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【ゲームクリア感想】バリアントハートザ・グレートウォー(Valiant Hearts: The Great War)

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序盤のスクリーンショットとバグ情報あり。

突撃

【あらすじ】
フランスの農場で酪農を営んでいるエミール。第一次世界大戦が勃発すると、エミールの娘婿カールは、ドイツ軍に、エミール自身もフランス軍に招集される。エミールは、フランス外人部隊所属のアメリカ人フレディと知り合う。軍用犬ウォルト、ベルギー人の看護士アンナ、それぞれの人生が戦場で交錯する、2Dパズルアクション。

【導入方法(PC版)】
Amazonで購入するとアクティベーションコードをもらえる。Uplayをダウンロードし、インストール、会員登録。Uplayにログインし、コントローラに+マークのついたアイコン「製品を有効にする」をクリック。Amazonで入手したアクティベーションコードを入力する。

【途中までネタバレなし感想】
第一次世界大戦をモチーフにしたゲームです。

料理用おたまで穴掘り、スイカ割りの要領で砲撃、クラシックに踊るタクシー、忠実なる万能犬、リズムに乗って人命救助、味方の死体でできた盾、不発弾避けイライラ棒、という、コミカルさと悲惨さを併せ持った作品です。

アイテム解説や史実の紹介が充実しているため、勉強になります。プレイアブルキャラクターが4人いますから、一人ひとりの視点で臨場感を持って体験できます。

頭身の低い、コミックや絵本のような絵柄のお陰で、死体の山や砲弾の雨も直視できました。
(顔面崩壊の写真は、きつかった。)

スープ作ってきたらドーン


オーストリア=ハンガリーの皇太子殺害が何故こんな複数の国を巻き込んだ戦いになっているのか、クリアした今でも分かりません。当時の兵士もそうだったのでしょうか。
ネットをちょっと見た感じ、オーストリアとセルビアの同盟国同士が、宣戦布告に乗っかって参入、ついでに、かねてからある計画に基づいて他国に攻め込んだ感じなんですかね。(←主にドイツ)そこに各国の植民地も引き込まれた。

この作品は、「西部戦線」を扱っています。舞台は、フランス、ベルギー、ドイツ(?)。
登場国は、フランス、ドイツ、ベルギー、アメリカ、カナダ、イギリス、インド、ネパール(グルカ兵)です。

パズルの難易度は、丁度良く、代償を払わずとも、ヒントが得られます。
ただ、やり方はわかっていても、キーボードの配置を把握していなかったり、同時押しが難しかったりと、操作の面で詰まりがちでした。
PC版をデフォルトの設定でプレイしましたが、方向キーの他、ESC、TAB、SHIFT等と、Dを使用します。
攻撃、穴掘りに相当するのがDです。指がホームポジションではない上、キーの文字が磨り減って消えているため、慌てている時は、ミスばかりしました。

手に入れられるアイテムには、実際に各国の兵士が書いた手紙が含まれているそうです。
どこの兵士も、最初は楽観的ですし、別にどこの国が憎いとか悪いとか、思っていないようでした。
このゲームでも、「悪役の国」というのはありません。しいていえば、フレディは、ドイツに恨みがありますし、分かりやすい敵・男爵フォン・ドルフは、ドイツ人です。しかし、主人公サイドにもドイツ人キャラクターがおり、軍を内部から見られる場面もありますし、「ここさえ倒せば平和が訪れる」というものではありません。

兵器や戦術としては、塹壕、毒ガス、戦車、迫撃砲、爆撃機、火炎放射機、ツェッペリン飛行船などが登場します。
プレイヤーも砲撃が可能ですが、照準機は別の所にあるなど、不便さがリアルでした。
通常は、二人一組なのでしょう。目標の角度を見る役と、それに基づいて目盛りを調節して撃つ役が必要です。
イギリス空軍が砲撃指示のサポートをしてくれたこともありました。

