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同人漫画サークル

アンソロジー「七つの黒い夢」

七つの黒い夢 (新潮文庫)七つの黒い夢 (新潮文庫)
(2006/02)
乙一、恩田 陸 他

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【内容】
小説家七人によるアンソロジー。
執筆者は、乙一、恩田陸、北村薫、誉田哲也、西澤保彦、桜坂洋、岩下志麻子。
裏表紙には「ダーク・ファンタジー七篇」と書かれています。

【以下、ネタバレあり感想】
短時間で読めました。

【この子の絵は未完成】
においのする絵を描いてしまう息子遊馬。
…すごい能力。
てっきり「死体の絵を描いて腐臭がする」「遊馬は、人やペットが死んでも生き返ると信じていたから生き返ってしまう」とかダーク展開すると思っていたら、すごくハートフルなお話でした。

【赤い毬】
海が迫ってくるイメージは、私の見る夢でよくあります。何を暗示しているのやら。
毬つきは代々女が受け継いでいくものなのでしょうか。
どうやら主人公は結婚をせかされている独身女性のようです。
私は日頃冗談で「孫の顔見せられなくてごめん」などと親にいいますが(別に悩んでない)、親は「別にいいよそんなの」と言います。

【百物語】
眠ると自分が消えることが怖いのは同感ですが、寝ている間に姿が変わっているかもという心配をしたことはないです。
蝋燭の代わりに電化製品の明かりで百物語をするのが、現代的です。
小さなあかり一つ残したくなかったのでしょうね。
まっくらなら、たとえ姿が変わっても相手に見られない。
最後、変身したっぽいですね。

【天使のレシート】
天使恭子はどうやって三澤伸照の妹を植物状態にするつもりだったのでしょうか。
カラスをつかって?
伸照が天使に惚れる→天使と伸照が会話、天使激怒→天使自殺→伸照がカラスにまるナゲくんをあげる→妹転落→植物状態。
この一連の流れが神様の計算どおりだったのかもしれません。
もしくは、天使自殺で計画が狂ったので、カラスの姿をした天使が派遣されたとか。

【桟敷がたり】
どういう経緯で計測機とタクシーに乗り合わせる流れになったのでしょうか。
計測機が爆弾テロ犯の仲間だったとして、なんで友達が偽電話で呼び出されたことや、合コンでのやりとりを知っているのか…。
偽電話の主が計測機?それはないか。
テロを利用して合コンメンバーが嫌がらせをして来たという話、でしょうか。
それにしては、テロが実際に起きた飛行機と爆弾予告のあった飛行機が違うのが謎ですね。
満席にしてテロの被害を大きくするための工作でしょうか。
まだ、ちゃんと理解してませんが、全体的に緊迫してて面白いと思いましたよ。

【10月はSPAMでできている】
スパムメールの文章を考える仕事。確かにそういう仕事って実在するんですよね。
ピンク産業と戦争が技術の最先端というのはあるかもしれませんね。
エロの為には頑張る人間。
過剰装飾な嘘の部分をフィルタにかけると答えが見えるという、スパムメールに引っかけた書き方が面白かったと思います。
泣きぼくろの描写も同様です。
猫に餌をやっている犯人さがし、というのがほのぼのしてました。

【哭く姉と嘲う弟】
作中作が幾つか入っています。
どれもちょっと不思議なお話です。
ラストの貧民窟の動けない老人というのが、この文章の語り手「弟」なのでしょうか。

【全体的な感想】
もっとホラーっぽいアンソロジーだと思っていたら、そうでもありませんでした。
怖い話が苦手な人でも読めると思います。

テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学

  1. 2007/11/19(月) 08:10:00|
  2. 読書感想文(小説)

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