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映画「僕の彼女はサイボーグ」感想

僕の彼女はサイボーグ 通常版 [DVD]僕の彼女はサイボーグ 通常版 [DVD]
(2008/10/17)
綾瀬はるか小出恵介

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【あらすじ】
2007年、誕生日を祝ってくれる人もいない冴えない大学生活を送っていた「僕」北村ジローは、ある日、不思議な女性「彼女」と出会う。
最初、ボディースーツを着ていた「彼女」は、店頭の服と靴を試着してそのまま立ち去っていった。
一人レストランで過ごすジローの元にまたしても「彼女」が現れた。
彼女は大変な大食漢であり、謎の言葉を残して去っていった。
それから一年後、「彼女」は再び現れた。未来からやってきた人造人間である彼女は、怪力を持ち高速移動のできる、スーパーウーマンだった。数々の悪人を倒し、弱者を救っていった。
「彼女」に惹かれていくジローだったが、彼女には心がないらしい。

【途中まで、ネタバレなし感想】
まず「僕」に感情移入することを困難にしたのが、犯罪行為への嫌悪や反省、罪悪感がない点でした。
「彼女」が服を万引き、というか窃盗しても咎めませんし、「彼女」と一緒に食い逃げする形になった時も、逃げ切れれて良かったね、楽しい、みたいな感じでした。
せめて「え、ちょっと無銭飲食はよくないよ!お金払わないと!いいの?」とか「その服勝手に持ってきちゃだめだよ」とか常識的なセリフがあれば、「僕」に共感できたのですが。
ただ、そんな性格だと当たり前すぎて、フックが弱いかもしれませんね。

私と「僕」の共通点と言えば、オタク要素なんですけど、一人でレストランにいる時に突然、綾波レイフィギュアを取り出して眺めるオタクってあんまりいなんじゃないかと思います。完全にゼロではありませんけど。
さらにつきあっている友達が非オタ過ぎる、というかむしろオタクがDQNと呼んで毛嫌いしそうなキャラクターだったのも気になります。
「僕」は、ダンスパーティで女の子と踊れるとか、どうもオタクっぽくありません。
部屋には漫画やフィギュアがあるんですけど。
最近はイケメンリア充オタクとか、行動的なライトオタクなどもいますので、逆にステレオタイプなオタク像に捕らわれていないと言えるかもしれません。
エヴァキャラが好きなようなので、プラグスーツ、ボディースーツ萌えの部分があると思いきや、特に「彼女」に「またあの時のスーツ着て見せてよ!」等とは言いませんでした。

途中まで、え、これ、犯罪推奨映画なの?と思って見てました。

「彼女」を演じる綾瀬はるかさんはひたすらかわいかったです。胸の谷間ごちそうさまでした。お尻もムチムチでしたし、少し綾波っぽいボブカットもよく似合っていました。

アンドロイドもの+タイムトラベルもののストーリーとして、上手いこと作りこまれていたと思います。

コメディシーンが多いのですが、ギャグが、ブラックユーモアや下ネタ、悪ノリを越えて、グロテスク、猟奇の域でした。
これは、意識してわざとやっているようで、劇中でもそのジョークを聞いた人が気絶したり、周りの人がドン引きしたりしていました。

女の子がゲップ連発シーンとか、かなりマニアックですけど、これもギャグなんですよね。
動物虐待ネタも何度かあって、愛護団体の人が怒りそうな展開でした。笑いの為のやりとりなんですけど。

脚本・監督が韓国の方なので、こういうのがコリアンジョークなのかもしれませんし、あるいは、国籍関係なく、監督個人のセンスなのかもしれません。

伏線が効いていて、あとで、このシーンはこういうことだったのか、と分かる点がいくつかあったので、構成がうまかったと思います。

【以下、ネタバレあり感想】

2007年、最初の「僕」の元に現れた「彼女」は、人間だったのですね。確かに、「僕」の腹を殴るパンチ力がケタ外れというわけではありません。
本来の2008年、サイボーグの「彼女」は未来から現れることなく、「僕」は銃乱射で重症を負ってしまうわけです。
「僕」は、それから何十年もかけてサイボーグ「彼女」を作ります。それは、2007年に会った人間の「彼女」に似せて造ったんでしょうね。誕生日祝いに、ケーキに顔突っ込ませて、酒をかけるのも、2007年の思い出を元にしているのでしょうか。てっきり、2007年の「彼女」もサイボーグだと思っていたので、その時覚えた間違えた誕生日の祝い方かと。
未来の「僕」死去後、「彼女」は、2008年にやってきます。サイボーグの「彼女」は、はじめてこの00年代にやってきたのです。
それで、「僕」の運命が変わり彼は怪我することなく「彼女」と同居をはじめました。
東京大地震で「彼女」が壊れます。
直後、さらにタイムスリップした人間の「彼女」が「僕」と壊れた「彼女」の前に現れました。
人間の「彼女」は、サイボーグの「彼女」が復旧するまで、ずっと博士な「僕」と一緒に過ごしたのでしょうか。
サイボーグが直る頃には、人間の彼女は死ぬか未来に帰るかしていたので、サイボーグの「彼女」の記憶には、人間の「彼女」がいないとかそういうことですかね。
それとも、「僕」が壊れたサイボーグ「彼女」を抱きしめた後、人間「彼女」と出会うことなく、孤独にサイボーグ「彼女」の復旧実験を試み続けた平行世界もあったのでしょうか。