いくつかの章に分かれているゲームですが、区切りの良い所までクリアした際にも、あまり、スカっとさせてくれないつくりになっています。パズルを解けたという意味では嬉しいのですが、戦いに誇らしさを抱くことはなく、良いことをしたとも思えません。とにかく人が膨大に死に、それが一体なんだというのか、という虚しさがあります。

ゲームなら、「通常、ラストダンジョンはこうだろう、ラスボスはこうだろう」、という型があるかと思いますが、それを覆されるものとなりました。

戦争としては、結局この国らは、軍は、何がしたいのだろう、どうなれば正解なんだろう、と分からないまま進みますが、キャラクター達には、それぞれの個人的な目的があるため、目の前の問題を解決することには集中できました。

音ゲー、リズムゲーなどのミニゲームが含まれています。そういったイベントや、チャプター間のナレーション、プレイヤーが操作する箇所の間で、絵柄やグラフィックのクオリティに全く差がありません。
それは、良いことなのですが、ムービーと勘違いしていたらもう本編で、キャラクターが動かないままゲームオーバーになってしまったことがあります。

アイテム由来の豆知識ですが、薬莢細工や、机の引き出しをつかったカバンなど、人間はどんな状況でも、アート作品や実用品を創作するものなのですね。

wikipediaでこのゲームについての項目を見ると、ストーリー欄で、オチまで書いてあるので、未プレイの方はご注意ください。

【以下、ネタバレあり感想】




エミールは、同じフランス軍の上官をスコップで殺害してしまい、結果、死刑になってしまいました。
ドイツ兵に殺されるのではなく、戦争により狂ってしまった自分のせいで、という展開は予想していませんでした。

エミールは、寡黙で優しい印象があります。最後の戦場でも、別にクレイジーというほどでは、ありませんでした。
私を含め、他のプレイヤーも、あの場面で、躊躇なく上官を殴っています。
先頭にいた眼鏡のキャラクターが後ろを向き、エミールは上官の背後に立っています。先へ進めば、止まない砲弾の嵐が待っている。
こういった情報だけで、プレイヤーに同士討ちをさせてしまうこのゲームは、誘導がよく出来ています。
ここより以前の地点で、後退しようとすると、上官にピストルで撃たれるんですよね。一度しかそのゲームオーバーになっていないので自信はありませんが。
単に上官の人格が崩壊していたのではなく、厳しい戦況と、上からの圧力により、ああなったのかなと想像されます。
「反乱して殺人」という物騒なことを、あのエミールがやったくらいですから。
刑場に向かうエミール。その足枷を、もうフレディは斬ってくれないんですね。
家族や仲間たちの幻影を見る姿に泣けます。

ドイツの軍用犬、ウォルトが大変可愛らしく優秀でした。最後まで生き残ってよかったです。もしウォルトが途中で死んでたら、相当に悲しかったでしょう。
犬ー
エミールとフレディーが同じステージに登場した時、側にウォルトのいる方が、プレイヤー操作の利くキャラクターとなりました。
ひょっとして、犬こそが、人の自我や魂の在り処をあらわしているのではないか?と深読みしそうになりましたがそんなことは全くありませんでした。
視点切り替えを犬により行う、というシステムは面白かったです。

カールの捕虜収容所脱出パートでは、制服と階級章の効果が絶大でした。ギャグテイストの風刺なのでしょう。
ワインをこぼした偉い人の軍服を身につけると、兵士みんながビシっと姿勢を正します。
カールは、中身の人種や個人を問わず、服装と身分だけの存在となりました。

エミールは処刑された時、カールを救えなかったと思ったままなんですね。
当時は、ネットやスマホがありませんし、個人の情報には即時性が皆無ですから、実際にそういうこともあったのでしょう。

男爵の横にいる眼鏡の男性はアンナの父だったのですね。ドイツの飛行船に乗っているのだから、ドイツの偉い人なのだろう、と単純に思っていました。
アンナ父と行動をともにするパートで、金型のようなものでパーツを作る謎解きがありましたが、2つ目の◆型、ちょっと角がはみ出しておかしな形になっている状態が正解でした。
最初は、あまりにピッタリ収まらないので、「これはとんち問題か。四角でさえあれば良いのだから■を出すように努めよう。」と判断し、失敗しました。

