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映画「シャーロック・ホームズ2 シャドウ・ゲーム」感想

映画「シャーロック・ホームズ1」(無印)の感想はこちら
以下、「2」の感想です。
シャーロック・ホームズ シャドウ・ゲーム オリジナル・サウンドトラックシャーロック・ホームズ シャドウ・ゲーム オリジナル・サウンドトラック
(2012/02/22)
サントラ

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【あらすじ】
ヨーロッパの情勢が不安定になる中、各地で起きる未解決の爆発事件。
謎を追うホームズは、その黒幕が天才モリアーティ教授だと推理するが、教授はそんなホームズをつぶすために刺客を送ってくる。
魔の手は、新婚の助手ワトソンに迫る。
ホームズコンビは、モリアーティ教授の計画を、そして戦争勃発を止められるのか。
ロバート・ダウニー・Jr、ジュード・ロウ主演、ガイ・リッチー監督作品。

【途中までネタバレなし感想】
1を知らないで、いきなり2を見ても十分意味が分かりますし面白いですよ。
舞台はイギリスにとどまらず数か国移動しますので、冒険活劇としても楽しめます。

ホームズの登場シーンからして変則的でした。あやしい…。
また、ホームズとワトソンが最初に揃う所もわけのわからない状況とテンションとなっております。
前作ヒロインのアイリーンもブツ輸送係として登場。

笑いどころとほのぼの場面、戦闘シーンが多く、気楽に見られました。
メカや武器の好きな方にもおすすめです。

推理要素もちゃんとあるのですが、エンターテイメントなアクション映画+仲良しバディ(相棒)もの、という色合いが、1よりも濃くて楽しいです。

ホームズの髪が無印より少し伸びていてチャーミングです。
ワトソンは賭け事となると熱くなってしまうし、言動がちょっとチンピラっぽい時がありますね。

予告編をご覧になった方ならお分かりかと思いますが、いわゆる「公式が病気」という状態です。
どうも、ホームズの他人への変装はやっつけな事が多いようなのです。一方、背景への擬態は無駄にレベル高いです。

前作から引き続き、ホームズはワトソンの結婚により自分が一人ぼっちにされることを嫌がっています。
嫉妬でふてくされてワトソンに嫌がらせして余計ムカつかれつつ、ちゃんとワトソンの世話をして結婚を祝福してあげたりもします。
しかし、モリアーティに挑むということは、そんなワトソンを危険に晒すことになるわけです。

ホームズの兄、マイクロフト・ホームズが登場します。やたら背の高いぽっちゃり巨漢で、弟に負けないぐらい天才なのですが、さすがホームズの名を持つ者、かなり変人です。紳士かつ変態なのですが、憎めません。
ホームズ家のおじいちゃん執事、スタンリーが、笑えて仕方なかったです。
ホームズは、マイクロフトを「マイキー」と、マイクロフトはホームズを「シャーリー」と愛称で呼んだりしてました。なお、ワトソンもホームズを「シャーリー」と呼ぶ場面があります。(皮肉で)
兄弟は再会後、微妙に理解不能な会話をしていたので、暗号か、薬でもやってるのか?と感じましたが、劇場同行者の話によると、あの会話でワトソンの知力を試していたんじゃないか、ということでした。(未確認)
マイキーとワトソンは初対面なのですが、ホームズはワトソンの事を「推理力がない」とか悪く言っていたようなのです。
しかし、お兄ちゃんも認める通り、ワトソンには推理力がちゃんとありました。1に比べて、自分で考えられるようになっておりました。

2のヒロインは、ジプシーの占い師女性シムです。エキゾチックで自立した力強い女性です。
シムは行方不明の実兄を探すのに精いっぱいなので、ホームズやワトソンに対するセクシー・ロマンス要員という要素は皆無です。同じ目的を持った同士、仲間、戦士、といった雰囲気です。
主人公コンビを生暖かく見守っているような場面がありました。シムにはあの二人の関係がどう見えてたんでしょうか。

ワトソンの新妻メアリーが、とても常識的な女性でして、それなのにかなり苦労するんですよ。
メアリーはいざとなると勇敢でかっこいいので惚れますよ。2回ほど、メアリー素敵!ってなりました。
ホームズが凄い状況でとんでもない恰好で現れ「私を信じろ!」というのですがメアリーは「NO!」と言います。
アレを瞬時に受け入れるのは無理ですから、至って当たり前の反応です。
その後取ったホームズの行動がさらに衝撃的でしたけれども、さすが天才名探偵、別に行き当たりばったりでも感情任せでもなかったのです。その真相は、もう少し後で回収されます。

