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カップメン オレンジ[HD366]カップメン オレンジ[HD366]
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カップ麺が出来上がるまで、蓋を押さえてくれる人です。カップメン出動ブログ用

フォルムがかわいい。
カップメンブログ用

テーマ:雑貨 - ジャンル:趣味・実用

  1. 2012/03/26(月) 20:33:27|
  2. 日記

アガサ・クリスティー「アクロイド殺し」感想 羽田詩津子・訳

アクロイド殺し (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)アクロイド殺し (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
(2003/12)
アガサ クリスティー

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【あらすじ】
医者のジェームス・シェパードは、歳の離れたうわさ好きの姉キャロラインと暮らしていた。
ある日シェパード家の隣に越してきた外国人が、突然塀ごしにかぼちゃを投げつけてきた。その風変りな隣人こそ、名探偵エルキュール・ポアロだったのだ。
ある日、シェパードが、深夜に電話を受け駆けつけると、村の大地主ロジャー・アクロイドが死んでいた。
ロジャーの義妹セシルの娘フローラ・アクロイドは、ポアロに推理を依頼する。

【途中まで、ネタバレなし感想】
以前、通りすがりのミステリファンから「アクロイド殺しは読みました?まだならぜひ。あれは、一回読んだら絶対に忘れられないトリックですから」と言われていたので気になっていた本です。
<「ミステリが読みたい!2010年版」が選ぶ海外オールタイム・ベスト・ランキングforビギナーズ>の第7位で、帯には、「このトリック、許されるのか?空前の議論を巻き起こした問題作。」とあります。

個人的には、ものすごく許される、これは読者に対してとてもフェアです!と思いました。推理の為の材料はすべて書かれており、また、解決編の前に自力解決可能なように作られていましたから。
私はいつも、探偵が犯人を指名するまで、誰の仕業か見当もつかないのですが、今回は、名指しの3章前に真犯人が分かりましたから、ちゃんとできてたんですよ。それでいて、巧妙に隠されている。

村の名士が殺され、親族、その婚約者、すべてが怪しい容疑者だらけのお話。屋敷には沢山の使用人が。
実に古典ミステリらしく読み応えがあります。

各人、少しずつ嘘をついています。それぞれが後ろ暗かったり不名誉だったりする隠し事をしているのです。
それは、アクロイド氏の殺人事件と関係ないものですから、それを明かした方が容疑を免れるのです。
それでも人間、言いたくないことってありますものね。
ポアロはそれを穿り返します。しかし、なにも皆に恥をかかせて貶めるためではありませんし、結果としては、好転することが多かったように感じますよ。それが罪であっても、一人で抱え込むよりすっきりします。人間関係も整理される感じがしました。

物語はシェパード視点で進行します。
これは、探偵ものだったら良くある構図ですね。
作中でも、シェパード自ら、「ポアロがホームズで、私がワトソン」と述べているほどです。自覚的にやってたんですね。
ポアロは、シェパードを含む周囲から、とても滑稽に見えるようなんですよ。エラそうに胸を張る仕草とか、見ていて笑いをこらえるのが大変みたいです。

↓イメージ図

( ー`дー´)キリッ「私の灰色の脳細胞がね」

(( ´∀))((´∀`))((∀` ))「ぷーくすくす」「ハライテー」「バロスwwww」

シェパードのお姉さんキャロラインが大変良い性格をしてまして、面白く魅力的でした。
彼女は、人の噂話が大好きで、余所の家庭の事を根掘り葉掘りきくのです。
さらには、独自の解釈と陰謀論と的外れな推理をまぶしてご近所様に吹聴するのです。
傍迷惑なのに嫌いじゃないですこういうお姉さん。
姉は、急な来客のポアロがベジタリアンだということで、調子を合わせて出任せに肉食批判をしていましたが、本当はその日、骨付き肉を食べる予定でした。そして、彼女が菜食主義者ではないことを、ポアロは簡単に見抜いていたのです。
そうとも知らずに上っ面を取り繕うキャロラインは、間が抜けていてかわいいですが、ゲストに対して礼儀を通そうとしている点で好感持てます。変に気を遣われてもポアロは心苦しいでしょうけど。

↓姉弟の会話がいちいち可愛かったです。

姉「自分の悩みを誰かに打ち明けられると、とても救われる気がするものなのよ(^O^)」
弟「自発的に話させてくれるならね。無理やり聞きだされて嬉しいかどうかは、また別の問題だよ(-_-;)」

