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ディズニー映画「シュガー・ラッシュ」感想

シュガー・ラッシュ オリジナル・サウンドトラックシュガー・ラッシュ オリジナル・サウンドトラック
(2013/03/20)
V.A.

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【あらすじ】
ゲームセンターの営業が終わった後、キャラクター達は何をしているのか。
30周年を迎えるレトロアーケードゲーム「フィックス・イット・フェリックス」の悪役ラルフは、瓦礫の山に住み、住民から憎まれ、毎度決まってマンション屋上から泥の中に落とされている。
「本当はヒーローになりたい」と願っている彼は、その証である金メダルを手に入れようとする。
やがて、90年代レースゲーム「シュガー・ラッシュ」の世界に迷い込んだラルフは、そこで、生意気なレーサー志望の少女、ヴァネロペと出会う。

【途中までネタバレなし感想】
私は、2D、日本語吹き替えで見ました。
字幕を見る必要もなく、全員、声や演技が完璧に合っていましたから、ノンストレスで入りこめました。
作中登場する文字は、絵に合う形で書き直されています。

とても面白く、緩急がついた、子供から大人まで楽しめる熱血で、シリアスな中にもコミカルさを忘れない内容でした。
普段、アニメや子供・ファミリー向け映画なんて見ないよ、という方にもお奨めです。

シナリオや設定が、良く出来過ぎているくらい練られているので、余計な予備知識を与えないよう、何を話したらいいか分からないほどです。

予告やポスターの類からは、意図的に隠されているように思えるキャラクターやその出身地が大変気に入りました。
これは、後述します。

かつてのSF名作群を精一杯POPにしたらこうかもしれない、という部分があり、単にかわいいだけではない深さがありました。
登場人物に自覚があるヴァージョンのメタ・フィクションです。

音楽が素晴らしいです。
物語は、現実であるゲームセンターと、そこにある筐体の内側で進行するのですが、ゲーム世界では、BGMが8bitミュージック、チップチューンと呼ばれるような、ファミコンっぽいテイストになるのです。
それをベースに、エレキギターやシンセサイザー、オーケストラを重ねた、壮大なエレクトロロック調になっており、新しさとクラシカルな雰囲気、両方がありました。
かわいかっこいい。
「いかにもディズニー劇中伴奏らしい曲」も効果的に使用されています。

作中作「フィックス・イット・フェリックス」は、なんでも壊すラルフと、その妨害をかわしながらマンションを修理していく主人公フェリックス・ジュニアの戦いを描いたゲームです。
80年台から稼働している設定なので、外から見た時は、粗くてシンプルな画面ですが、(実写映画で言えば)「カメラ」がゲーム内に入った時、3Dアニメらしい滑らかな絵となるのです。
しかし、背景が、ドット絵を立体的に再現したものであったり、コマ落ちしていてまるでクレイアニメのようにぎこちなく動く人物もいたりして、レトロゲーファンには、嬉しい演出となっています。

あらすじからして、この映画全体がメタ・フィクションなのですが、さらに外側である現実、つまり私たちの居る世界に属するだろう映画観で流れる、物語前後のディズニーロゴ、蒸気船ウィリーといったお決まりの部分にまで仕掛けがあるのでお見逃しなく。

エンディングのスタッフロールが見どころです。
若物やお子さんが、見たら新鮮かもしれませんね。
リアルタイムで、あるいは、ヴァーチャルコンソール、携帯アプリ、有野課長などで80年代ゲームに触れたことがある人なら、ニヤリとすること請け合いの演出となっています。
これまた曲が良くで、体が動きそうになりますよ。
ファンサービスと、元ネタへのリスペクトが行き届いて、さすがディズニーはエンターテイメントをずっとやってきただけあるな、と感心します。

はみ出し者、悪役、欠陥品、孤独、侵食、トラウマ持ち、という一見重たくて悲しく、憎しみに満ちた話にしかならなそうな要素がいくつもあります。にも関わらず、ポジティブな力に溢れた、後味の良い映画でした。

