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映画「アップタウン・ガールズ」感想

アップタウン・ガールズ [DVD]アップタウン・ガールズ [DVD]
(2007/02/20)
ブリタニー・マーフィー/ダコタ・ファニング

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【あらすじ】
ロックスターの娘で親の財産を継いだ大富豪のモリーは、自分の誕生日パーティーでミュージシャンのニールに一目ぼれして、部屋に引き込む。
ニールの暗い歌に息が詰まりそうだ、追い出したい、と思っていたが、いざ、ニールが去るとなると追いすがった。
そうこうしているうちに、モリーの財産管理人が金を持ち逃げ、モリーは無一文になる。
わがまま放題で生活能力の無いモリーは、すぐに職をクビになり、そのうちに、音楽プロデューサーの娘のベビーシッターとなる。
その8歳の娘レイは、大人びていて可愛げがなく、クールな少女だった。
どちらかといえば、モリーの方が常識や音楽に対する知識などが不足しており、子供っぽいままだった。

【途中まで、ネタバレなし感想】
DVDジャケットに美少女がいたからという理由だけで借りましたが、正解でした。
よくできたお話と魅力的なキャラクターで面白かったです。

ダコタ・ファニング演じるレイがとにかくかわいくてですね。
8歳で潔癖症で、精神薬を服用、クラシック音楽を愛好し、尊大で物言いがハッキリしていて、しっかりしているんです。
でも、お人形を集めていたり、ままごとをしている所などは、子供らしくもあります。
サングラスも似合っていてかわいいです。

バレエ少女とエレキギターと遊園地なお話なので、そういったものが好きだという方におすすめです。

モリーとレイは、正反対のキャラクターなようで、共通点もありますし、物語を通して互いに影響を与えていきます。
親と子の関係についても描かれていて、事前のイメージよりも真っ当に展開していきました。

メインの女性キャラは皆、金髪です。

モリーとニールの関係ですが、最初は、性格も合わない上に、自分の気に食わない曲を歌っているような男に、顔が良くて肉体的に魅力的だからという理由だけでそんなに惚れるかね!?と思っていました。
モリーは、ミュージシャンやスポーツ選手、モデルなどと付き合ってきたようです。
実在の女性作家で、愛する父親を失い、その幻影を求めて、奔放な男性遍歴を送ったという人がいたようですが、それに近いものなのでしょうか。
モリーとニールは、やがて、お互いに何かを与え合うような良い関係になっていきました。

ニール、禁欲はどこいった!それを破らせたモリーというのも、良い方向に作用したんでしょうね。ミュージシャンとしてのニールには。


【以下、ネタバレあり感想】

DVDジャケットでコーヒーカップに乗っているのは、物語にとって重要なポイントだったからなんですね。
見終わってから気づきました。

モリーもレイも、親のことを愛しているのに、幼くして親を失ったり、生きている親に構われなかったりと、愛情に飢えています。
そして、二人とも、父親を失ったあと、一人ぼっちでコーヒーカップに乗ったのです。

何年経っても乗って回り続けている気がするというモリー。レイよりよっぽど心を病んでいますよ。
男性への異存ぶりや、最初にニールが去った後の脱力ぶりなど、心療内科にかかったらなんらかの病名がつきそうです。

レイは潔癖症で、バイキンが体に入ったら死んでしまうんじゃないかと考えていますが、これは無菌室状態にしてある父の病室とも関係があるんですかね。お父さんを死なせてしまうかもしれないという。

レイの家にニールがいたのは、レイの母親と不倫してるからですかね。
寝取られた!NTR!と思いました。
モリーが、橋の欄干に立った時、自殺!?と思ったら、本当に飛び込みました。
しかし、死ななかったですし、周りの人もあまり心配していません。
汚い川だから早く出ろ。と。

モリーがレイにくっついて眠るシーン。
本来ならレイは人に触れられるのとかバイキンがうつりそうだから嫌がりそうですけど、しっかり包容力たっぷりに側にいてくれます。
どっちが子供だ!という感じです。

レイの父親が死んで、モリーは解雇されます。
ここで、モリーは、レイの母親に、あなたはレイのことを何も分かっていない、物を買い与えているだけだ、と指摘します。ここのモリー、すごくまともな大人です。

その後、レイが行方不明に、モリーは遊園地だと勘付き、いっしょにコーヒーカップに乗ります。
あれほど回ったらそりゃ吐きますよね。恐怖マシーンです。
でも、あの場面、二人でコーヒーカップに乗って、高速回転することが必要だったんですね。

モリーは、ニールのジャケットを焼いてしまったので、紫の裏地をつけて鋲を打ちました(?)。
ニールがハジけた曲を作れたのも、エジプト布(?)という歌詞を作れたのも、変り種ジャケットを着て人気を博したのも、モリーのお陰です。
モリーがヒントや要望を与えていたのです。
一方ニールはモリーに何も与えてはいませんでした。

しかし、モリーの父親のギターを匿名で全て落札。その形見のギターを弾き、モリーの名前の入った歌を歌ってくれたのです。
レイをはじめとするバレエ少女達と一緒に。
これは、とてもよいプレゼントでしたね。モリーにとっては最高なのではないでしょうか。
父親は世間から忘れ去られてきており、人気もなくなりかけていましたが、その曲にニールが新しい命を吹き込んでくれたのです。

レイは、モリーが以前踊った砕けた踊りを踊ります。クラシカルではない。

一方、モリーは、デザイン学校入学の面接で、レイが以前言っていた「基本が大事なんです」というバレエに関する言葉を用います。

モリーとレイ、モリーとニールは、それぞれの個性と特技を延ばしつつ、影響を与え合っており、さらに、父親と娘の関係性というものが上手く回復されていてよかったです。

モリーは、ニールの服のデザインセンスを周囲に褒められた事で、はじめて自分のすべき得意なことが分かったのですね。
これで、また立派な大人への階段を登れます。
それまで、自分には何が出来て、何がしたいのか、それも分からない子供のままだったのです。
何不自由なく暮らしてきたので、夢らしい夢もなかったのでしょう。
モリーは、ニールの専属プロデューサーにもなれそうですけどね。
ニールとしては不本意だったことも、モリーに言われたりされたりしてやってみたら、バッチリハマッたのですから。

レイは、父親の死の前日に、話しかけたんですよね。これすらなく父が死んでいたら、本格的にしょんぼりだったと思います。
しかも、話しかける内容が、モリーのペットの豚の話というのがいいです。
豚はきちんと洗ったからキレイだという扱いみたいです。

レイが、モリーをバカにされて喧嘩したシーン、その後、モリーも、悪口言った級友のシッター(母親?)と直接取っ組み合いしていたのがギャグタッチではありますが、自分のベビーシッターを批判されて怒ったレイはいい子だなぁと思いました。
自分のプライドが傷ついたというのもあるでしょうが。

モリーが友達のしっかりした女性と仲直りできてよかったです。

モリーの言葉が効いたのか、レイの母親はバレエの発表会に同席して、舞台袖で衣装の着付けをしてくれてましたね。
モリーは、レイの母親をも動かしたのです。
レイもお母さんの見ている前で踊れて良かったですね。

テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

  1. 2010/07/17(土) 04:50:55|
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