野良箱

同人漫画サークル

映画「ダークナイト」感想

【途中まで、ネタバレなし感想】
ダークナイト [DVD]ダークナイト [DVD]
(2009/11/18)
クリスチャン・ベールヒース・レジャー

商品詳細を見る

バットマンシリーズを全く見たことないのに、レンタルしました。
なかなか主人公バットマンの中の人の顔と名前を覚えられませんでした。
ブルース・ウェインっていう社長さんがバットマンの中身ということでOKでしょうか。
元カノのレイチェルは、前作にも登場していたヒロインらしいです。役者が代わってるみたいですけど。

とても面白かったです。
バットマンの敵にあたるのがジョーカーというキャラクターなんですけど、彼が魅力的過ぎて参りました。
ピエロメイクの狂人キャラで、かつ、名前がジョーカーだなんて、ものすごくベタなくらいなのに、かえって新鮮でした。
ジョーカーはどう考えても悪いやつなのですが、この作品においては、正義と悪というのが必ずしも対立項ではないと言いますか、独特の空気があったので、一瞬「悪役」って言い切って良いものか迷いました。

ジョーカーのメイクは、ハリウッドの技術を持ってすればもっと綺麗にできそうなものなのに、ところどころ肌色が見えてたり色にムラがあったりで、ジョーカーというキャラが自分で塗ってる感が出てました。
完全にそういう色の肌をした化け物なのではなく、人間にしか見えません。実際、性格と行動がぶっ飛んでるだけのただの人間だと思います。
Wikipediaを見たら、さまざまな映画賞の助演男優賞を獲得しすぎです。
演じたご本人は若くして急逝されて、受賞をご存じないんですけど。
ジョーカー役のヒース・レジャーは、享年28歳ということで驚きです。ジョーカーって48歳くらいのイメージで見てたので。
銃の構え方やぶっ放し方、その他の仕草、喋り方、歩き方などが、いちいちかっこよく、それでいてかわいらしかったです。
こういうのをまさに「主役を食う悪役の怪演」って言うんでしょうね。

ジョーカーのことばかり書いていますが、物語の筋も大変興味深かったです。
アメリカンヒーローものってろくに見たことないのですが、漠然と、「すごい悪い敵がいて、それを正義のヒーローが倒して拍手喝采、ついでにヒロインとのラブロマンスもあって大団円」かなと思ってました。
ところがダークナイトは色々と違いまして。
たしかに悪い敵がいてラブロマンスもあるんですけど、その方向が意外でした。

日本のオタクが凄く好きそうな、少なくとも私の好きなテーマでした。
正義とは何か、悪とは何か。

バットマンは、完全な善玉扱いではなかったんですよ、今回。
バットマンがマスクを脱ぐことを条件に、ジョーカーが市民を殺していくんですが、それでも正体を現さないバットマンやバットマンがいるのに平和にならないゴッサム・シティの現状に市民の不満は高まります。
バットマンよりも分かりやすい正義漢として登場したのが、検事のハービー・デントです。
素顔を晒しているし、市民の味方だし、人気があります。
バットマンは、彼こそがバットマンの後継者だ、みたいなこと言ってたと思います。
別に、バットマンのマスクを継ぐとかではなく、デントがこれからのゴッサム・シティを守り照らす光なのだと考えたのです。

ヒロイン絡みでは三角関係っぽくて、バットマンはデントに密かに嫉妬したり、嫌味な態度を取るなどしてました。

デントは登場早々コイントスしてましたけど、これが大きな意味を持つとは…。
デントはすごくいい人だったので、「ああ、最初、見た目で悪役っぽいって判断してごめん」と思いました。

背景などの映像がとても出来ていました。どこまでがセットでどこからがCGなのでしょうか。
よく分からないので、本当に建物を爆破してるように見えました。撮影にどれだけ金がかかっているのかと。

【以下、ネタバレあり感想】

ブログジョーカーナース警官コスプレ

愛する女性レイチェルと、ちょっと嫌いかもな恋敵デント、どちらかしか救えないという場面。バットマンは、レイチェルを取ろうとしたらしいのですが、ジョーカーが二人の監禁場所を逆に教えており(←※)結局、デントしか救えませんでした。
(※私は未確認ですが、コメント欄で教えていただきました。)
建前上、人間の命の重さは平等ということになっています。
しかし、物語の中で、ゴッサム・シティ全体のことを考えれば、デントが生き残るしかなかったのでしょう。
デントの存在により、市民は彼というヒーローを得ることができますが、レイチェルが一人いたところでどうにもなりません。
ジョーカーは、ゴッサムシティの未来=デントと、バットマンの愛する彼女=レイチェルを天秤にかけてみたんですね。
なんという極悪な。