上記のいくつかについて、「それを取り除いて、矯正して、治して」こそハッピーエンドというのが普通だとすると、本作の場合「そのまま肯定する」という魅力がありました。

ゲーム世界の住人は、ひとたび筐体にコインを入れられれば、例え、諸事情により、もう意味をなさなくなったとしても、プログラム通りの台詞「助けて!」を言います。
毎日、自分の役割をひたすら果たし、壊し、直し、戦うだけ。
これは、現実の人間と大差ないかと思います。
朝起きて、電車に乗って、会社に行き、帰って、寝るだけ。
職業上、あるいは年齢や他者との関係性から、しかるべき立場を察知し演じ続ける。
悪い事ではないですが、そんな日々に嫌気がさし、苦痛だ、空しい、飽きた、偽りだ、と感じ、変わりたいと願うのも珍しい事ではないでしょう。

お菓子の国である「シュガー・ラッシュ」は、とてもかわいらしかったですよ。キャンディーの樹、オレオの兵隊、チョコの池、喋る飴玉、箱の中にひしめく小型スナック。

既存の実在ゲームキャラクターも複数登場します。ストリートファイターシリーズからは、リュウ、ケン、ザンギエフ、春麗、ベガ、ブランカが、その他、パックマンとその敵モンスター、クッパ、ソニックなどがいますよ。
日本製ゲームネタも多いです。

ネタバレの前に、同時上映「紙ひこうき」について簡易感想を。
「無駄撃ちでも空回りでも、その時々に真剣だったのなら、いつか過去の想いが自分を最良の未来に導いてくれる」というお話なのかなと思いました。
あれって、何の書類でしょう?
完全3Dではなく、人物線画などは手書きのものを合成したと、TVで見ました。モブキャラの「生きてる」感がすごかったです。
音楽や色調もよし。

【以下、シュガー・ラッシュ本編 ネタバレあり感想】







解像度の美しい人、こと、タモラ・ジーン・カルホーン軍曹、結婚してください!!!!

この映画にあんな最新型のFPS(一人称視点シューティング)が出てくるなんて予想もしてませんでした。
タイトルは、「ヒーローズ・デューティー(以下、勝手にHsDと略します)」とのことで、実在する「コール・オブ・デューティ(CoD)」も意識しているんでしょうか?(プレイした事はある。ただしド下手。さらに酷い3D酔いを経験。)
物語設定としては、もう少し別の作品が入ってそうですね。それ以外はオリジナルでしょうか。

近未来的でハードボイルドなSF。サイ・バグ(Cy-Bug)は、コンピューターウィルスのような機械生命体でしたね。虫は苦手ですが、メカ要素の方が強いため、かっこいいとすら思いました。サイボーグとバグを掛けた造語なんでしょうか。
卵から孵すとまずいことになる。
プレイヤーとその周辺の兵士は、ひたすらサイ・バグを倒すのが使命です。

呑み屋のくだりで、「HsD」のゴキブリ嫌い兵士(マルコフスキー。後にラルフが彼に成りすます)が、自分の立場を嘆いていました。ひたすらバグと戦うのがつらいのです。主人公はあくまでもプレイヤーならしく、彼は、いわゆるNPCのようです。
しかし、一応、正義の味方サイドの人です。

冒頭のラルフは、ヒーローというものの良い部分しか見ていません。
褒められ、好かれ、称えられる。
しかし、実は過酷であり、彼らもまた苦しんでいる、ということをマルコフスキーのエピソード時点で描いているんですよね。
ラルフがそれを実感するのは、もっと後になります。

軍曹が見た目も声(日本語版)も性格も好みドストライクで、事前に存在を知らなかったのも手伝って、ギャップのあるアクセント、魅力的な第二ヒロインになっていました。
男勝りの上官ではありますが、乙女な部分を強く持ち合わせています。
「軍曹には、悲しい設定がプログラムされてるんだ」
結婚式の当日、警戒を怠ったが為に、街、そして教会は、サイ・バグに襲われてしまったんですね。
この時負った心の傷から、厳しい鬼軍曹となり、また、新たな恋愛には臆病になっているんですね。
か わ い い !!
(「過去を植えつけられている」だけで、実際には経験してないかもしれないところが、また、電子の擬似生命っぽくて良いですね。)

