![]() | トリツカレ男 (新潮文庫) (2006/03) いしい しんじ 商品詳細を見る |
【あらすじ】
ジュゼッペは、一度何かに取り付かれると、他にことに気が向かなくなる。
その取り付かれようは、尋常じゃない。
だから皆から「トリツカレ男」と呼ばれている。
オペラ、昆虫採集、三段跳び、潮干狩り、サングラス収集、探偵ごっこ、ハツカネズミ飼育…etc...に次々とハマっていくジュゼッペが、次に夢中になったものとは…。
【ネタバレなし感想】
誰かがこちらに語りかけるような、口語体の文章です。
童話的で、ファンタジー要素があります。
放送禁止用語ではあるけど、出版コードには引っかからない、という程度の差別用語が出てきます。
私は、それらの単語の響きが好きですし、他の言葉に置き換えるより効果的だと思います。
周りから見て、どう考えても無駄な事でも、それがやがて役に立つことがあるんだと思いました。
無駄なまんまのこともありましたが。
真っ直な、メッセージ性の強い話でした。
ブレーキのない自転車。スケートで転ぶこと。
それらが、物語を象徴してました。
ミステリーではありませんが、伏線がきいていました。