ホームズを下宿させているハドソン夫人は心労が絶えません。ホームズがちゃんとご飯食べないでコーヒー・煙草・コカのみを摂取、植物を部屋に生い茂らせて寝ずにおかしなことをしているので。
これ、ワトソンの結婚への抗議姿勢かと思ってたんですけれど、しっかりモリアーティ教授にまつわる事件を分析しているので、そちらがメイン要因なんでしょうね。
原作でも、一晩中、山のように煙草を吸いながら考え事してたり、阿片窟に入り浸ったりしてましたから、それが推理モードなんでしょう。そのせいで少し痩せたようです。
なぜ、ハグでお互いの体型の変化が分かるの…ホームズとワトソン…。

ホームズは、ヒーローとヒロインポジションを兼ねた主人公でした。
普通それ、非力な女の子のされることでしょう、というのもホームズが担当してました。
一方、自分がモリアーティを追うせいで命を狙われるワトソン夫妻のナイトとしても活躍しており、単なるか弱い髭お姫さまというわけでもありません。ちょっとした「ランボー」みたいでした。

映画の大まかな流れは、とある原作小説を下敷きにしています。
映画は、総じてキャラクターの戦闘能力が高いなど、原作とは別物なのに、そこは忠実なんだ!という驚きがありました。(ホームズのキャラクター設定は1の時からほぼ原作通り)

映像的には、色合い、建物、服装、特殊効果、演出、カメラワーク、編集、どれも良くできていて、安定のハイクオリティーでした。音響も良いです。

【以下、ネタバレあり感想】 








まず中国人コスプレ。ああいう服似あいますけど、カツラが適当でしたね。額の境目が分かりやすく浮いているという。

アイリーンは本当に死んでしまったのでしょうか。毒殺でした。
アイリーンと教授と待ち合わせたレストラン。客は全員教授サイドのサクラだったのですね。別の某小説で言う所の「劇団」なる組織と似た存在だと思います。
悪事や殺しの現場にあらかじめ配置され、ご希望通りのエキストラを演じ、その日起こった事、見たことを外部に漏らさないプロフェッショナル。

ワトソンがホームズの部屋に入るとそこはジャングルでした。柱に擬態しながら矢を飛ばしてくるホームズ。
ワトソンに2本刺さりましたけど、あれは痛くないものなんですかね。読んでた新聞か何かは破れてましたから、割と殺傷能力ありそうなんですけれど。
矢の刺さったまま会話。シュール。
ホームズの擬態服もアホでした。幼児体型に見えるし、その柱にしか使えない衣装です。
ワトソンが来るまでじっと潜んで矢を持って待っていたのでしょうか。馬鹿です。
ワトソンももっとびっくりリアクションしてあげて。

占い部屋から始まる戦闘は、ホームズの先読み推理が外れました。シムがナイフを投げてきたのです。

ワトソンは酔っぱらって喧嘩をし、ボロボロの状態で結婚式に向かいましたね。あんな花婿おかしいですよ。
式場前では、左袖取れてませんでした?(ホームズがビッって引っ張ったような。)
珍しくホームズの方がしっかりしてました。手を引かれてヨボヨボ歩くワトソン。
その前のワトソンが毛布を引っ張って車から降りようとしない場面は、単にもっと寝てたいのか、こんななりで式行きたくないのか、実は内心さほど結婚したくなくて逃げてるのかが、分からなくて気になります。酔っ払い二日目のテンションというだけでしょうか。
ホームズは、あんなに屁理屈こねて結婚なんてやめとけとか言ってた癖に(人生の墓場だ!とか)、いざ式の日を迎えると寂しそうな微笑みを浮かべて拍手、静かに去っていきました。
ですから、本当は、これ以降ワトソンに関わらないつもりだったのかもしれません。

しかし、モリアーティに医者を狙う宣言をされてしまい、それで、新婚旅行の列車にも乗り込んだのではないでしょうか。
(教授の件がなくても、変装してついていきそうな性格だけれど、式を去る姿はマジっぽかったので、今度こそ、そういうのはやめとこうと考えていたのかも。)