「HsD」にて力技でメダルを手にしたラルフは、サイ・バグを連れたまま「シュガー・ラッシュ」の世界に飛び込んでしまいます。
バグはやっつけたつもりでいましたが、地下で卵が大繁殖。これは、度々匂わせつつ、終盤で判明するエピソードです。

「シュガー・ラッシュ」は、ピンクが基調のカラフルなお菓子の国を舞台としたレースゲームです。
そこで、邪魔者扱いされている、ヴァネロペという少女と出会います。
頭身の低いちびっこで、ラルフを「おじさん」と呼び、常に上から目線でとても生意気な口をききます。
実に良いヒロインで、ラルフとのやりとりを含めて萌えました。

自分で作ったボロボロの車(実質、デコった自転車)は、周りの女の子達に壊されてしまいます。
その後、車を作るためのお菓子工場に侵入してラルフと一台の専用カーを作ります。
東/京/フ/レ/ン/ド/パ/ー/クのような、楽しいギミックで着々と制作していきますが、ラスト、ラルフの力が強すぎて、トッピングがぐちゃぐちゃになってしまうのです。

それでも、本物の車が手に入ったと大喜びするヴァネロペが眩しくて、すこし感動しました。
二人で作った、というのも大きかったんでしょうね。
この姿には、「自分は壊す事ばかりで、作ることなんでできない」と強く思っていたラルフも救われたことでしょう。

ヴァネロペの住処は、秘密の入口から入った洞窟の中でした。
ラルフと同じく、1人でゴミだめみたいな所に寝泊まりしていたのでした。
作りかけのマップが発売後も残っているゲームというのは実際にあるようですよ。
他にも、裏事情の暴露を特定コマンド入れると出てくるように隠しているスタッフがいて、後年表面化したり。
おそらくよろしくない方法でしょうが、コードを読んで見つける人も居そうです。

メントスらしき鍾乳洞。下は、コーラ。落とすと火柱が吹きあがる。
これ、「メントスコーラwwwwwwwwww」と内心ウケけてましたけど、大事な伏線でしたね。
そんなわけで、感想上部では伏せていました。

いよいよレース参加。ヴァネロペは忘れものを取りに行きます。
その時、キャンディー大王がやってきて、ラルフに嘘を吹きこむのです。
「ヴァネロペには不具合があり、もしその姿をプレイヤーが見たら、このゲームが故障していると思われ、使用禁止にされてしまう。ヴァネロペは、このゲームから外に出られない。つまり、電源を切られたら死んでしまうんだ。彼女の為にも、参加を止めるよう説得してくれ。」という意のことです。
私、一旦素直に信じてしまいました。ラルフと同じく。

「シュガー~」の世界にきてからはずっと、「目立ちたがりの王様は、自分が優勝を独占したいからヴァネロペを嫌っているのかな。」と思って見ていたので(←後から考えると、結構正解だった)、悪役の疑いがあるキャラクターが、実は、誰かを守るために嫌われ役に徹している、というネタなのかと勘違いしてしまったのです。

せっかくのレースカーを破壊するラルフ。
彼は、王様から貰った金メダルを持って、自分のゲームに帰りますが、そこに残っていたのは一人だけであり、彼もまた、カクつきながら去っていきました。
約束通り、見晴しの良い部屋の鍵を貰いますが、他には誰も居ません。
「わたしのヒーロー」というヴェネロぺから貰ったお手製勲章がつらいです。

(まだ騙されていると気づいていないので、本気で)大事なヴァネロペを守る為には致し方ない!とレースカーを壊し、そうまでして手にしたメダルは、何の役にもたたなかった。
仲良くするマンション住人すらおらず、ラルフがいない事で故障扱いにされたこのゲームはもう廃止されるだろう。
これが、ヒーローの抱える孤独と苦悩ですよ。
辛い選択を迫られ、いつの間にか、孤立している。求めたのは自分もパイやケーキを食べたい、という実にささやかな幸福であり、また、他人を不幸にするつもりもなかった。なのに、全てを失ってしまう。
他作品でも、そんな光景を沢山見ました。現実のスターやスポーツ選手などにもその類が多いでしょう。