歴史を変えて「僕」が怪我をしなかった分、世界は、「僕」を本来の道に戻そうと襲い掛かってくるだろう、みたいなセリフがあったと思います。
「僕」が怪我をしなくても、大地震は起こっていたのでしょうか?
それとも、「彼女」が人々を救った代償として、本来亡き者だったはずの彼ら彼女らを運命通り殺すため、震災が起こったのでしょうか?
後者なら、元の世界で死んでいたよりももっと多くの人が亡くなり、怪我をしたでしょう。

飼っているペットのイグアナ、ラウルを料理にされた「僕」、よく「彼女」を許せましたね。
名前をつけて可愛がっているペットは、その他大勢の動物や、食用の家畜とは全く違う存在なので、それを料理にされたら悲しみと怒りでどうしようもなさそうなんですけど。
前に見た韓国映画で、「俺の犬を食いやがって!!!」という怒りを炸裂させているシーンがありましたが、ペット食べるネタはメジャーなギャグなんでしょうか。(そちらの映画では、シリアス要素だった。)

食堂で、グロネタ(カピバラのうんこを喰う民族の話と、そのうんこの収穫方法)を嬉々として語るシーン。
またしても動物虐待ネタに近い何かです。

アンドロイドなど人造人間の、皮膚組織の下から機械部分が露出し、または、頭部等が外れることにより、メカであることが判明するようなシーンを「メカバレ」と言います。(微グロに認定される場合もある)
この映画、メカバレ好きの人にはお勧めですよ。
綾瀬はるか演じる美少女型生体ロボが、上半身だけになって這いずり、脊髄的な組織が長く尾を引いているとか、そういうものに美を感じる人もいるでしょう。

倒壊したビルの下敷きになった「彼女」が「僕」を救うために叫ぶシーンは、力強くて良い声でした。綾瀬はるか良いですね。

「彼女」が人助けをしたり、重大事故、事件から人々を守るのを見て、「彼女」にも他人の命を思いやる心が芽生えたのかな?でも、それにしても、ずいぶん都合よく駆けつけるな、と感じていたのですが、未来の「僕」にあらかじめ命じられ、事件が起こること知っていたんですね。
未来の「僕」が「自分が心を痛めた事柄について、人々を救ってくれと。」これは納得です。

ラウル(猫)は、故郷の村から「彼女」が連れてきたようです。その調子で、ラウル(イグアナ)も助けて下さいよ。
これ、「彼女」が料理で、爬虫類じゃなくて、猫を鍋にしてたら、より衝撃かつ悪趣味だったでしょうね。見た目的にはイグアナの方がグロテスクですが、愛玩動物度合いという意味で。

「僕」の故郷の場面、どうやって過去旅行してました?「彼女」のホログラムじゃなくて、タイムマシンみたいなもので、本当に昔に行ったんですか?ちょっと画面から目を離していてよく分からないのです。
2007年で20歳という設定なら、昭和60年代生まれくらいですかね。その割に、過去映像は昭和30年みたいでした。
田舎に行けば、最近でもああいう服装の子供がいたり、おばあちゃん(実は母親)が和服を着ていたり、古びた駄菓子屋があったのかもしれません。

「彼女」がディスコ的な所で披露した踊りはまさにロボットダンスでした。
「僕」の踊りは…あの動きはなんですかww

ラスト、「僕」の「彼女」がサイボーグとして死んだ直後に、「人間」として「僕」の前に現れたわけですから、サイボーグの彼女が人間になった、という印象を受けました。

人間版の彼女は、遠い未来から来たわけですが、また帰るつもりはあるのでしょうか。
ずっと、「僕」と一緒にいるなら、元の世界の友達や父親に会えませんけど。
人間の「彼女」には、元から存在している自分の人生の上に、サイボーグの「彼女」の記憶が重なっているわけです。
2007年に来た時の「彼女」(人間)は、かなりサイボーグの「彼女」と同化していました。
これから先、本来の自分と、他所から記憶を貰った自分、という二つの意識間で葛藤に苛まれることはあるのでしょうか。
ラストを見た感じは、もう完全に統合された状態で、一人の新しい人間になっているようにも見えます。

「いなくなってから君の気持ちが分かる」というのは、人間同士でもありそうです。

「後姿を見たくないから目をつぶっていて」の初出は、どこですかね。
2007年の「彼女」は、はるか未来でサイボーグの記憶を得て、サイボーグ彼女の壊れる前のセリフを見ていたので、別れ際そのセリフを口にしました。
2008年の「僕」が似たようなセリフを口にしたのは、2007年の人間「彼女」に言われた言葉だからです。
2008年のサイボーグ「彼女」が壊れる直前に言ったのは、その前に「僕」が言った台詞に似せて言ったのでしょう。
そして、それを遥か未来の人間「彼女」が知って…。
ループしますね。これ。

テーマ:DVDで見た映画 - ジャンル:映画

  1. 2010/05/18(火) 02:31:22|
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