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映画「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン(Catch me if you can)」感想

キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン [DVD]キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン [DVD]
(2003/08/22)
レオナルド・ディカプリオトム・ハンクス

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【あらすじ】
フランク・W・アバグネイルJr.(レオナルド・ディカプリオ)は、高校生で家出後、航空機パイロットや医者、弁護士になりすまし、全米各地で小切手偽造事件を起こした。
彼を追い続けたFBI捜査官カール・ハランティ(トム・ハンクス)は、ついにフランクを逮捕した。
家出から6年後、刑務所で体調不良を訴えたフランク。
カールは彼を飛行機に乗せ、地元まで護送することになる。
スティーヴン・スピルバーグ監督作品。

【途中まで、ネタバレなし感想】
はじめてこの作品に触れる方は、上記のあらすじを見て「ネタバレじゃないか」と思われるかもしれませんが、冒頭の映画内TV番組で、フランクの犯行の経過と、フランクを逮捕した人の名前、顔は公表されます。
そこからシーンが変わって刑務所です。
なので、これははほんのさわりなのです。

この映画のディカプリオ、かっこよかったです。
ディカプリオ演じるフランクは、その年齢が上がるに連れ、体つきが変わったように見えました。
CGや体の挿げ替えではなく、ティカプリオの演じ分けなんですかね。それと服装の印象というのもあると思います。
高校生の時は、いかにも坊ちゃんといった感じで薄い体をしていましたが、その後たくましくワイルドになっていきます。

トム・ハンクスは、頭のよさそうな顔に見えました。

オープニングムービーは、記号化されたアニメーションで追う者と逃げるものを描いた、独特かつスタイリッシュなものでした。

コメディタッチでとても面白い作品でした。
実話を基に、創作を加えたストーリーだそうです。フランクは実在の人物です。

フランクの嘘をつく才能がすごいです。
転校先の高校で、数日間も先生に成りすますとかとんでもない人です。
それを皮切りに、様々な職業を詐称するわけですが、身分証明システムが甘いのか、フランクが天才すぎるのか。
な ぜ バ レ な い と思いながら見てました。

医者や弁護士を演じるにあたり、フランクはTVドラマを参考にします。
フィクションなので笑いを取るため誇張してあるとは思うのですが、すさまじい付け焼刃っぷりです。

その時代のヒット曲だと思われるものがBGMになっていました。
また、フランクがジェームズ・ボンド気取りになった時は、音楽がまんまでした。

フランクは、ずっと小切手や身分証、その他の文書を偽造し続けます。
最初は、切ったり貼ったり削ったり、という初歩的な手法を取っており、よく見ればすぐ偽造だと分かるレベルだったのですが、どんどん手口が巧妙になっていきました。

学校で、女子生徒がニセの欠席届を提出しようとした時、フランクは「家から持ってきたならポケットに入れるから折り目がついてなきゃおかしい」と助け舟を出します。
そういった所からも、詐欺の才能が見て取れます。
技術的な面だけではなく、話術や頭の回転もすごいのです。

【以下、ネタバレあり感想】

フランクとカールがはじめて対面するシーン、どう逃げ切るのかと思ったら、フランクは、カール所属のFBIより一足先に潜入していた秘密警察(?)を名乗ってましたね。その発想はありませんでした。
しかも、階段ですれ違った脚の悪いお爺さんを自分の身代わりに、お爺さんの介助者を自分の部下だと偽ったのです。これはうまいです。たしかに、窓から逃げて脚を怪我した犯人を部下が取り押さえて車に乗せるところに見えます。

フランクは、父と母のことはガチで愛していたようです。
結婚先での義父母の踊る姿を見たときも、自分の両親を思い出していたのでしょう。
フランクが父に車を贈ろうとしたのは、本心からの親孝行だったのではないでしょうか。
フランクは、両親が寄りを戻してもらい、もとの家族生活を送りたいという願いを持っていたように思います。

6年後の長髪フランクが、自宅の窓を覗いた時、そこには父親がいるんじゃないかと思いました。
つまり、カールが嘘をついて父が死んだと思い込ませ、「でも本当は生きていました」という嬉しいハプニングを演出したものかと。
しかし、真実はそうではなく、父は本当に亡き人でした。
そこには、母と、父ではない男と、フランクの妹に当たる女の子がいました。母は、もう別の家庭を築いているのです。

フランクが結婚先で嫁(歯の矯正器具をつけていた看護士の子)に別れを告げる時、今までの嘘を白状し、本名を明かしました。それまで、いくつもの偽名を使っていたので、本当の名前をフルで名乗るというのは、迫力があり印象的な場面でした。
とは言っても、呼び出した場所に嫁を置き去りにしたんですけど。嫁かわいそうです。彼女がピンクの派手めなお出かけ服を着ていたのも悲しいです。箱入り娘的には、一大決心をしてフランクに付いていこうとしたんでしょうね。

飛行機内で父が死んだと知らされてトイレに駆け込んだ時、てっきり逃げるための演技なのか?と思っていたのですが、泣いていたのは本気でした。でも、やっぱり逃げました。
飛行機の便器を外して中に入ると、羽の付け根辺りから出られるんですか?

嘘と偽りで塗り固めた彼の人生は、本当の幸せにたどり着けたのか。
少なくとも、両親の離婚以前には戻れませんでした。

しかし、フランクは、天職と新しい父親を得たように思えます。
と言うのも、生みの父親を失った変わりに、カールが父親ポジションに入ったように見えたのです。
直接的なセリフもありましたし、意図的にそういった演出にしたのでしょう。
カール「だから、おまえは子供(チャイルド)なんだ。」
フランク「俺はあんたの子供じゃない。」

フランクの偽造スキルが遺憾なく発揮できるのが、FBIの偽造貨幣捜査官です。
使用されたインク、紙の重さ、切断の仕方、サイズ、様々なことからあっという間に犯人を割り出すフランクは文句なしにかっこよかったです。
フランクは、一旦は職場を抜け出しましたが、もう誰も追うものはいませんでした。
そして彼は戻ってきたのです。
小切手偽造に関しては超スペシャリストなフランク。その仕事振りを見るカールの表情もとても良いものでした。

彼は、追われるために逃げていたのでしょうか。
フランクは、なにも出来ない能無しだからと、身分を偽っていたわけではありません。

弁護士になるための法律試験。カールには、フランクがそれに合格した方法が最後まで分からなかったのです。
フランクは、一体どんな手を使ったのか。替え玉受験かカンニングか。
実は、フランクは実力でパスしていたのです。
なら、その資格を使って堂々と仕事しつづけりゃいいじゃないかという話ですが、彼はそうはしませんでした。

フランクは、嘘の経歴や役職の権威にコロっと騙される皆を、愚かながらも面白い可愛らしい者達だと認識していたのではないしょうか。
口先八丁で、皆の羨望を集めるのも楽しいでしょうし。

話は戻りますが、法律試験、たった2週間の勉強で合格するとは、なんと言う頭の良さでしょうか。
恐らく医師免許も教員免許も、取ろうと思えば取れたと思います。
彼は、そう願えばいつでも「本物」になれたはずです。

こういうのを「努力の方向音痴」って言うんでしょうね。
ありあまる才能を詐欺に注ぎ込んだという。

エンディングロールの監修がフランク・ウィリアム・アバグネイル本人でした。
モデルの彼は、その後、詐欺防止をメインとした金融コンサルト会社を設立、大成功を収めているそうです。

テーマ:見た映画 - ジャンル:映画

  1. 2010/04/29(木) 21:30:49|
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