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同人漫画サークル

映画「空気人形」感想

空気人形 [DVD]空気人形 [DVD]
(2010/03/26)
ぺ・ドゥナARATA

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【あらすじ】
中年男の所有するダッチワイフ(ラブドール)が心を持ち自分の意思で動き始める。
彼女は、レンタルビデオ屋でアルバイトをはじめ、同僚の青年と親しくなる。

【途中まで、ネタバレなし感想】
いきなり板尾さんによる濡れ場ですよ。(人形相手の)

ジャンルとしては、人間ドラマ、ラブストーリー、なんですかね。
もっとふざけたポップな作品かと思っていたので、淡々とした時間の流れが意外でした。

基本、人間の女の代用であり、性欲処理の道具である空気人形ちゃんなのですが、心を持った彼女の目に世界はどう見えるのか。また、生きた人間も、実際には中身の空虚な人形であり、誰かの代用品ではないのか。ということをナチュラルに問いかけてくるようなストーリーでした。

空気人形を演じているのは日本人ではないのですが、そのカタコトが人形らしくていいね、と思ってたらどんどん自然な日本語を話すようになっていきました。まったく、違和感なく聞き取れる状態にまでなったと思います。
あきらかに異質なもの(メイド服、セーラー服)から、どんどん人間に近づく様が面白いです。

ペ・ドゥナ、化粧栄えしますね!化粧をしたらグっとかわいくなりまくってびっくりしました。

空気人形のバイト先の店員を演じているのがARATAなんですけど、「ぼくがかんがえた さいきょうの 草食系男子」って言う感じでした。これで眼鏡をかけていたら完璧超人すぎましたよ。
ARATA(純一という役名)は、空気人形とデートしたとき、子供のようにこれはなに?あれはなに?と聞いてくる空気人形を怪しむでもなく、色々ていねいに教えてくれます。
その時点で、この子が人間じゃないって気づいていたんでしょうか?

この作品の登場人物達は、空気人形が喋っているということに、最初は驚きますが順応が早いです。

直接生殖に繋がらない行為の方がセクシーっていうこの感覚がフェティシズムってやつなんでしょうか。

この映画で一・二を争うエロイ場面が、空気人形の腹にある空気孔から直接息を吹き込む場面っていうのがすごいです。見る人によるでしょうけど。
あのトイレでの陵辱がいいよね!って人も普通にいそうですし。
私の最萌え箇所は、以下のネタバレゾーンで書きます。

空気人形のヌードが多いんですけど、これは、裸は別の人の吹き替えじゃなくて、本当にペ・ドゥナの体なんですかね。
とてもキレイで、上半身は少女っぽいのですが、下半身はしっかりしています。良い尻とキレイなスラっとした脚をしています。

【以下、ネタバレあり感想】

ARATAが腹から血を出して死んでいくところに大変萌えました。
苦しそうな声が色っぽいですね。
なんかこう、空気人形×ARATAみたいな。ARATA受けですよ。
空気人形の声も大変エロかったですが。

空気人形は、どういうつもりで刺したのでしょうか。
殺意はあったのですかね。
ARATAの空気を抜いて、自分の息で復活させてあげようとしたのでしょうか。

からっぽにした人形、人を自分の息で満たすと言う行為は、なんらかの満足感が得られそうですし、性行為の代替行為にも感じられます。
それと、空気孔がへそ辺りであるところが、母と子の臍の尾も連想させます。
女の脚の間に体を差し込んで口付けている様子は、大変エロティックですね。

ARATAは、レンタルショップで空気の抜けてしまった空気人形の「見ないで」に扇情されたのでしょうか。
だから、空気抜かせてくれプレイを頼むと言う。
一番まともでかっこいいようで、一番変態性欲を持っているキャラクターなのかもしれません。
人の恥部や嫌がる姿を見ると興奮するという。

とっさにセロハンテープを取りに走ったARATAはかっこよかったです。
が、まさか彼自身もセロハンテープを貼られることになろうとは。人間の出血はそんなことでは止まらないです。

板尾さんは、ガチで空気人形を愛していると思ってただけに、結局は前の女の替わりにしているのであり、さらに新しい人形をお迎えしているのを見て軽く失望しました。

その点、ARATAは、本当に空気人形そのものを見てくれた気がします。

ARATAには、彼女か元カノがいるようです。恐らく、空気人形初めての失恋感でしょうね。
ARATAを殺したことに憎しみが含まれていたならば、これが原因ですかね。

ゴミ袋に入れられて燃えるゴミとして捨てられるARATA、ゴミ捨て場で命を終える空気人形。
空気人形が最期に見たイメージは、それまでの人生(人形生)に登場した人々全員に誕生を祝われるというものでした。

この映画は、群像劇の側面もありそうですね。
ひとりひとりがあちこちで一生懸命生きていて、それが少しだけ交差して影響しあっている。

空気人形がこの世界で見、感じたものには、失望や絶望や嫉妬や色欲男と汚いものが多かったでしょう。それでも、心底、生まれて来てよかったと思うことができたのではないでしょうか。
板尾には、特別恋心を抱いてはいなかったようですが、それでも板尾の話しかけてくれた言葉や関西弁を覚えており、確実に、彼女を構成しているものを与えてくれていたのです。

非人間、亜人間が人間に近づく、最終的に人間になるとはどういうことか。
このテーマは、様々なフィクションで扱われていますが、この映画と同様、誰かを愛し、誰かに愛され、死ぬ体になること、という結末が多いように思われます。
人間に近づくほど弱くなるんですよね。

結論=ARATAにすごく萌えた。死に行くARATAの色気がすごい。

役名と役者名がごっちゃになっており申し訳ございません。

テーマ:DVDレビュー - ジャンル:映画

  1. 2010/06/25(金) 00:47:24|
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