フレディは、ワイヤーカッターと爆破に象徴されるように、「工兵」なのでしょうが、途中からは、戦車乗りになっていました。
撃ち落した飛行機や、破壊した民家の中からも、死者は出たのでしょう。
エミールにおけるラストの上官殺しもそうですが、最初は、直接人の命を奪うことはない仕事をしており、攻撃をしても、殴ったり物をぶつけて気絶させる程度だったのが、殺人をするようになっている、というつくりが上手です。

英領インド兵と爆発物の設置をする謎解きがあります。ダイナマイトは投げたら爆発するのではないか、と手渡ししようとしてました。結局、投げて渡すのが正しかったのですが。

ゲーム終盤になると、ダイナマイトは、火をつけなければ爆発しないものとなります。
燃える旗や火炎放射器の炎をくぐらせつつ、目的の場所へタイミングよく投擲するのは難しかったです。

昔のゲームから良くある表現ですが、敵の攻撃を逆手にとって自分の武器とするシステムは、因果応報のようで意味深です。

アンナのドライビングテクニックはすごいですね。当時の兵士輸送に使われたタクシーは、本当にあんなデザインの車だったみたいです。
救命救急では、包帯の上に表示される心電図のようなものにタイミングを合わせてボタンを押さなくてはなりません。
一番最初に下矢印だったせいで、その後も、全て下を押してしまい、何度も失敗しました。よく見ると、ちゃんと別の方向指示が出ていたのですね。やがて同時押しも登場します。
赤十字の野戦病院で、アンナがカールの命を救えば、プレイヤーとしてはクリアになります。
戦車で戦うとか、人を殺すとか、建物を破壊して終わりではなく、仲間を助けて終了というのが面白いところです。
エミールとしての最後は、エンディングの処刑を除くと、上記の上官殺しとなります。
マップは、やたら砲撃が多く、不発弾の穴掘りが難しい以外、普通の場所です。「道中」ともいえるような、そんな途中で、彼の物語が終わるなんて思ってもみませんでした。凶器は、愛用のスコップですし。特別なロケットランチャーだとか、専用の巨大ミサイルだとかの最終兵器ではありませんでした。
それが、ゲームとして異様で、かえってネタバレ禁止の感じが強まります。

謎解きで難しかったのは、ドイツの軍旗を上げつつ、窓から透かして見る金庫の問題でした。
まず、あれを旗だと思っておらず、気づいてからも、なぜか「旗を上げても意味がない」と判断して、また下ろしてしまったのでした。

実績名は、展開の読める可能性があるので見ないようにしていましたが、カールが生還した時の実績名で、すぐ次の察しがついてしまいました。

エミールの娘夫婦と孫、アンナについては、かなり幸運なラストが待っていましたが、エミールは、ハッピーエンドとはいきませんでした。
また、戦争はすぐに終結するわけではなく、アメリカの参戦が予定されています。その後、第二次世界大戦やさまざまな戦争が起きるわけですから、この苦い終わり方こそが、戦争の実体に近いのかもしれません。
例えば、「全員帰還の上、各人は手柄を上げてヒーローになった。偉大なる我が国の正義が、悪しき国を壊滅させたのだ。その後、平和の中で、繁栄を極めることになる。」という展開だと、都合のよいプロパガンダに過ぎません。
主要キャラクターの国籍がバラバラな時点で、そうはならないのですけれど。

第一次世界大戦では、塹壕戦や、近代兵器の出現で、当事者達も想像していなかったほど、戦争が長期化、膨大な犠牲者を生むことになったのですね。
その悲惨さ、無意味さが良く分かりました。
憧れや愛国心で参加した多くの兵士は、帰ってこなかったのです。

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  1. 2016/02/06(土) 17:19:32|
  2. ゲーム

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