厳格な独身女性家政婦の鉄のような自制心にヒビが入って表情が変化、その後赤面する所に萌えました。

メイドさんの描写が多いです。お屋敷だけでなく、どこの家にもメイドや家政婦がいるのです。
きっと、中流以上の家において、家事は、お母さん・女主人・女性の仕事ではなく、メイドさんを雇うのが普通なんですね。
メイドのエプロンと訓練された使用人の職業意識が、事件解決への鍵の一つになっています。

「最近のメイドはお仕着せの帽子とエプロンを付けたがらないものが多い」という話があるので、ちょっとだけ職業婦人の意識が変わってきたそういう時期だったのでしょうか。

「近頃の若い女の子の読む小説がひどくって」、みたいなセリフもあったはずです。これは今でもそうだし、ずっと昔から言われてることなんでしょうね。

ポアロは、実況見分や、誰かへの質問をする時に、わざとダミーの目的や意図を見せて本当の狙いから意識を逸らすように誘導するんですよ。
その手腕が非常に名探偵っぽくてよかったです。

当時、西洋で麻雀が流行っていたのでしょうか?
ポアロ抜きで麻雀をしている場面があります
生まれて初めて、手元に配られた時点で役が完成している天和(テンホー=Heavenly Hand)で上がったシェパードがテンション上がりすぎて、ポアロとシェパードしか知らなかったイニシャル入り指輪の話をしてしまうのが笑えました。
あれは、誰が誰に送った指輪なんだ!?と一同大盛り上がり。
シェパードは「あれ、言わない方がよかったかなぁ…」と次の日に漸く気づくのでした。
この辺、麻雀ギャグ小説でした。

それにしても、ポアロとシェパードの出会いが衝撃的で笑いましたよ。
ポアロの変人キャラが一発で印象付けられました。ポアロの投げたカボチャは、シェパードをかすって地面にグシャーーーですからね。直撃してたら危なかったですよ。
しかしこの人、ただのカボチャ投げ男じゃないんですよ。頭の良さがずば抜けてます。

事件当日の怪しい訪問者、最有力犯人候補者は事件当日から失踪中、アクロイド殺害の動機を持つ者は沢山。
この状態で、ポアロは、真犯人を探り当てるのです。
その犯行動機とは。

コミカルかつ緻密、複線も自然で面白いお話でした。

【以下、ネタバレあり感想】
【“アガサ・クリスティー「アクロイド殺し」感想 羽田詩津子・訳”の続きを読む】

テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学

  1. 2012/03/20(火) 01:13:54|
  2. 読書感想文(小説)

辻村深月「ぼくのメジャースプーン」

ぼくのメジャースプーン (講談社文庫)ぼくのメジャースプーン (講談社文庫)
(2009/04/15)
辻村 深月

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【あらすじ】
ぼくは、ふみちゃんと友達なのが自慢だった。ふみちゃんには、クラスで特定の友達はいないし、眼鏡と歯列矯正器具をつけていてみんなにはブスと言われている。だけど、沢山の事を知っているのだ。
ぼくには、特別な力がある。それは、「●●しろ。そうしなければ、▼▼するぞ。」という言葉で人に強い暗示を掛ける魔法の言葉をつかえる事だ。
ある日、小学校に侵入した男が事件を起こす。
その一件で、ふみちゃんは言葉を失い心を閉ざしてしまう。
その男に「力」を使おうと決めたぼくは、対決までの数日間、同じ力を持つ先生の所に通うのだった。

【途中までネタバレなし感想】
ニンテンドー3DS用ゲーム「Newラブプラス」の中に読書月間というイベントがあり、私のカノジョである凜子シナリオでは、「ぼくのメジャースプーン」が課題図書でした。プレイヤーは、ゲームとは別にリアル世界で本を買って読むことで、ゲームの中のカノジョと一緒に本を読んでいる気分を味わえるという企画です。
私が買った表紙は、ラブプラスコラボ表紙でした。そのカバーの下には、もともとの文庫用カバーがありますから、美少女の描かれた本を人前で読みたくない人にも安心の設計となっています。

以下、内容感想。

途中、ネット掲示板の描写があります。また、最初に起こる事件の内容も含め、以前読んだ他のメフィスト賞作家の作品と似たモチーフでした。
なお、別にメフィストじゃなくても、1995年以降、特に2000年代の現代日本を舞台にした小説ならば、ネタにされることの多い設定ですね。それはもう、空想やSFではなくて、単なる現実、日常なので。
しかし、そこから先の描写、展開は、完全に作者それぞれの個性となっており、このお話もすごかったです。