モリアーティに「医者をひどい目に遭わせる宣言をすれば、ホームズの動きを封じられるかも」と思わせるくらい、ワトソンの存在が大事らしい、と知れ渡ってるんですね。
他のフィクションならば、病床の妹や、愛する恋人なんかがその対象かと思うんですけれど、助手の男性っていうのがちょっと斬新。

列車のホームズ、もうちょっと綺麗な女装にできなかったんですかねw時間がなくてこんなしかできなかった、と自覚してるようですけど。
腕がやたらたくましいからケバイ化粧やカツラと相まって面白クリーチャーと化してました。
にもかかわらず、頭を使い、かつ戦闘をこなす姿は、すごくかっこよくもありました。
女装の人やオカマ、オネェ系の人が時々低い声を出したり、啖呵切ったりする「オラオラ状態」って、男性の恰好している時よりもよっぽど男らしさや荒々しさ増して感じられるのは何故なのでしょうか。女性性からの反転によるギャップが強調されるからでしょうか。
「隣に寝ろ」とかなにこの人…。(座ってたら壁ぶち抜いた攻撃でやられるから伏せているようなもの。もっと下の座席あたりを撃たれたらどうするつもりだったのか。)

リンか何かを撒いて、敵の銃に細工、後ろに暴発させて爆発を引き起こさせたんでしたっけ。1の時も、主に敵がそういった化学を応用してましたね。

メアリーが使い慣れていないだろう銃を構えて敵脅すのが良かったです。
ホームズに列車から突き落とされるメアリー。
メアリーを殺されたと激昂するワトソン。
押し倒されて殴られるホームズが綺麗じゃない女装なのに色っぽくもありました。
なぜか服を破るワトソン。どこにその必然性が。
そこに敵が現れました。ちょっとしたお取込み中みたいになってるのに、そこはスルーしてくれる優しい刺客です。

敵がうっかり手りゅう弾を落としてしまい、仲間に申し訳なさそうにする顔がよかったと、同行者が言ってましたが私は見損ねました。

列車の外をつたって移動、列車が途中から切り離される、は、汽車を使ったシーンの王道ですけれど、普通あんな異常事態が起こったら停止させて点検するなり、応援を呼ぶなりしますよね。でも、そこで、目的地まで走ってしまうのが、鉄道アクションクオリティです。

友人の新婚旅行に押しかけ同行した上、新妻を列車から落とすなんて、はじめて見た展開ですよ。
川(湖?)には、兄マイクロフトが待機していました。
「私はもう一人のホームズです」その時は、お兄ちゃん頼りになるな、と感心したのに、その後、ご婦人の前で全裸を晒すフリーダムっぷりに「やっぱこの人ホームズのお兄ちゃんだわ」と納得したのでした。
執事のスタンリーは、常に震えていて食器がカタカタうるさかったです。笑いが堪えられませんでした。

オペラ座じゃない方で発生した爆発事件。実は、スナイパーが撃ってから、それを偽装するために爆破されたらしいのです。「爆発現場で銃弾を探す人はいない」。たしかに。ああ、ここで爆発が起こってみんな死んだね、連続事件の一つだな、と思ってしまいそうです。
しかし、当時の鑑識って、気づかないものですかね?焼死体に銃創のあることに。
フィクションだから楽しさ最優先ということで、仮に時代考証が正しくなくても問題ありません。

ジプシー達と馬に乗って国境を超える場面、ホームズだけ小さいロバ(ポニー?)でダサかったですが、それが笑えたし楽しかったです。大きい馬は乗れない人なんでしょうか。
ウサギとカメに例えて「カメが勝つ!」とか言って休憩中の仲間を追い越すもあっさり抜かれてました。
かっこわるいw
ジプシーっぽい服も可愛くてかっこよかったです。

モリアーティは人のよさそうな顔をしてドSの鬼畜ですね。
音楽やオペラが好きなのは、キャラ付けではなくて、それらにガチで心酔しているようです。
自分を釣り人に、ホームズを魚に例えており、ホームズを巨大釣り針で持ち上げたのです。
映画の痛そうな描写への耐性がついてきたのか、見ていても平気で、ホームズがセクシーだな、と思う程度の間違った余裕はありました。
音楽に乗せてホームズの悲鳴をスピーカー放送。その声がワトソンにも届く。これをエロい、と思った時点で、モリアーティと同類なのかもしれません。
ハンカチを口に当てられて気絶、悪役に捕えられいたぶられる、助けが入ると「来てくれると思った」。
髭おじさんなのになんというヒロインポジション。