デントにとってもレイチェルは愛する女性だったので、彼女を失った事と、ジョーカーになにやら吹き込まれた事で、復讐に燃える鬼になってしまいます。完全に悪漢というわけではなく、顔と同じ善悪半々です。
コイントスで確率フィフティーフィフティー、人を殺したり殺さなかったり。
あれ、元々コインって両方表のイカサマ仕様じゃなかったですか?見間違いかもしれませんが。
それが、顔半分を火傷した後、裏と表のあるコイン(片面が煤けたらしい)を使うようになりました。
火傷後のデントは、「トゥフェイス」っていう名前の悪役キャラとしてカウントされるらしいですが、コインの表裏と一緒で、分かりやすく正義と悪を併せ持つ者として描かれていたと思います。
デントの死に顔が最初火傷している左側だったのを、右側になおすシーンがありました。(左右逆かも)
あれは、「デントは本当は人殺しとして死んだのだけど、バットマンが罪をかぶることで、彼を良い者にしておいてあげよう」ということでしょう。
映画的手法で、視聴者に伝わりやすいのでとてもよかったです。

ジョーカーが、「橋とトンネルにご用心」と言ったものだから、市民は船で避難しました。
その船に爆弾の仕掛けがあったわけです。
起爆装置は、二つの船に乗った人々に託されました。いち早く互いの船を爆破しないと命はないぞと脅すのです。
ジョーカーは、人間の本来の姿は醜いもので、誰でも、たとえば正義の塊みたいなデントでも、ほんの一押しで暗黒面に落ちるのだ、ということを証明したかったのです。
しかし、ジョーカーの見たかった花火(船の爆発)は上がりません。
両方の船で、起爆スイッチを押さなかったのです。
囚人の乗った船に至ってはスイッチを捨ててました。
極限の状況の中で、名も無き群集キャラが、人間の魂の高潔さを証明する形になりました。
それは、別にバットマンが成したことではありませんし、そのように誘導したわけでもありません。
この映画の真の英雄(ヒーロー)は、スイッチを押さなかった彼らなのかもしれません。
とは言え、実際に船のあの仕掛けをしたら、どちらかがスイッチ押しそうですけどね。わが身が第一ですから。

ジョーカーは、「どんな人間でもある条件が揃えば必ず悪に手を染める」ということを証明しようとしたのでしょうか。
正義と悪、もしくは、善と悪は表裏一体で同居しているものだと思います。トゥーフェイスことデントのように。
主人公のバットマンだって、時々心の醜い面を晒してました。

バットマンは、終始市民には歓迎されてないキャラクターとして描かれていました。
そして最終的には、警官6人殺しの犯人として逃げる形になります。本当は無実なんですけど。
そして、『バットマンはヒーローなのではなく「暗黒の騎士」(ダークナイト)なのだ』ということで締めとなります。
タイトルの真意が最後に分かるというのは、ビシっと決まってて鳥肌立ちますね。
「ダークナイトだ」っていうセリフが来る前に、そう言うってことが分かりました。
バットマンが今こういう扱いなのはこういう時代だから的なセリフがあったような。
時が違えばまた、完全なる正義のヒーローとして讃えられるのでしょう。
今作の終わり方だって、ものすごく英雄的だと言えると思いますよ。
以前聞いた「英雄(ヒーロー)」の定義にありましたもの。「英雄とは、犠牲者の影である。」「英雄とは、いけにえに似た存在である。」っていう。(←※多分、担当教授の個人的な定義)
犠牲者そのものじゃなくて影、ということだったので、なにやら難しいんですけど、ラスト、ゴッサム・シティの未来の為に泥をかぶるバットマンというのが、まさにそれなんじゃないかと思います。

善と悪、俗と聖を併せ持つ秩序の破壊者を「トリックスター」と呼ぶそうです。
ジョーカーは、トリックスター系の悪役と言えるかもしれません。善の部分が全くないですが、おどけて話をひっかきまわすという特徴には合致します。さらに、トリックスターの大きな役割の一つが、「物語を進行させる」って所なんですけど、今作は、ジョーカーなしには展開しませんでしたからね。

