野良箱

同人漫画サークル

伊藤剛「テヅカイズデッド」

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(2005/09/27)
伊藤 剛

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【感想】
手塚漫画の正式な後継作品として「GUNSLINGER GIRL」(ガンスリ)を挙げている本は初めて見ました。

この本では、初のストーリー漫画を手塚治虫の「地底国の怪人」だとしています。
「地底国の怪人」は、子供漫画に複雑な物語を持ち込み、近代的な悲劇を描いた最初の漫画だというのです。

そして、ガンスリが、まさに「地底国の怪人」を正しく継承していると書いてあるのです。
その類似点や、対照的な点などが詳しく論じられています。

【以下、ガンスリと地底国~のネタバレがあるため、白文字】反転させてご覧下さい。
「地底国の怪人」に登場する、兎を改造した兎人間「耳男」が亜人間であり、皆から「人間じゃない」と言われ、最後に「ぼく 人間だねぇ…」と言って息を引き取ったこと。
ガンスリに登場する少女達が義体であり「偽者」であること。そして、人間でありながら亜人間的な名を持つピノッキオが、亜人間である義体に殺されたこと。

【白文字終わり】

ガンスリは、その作品自身が悪趣味で倫理的に問題があることに作中で言及し、そのことを読者に鋭く投げかけているのだといいます。
例として挙げられているのは、トリエラの担当官ヒルシャーが、児童スナッフビデオ(殺人ビデオ)を見ている場面、彼の上司のセリフ「こんな物を見て喜ぶ人間を こんなことが何件も 行われている事を 想像できないだろ?」の直後に、切開創もリアルなトリエラの手術シーンがあることです。
これにより、「こんな物を見て喜ぶ人間」という言葉が読者と作者自身に向けられているのだといいます。

相田先生が、本当にそう狙って描いたのかは定かではありませんが、少なくともこの本の著者伊藤氏はそのように受け取ったようです。

その場面、私も読みましたが、グロ耐性がない為、喜ぶ所か「痛そう!」とビビリましたよ。

オチのない四コマを並列してストーリー四コマとする例として、また、キャラが物語から乖離し「自律化」することの例として「ぼのぼの」が挙げられていました。
さらに、その流れで「あずまんが大王」も紹介されていました。
大阪「でも私としてはその胸が気になる」
榊(赤面)
2コマの間
大阪「ええなっ」
榊(赤面&汗)
の一本が画像つきで。

他に論じられていたのは、「コマ割り」のこと、「キャラとキャラクター」について、などです。

「ヒカルの碁」「NANA」「鋼の錬金術師」など、最新の漫画が取り上げられていました。
この手の本は、古い作品ばかり扱ってしまう事が多いので、結構珍しいと思います。

萌えとやおい、二次創作についても少し触れられていました。
  1. 2008/05/12(月) 19:44:26|
  2. 読書感想文(小説)

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