退役軍人ドクターというかなりチートキャラのワトソン。
マシンガンなんて開発されたばかりなのだから、撃ったことないでしょうに、ぶっぱなします。
武器製造工場が舞台なら、そりゃ、当時の最新兵器をバカバカつかいますよね。こういう映画だったらなおさら。そっちのほうが面白いですし。
ワトソンは、大砲すらぶっぱなしました。ちゃんと耳を保護するイヤーマフみたいなのつけてましたね。

教授サイドのスナイパーさんかっこいいです。
特に森の中を駆けながらも一瞬綺麗な姿勢で半ば立ち止まり射撃する、あれが好きです。
ドイツかどこかの軍服もシックで好きです。

戦争は巨大市場で多額の金が動く。21世紀になっても「戦争起こしたい人」って実在しますよね。
これまでの歴史もだいたいこんなだと思われます。

森でものすごい一撃を喰らって吹っ飛ぶ一向。
ジプシー仲間の人達はちょくちょく死んで行っています。
列車の中で、ホームズの心肺停止。「馬鹿」とか「死ぬことを許可しない」「戻ってこい」と心臓マッサージをするワトソン。本職ですもんね。(本気で、人工呼吸くると思った)
そこで役立ったのが、ホームズが結婚祝いとしてワトソンにあげていた薬です。
あれであっという間に気を取り戻したはいいですが、わめいて走り出すホームズ。
ワトソン夫妻と食事をしていてロバの悪魔にフォークで刺されるとかいう悪夢・幻覚を一瞬にして見てしまったようなのです。
絶対それ体に悪いクスリですよね。健康な人が乱用したらあっという間に死にそうです。
ホームズの足から木片を取り除くワトソン。やさしいのですが、痛みを押さえようとか、麻酔かけようとかそういうのもなく、一気に引っこ抜くあたりが1から垣間見えてたSっ気を感じました。(医者として、当然の処置だろうけども、優しくはなかった)
その時の痛そう+ワトソンに対して申し訳ない雰囲気のしおらしいホームズがエロかわいく見えました。(ホームズの右手を吊っていたのは、メアリー手作りのマフラーらしい。見逃した。)
「私の胸の上で踊ったのは?」 「私だ」 なにこの会話(゚д゚) (心臓マッサージを指している)
その時のシムが、全然ヒロイン枠じゃなくて蚊帳の外でした。二人の世界(お互い気まずそう。これ1の時にもラストあたりにあった雰囲気。)

最終決戦の地はスイスです。国際会議が開かれ、ここで事をしくじると世界大戦がはじまってしまうのです。
要人暗殺の実行は、整形したシムのお兄さんが担当していたのですね。
同行者は、記念撮影のカメラマンが布を被って攻撃すると思った。と言っていました。ゴルゴ13でそういう回があったそうです。実際には、カメラマンは白です。
結局、暗殺は阻止されました。
シムは、お兄ちゃんを突き止めますが、直後、彼はスナイパーの毒針みたいなもので殺されました。あの針、証拠残りまくりですが問題ないのでしょうか。
シムの慟哭が聴こえてきても、ホームズは想定の範囲内の犠牲、という風に扱ってました。完全に冷めているわけでもなさそうですが、やむを得ない、と次に進む感じです。

ダンスパーティー、シムとホームズが踊るのは良くわかりますが、ワトソンとホームズが踊ったのには心底驚きました(゚д゚)!?
他に男同士で踊っている組み合わせを見かけないのですが、しかし、周りの客はまったく気にしておらず、これって、普通のことなの?と違うよね?と戸惑いつつ笑いました。何ナチュラルにやってるの…。
スイスはブロマンス(を超えてる気がする)に寛容なのですか。
ワトソンのダンスはホームズが教えたと言うことで、仲が良いにもほどがあります。二人とも基本的には異性愛者っぽいですけどね。むしろ女好きなくらいの。(←これは映画版限定のイメージ)
ホームズはワトソン限定でかまってチャンがさく裂してました。
ワトソンに今幸せか? 新婚旅行より幸せか? みたいな質問もしており、「嫁より私といる方が楽しいでしょ!」という子どもっぽい対抗意識を燃やしているようでした。独占欲なんですかね。