できっこないという前提で発された「メダルを持ってきたら最上階の部屋をやる」という冗談を真に受けたラルフは、そのリスクには考えも及ばず、短絡的に行動を起こしたんですよね。その過程で人を傷つけ、ゲームセンター全体にも、サイ・バグ蔓延の脅威を与えてしまったのです。
ヒーローである証の金メダルを持っていれば、ヒーローであるか、と言えば、そんなことは全くないのに、目的を履き違えたのだと思われます。

一人マンションに取り残された場面がドン底として、そこから這いあがっていきます。

投げたメダルが筐体画面の内側に当たったことで、故障中貼り紙がずれたのでした。
そこには、「シュガー・ラッシュ」の筐体に描かれたヴァネロペの姿が。

このゲームにいてはいけない、と散々きかされてきた彼女がメインキャラクターのように扱われている。その事実に強い疑問を抱いたラルフは再び行動を開始します。これが突破口になりましたね。

最初はチョイ役かと思ってた修理屋フェリックスは、登場回数も多く、いい味出してました。
軍曹に一目ぼれしてしまったのです。
笑い蔦(?)を伸ばすために、自分を殴らせ続けれる姿は、ドM芸人状態でした。
しかも、自分の顔面を直すのもまた、ハンマーであるため、狂気じみています。
いい雰囲気になる度、自分に芽生えたときめきや恋心を誤魔化そうと、フェリックスにきつく当たる軍曹が、とてもキュート。
お似合いカップルです。

ラルフ(と言うよりサイ・バグ)を追い掛けて「シュガー・ラッシュ」の世界に来た軍曹が、脱出機にラルフの姿を確認できなかった際に行ったセリフ、「たとえ死んでても撃ってた」的なやつが、酷いのにかっこよくて笑えもしました。

作中人物が当たり前に使用している「ターボ」。この語源が判明するのは、中盤あたりだと思われます。
このように、物語内では普及している概念だが、最初、視聴者には何のことか分からない、というやり方は好きです。
80年代のレースゲームで負けず嫌い、かつ、出しゃばりだったらしいターボというレーサーが、他のレースゲーに人気を取られ、新型機に乱入。壊れたと見なされた両筐体は、そのまま引退となり、ターボ自身も葬られることになった。つまり、(ゲーセン稼働中)別のゲームに行きを乗っとる行為をターボと呼んでいるようなのです。

ラルフは、最初の頃から、パックマンに侵入してましたけどね。あれは、営業時間外だったからセーフなんでしょうか。
電源コードを複数挿せるアレの中が、各ゲームキャラの集まるターミナルステーションになっているようです。
幽霊みたいに半透明でかすかに発光しているおじさんは、ゲーム内アイテムの持ち出しや、不正入退場を監視しているようですね。
あれは、とても大事な仕事だったのだと、サイ・バグ、そして、ターボの件で良くわかりました。

ヒーローと悪役、直す人と壊す人。両方必要なんですね。

フェリックスは、閉じ込められた牢屋の鉄格子すら太くしてしまいます。しかし、壊れた車やゲートを直すことができる。

ラルフは、大事な車を自らの手で破壊しました。しかし、囚われたフェリックスを救いだす為に、牢屋を破壊できる。

キャンディー大王が、ラルフ用の金メダルを取りに電脳の海に入る場面は、エフェクトがかっこよかったですね。
攻/殻/機/動/隊、カ/ウ/ボ/ー/イ/ビ/バ/ッ/プ/、サ/マ/ー/ウ/ォ/ー/ズ/に通じるサイバー空間の表現です。
しかし、入室コードは、まさかのコナミコマンドw (上上下下左右左右BA)

ヴァネロペは、最初から、画像のチラつくバグがあったのではなく、キャンディー大王がプログラムに細工した結果、壊れてしまったようなのです。大王は、作中キャラクター皆の記憶まで奪っていました。
だから、ヴァネロペは、車の操作方法が分からないでいたのです。

