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映画「ゼイリブ」感想

ゼイリブ [DVD]ゼイリブ [DVD]
(2003/02/21)
ロディ・パイパー、キース・デヴィッド 他

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【あらすじ】
肉体労働者ナダは、貧民キャンプのような場所で暮らすホームレス同然の男である。
ある日、怪しいおじさんがテレビの電波をジャックして「信号により世界は眠らされ騙されている。彼らによって物欲の奴隷とされ、貧民は骨抜きにさせれている。」という旨を述べる。
ナダは、立ち上がった男に付いて行き、自由教会なる賛美歌流れる建物に入る。しかし、賛美歌は録音テープであり、「電波ジャックしてもすぐ妨害される」「あのレンズを量産しないと!」「いや、仲間を増やそう!」と謎の会議をしている人々がいるだけだった。
翌日ナダが再び教会を訪れるとそこは無人だった。教会のダンボールからサングラスを一つ拝借する。それをかけると、真実の世界が見えるのだった。

【途中まで、ネタバレなし感想】
テレビ、マスメディア批判の映画らしいです。
テレビに映るご婦人が、「テレビで人生が変わった」「テレビのおかげで皆に愛されていると感じられる」とその素晴らしさを語ります。
私は「新興宗教『テレビジョン教』狂信者?」と感じましたが、大体あっていました。真相とは少し違いますけど。

サングラスを通した真実の世界では、看板も雑誌も全く別のものに見えます。(フォーマットの質と形は共通)
「眠ってろ」「消費しろ」「考えるな」「権力に従え」「働け」「結婚しろ」「出産せよ」など、フォントの大きく短い命令文が書かれているのです。文字が少ないので、画面は余白だらけになります。
あれは、「かっこいい広告、美しい写真、長々とした素晴らしい文章、それらは要約すると、全てあの短い文字列で済むんだぜ。人を消費に駆り立て、働かせ、考える力を奪うのが真の目的だよ。まぁ、そんなメッセージを直接言われて言う事聞こうと思う奴もいないだろうけどさ。だから、耳ざわりの良い言葉に置き換えてるのだよ。」っていう意味なんでしょうね。
(↑命令文は、「無意識に働きかけるサブリミナル」的なものかなぁと思ってましたけど、上記の解釈の方が、よりこの映画のテーマに沿ってる気がするので、一部書き換えました。)

教会の内壁には「THEY LIVE AND WE SLEEP (奴らは生き、我々は眠っている)」と描かれています。
その「彼ら」が、社会の上部を占め、テレビから洗脳してるんですよ。

この映画、変な所に尺を使います。
主人公のナダと友人労働者のフランクが、眼鏡をかけるかけないで大喧嘩をする場面、「ここ、そんな時間割く必要絶対ないでしょ!」というくらい長いです。
いや、きっと監督なりになにか思惑があるに違いない・・・。
フランクは妻子ある身、「真実」や「危険」「権力への反発」、そんなものからは一歩引いていたい、保守的な常識人なんですよ。
ナダは、お前も眼鏡かけたら分かるから、な!な!な!?と迫るわけです。傍から見たら、主人公のみ狂人です。
フランクとしては、万が一ナダの言うことが事実だとしたら、厄介事に巻き込まれると決まってるわけですから、そりゃあ、試しに数秒かけるだけでも嫌なんでしょう。そのせめぎあいや葛藤を描いているから、あんなに長いこと喧嘩するシーンを入れたのだ、・・・ということにしておきます。 (単にプロレス技で投げ合う男二人が撮りたかっただけの気もする)

映像は、意外なことに(?)美しいです。チャチくありません。空想科学装置は、少しレトロフューチャー感あるようですけど。

【以下、ネタバレあり感想】







宇宙人がはびこっていて、貧困層を奴隷状態にさせ、金持ちには贅沢な高級品を買わせるよう物欲を煽っていたのですね。

人間の一部は、宇宙人に媚を売り、取り入っています。
宇宙人との世界を騙すあれこれは、あくまでもビジネスだと言い張っています。
たしかに、貿易と言われれば否定できません。
テレビは、物を売りつけたり、思考力を奪うのにうってつけのメディアなんですね。

テレビから高圧的な態度で「黙って買えよ」「考えるな」「産め」「働け」と本音を言われたら、皆、怒りますよね。
しかも、宇宙人に牛耳られてると分かれば言うこときかないはずです。
だから、電波信号で偽装してるんですね。

ヒロインのテレビ局員ホリーは、人間のまま、宇宙人サイドについている女性、ということでOKですか?
窓からぶん投げられたり、テレビ局員だと知った上で、まだホリーを信用するナダのお人よし加減が凄いです。
ホリーが自由教会に来てたら、むしろ「スパイじゃないか?」と疑うべきではないでしょうか。美人には警戒心が薄くなるのでしょうか。

フランクはホリーに殺されたんでしたっけ。妻子・・・。やはり彼は、眼鏡をかけるべきではなかったのかもしれません。
真実なんて知らず、労働力として搾取されながら、そこそこ幸せに生きていくこともできたんですよね。

電波信号発生装置は、銃一発で壊せるものなんですね。ガード脆いw ラスト、ナダの生死は不明ですか?

信号がなければ、サングラスやコンタクトレンズなしでも真実が見えるようになります。
人々は、自分達に紛れた宇宙人を見抜けるようになるわけです。
「暴力的な映画は良くないね。特にロメロとか気をつけて欲しい。」などと言っていた「良識派」コメンテーターも宇宙人でした。
ああいう手合いは、カーペンター監督からしても敵なんでしょうねw表現の自由を規制する頭の固い輩は、テレビで人々を洗脳しようとする宇宙人だわー。もう、そう思わないとやってらんない。したり顔しやがって。というような気持ちなんでしょうかw「個人的な恨み」、かつ、一般視聴者からしても「あるある」です。
「人間の考える力を奪う」という意味でも、宇宙人の思惑と一致しています>コメンテーター

あの強力信号、ハナから人々を消費に駆り立て、労働に明け暮れさせることはできないんですかね。
宇宙人を人間に見せるだけでも相当大変ですから、洗脳は、テレビ、雑誌、奥様の口コミネットワークに任せて、という部分があるのかもしれません。

テーマ:DVDで見た映画 - ジャンル:映画

  1. 2011/10/23(日) 18:58:38|
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