ホームズとモリアーティが、窓辺でチェスの早指しをしている間、ホームズのビショップ(?将棋でいう「角」と同じ動きをするらしい)である所のワトソンが活躍します。シムの兄の整形手術痕を探すのです。それでも見分けがつかなければ、仕草で判断します。
わざとカップを落として音を立てたり。
この辺が、作中最も推理っぽい雰囲気だったかもしれません。
(シム兄を探して行ったアナキストの巣で隠し扉を探す時も推理してましたが、あれは探偵が事件の謎を追うというより考古学者が遺跡の謎を解いていく感じに近かったです。なお、そこで錘の砂袋を切り落とす時、ワトソンの仕込み杖が使われていたようです。)
途中から実際駒を動かさずにチェスしてました。ゲームに慣れている人や天才同士ならば、頭の中だけで盤面を展開できるんでしょうね。
ホームズは右肩を負傷しており絶対にモリアーティに勝てないと悟ります。
そして、モリアーティを捕まえて一緒にライヘンバッハの滝壺に落ちてゆくのです。
その瞬間をワトソンは見ました。
落ちていくホームズがやたら美しかったです。

この映画の大筋は、原作でいう「最後の事件」に該当しますね。
小説版では、ワトソンの奥さんが外泊中に、ホームズがワトソンを大陸旅行に誘います。
(新婚旅行イベント自体が発生しない)
列車に乗るのも変装しているのも同じですが、この映画みたいなバトルは起こりません。
ホームズは、女装ではなく、老聖職者の恰好をしています。
どうせ一緒の列車に乗ると言うこともあり今晩は泊まっていけと頼むワトソンですが、ホームズは帰ってしまいます。ワトソンを厄介事に巻き込まない為にそうするしかなかったようで、優しいです。
大陸旅行の目的は、映画と同じく、モリアーティの陰謀を止める為なのですが、原作ホームズは最初目的地を問われて「どこでもいい。僕にとってどこも同じだ」と答えるんですよ。ワトソンと一緒ならどこでも構わないと言っているように感じました。Σ(゚д゚) エッ!?(実際には、事件を追う中で神経が参っていて、様子がおかしいだけみたい)
映画版では、相当ワトホムワトっぽい腐女子向けゲイ疑惑描写を盛っているんだろうなぁと想像していたのですが、原作の方がより重度であるように感じます。
女っ気がないのです。
唯一の女性キャラは、ワトソンを呼び出す偽の手紙に出てきたイギリス女性の急患、くらいですが、そんな病人最初からいなかったのです。
ホームズにはそれが贋物と分かってましたが、自分の身によからぬことが起こるかもしれないと予期してワトソンを遠ざけたんですよ。あとは、映画と同じく、モリアーティと共に滝壺に落ちて死亡、という扱いになります。
崖にはワトソンへの手紙があり、財産は兄に預けているし、奥さんによろしく、親愛なる友人よ、みたいに書かれていました。

映画だと、ワトソンがちゃんとホームズ落ちる所に立ち会う設定になってました。どちらも良いですね。
映像化のクライマックスで、ワトソンがで別所にいる内にホームズ死亡(?)だったらしっくりこないですし、淋しくモヤモヤしますから、ワトソンが最期(?)を看取れて(?)よかったと思います。
ホームズは、水中で酸素吸入器を使い、ボンベの要領で生き延びたんだと思いますけど、(高さ、深さ、冷たさによるダメージはこの際無視)上手くいかない可能性もあったわけです。もしそうなっても、最後にワトソンの顔が見られたからいいや、と、心穏やかに飛べたのではないかと思います。それで落下中のあの妙な綺麗さが生まれたのではないでしょうか。(こちら目が腐っているせいでそう見えた可能性95%)

ホームズは、モリアーティに「あなたを滅ぼせるなら命など惜しくない」という、ライバルに対して送る最上級の賛辞、あるいは一種のプロポーズのようなものをかましていたのですが、その通り心中未遂しましたね。