動物虐待要素があるので、本気で苦手な人は非常に不快でしょうし、トラウマになるかもしれませんから読まない方が吉です。
フィクションと割り切りれる人だけどうぞ。
ただそのショックを無効化するか、傷を癒すくらいの勢いもある力強い物語です。

非常に心を揺さぶられるお話でした。 
途中からこうなっていました→  (´;ω;`)→ ( ;∀;)→ 。・゚・(ノД`)・゚・。
物語に引き込む力が強いので、数時間で一気読みしました。

神話的、仏教的哲学の問答が多く収録されています。
動物とペット、殺してよい生き物とそうでない生き物の区別について、復讐の是非、空しさ、被害者と加害者、「器物破損」の定義、法律や倫理の限界、いじめような罰、無力感、現実を消費することについて。
主人公の「ぼく」は、10歳の頭で一生懸命考えます。
肉食に関する会話の応酬は、ちょうど宮沢賢治「ビジテリアン大祭」で描かれていた領域と被ります。菜食主義者の祭典において、異教徒(肉食、雑食者)たちが行った客観的(かつ、嫌味で感情的)な主張、それと近いものとなっています。
引用されていた「豚のいた教室」は、同じドキュメンタリーを見てガチ凹みしてましたよ。先生は、ぼくに結末を話しませんでした。
他の、元ネタとしてあげられる書籍や番組も、ちょうど見たことあるものばかりでした。

明記されていない箇所でも、何気に仏教モチーフでてきますね。突然広がる枯れ蓮の池です。偶然かもしれませんが。
蓮の並び方が偏っているように感じる。月がCGみたいに見える。現実の物はバランスが悪いから、自由に配置できるように人間は進化しているのかもしれない、という内容が書かれていました。
これ、身に覚えがありますね。紅葉を見ていると、大抵朱色と黄色のグラデーションなのに、一本だけ葉の配置が飛び飛びでおかしく、色もR255 G000 B000 みたいな真っ赤一色塗りの木があったりするので、「あれ、下手すぎるだろ!」「もし絵でああいうの描いたら、『そんな不格好な木は自然界にないから』って修正されるよ」「やっつけのラフみたいな木」って言った事ありますもの。
目に映るものだけでなく、心や倫理や価値観、美意識も、人間にとっていい塩梅になるように研究、調節されてきてるんでしょうね。それは、正解がなく、時代や空気によって変動するのでしょう。

ぼくと先生は、お菓子を食べます。そのお菓子は、分量を間違っておりまずいことが多いようです。

タイトルのメジャースプーンというのは、料理やお菓子に使う計量スプーンの事です。
ぼくは、ふみちゃんからその形をしたスプーンを一つもらっていたのでした。
物語において、スプーンは、悪意を掬う、適切に扱う、と言った用途の比喩として登場していたようです。
さじ加減一つ。どこに基準を置いて使用するか、難しい問題です。

秋山先生は、穏やかですが、笑顔系鬼畜の匂いがしました。
かなり残忍な実験も過去に行っているのです。言葉による魔法の法則性を試していたんですね。同じ人にも言葉はきくか。その人の意志でできる以外の事は命令できるか。
ダブルバインドも有効です。「空を飛んでみろ。さもなくば、ここから飛び降りて死ね。」言われた方は、死ぬしかありません。魔女審判のようなものですね。水に沈めて死ななければ魔女だから死刑、水に沈めて死んだら人間だった。という。

とある事件の犯人は、悪意の塊なのですけれども、読んでいて恐ろしかったのはクラスメイト達、ぼくとふみちゃん以外の人間が持つ悪意です。
意地くそ悪く、人を嘲り、利用して用済みになれば捨てる、愚かなことを悪気なくやってのけたりする。でもそういう事を平気でできる人間の方が、上手いこと繋がって、幅を利かせて、要領良く進んでいける、そんなリアルさがありました。

ぼくは、犯人に魔法を使わない事も可能ですが、もし犯人に何かできるならどの言葉を使うか考えます。
秋山先生の案は、重くきついものでした。犯人に反省を促すという点では強烈でしたね。

上記を読むととても難しいお話に見えるかもしれませんが、筋はいたってシンプルです。
好きな女の子の為に、男の子ががんばる、それだけです。

読んでいてぼくに相当移入しました。ぼくが悲しい時、怒っている時、そのまま同じ気持ちになれたのです。
しかし、書かれず伏せられたぼくの想い、またぼく自身が気づいていなかった事実というのもありました。
そうして意図的にぼくと同化させられなかった部分にも、驚きと衝撃がありました。なお、それらは、まったくの初出ではなく、それまでを丁寧に読んでいれば想像できた人もいるのだと思います。

