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映画「フィリップ、きみを愛してる!(原題:I Love You Phillip Morris)」感想

フィリップ、きみを愛してる! [DVD]フィリップ、きみを愛してる! [DVD]
(2010/11/04)
ジム・キャリーユアン・マクレガー

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【あらすじ】
妻子のあるスティーヴンだが、実は子供の頃からゲイだった。
交通事故に遭ったことをきっかけにカミングアウト。堂々とゲイとして生きる。
彼氏との豪遊やパーティーには金がかかるということで、詐欺を働くようになり刑務所へ。
そこで、フィリップという男性と恋に落ちる。
実話に基づいたストーリー。

【途中まで、ネタバレなし感想】
物語は、スティーヴンが死に掛けている所からはじまったと思います。

スティーヴンとフィリップは、お互い一目惚れだったようです。
片方だけが刑務所に入っている場合は、あの手この手を使って会おうとします。
特に、スティーヴンは脱獄の名人で、よくもそんなに頭が回るなと感心されられます。

逮捕される時はいつも往生際の悪いスティーヴン。しなくてもいい怪我をします。
どうせ掴まるなら大人しくすればいいものを、やたらに抵抗します。

スティーヴンは養子で、産みの母親に会いに行っても冷たくされます。このことと、彼がゲイであること、そして詐欺師であることには何か関連があるのでしょうか?
彼の嘘つき犯罪者の素質を早くに見抜いた母が、息子を里子に出し、大人になっても向き合ってくれなかった的なセリフがあったようななかったような。

あまりに身分や経歴その他を詐称し、嘘に嘘を重ねていると、その人の「本当の部分」が見えなくなってしまいます。
だから、傍からその人を愛そうにも、「本当の君が誰か分からない」という状況になるんですね。

フィリップは、別に豪勢な暮らしをしたいわけではありません。スティーヴンの側にいられれば幸せなのです。そして、スティーヴンにはもう嘘を重ねてたり、隠し事をしたりして欲しくないのです。
これは、性別関係なく、そしてセレブに憧れる人以外なら、恋人に望むごく当たり前の感情なんでしょうね。
でも、スティーヴンは嘘を付きまくります。
ほとんど詐欺ではありましたが、正式に就職しています。
元々頭がいいので、そこでの仕事も十分こなせています。もう嘘を付く必要がないのにそれでも、周りが馬鹿すぎたせいかまた詐欺を働きます。

この周りの馬鹿っぷりを表すエピソードが印象深かったです。
スティーヴンの言ったジョークが会社中に蔓延していくのですが、少しずつ内容が変化して、社長までそのジョークを飛ばすようになるわけです。しかも、段々面白の論点がずれてグレードダウンしてた気がします。
ずっと愛想笑いをするスティーヴンですが、内心、なんて馬鹿ばかりなんだ!って思うんですね。

別の詐欺もの映画(実話)でもそうだったんですが、割とハッタリと話術と度胸だけで綱渡りしていくっていう部分もあるんですね、詐欺というのは。物的証拠がないのにあるように見せかけたり、何も知らないのに「こいつ…さてはアレを知っているな」と相手に思い込ませたり。
文書偽造に関しては、スティーヴン自身が行うものの他に、他の人に頼むケースもありましたが、ハイレベルでした。
そもそも、そこを偽造すれば、こう儲けられる、とか、このような良い作用がある、と気づくところが天才です。

予告にもありますが、やがてスティーヴンは、元彼と同じエイズだと診断されます。告知によると余命はあとわずか。
果たして、スティーヴンは再びフィリップに会うことができるのか。
彼は、本当に「真実の部分」を全て失ってしまったのか。

【以下、ネタバレあり感想】

結局喧嘩別れをしたまま、スティーヴンは死んでしまい、フィリップは悲しんだ。…バッドエンドだなぁと思って見ていたら、実はスティーヴン生きていました。ちゃっかりフィリップと再会。またもや騙されたと知ったフィリップの平手打ちが炸裂した所で、エイズ偽装死の種明かしがされます。
コミカルで明るい演出でしたね。

ラストあたり、スティーヴンからフィリップへ「一言だけ言わせて欲しい」とあったので、てっきりタイトルの「フィリップ、きみを愛してる!」が来るかと思ったのですが、もう少し違う言い回しだったように思います。

その前、脱獄して花束を持ってフィリップに会いに行ったシーンでも、その一言を言おうとしてたんでしょうね。警察が来てしまったので無ししなりましたが。

フィリップのビンタも無理ありません。生きてまたスティーヴンに会えたという喜びよりまず、また騙したな!嘘つき!っていうか、今回の死にネタとかシャレになんねーよ!まじで心配したじゃん!俺の涙を返せ!と、怒りが沸きますもんね。

脱獄してフィリップに会う手法として、末期のエイズ患者を装うことで外の施設へ移され、死んだことにして、別人として刑務所へやってくる、というもの凄い荒業を使ったのです。特に薬で4日間昏睡してみせるところなど、まさに命がけでした。
エイズの症状は、元彼の衰弱していく様を模倣していたということで、スティーヴンの幸せを願っていた元彼としてもその手助けができて本望だったかもしれません。

嘘だらけのスティーヴンの人生ですが、フィリップを愛する一人の男だ、という点だけは本物でした。
脱獄も詐欺も全てはフィリップの為でしたし。
嘘の根底に揺ぎ無い真実があったのです。

結局、またしても懲りずにフィリップを刑務所から出そうと画策して終身刑的なものを食らうスティーヴンでしたが、もっとファンタジックな判決が下されるのかと変な予想をしてしまいました。
それは、「被告スティーヴンは、【一生フィリップの側にいるの刑】に処す」でした。
さすがにそこまではロマンティックにはいかなかったようで。
スティーヴンのモデルは現在も服役中のようですね。

映画は、また脱獄騒ぎを起こしている相変わらずなスティーヴンという所で終わりました。

金髪碧眼って西洋には多そうで、意外とそうでもないんですかね。少し特別視されてるようです。
さらにゲイということにもなれば、刑務所ではイジメの対象になりやすいみたいです。

「叫び屋」は、夜中に奇声を発するため、フィリップは迷惑しています。
そこで、スティーヴンが他の囚人に指示して「叫び屋」を殴らせました。
その様子を見たフィリップが引いているようだったので、暴行がスティーヴンの差し金と知って幻滅するんじゃないかと思ってましたが逆でした。「こんな優しさ初めて」と感激したのです。
ちょっと!もう少し「叫び屋」に同情してあげて!!w確かに彼うるさいけど!

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  1. 2010/10/12(火) 03:40:30|
  2. 映画感想

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