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ジョージ・A・ロメロ監督作品 映画「ゾンビ(原題(Zombie/Dawn of the Dead)」

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(2007/12/21)
不明

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【あらすじ】
全米で死者が蘇りゾンビ化、人々を襲った。殺された人間もまたゾンビになる。
TV局勤務のスティーブンと恋人のフラン、スティーブンの友人でSWAT隊員のロジャーとピーターは、4人でヘリに乗り、都市からの脱出を図る。
一行は途中にあるショッピングモールに留まるが、そこはゾンビの巣窟だった。

【途中までネタバレなし感想】
現在まで残る「ゾンビものテンプレ」の元祖という位だから、もっとチャチくて安っぽくて古臭い映画なんだろうと想像していましたが、全く違いました。ごめんなさい。
時代を感じさせない、洗練された美しい画面で、俳優陣の演技もクールでした。
モノクロではなくカラーなんですね。

全体的にシリアスで、時々入るコミカルな演出すら淡々としています。
愉快だけどくり返し聞くと不安になる、サーカスめいたBGMに乗せて、対ゾンビ特訓や、死んだゾンビ廃棄などの悪趣味かつ笑える場面が流れます。時間は短縮されて飛び飛びだったりするので、リアルタイムではありません。テンポアップされています。
それでも、通常場面から悪目立ちすることもなく、一連のものとして受け取れました。

ゾンビとの戦いや銃などによる怪我、身体の欠損などはそれほどグロテスクではありません。
が、物語後半にある生きたまま捕食される男性の図は、かなりのR-18Gでしたよ。
しかもその演出が、またスタイリッシュかつふざけてて恐ろしいのです。
猟奇は突き詰めると笑いになるようです。

ノロノロ歩くゾンビだと、「なんとか逃げ切れそう」とつい自分に置き換えてしまうので、臨場感ありますね。
どこに隠れ、どう攻撃し、どう身を守るか。体力だけではなく知能の戦いでもあります。

立て篭りの中でも、メンバーは生活します。その日常が、逆に冷や冷やしますね。
いつ、ゾンビに脅かされるか分からないつかの間の休息。
この映画中最もゾっとした場面は、この人間同士の会話にあったのです。
ゾンビよりあなたたちが怖い!ってなりました。

ものすごいイケメンのゾンビいましたよ。エキストラかもしれませんが。

【以下、ネタバレあり感想】






生還したのは、ピーターとフランでした。
ピーターは、「リーダー」という印象の黒人男性でした。
演技もセリフも役割も、人種の違いを全く感じさせません。

フランは唯一の女性です。スティーブンの(?)子供を妊娠していましたが、途中で「産むか堕ろすか」という議論になります。
ピーターか誰かの「堕胎の方法なら、知っている。」というセリフがもう怖くて。
この後、堕胎場面くるのか!?とガクブル((((;゚Д゚))))しましたよ。
もし実現していたら、画面から目を背けていたでしょう。

フランは、覚えたてのヘリ操縦でショッピングモールを飛び去って行きました。
守られるだけのか弱いヒロインではないのですね。

服を来たマネキンを「的」に銃の訓練をする姿は、それだけでも絵になります。
機械的なゾンビの捨て方は、土木工事か清掃作業かというサクサクぶりで、システマティックでした。
ゾンビが生きて動いていた事や、元・人間だった事を感じさせない、ゴミ廃棄のような扱いでした。
人権(ゾンビ権)無視もここまで来ると清々しく、笑えるものがあります。
ただ、一歩引いて考えれば、「死体のお片付けを見て笑っている私」が不気味です。

メンバー最初の脱落者は、ロジャーでした。
ゾンビに噛まれ一命は取り留めたものの、日に日に弱っていき、ついには、ゾンビ化してしまったのです。
噛まれた事が直接ゾンビ化に繋がったのではなく、怪我が原因で衰弱死した結果、次の瞬間蘇りゾンビに…、という事ですかね。
ロジャーは、「自分がゾンビ化したらを撃ち殺してくれ」と言い残します。仲間想いですね。例えゾンビになってでも生きていたい人というのは多いと思うのですよ。
ロジャー殺害を委託されたピーターの方も、相当苦悩したでしょうね。
ゾンビになってしまえば、元のロジャーではない。それは分かっていても、易々と切り替えられるものではないですよね。

次に死亡したのが、スティーブンです。
こちらは、フランの恋人、婚約者ですね。エレベーターから出てきた時には、すっかりゾンビでした。
緊急時にエレベーターを使うのは、かなり危険です。
ゾンビ化スティーブンを撃ったのは、またしても、ピーターです。
2度目の仲間殺しは、かなりあっさりしていました。
ロジャーの件ではあんなにたっぷりと尺を取っていたのに、スティーブンの場合は、他の雑魚ゾンビと大差ないスピードでの処理、そして、描き方でした。
ゾンビが次々に襲い来るので、躊躇したり感傷に浸ったりする時間などなかったのでしょうが、それプラス、精神の麻痺、諦念みたいなものも感じました。

ピーターがヘリ出発に間に合って良かったです。
彼らは、どんな想いでショッピングモールを後にしたのでしょうか。
二人の表情には、感情の大きな動きを見て取ることはできませんでした。
ゾンビは全米で発生しているので、モールから脱出したとしても、その後の安全は保証されていません。

家族連れでも楽しめるような施設に、当たり前のように入っている銃売り場。さすがはアメリカ、銃社会、と感じました。

バイカー集団の革ジャン、髭、バンダナ、サングラス、筋肉、刺青、柄が悪い、略奪者、無法者というステレオタイプは、いつどこで完成されたのですか。
かなり最近の映画やドラマでも、変わらぬ姿で描かれています。
何かの映画か雑誌発祥のスタイルなのでしょうか。
それとも、モデルになる現実のバイカー集団が存在したのでしょうか。
ゾンビを相手にするだけで大仕事なのに、そこに悪い人間が大挙して押し寄せるとは、なんという混沌。

心拍数表示のあるゲームをプレイする男(ゲームじゃなくて医療機器?)が、ゾンビに囲まれ内臓を引き出されるシーン。あれが、映像的には最グロかと思います。
心拍数がゼロになるという、ブラックユーモアが炸裂していました。そりゃそうでしょうよ。あれで平常値だったら、それこそホラーですよ。もしくは、ゲームの方が欠陥品だという事になります。

テーマ:DVDで見た映画 - ジャンル:映画

  1. 2011/06/18(土) 20:14:03|
  2. 映画感想

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