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映画「プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂」感想

プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂 [DVD]プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂 [DVD]
(2010/09/22)
ジェイク・ギレンホール、ベン・キングズレー 他

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【あらすじ】
貧しい子供ダスタンは、ある日市場を訪れた王に見初められ養子に迎えられる。
王家の血縁者ではないが、ダスタンはペルシャの王子となる。
青年となったダスタン王子と兄王子二人は、「聖都アラムートが、武器を密造し敵国に売っている」という情報を得、アラムートを征服する。
ダスタンは、戦闘中に騎士が落とした短剣を入手する。
その柄には砂が入っており、ボタンを押せば時間が1分巻き戻るのだった。

国王は戦勝祝いとして差し出されたマントを身に着けるが、そのマントには毒が塗られており国王は死んでしまう。
父である国王を殺害したという濡れ衣を着せられたダスタン王子は、アラムートの姫と共に追われる身となる。

【途中まで、ネタバレなし感想】
エンターテイメントの王道な場面が沢山入っていて、アクションも見ごたえがあります。

ヒロインのアラムート国王女、タミーナ姫が、もう強気とかそういうレベルじゃなくて笑えたし怖いしかわいかったです。
見逃していたので、再見したのですが、時を操る短剣は、元々タミーナ姫の物なんですね。とても神聖なものだし、扱い方を間違えると恐ろしいことになってしまいます。
タミーナ姫は、短剣を安全な場所に移送する為騎士に預けたわけですが、その騎士がダスタン王子に倒されてしまったわけです。そして短剣は王子の手に渡ってしまいました。

そりゃ、姫からしたら自国に攻め込まれた上に短剣まで奪われたわけだから、あそこまで怒るしつっけんどんにもなります。それに切りつけてくるし、色仕掛けも使うし、骨でぶん殴ってくるわけです。
骨殴りのシーンは、可笑しかったです。なんて乱暴なお姫様だwと。

ダスタン王子とタミーナ姫は、とても険悪なままそれでも行動を共にします。
物語中盤あたりまでに何度かお互い「プリンス」「プリンセス」と呼びますが、どれも皮肉で嫌味なニュアンスが込められていました。

服装や背景、セット(CGもあり?)、装飾などの色合い、質感が丁度よく見やすかったです。
主人公のダスタン王子だけ、他の兵士達より露出度の高い格好で防御率低そうでしたが、見栄えがよくかっこよかったです。

登場する男性キャラクターは、全員髭で長髪、もしくはスキンヘッドでした。当時のペルシャ周辺ではそのスタイルが一般的だったのでしょうか。

王を殺した真犯人は誰か、その動機は何か、時を操る短剣は誰の手に渡りどう使われるのか、といったミステリーとしても興味を引かれました。

時間の戻る描写が独特で面白かったです。
現在の自分が幽体離脱したようになり、やがて、1分前の自分の体に同化するというエフェクトでした。

【以下、ネタバレあり感想】

マント着ただけで火傷するし死ぬ毒って何でしょう。硫酸系の化学物質ですかね。高熱を発する液体なのか、触れた物を溶かす作用があるのか。
毒殺と言うと、被害者に経口摂取させるか、注射、矢、ナイフ等により体内に投与、というイメージがありますが、皮膚から人を殺す毒もあるんですね。

ダスタン王子が最初に短剣を使用した時、時間が巻き戻ったということは見てすぐに分かりました。
王子が姫に切りつけられる直前まで時間を戻したわけですから、次はより安全に姫の攻撃をかわすんだろうと思っていましたが、最初よりも深手を負うとは意外でした。
王子には、まだ、時の砂の意味が分かってなかったんですね。さすがに3度目は無傷だったようです。

国王暗殺の首謀者はダスタンから見て叔父のニザムでした。(スキンヘッドの人)
私もダスタンと同じで(?)、父を亡き者にして王位を手に入れるための兄王子の仕業だと思ってたんですけど、真相は違いました。

ニザムは、時の短剣を利用し、幼い頃まで時間を戻そうとしていたのです。
少年時代のニザムは王と狩りをした時に、ライオンに襲われそうになった王の命を救ったのですが、それを見殺しにすれば、自分が王位につけると考えたのです。
短剣の使用者は、記憶を継続して持つことが出来るので、もしその時間に戻れたならば、計画を遂行できたでしょう。

短剣(ダガー)の砂で戻れるのは1分ですが、時の砂が沢山入った岩(ガラス容器?)に短剣を突き立てることで、いくらでも時間を戻せます。しかし、やりすぎるとなんだかんだで世界ヤバイという状態になるので、姫としてはそれは避けたいのです。

兄のタス王子は本当にいい人だったんですね。つい、悪役というか、ダスタン王子を陥れたい人なんだと思ってました。
時間の砂の存在をすぐには信じなかった兄王子ですが、そこでダスタン王子は賭けに出ます。突然の自害。これには驚きました。
兄王子は、時の砂短剣の使い方は事前に来ていたので、即座に判断して時間を戻します。それによりダスタン王子の命は助かりました。
これ、兄王子が1分以上をうだうだ悩んでたら間に合わなかったかもしれません。兄弟っていいものですね。血が繋がってなくても。
ですが、その兄王子は短剣をニザムに奪われたまま殺されてしまいます。これでは、弟ダスタン王子にも救いようがありません。
兄のタス王子、今まで悪人だと疑っててすまなかった!!と心底思いました。

緊迫した場面でキスシーンの王子と姫。大衆向け娯楽映画なら必須であるらしいラブシーンです。
その直後悲劇が。姫が奈落の底に落ちていきます。
この「高所で二人が崖に掴まってぶら下がる→私の手はもう放して頂戴!→離すものか!→でも堪えきれず手が離れる→下の人が落ちる」という流れは、幾度もフィクションで見てきた展開ですが、定番の盛り上がりシーンですね。

姫も兄王子も父である王も、いい人達はみんな死んでいくな、寂しい物語だ、と感じましたが、ニザムが時の岩につき立てた短剣をダスタン王子が途中で引き抜いたため、時間は、王子が短剣を手に入れた瞬間まで戻りました。

ダスタン王子は、前回のターンで知った事実、「アラムートが武器を製造しているというのは、ニザムによるデマ」ということを公表し、なんだかんだでタス王子がニザムを仕留めます。(死んだ?)
ダスタン王子はタミーナ姫に「聖都に侵攻したのは間違いであった」と詫び、さらに、時の短剣を返上します。
この新しい時間軸での姫にとっては、王子とはこの時が初対面となります。
映画の序盤のツンツンした王女とは別人のように穏やかで優雅です。それは、王子サイドの態度が違うからなんですが。

この映画はフィクションですが「武器があると思い込んで攻め込んだのに、本当はそうではなかった。勘違いで正当性のない戦いを吹っ掛けてしまい申し訳ない。」と言う展開は、近年のリアル国際情勢を思わせます。
「大量破壊兵器持ってるから危険な国だ」という大義名分で戦争を始めたものの、武器製造、保有の証拠なし。というか、多分本当に持ってない、という。
映画制作国が、その戦争の当事者(攻めた側)なので、自虐や反戦、大統領批判の意図が込められているのかもしれません。

物語は、ダスタン王子とタミーナ姫が、両国の友好の為に結婚し、また、兄王子二人も、父の王も生きていて、かつ、一連の陰謀の黒幕ニザムだけ死亡している(?)というハッピーエンドでした。
ペルシャもアラムートもより良く発展しそうだという、希望の持てる終わり方でした。

後味の良いお話でした。
  1. 2010/12/01(水) 06:04:44|
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