バットマンとジョーカーは、対極のようで実は似たもの同士であるという位置づけのようです。
バットマンはジョーカーにとどめを刺しませんでしたし、また、素顔を晒すこともありませんでした。
マスクを脱いだら、ジョーカーの脅しに屈したことになります。負けです。
では、ジョーカーを殺したら勝ちなのかというと微妙な所です。
市民は、ジョーカーがいなくとも、バットマンへの不信を持ち続けますし、治安だって荒れ放題です。
恐怖が蔓延し、秩序も不確かになります。

ジョーカーは、自分自身が攻撃されたり滅ぼされたりすることを恐れていないようです。
殴られてもなぜか楽しそうで、ちょっとマゾヒストなのか?とすら思いました。
そんなわけで、物理的、精神的、法的な攻撃や取引が一切通じません。
手ごわすぎます。
バットマンがジョーカーをボコるシーンが楽しかったです。
バットマンが短気で暴力的な悪い人に見えました。悪者をフルボッコにするのはヒーローとして当たり前のお仕事なはずなんですけど。
不思議です。

ジョーカーの看護婦(看護士、ナース)コスプレがかわいかったです。
なにゆえ全身着替える必要があるwそこまで変装しなきゃならんって状況でも無かった気が…w

ジョーカーの銃の撃ち方かっこよすぎです。固定するでも標準を合わせるでもなく低く構えた腰溜射撃ですよ。
かっこいいいいいいいいいい。
トラックから撃つのよかったですね。あのトラックはわざわざデコレーションしたんでしょうかwコンテナ部分になにやら文字が書いてあった気がするんですけど。
アシストしてくれてたのは、マフィアの手下ですかね。
運転手が「バズーカでも撃ち込まれなきゃ平気だ」と言った直後にバズーカ構えるジョーカーwww
完全にフラグ立てちゃってますね運転手w
どちらかといえば、デントの乗った護送車を守らなきゃ!邪魔するジョーカー憎し!っていう気持ちで見ないといけないシーンなのに、ジョーカーを応援してしまいました。

この辺りを含め、カーアクションや派手な爆破など、ザ・エンターテイメント!!って感じでした。

ジョーカーは、お金欲しいのかと思ってましたが違いました。札束燃やしてましたし。マフィアのボス唖然wかわいそうですw
札束の山から滑り降りるジョーカーが楽しそうでかわいかったです。
金がいらないとなると、俗っぽい人間キャラというのとも違ってきますね。
聖なるな悪、純粋な支配、ってことですかね。

ジョーカーは、経歴が一切不明、服はそこら辺の大量流通物ってことでした。指紋も警察が保管しているデータとは一致しませんでした。
ということは、実は全く前科のない、平凡に暮らすものっすごく普通の人だったりしたのでしょうか。
その割には、爆弾や武器の扱い、人心掌握に長け過ぎですけど、フィクションだし映画だから問題ないです。

ジョーカーは、自分の口裂け傷のできたきっかけを語ってましたけど、毎度内容が変わってたりでテキトーでした。
父親がどうの、美しい妻がどうの。全部嘘っぽいですね。どうなんでしょう。
いつ、グロい痛いシーンがくるのかとビビりながら見ました。「どうしてそんなしけた顔してるんだ」「笑わせてやるよ」みたいな所。「うわっ、ナイフで切るってことかー!切るってことかーーーーー!」と。
より痛々しいはずの火傷後デントは、なぜか普通に見られました。

ジョーカーは逆さ吊り状態でSWATに囲まれてましたけど、あの後逮捕されたんですかね。

バットマンモービルはかっこいいし楽しいですね。
高速移動マシンからミサイルやら銃弾やらが出るのは、子供が見たら凄い喜びそうです。
車がバイク型に離脱変形するのはワクワクしましたが、タイヤちょっと幅ありすぎませんか?www二輪走行しずらそうです。

そういえば、バットマンのスーツ縫ってるおじいちゃんは、バットマンがモービルじゃない普通の高級車で移動するって聞いて「地味」とか言ってたような気がしますw
そういう問題なんですかw

バットマンが「暗黒の騎士」ということになると、ジョーカーは「暗闇の道化師」って所でしょうか。
buroguじょーかー
  1. 2010/03/06(土) 22:06:04|
  2. 映画感想

FC2Ad