レース中、ヴァネロペは不具合を起こしてしまいます。ビジュアルがチラつくだけでなく、ライバルの前方へワープしてしまったのです。
その後、この不具合をコントロールすることで、大王、こと、ターボを越える事ができたわけです。

違法改造コードによって引き起こされるバグ技を使ったチートキャラ、ということになりますけれども、その改竄を行った人物自体がゲーム世界のプログラムに過ぎないターボ、ということで、裁かれることはなさそうですね。

ヴァネロペは、自分の後天的、しかも他者から押しつけられた欠陥を、「瞬間移動もできてぶっちぎりで早いお姫様」という長所に変えたのです。(プログラムが壊れたままなのか、正常化したけど、狙って不具合を発動できる感覚を維持しているのかは、一度見ただけなので自信ない。「やっぱり壊れてるよ!」って故障貼り紙されなくてよかったですね。)

これは、ラルフにも似たような事が言えます。
自分のゲーム内では、悪役のまま、主人公やヒーローにはなっていないのです。しかしそれはバットエンドではない。
ビル屋上から落ちる寸前、持ち上げられた瞬間にレーサーとして活躍するヴァネロペの姿が見られる、彼女が自分を好きでいてくれる、それが感じられるから一番幸せだと思えるようになったのです。

キャンディー大王の正体がターボっていうのは上手いですね。こんなにわかりやすくヒントが出されていたのに、まったく気づきませんでした。ターボは大昔に死んだと思っていたので。
彼、無駄に頭いいんですね。80年代の知識じゃ足りないだろう最新プログラミング技術も、日々の研究で補い成長していったのでしょう。
(人間がコードを読み書きするのとは違い、ある程度近い次元にいる彼には、直感で、視覚的に分かるのかもしれませんが。)
所謂「才能の不法投棄」「努力の方向音痴」というやつですね。

判明してみれば、大王の性格、運転の粗さが、なるほどターボらしいです。

ヴァネロペがゴールを越えれば、ゲームから出られない呪縛は解けます。
しかし、直前でコースを外れ停止、ゲートは壊されてしまいます。
空は一面、サイ・バグに襲われ絶望的な状態に。
ラルフには、壊れる世界からヴァネロペを連れ出す事が不可能なのか。

そんな時、「ビーコンがなければサイ・バグを止められない」という軍曹の一言で、事態は変わるのです。
現実では強い電磁波や光などで位置情報などの信号を出す事のようです。(WEBでは、閲覧者の識別解析に使われる技術で、またの名を、ウェブバグとも言うらしい)
この映画においては、強烈な光の柱として描写されてましたね。虫だけに、明るいものに引き寄せられる習性があるようなのです。

そこで、メントスコーラですよ。こんな使われ方をするとは。
ラルフは、(各種プログラムと合体して、ほぼ、サイ・バグの体を持つキモイことになってる)ラスボス・ターボと戦いつつも、自分の安全をなげうって、高所から落下、そのエネルギーを使い、拳でメントス天井を破壊し大爆発を起こさせるのです。
ワープを繰り返して駆け付けたヴァネロペに助けられたものの、彼女の為に命を懸けたんですね。

「他所のゲームで死んだら復活できない」と言うルールは、早いうちのSEGAのソニックが看板の中で忠告してましたからね。

「ヒーローにならなくていい、悪役であることはわるいことじゃない、あの子を救えるなら」と、所属する会のモットーを実感を持って唱えながら行動したラルフですが、その姿こそ、まさにヒーローでした。

空まで吹きあがったコーラは、ビーコン替わりになりました。サイ・バグはそこに引き寄せられ、また、虫化していた大王ことターボも同様に、光の中に消えていきました。
「HsD」の物とは違って、灼熱の柱だと思うんですよ。だから、バグの大軍もターボも死滅したのではないですかね?

