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映画「ジャズ・シンガー」

ジャズ・シンガージャズ・シンガー
(1998/05/25)
アル・ジョルスン、メイ・マカボイ 他

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【あらすじ】
ユダヤ教の司祭長の息子ジェイキーは、親から歌を教え込まれたが、賛美歌ではなくジャズを歌うようになった。
息子が酒場で歌っていると知り父は激怒、ジェイキーを勘当した。
ジェイキーは世襲を嫌い、華やかな舞台を目指して家出した。
数年後、ジェイキーはジャック・ロビンという名のジャズ・シンガーになった。
ブロードウェイを夢見たジェイキーは、やがてチャンスを掴むが…。

【ネタバレなし感想】
作品を見た後に、ネットで「ジャズ・シンガー」について調べました。
映画史的に重要な作品だったことが判明しました。
サイレントからトーキーに移行した第一作であり、アメリカ初の長編トーキー映画だったそうです。

この映画は、殆どがサイレントで進行し、歌と一部のセリフがトーキーになっています。
つまり、大体のセリフは音声ではなく、画面一面の文字で表示されていたのです。

そんな中、俳優が声でセリフを発しました。
世界初のトーキーによるセリフは、「ジャズ・シンガー」内に登場した
「お楽しみはこれからだ」(You ain't heard nothin' yet...)
だそうです。
(この前に、「待ってくれ、待ってくれ(Wait a minute! Wait a minute!)」というセリフがある。)

始めのセリフにふさわしい文句ですね。
有名な名台詞とされている「お楽しみはこれからだ」ですが、私は予備知識がなかったのもので、普通に聞き流してしまいました。
もったいない。

伝統と革新、家族と仕事といった、天秤にかけるのが難しい問題について、主人公のジェイキーは、厳しい選択を迫られます。
見ていて苦しくなりました。
ジェイキーが分裂して二人になれば解決なのに!無理だけど!などと思いました。
実際、ジェイキーは引き裂かれるような思いだったでしょう。
夢がかないそうなのに。でも母を悲しませたくない。

【以下、ネタバレあり感想】
病気で倒れた父の代わりに「償いの日」の賛美歌先唱をするように頼まれたジェイキー。しかし、その日はまさに、夢見ていたブロードウェイ舞台の初日だった。

ぎゃー。キツイ!なんてキツイ展開。

通し稽古を見た母が感動して、息子の仕事を認めたシーンを見て、「ジェイキーは、親から独立して、夢に、仕事に生きてゆくんだなぁ。お母さんへの気持ちも歌で伝えられたしめでたしめでたしだなぁ」と思ったのですが、そううまくはいきませんでした。

まさかの、舞台初日休演。
ジェイキーは、実家のユダヤ教会で賛美歌を歌ったのでした。

女優メリー・デールは言いました。
「ジャズ・シンガーが賛美歌を歌っているわ」

ジェイキーは母が大好きですが、多分父のことも好きだったと思います。

父は、最期に息子の賛美歌が聴けて幸せだったと思います。

舞台を休んでしまったから、もうジャズ・シンガーとしては生きていけないのか、父親の跡を継いで司祭長として生きていくしかないのか、息子の人生は親のものだったのか、伝統に勝るものはないのか…、と思っていたところ、その後ジェイキーがブロードウェイで成功したことが分りました。

母も息子の晴れ舞台を見て喜んでいます。
ジェイキーのジャズ・シンガーとしての人生を歓迎しているように見えました。

どうやら、初日休演が最良の選択だったようです。

ジェイキーが「償いの日」に賛美歌を歌わなかったら、彼は一生どこかで後悔していたでしょう。
ジャズ・シンガーとして成功をおさめていたとしても。
両親のことが心に引っかかって。

テーマ:DVDで見た映画 - ジャンル:映画

  1. 2008/01/18(金) 19:20:26|
  2. 映画感想

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