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映画「涼宮ハルヒの消失」感想

劇場版 涼宮ハルヒの消失 オリジナルサウンドトラック劇場版 涼宮ハルヒの消失 オリジナルサウンドトラック
(2010/01/27)
サントラエミネンス交響楽団合唱団

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【あらすじ】
キョン、涼宮ハルヒ、長門有希、古泉一樹、朝比奈みくるの5人からなるSOS団は、クリスマスに向けて準備を始めていた。
いつもの日常を送る皆であったが、ある日を境に世界が一変してしまった。
キョンが朝登校すると、昨日まで元気だったはずの友人谷口をはじめ、多くのクラスメイトがカゼをひいていた。
しかもカゼは一週間前から流行っていたのだという。
さらに、後ろの席にいたはずの涼宮ハルヒがおらず、かわりにここにはいないはずの朝倉涼子がいた。
周囲の人々は、誰もハルヒを知らないという。
奇妙なことに、みくるも鶴屋さんもキョンを知らず、古泉に至ってはクラスごと消滅していた。
一体どうなっているのか。SOS団の部室に足を運ぶキョン。そこには、窓辺に座って本を読む長門の姿があった。しかも長門はキョンを知っているという。
安堵するキョンだったが、どうも様子がおかしい。
長門は眼鏡をかけていて、しかも、普段の長門ならまずしないであろうしぐさや表情を見せるのだ。

【途中までネタバレなし感想】
映画「涼宮ハルヒの消失」見てきました。

ハルヒシリーズの原作小説は、発刊分全て既読です。
その中でも一番好きなのがこの「消失」でした。

ミステリアスでハラハラするストーリー、キャラの魅力、意外な結末と大変面白かったので。

私、アニメの第二期って見ていないんですが、同じような話を8回も放送したエンドレイスエイトは話題になりましたね。あまり良くない意味で。
エンドレイスエイトにうんざりしたはずの人が、消失を見終わってから、改めてエンドレエスエイトを含むTVシリーズを全話見返そうという気になったという話を聞きました。

消失に登場する眼鏡をかけた長門は、「アナザー長門」とか「消失長門」と呼ばれています。
小説を読んだ時点では、私は消失長門より、第一話から登場しているノーマル長門の方が好きだなぁと思っていました。
が!アニメになって動く消失長門の破壊力は相当なものでした。
耳を真っ赤にしたり、恥らうように微笑んだりと、いちいちかわいすぎるのです。

自分はキョンでもないのに、無性にハルヒに会いたくなる映画でした。
わがままで突飛でやりたい放題で自信過剰なハルヒ。
いなくなるとこんなに寂しいなんて。

作画レベルや演出は常に高水準でした。アニメ制作の知識ってまるでないんですけど。

キョンが首に巻いたマフラーや、消失長門の膝掛け(毛布)の扱いが細かかったです。

【以下、ネタバレあり感想】

キョンがハルヒに再会する糸口を掴むまでは、閉塞感や、現状を打破できないような絶望感がありました。
一変した世界は、ダークでホラーな、時間の停滞したような印象がありました。
キョンは、あちらの世界のクラスメイトから見たら完全に狂人だったでしょう。
キョンは、いつもトラブルに巻き込まれてピンチに陥ってはいますが、ここまで追い詰められたのは初めてなのではないでしょうか。
緊迫感のある画でした。

昨日まで仲良くしていた人達と突然疎遠になるっていうのはショック大きいですよね。
mikuruフォルダ作るくらい大好きな愛すべきマスコット朝比奈さんにまで知らない人扱いされますし。

しおりに書かれた長門のメッセージ。大変大雑把で漠然とした内容ですが、元の世界への繋がりを強く感じることができました。
キョンがとても感情的に描かれていました。

ハルヒが全く消えてしまったのではなく、この世界のどこかに存在しているということが分かったのは、谷口の風邪が回復してきてからの話です。
谷口以外にもハルヒと同じ中学出身の生徒はいるのですが、彼らも風邪で休んでいたのでしょう。
だから、ハルヒが消えたことに気づいた初日、誰もハルヒを知らなかったのです。

ハルヒとの再会シーンが大変印象的でした。
髪の長いハルヒはかわいいですね。
ポニーテールも大変良いです。
キョンは相変わらずポニーテール萌えで、眼鏡属性はありませんでした。

この歪められた世界を作ったのは、ハルヒではなく長門でした。
長門にバグが蓄積して誤作動を起こしたのです。
そりゃあ、エンドレイスエイトで何万回とあの夏を繰り返し、それらを全て覚えていたなら、常人でも発狂しますよ。
ロボットやアンドロイドに感情が芽生えることがバグである、というのは、本当に古典的な題材だと思います。
しかし、長門の場合「私に頼らないで」「もう疲れた」というような感情ではなく、「キョンへの恋心」がトリガーだったと思うんです。
だって、ちょっとシャイだけど普通の読書好き少女になった長門は、うまいことキョンとだけ仲良くなれるような世界を作ったのですから。
みくるは無関係な上級生でタイムトラベラーでもなんでもない、古泉もハルヒもただの人間で、しかも他校に飛ばされています。
長門…普段ハルヒと古泉のことどう思ってんだろ…って気になりました。
古泉はハルヒのことが好きで一緒に行動しているって設定になってました。
ハルヒに古泉をあてがうことで、よりキョンを独占できるというわけです。
キョンは、「長門が俺を好き」という可能性に全く気づいていないので、にぶいなぁーと思いました。