ターボが意志と本能の狭間でおかしくなる場面は、ホラーでした。非常にマッドな場面です。
しかし、自業自得。いかれてるゆえに、ちょっとだけ笑える。

ここで、再度、フェリックスのハンマーが役に立ちます。
ゴールゲートを再生。ヴァネロペの車は、もう自走できてなかったようにも見えましたが、ノロノロとゴール。(ラルフが車を押したんですっけ?)
その瞬間、彼女は、真の姿を取り戻します。
ヴァネロペが王女であることを思い出した皆は、いじわるしたことを謝ります。
王女はきびしく振る舞い、みんな命乞いを始めますが、それはブラックジョークでした。
すぐにいつものカジュアル服に戻るヴァネロペ。選挙でトップを決める民主主義国家にするつもりらしいです。
そこらへんの政治観についての是非は分かりませんが、とにかく、みんなよりも絶対的に上で、敬われる立場より、一緒に混ざってレースしたいんだろうなと感じました。

キャンディ大王ことターボは、ヴァネロペが本来あるべきだった地位に座り込み、国を乗っ取っていたのですね。

フェリックス、あの調子だと、自分の顔や建物だけじゃなくて、プログラムすら直せそうに見えますけどもそうもいかないのでしょうか。
生物型キャラ限定だとしても、見た目上の怪我、HPを回復できるのなら、ゲームの世界において医療の神になれるのでは。
彼は、地下牢に押し込められて大変惨めな想いをしました。それは、そっくりラルフが30年間抱きつづけた感情でもありました。

ヒーローと悪役に相互理解と友情が芽生えたからこそ、ラストシーンではマンション住人が、以前より優しくしてくれたのではないでしょうか。

フェリックスと軍曹は、年代、解像度、世界観、身長、頭身に大きな隔たりがあるのに結婚してしまいましたね。微笑ましいです。
NPC兵士達が、念の為レーザーポインタを教会の窓に集中させる所がまたぐっときます。

ゲーセン常連キャラクターは、少年ではなく、眼鏡を掛けた女の子でした。
「HsD」のプレイヤーとして彼女を設定するあたりが、今時という感じがします。
萌え系美少女ではなく、リアルにゲームやってそうな子でした。
FPSは、設定画面やリプレイ、複数画面でもなければ、自キャラを見ることはできないわけですが、ゲーム世界からしたら、ロボットがカメラモニタつけて走ってるようなものなんですね。これは面白い。

ややブラックな風刺としては、失業者がいるってことですね。「仕事下さい」みたいな、ほとんどホームレス。
彼らにも声をかけ、「フィックス・イット・フェリックス」の悪役としてボーナスステージに出演してもらったというのがいいですね。ヴァネロペ同様、ゲーム発売時に比べて改変した事になるんですけど、面白いから不問でお願いします。
コンピュータの自律ヴァージョンアップです。

バーのマスターは情報通で、優秀な案内人なんですね。
普段から、凄まじいスピードでふさわしい酒を提供する能力を持っている上、色んなゲームからお客が来ているから日夜データが更新されているのでしょう。

ラルフが、「悪役を引退してヒーローになりたい」と願ってしまったゆえに起きた今回の騒動でしたが、もし野望を押し殺して40周年を目指していたら、人気不足で別のゲームと入れ替えされていたかもしれませんね。
フェリックスと軍曹の接点、ヴァネロペとの出会いもなく、現在の幸せもなかったのです。
特に、ヴァネロペは、ターミナルに来ることができなかったのですから。
だから、ラルフは、夢を実現させようとして、正解だったんですね。

失業者を再雇用したラルフは、彼らと一緒に住む家を建てました。
ガランとしたマンション上階・高級部屋より、よっぽど素敵です。

「レトロ」は、古いけど、それが良いってこと。

エンディングは、まさにそれでした。ドット絵で、本作のキャラクターが表現され、ゲーム風にスタッフの名前が紹介されるのです。
テンション上がりました。

「紙ひこうき」前後のディズニーロゴは正常でしたが、「シュガー・ラッシュ」の前は、蒸気船ウィリーがドット絵とピコピコ音源に。後は、シンデレラ城(?)がバグった画像に。細かい演出がいいですね。
昔、雪や氷が重要だった映画で、本来そのロゴにはない雪が降っていたというのと同様、粋です。

テーマ:★おすすめ映画★ - ジャンル:映画

  1. 2013/04/15(月) 12:17:34|
  2. 映画感想

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