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同人漫画サークル

映画「Dr.パルナサスの鏡」感想

Dr.パルナサスの鏡 [DVD]Dr.パルナサスの鏡 [DVD]
(2010/07/02)
ヒース・レジャー、コリン・ファレル 他

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【あらすじ】
博士とその娘のヴァレンティナ、若者アントン、小さいおじさんパーシーの4人は、鏡を使った移動式見世物小屋をしていた。
鏡の中には広大な世界が広がっており、その様相は、くぐった本人の欲望やイマジネーションにより、異なったものとなる。
一座は、ある日、首吊り状態の青年トニーを助け仲間に加える。
トニーは愛想よく沢山の客を連れてくる。

【途中まで、ネタバレなし感想】
博士は、悪魔と契約して不死の身です。
死を与えてもらう代償にとある物を差し出すか、悪魔より先に五人集めないと駄目です。
自分では理解してませんでしたが、他サイトを参照にした所、見世物の客に悪魔側につくか博士側につくかを選ばせてるようです。言われてみればそんなシーンがありました。鏡の中で2択。

せっかく永遠の命があるのに、ものすごい苦労してでも死を与えてもらいたくなるものなのですね。
フィクションでもそういう考えのキャラクターがいると、少し安心します。

トニーを演じているのがヒース・レジャーです。撮影中に亡くなったそうで、鏡の中のトニーは、ジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルが演じています。
代役でもありますが、他のキャラクターでも鏡の中では望む容姿になれるという設定があるので自然です。

私、ヒース・レジャーの出ている映画は2本しか見たことなくて、しかも内1本は濃いメイクをしてる役だったので、よくお顔を存じてませんでした。
なので、鏡の外の時点で何度かジョニー・デップにすりかわってるように見えたのですが、そんなことなかったです。
要するにヒースとジョニーの見分けがついてなかったのです。

トニーの正体や、博士と悪魔の駆け引き(腐れ縁っぷり)がストーリーの軸だと思われます。

鏡の中の世界は、ファンタジックで映像が夢、というか悪夢っぽかったです。
縮尺大きいお母さんとか。ロシアの故郷像がひと括りな感じとか。

ジュード演じているあたりの空まで届く梯子が壊れる描写は、「蜘蛛の糸」(元ネタは民話集短編の「カルマ」とかいう話らしい)のようでした。
「蜘蛛の糸」と違うのは、裂けた梯子で竹馬するということですが。

ヒースも代役の面々も、いい具合にM字ハゲ気味のよい額をしていました。
髭と髪型とメイク(目の下のラインを強調)が同じなら、大体同じ人に見えますね。コリンはちょっと毛色の違う顔でしたが、トニーのある一面をクローズアップしたキャラクターなのでそれでOKでしょう。

かっこいいトニーに対して当て馬のような存在のアントンですが、アントンの女装すごく似合ってました。
空回りしたり、客引きが強引だったりもするけど(俺だってやればできるんだ感)、いい奴です。

【以下、ネタバレあり感想】

最初は、鏡の中で首を吊らされたトニーが、現実の川でも首を吊っていて、それを見世物小屋一家が発見するというループ構成かと思ってましたが、違うようですね。

現実のトニーもロシアンマフィアに追われ首を吊らされたのでしょうか。

トニーは、子供の為の施設を使ってそれを食い物に詐欺をした悪人で、マスコミの言うとおりでおk?と考えてましたが、実はトニーはロシアマフィアに陥れられただけだ、という説もある模様です。
悪魔達のセリフ的に、トニーは本当に悪い奴なのかと。
なお、別サイトでは、はっきり、子供の臓器を売っていた偽善者・悪人トニーと書いてあります。

トニーが悪意を持ったペテン師とすれば、客寄席が上手いのも頷けます。
もし、詐欺行為がマスコミの嘘としても、元々そういう素質があるんでしょうね。
甘いマスクと親しげな態度、軽妙な話術。
トニーが冤罪だとすれば、そういう面をマフィアに利用されたものと。

トニーの暗黒面は、コリン・ファレルが一手に引き受けてましたね。

トニーが首吊りで死ななかったのは、喉に入れいてた笛的なもののお陰なようです。
そして、ラスト鏡の中で死んだのは、その仕掛け笛と違う笛を飲み込まされたせいっぽいです。

博士は、死と引き換えに娘の魂を悪魔に差し出す約束をしていましたが、娘の誕生日までに悪魔と競争し、先に5人ゲットすれば、娘は助けてやる、という約束を交わしました。

これまた自分で理解できてなかったのですが、裕福な奥様4人が博士側、ロシアマフィア4人が悪魔側にカウントされてイーブンだった所、博士の娘が博士側に行って五人に。
しかし、娘は景品であり、人数にカウントするのもあれだから、殺しても死なない男トニーの殺し方を教えろと悪魔が持ちかけ、それを博士が知っていたので、トニーは死に、賭けは博士の勝ち、娘はアントンと結婚し娘を儲けて、博士は物乞いになりました。ハッピーエンド(?)ということらしいです。(違うかも)

死を得た上に魔術を失い物乞いになっていても、博士本人は幸せらしいです。
傍から見ると不幸でもありますが、娘を失わないこと、孫が出来ることと、死ぬことができることはかなりハッピーなものらしいです。
となると、現実を生きる人間って素晴らしい、ということになりそうです。

博士は、愛する妻を失って初めて死を望むようになったんでしたっけ。
そこら辺、100万回生きたねことかカウボーイ・ビバップに通じますね。

トニーは、映画の中ではどちらかと言えば悪役のような立場でしたが、結果としては、博士の娘を救うことになりました。誰かの悪事が誰かを救うという構図は好きです。

他サイトさんでも書かれていましたが、「人間の欲」がメインテーマの一つだったのかもしれません。
永遠の命が欲しいのもそれを手放したいのも酒が飲みたいのも偽善で金を集めたいのも娘を救いたいのも全部欲です。

テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

  1. 2010/12/02(木) 16:12:01|
  2. 映画感想

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