モリアーティは、家庭菜園の本を暗号に使っていたようです。もうちょっと、いつも自分が書いてるような物理の本にでもしとけばいいのに。でもああいう本は、何気なく、どこにでも売られているものの方が適しているんでしたっけ。実際、刑務所への差し入れの本で暗号やる人いるみたいですし。
何ページ目の何文字目だけ読むように指示があり、それは、特定の本に対応しているっていう。
暗号解読の地道な作業をやってくれたのは、ワトソンの奥さん、メアリーだったと思います。
メアリー、1でもかっこよかったんですよ。ホームズに嫌がらせされたにも関わらず、医者になりすますホームズの変装を見抜いた上で力強い宣言をしてくれるという。なんと寛容な女性でしょうか。
でも、突然汚い女装で現れ私を信じろ!と言われ列車から突き落とされた挙句、拾ってくれた兄は全裸。
…ミセスワトソンになるのって、とても大変。変人兄弟に振り回され、巨大な陰謀の被害を被るという言う巻き込まれっぷり。
原作では、兄マイクロフトもワトソン嫁メアリーも全く見せ場がないのですよ。だから、映画は、本当によく面白さを増してくれたな、と感心します。
シムはオリジナルキャラクターでしょうか。それとも、原作の別のお話に該当するキャラがいるんですかね。
アイリーンは、1で命がけで守ったけど2で即行退場しましたから、シムが2のメインヒロインですね。

用済みの手駒は躊躇なく切り捨てるモリアーティの非情さが出ていました。
原作でも、物腰の柔らかい正しい喋り方、とありました。見た目も声も話し方もあまり悪役っぽくないですもんね。
にもかかわらず、多くの人とカネと物を一手に動かしている。本物の巨悪の根源というのはこんな人なのかもしれません。
チェスの時、ホームズに上着をかけてくれていました。あれには、他意はないのでしょうか。
教授も拳闘チャンピオンということで、ここは、武闘派しかいない世界のようです。
好きなクラシックの「鱒」をかけながら釣り針のホームズをちょっと引っ張るとか、重度の変態ですよね。
ホームズは、あの曲トラウマにならないんでしょうか。
あの時、暗号用の手帳をすり替えていたんですね。ぱらぱら漫画が人をおちょくってて可愛かったです。
自分は確かに魚だが釣り人に逆襲するぞっていう。立場を逆転させないまま勝利するというのはかっこいいです。

映画2を見て、1よりさらにアクションムービーになってて最早ミステリではない(←それが良い)と思いましたが、小説「最後の事件」は、もっと推理要素がないんですね。
映画の方がよっぽど探偵してましたよ。頭を使って。
植物が枯れている、とかそういった後の複線になっている部分は、ちゃんと「今、ホームズが何か証拠拾ったよ!」と分かるように描写されてましたから、視聴者に対してフェアです。
(ホームズ原作の時は、まだ本格ミステリの流儀みたいなものが確立されていなかったはず。だから、そんな情報、解決編の前に書かれてなかったじゃないか、ということが起こったと思う。)

ホームズが滝に落ちてからの、後日談。落下した二人は、遺体の見つからないまま死者扱いされます。
ワトソンは、メアリーと新居で穏やかに暮らしているようですが、少し元気がありません。
メアリーからしても、ホームズがいなくなって寂しいということです。(もうちょっと性格のきつい女性ならば、「あのわがままで邪魔ばかりして、旦那を危険にさらすオッサンがいなくなってせいせいしたわ!!!」とか思いそう。)

ワトソンは、ホームズを賛美する文章を書きあげて「THE END」とします。
最後の数行は、おそらく原作「最後の事件」の〆めと同一です。そちらでは、出版されてからリアル時間にして8年以上、本気でホームズが死んだことにされていたようです。当初「最終回」として書かれたらしく。(小説は、「ワトソンがつけた事件簿」の体裁を取っている。)

しかし、映画版のホームズは小包を送ってきます。中に入った酸素吸入器を見たワトソンは、メアリーに郵便配達員がいつもの人だったか!?と聞き、部屋を出ていきます。
ホームズ生きてるんだ!また変装か!?とテンションあがって確かめにいったのでしょう。
しかし、実際ホームズはワトソン家の椅子に擬態していました。あの変な柄のタイツを着て。
用途が限られ過ぎた変装です。馬鹿だw
ワトソンが自分の事を文章の中で褒めてくれているのもしっかり読んだんでしょうね。その上で「THE END」のあとに「?」を書き足すのです。タイプライターで。

ホームズは、ワトソンを驚かすのが大好きなんですね。
これで、小包が、冒頭のアイリーンが運んでたものみたいに爆発したら最悪のバッドエンドでしたけども、そんなこともなく、コミカルかつ希望の持てる終わり方で良かったです。

THE END ?

テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

  1. 2012/03/19(月) 15:03:14|
  2. 映画感想

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