野良箱

同人漫画サークル

伊集院光「のはなしさん」

のはなしさんのはなしさん
(2010/10/08)
伊集院 光

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伊集院光さんが、メールマガジンに書いたコラム集の第3弾です。
テーマ一つにつき、3~5Pという分量で、タイトルの50音順に並んでいます。
どこから読んでも大丈夫な内容です。
既刊の「いち」「に」を読んでいなくても読めると思います。

ものの考え方とその語り口が大変ユニークです。

途中、声出して笑いました。
「沼田君のあだ名」の章とか。
なお、その中の「ダロ」と「オフコース」のネーミングは秀逸すぎると思います。

「覗き見」趣味について。これは、以前TVで話そうとして気持ちが悪いとストップされたものです。
伊集院さんの言う「覗き見」とは、捨ててあるものなどから前の持ち主を想像するという行為です。
漫画本に書かれた名前の筆跡や、中古ゲームに入っているセーブデータなどから妄想を膨らませます。
これは、今でいう「痕跡本愛好家」に近いものがありますね。
痕跡本とは、らくがきやアンダーライン、書き込み、挟まったメモ、切り取られた跡などのある古本のことで、愛好家は、それらの痕跡から、前所有者の人となりを想像し楽しむそうです。

小学生、中学生時代、それから落語家弟子入り、タレント業といろんな時期について書かれていて、どれも面白いです。
行けなかった遠足の地が自分の中でエルドラドみたいになっていたという話や、後輩芸人が金を出し合ってバットを買ってくれた事、ホワイトデーというシステムを勘違いしていた件、記憶の脚色はあるでしょうが、それにしても実に鮮やかに生き生きと書かれています。
それでいて、イイハナシになり過ぎないような笑えるオチもあったりします。

全体的には、子供の頃から、学力や運動能力、画力といった才能を磨く事よりも、とにかく笑いを取る方向を目指していたようです。
年齢別に、肥満児のぶつかりやすい障害とその攻略法が書いてありますが、そこでも伊集院さんは「おもしろキャラクターの確立」を選択していました。

文章に愛妻家である様子がにじみ出ており、巻末のvery special thanks には、奥さんの名前があります。

テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学

  1. 2010/12/22(水) 17:50:10|
  2. 読書感想文(小説)

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