「田山花袋」 編集・坪内祐三

田山花袋 女子高生とか好きだからー!

帯には、「女よりも男の方がラヴが生命だよ」と書かれています。
これは、作中のセリフです。

田山作品は「萌え文学」として紹介されているのを何度か見たので、この度読んでみました。

【あらすじ】
「少女病」…男は、電車の中で少女に見とれた挙句…
「蒲団」…文学者の男は、妻子ある身でありながら、女弟子に恋をしてしまった
「縁」…作者やその周囲の人がモデルとなった小説
    友人は、病に伏していた
「私のアンナ・マアル」…「蒲団」にまつわるエッセイ的なもの

【ネタバレなし感想】
あずまんが大王の木村先生風に言うと
「女学生とか好きだから!!」って感じのお話でした。

ただ、あとがきの解説によると、この作品で言う「女学生」というのは、ロリコン的な意味ではなく、「売春婦に対しての素人女」的な意味なのでは?ということです。

「縁」だけでなく「蒲団」も、作者と周りの人をモデルに書かれているようです。

「縁」の中で、すでに発表されていた「蒲団」の一節「妻がもし死んだら?自由の道が開けたら?」が、皆の頭を過ぎり、沈黙するというシーンがありました。
奥さん、気まずいですね。
その他、小説として発表したことが、現実に影響を及ぼしていることが書かれていました。

作中の女性たちは、皆性格が良いように思います。
が、作者の女弟子がモデルになっている「敏子」は、男で身を滅ぼすタイプのようです。
敏子の最後の行動が理解し難いのですが、現実にもこういう例が多いのだと思います。

女性、女学生、少女の魅力を語っている部分については、その精神的・内面的な点というよりは、主に外見や造形を描写しているといった感じでした。
あと、「惚れた女が他の男にとられるのが恨めしい」、「少女がいつか誰かの嫁になる日は、呪うべき日だ」などという感情が描かれていました。

「少女病」は、短いながら、少女観察の細かさ、その描写の巧みさ、そして、衝撃のラストまで、大変インパクト溢れる作品でした。

「蒲団」「縁」では、明治時代における「新しい女」「古い女」というものが描かれていました。
その分類の仕方は、現在とそう変わらないと思います。

外国語やカタカナ言葉が多かったです。
「陥落」と書いて「ロスト」と読ませたり、「人生」と書いて「ライフ」と読ませたりしていました。

「蒲団」「縁」と続いて、女弟子(実際のモデルがいる)を愛している男(作者がモデル)というのが書かれていましたが、解説には、「実際の作者は、弟子を愛しておらず、恋心は創作なのでは?」と書いてありました。
そこの所どうなんでしょう。
もし弟子への恋心が創作だとしても、田山作品を読んだ田山のリアル知り合いが気まずくなるようなストーリーだと思います。
特に、弟子本人と妻と子供が。
  1. 2008/06/12(木) 18:51:52|
  2. 読書感想文(小説)

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