この物語の特性上、キョンとハルヒは鉄壁の組み合わせであり、それ以外のカップルはありえません。もしそうなれば、ハルヒの閉鎖空間がどうなるか、またそれが現実にどのような影響を及ぼすか分かったものではありません。
なので、どうしてもハルヒ⇔キョン←長門という図式になってしまいます。
あまりに報われない第二ヒロイン。悲恋や片思いが好きな人にはたまらないでしょう。

あっちの世界のハルヒは、やっぱりハルヒでした。
表情豊かなハルヒは、いつになくかわいらしく見えました。やっと会えた!という感じです。
世界が改変されたのは1年前までなので、3年前の七夕ハルヒが校庭に落書きしたり、それをキョンが手伝ったということは、変わっていなかったのです。
キョンには切り札があります。それは、ジョン・スミスが自分であるとハルヒに告げることです。だから、キョンの異世界の話、そこにはSOS団というものがあるという説明を、向こうのハルヒは全力で信じ面白がったのです。
そのハルヒは、キョン自身が言ったことのないセリフを覚えていました。
「世界を大いに盛り上げるジョン・スミスをよろしく」

このセリフの謎は、作中すぐ解けます。

SOS団の部室に5人全員が揃った時、パソコンが起動、YUKI> というメッセージが出ます。
これが、揃えるべき鍵の正体だったのです。あっちのハルヒも強引だったお陰で正解が出せました。
緊急脱出プログラムの発動は1回きり。エンターを押せば、元の世界に戻れるチャンスを与えられます。
そこでキョンは選択を迫られます。
この平穏な世界で、長門と二人で文芸部として仲良く暮らすか、それとも、大変だけれど愛すべき非日常に戻るか。
答えは、後者でした。

困惑した消失長門を捉えた視界が歪み、暗転、気づくとキョンは3年前の七夕にいました。
そこで、大人みくると再会します。その後、先ほどの「世界を大いに盛り上げる~」という例のセリフを言うのです。
つまり、3年前の七夕には、キョンが2回行っており、一度目は落書きを手伝い、二度目にこの呼びかけをしていたのです。
3年前の長門は、いつもの殺風景なマンション自室にいました。消失長門の部屋は、もっと生活感あるんですよね。カーテンやカーペット、こたつやテレビがあって。
そこで長門は説明します。大人みくるとキョンが世界改変が行われた直後の時間に飛び、修正プログラムを改変者に射ち込めば、世界は正常になるというのです。
その改変者というのが長門なわけですが、そこでは音声が聞き取れないような演出になっており、観客には犯人が分かりません。
後の回想によれば、長門は必ずその日その時間に誤作動を起こし世界を改変することに決まっているのだと、自分で述べてました。

世界を変えた後の長門は、すでに消失長門、普通の少女になっています。自分でも何をしたのか分かっていない非力な女の子です。
修正を行うにあたって、キョンは躊躇し、心理世界が展開されます。
そこでは効果的に駅の自動改札というイメージが使われています。
改札を潜り抜ける、つまり元の世界に戻ってしまえばもう引き換えせず、消失長門には会えなくなるのです。
引き止めるようにキョンのそでを掴む消失長門。
これは、事前に長門と朝倉とキョンの三人で鍋を食べた際にも行われたしぐさです。

しかし、キョンは改札を出て行くのです。
その切符は、元の長門がくれたしおりでした。
この演出とてもよかったです。
映画を見終わった後、改札通る度に長門のことを思い出していました。
消失長門は、とても切ない存在です。
長門の望んだ世界は、キョンと長門が普通の人間同士として出会うというものでした。

長門の中で、キョンに図書館カードを作ってもらったということは、大切な思い出だったんですね。元の長門がそこまで強く自覚しているかどうかは定かではありませんが。

キョンは、修正プログラムを射ち込む直前、朝倉涼子のナイフによって刺されました。大量出血で死に掛けます。そして意識が遠のくのですが、目を覚ますと世界は正常になっており、ナイフの傷はなくなっていました。
変わりに、数日前に階段から落ちて昏倒し意識不明だったということになっていました。
刺された後に、すこし未来のキョンがやってきて修正プログラムを撃ってくれたようです。

キョンは、この物語の後、どこかで過去に戻りそれをすることでしょう。
しかし、その前にハルヒの鍋を食べてから。ということで終劇となります。

古泉は、本当にキモカッコイイですね。
体操服の半ズボン姿は寒そうでした。
キョンが意識を取り戻してまず目に入ったのが、リンゴの皮を向く古泉っていうのもちょいキモです。いや、ありがたいしいい人なんですけどね。
寝袋ハルヒは、イモムシみたいでかわいかったです。

大人みくるは、未だに長門が苦手だと言っていました。
ということはみくる(小)でいる間に、長門への苦手意識がなくなることはないんですね。
大人みくるから見たら、SOS団で過ごした青春はとても懐かしいものみたいです。
いつか、キョンにとってもそう思える時が来るんですね。今が過去になってしまうのです。

統合思念体は、重大なトラブルを引き起こした長門の処分を検討しています。
しかし、キョンは「長門は大事な仲間だから絶対に取り戻す。いつもの長門の方が好きだ。もし長門に何かあったらハルヒが黙ってないから、そう親玉に言っておけ。」みたいなことを言います。
かっこいいですねキョン。これは長門も惚れ直しますよ。
でも相変わらず、キョンにとって長門は恋愛対象じゃないみたいです。

以上、まとまりないですが感想でした。
  1. 2010/02/18(木) 22:37:52|
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