【以下、ネタバレあり感想】
【“辻村深月「ぼくのメジャースプーン」”の続きを読む】

テーマ:感想 - ジャンル:小説・文学

  1. 2012/03/19(月) 21:01:14|
  2. 読書感想文(小説)

ボリス・ヴィアン「日々の泡(うたかたの日々)」感想

日々の泡 (新潮文庫)日々の泡 (新潮文庫)
(1998/02)
ボリス ヴィアン

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↑装丁と訳は、これと違ったかもしれないです。

【あらすじ】
裕福な青年コランは、生きる為に労働するということはしなかった。
友人と語らい美しい少女を愛で、音楽と料理を楽しみながら暮らしている。
コランは、恋人クロエと結婚をするのだが、ある日、彼女の身に異変が起こってしまう。

【途中まで、ネタバレなし感想】
本が手元にないのでうろ覚えです。引用している文章も正確ではありませんから予めご了承ください。

コランには、料理人のニコラ、技師のシック、という友人がいて、彼らにもそれぞれ恋人があります。
3組のカップルが送る日々を、SF的幻想を織り交ぜつつ、時には美しく、時には残酷に書き散らした、夢うつつのカオス物語です。

美少女と物理学と機械と料理と音楽と花と猟奇でできてる話で、プログレロックやテクノバンドの曲名・歌詞に通じるものがありました。

耽美または猟奇表現が15ページに一回は出てくる勢いなので、いわゆるエログロというものかもしれません。
痛いのも気持ち悪いのも汚いのも大の苦手ですが、引きつつ笑えもしました。

像やネズミも話す寓話的世界観なのですが、ほぼ最後までそれを分かっておらず、もっと現実に即した話と理解しようとしていました。
ですから、「薔薇色の雲が空から下りてきて恋人たちを包んだ。僕らからは周囲が見えるが、周りからはこちらが見えない。透明人間だ。」「この音楽レコードをかけたら、部屋が丸くなってしまった、こんな形の部屋に医者はたどり着けるだろうか」という描写も、何かの比喩かな?心理描写?それとも、登場人物が全員麻薬でラリって同じ幻覚みているの?と思っていました。
しかし、その後を見るにつけ、「リアルに部屋変形してたかも」と思うに至りました。

意味不明なりにインパクト溢れる要素の数々で、そのパーツだけでも十分面白かったです。

薬を作る機械が空転したのは、変造ウサギが時々鋼鉄に勝ってしまうからなんだ、と薬剤師は言う。

結婚式の楽士達は、囚人護送車で帰ってゆく。

職業的男色衆の双子、弟が兄に言い放った「あんたはきっといつか女の子と結婚しちまうんだ!」

ピアノの音符の長さとペダルの踏み方、トリルの具合によってカクテルが作られるマシーン「カクテルピアノ」。

(゚д゚)!?

ギリ…現実かなぁヘ(゚д゚)ノ ナニコレ?面白いけど…と読み進めると、睡蓮と鋼鉄の薔薇がとんでもない所に生えてきます。そこで漸く「あ、これ、ひょっとしてSF?」って気づきました。(実はそういう事例って本当にあるのかも…とも考えましたが、それはないようです。「そういうの世界のどこかにはありそう」というラインを突いてくるお話なんですよ。)

睡蓮は、ロマンと残酷と恐怖と心地よさを同時に表現してるような面白いモチーフでした。

女の子の髪の毛を(´~`)モグモグ。「君の姪みたいな”こころの妹”を希望しているんだ」とかいう謎セリフが出てくるのですが、それっきり、”こころの妹”発言しなくなりました。
「君の姪」、というのは、アリーズという美少女の事です。料理人ニコラの姪にして、技師シックの恋人。
主人公コランは、アリーズいいなぁ、と最初思っていたようですが、好きな曲と同じ名前を持つクロエと付き合い始めるのです。

親友のシックという男がハマってる哲学者ジャン=ソオル・パルトルの著書名がいちいち汚かったです。
シックはパルトルに心酔しきっており、言いたい事は全部パルトルが言ってくれるし!彼の著書は一冊残らず買いたいし、講演だって見に行くぞ、講演は録音し、自室にて別の日の講演を同時再生、その矛盾点から新たな真理を探るぜ!という勢いの人です。熱狂的なファンといいますか、狂信者です。
人間、あそこまで誰か一人を崇拝するのは良くないなぁ、自分というものがなくなるし生活も恋人も友人もえらいことになっちゃうわぁ…本人は幸せそうで何よりだけども…。というのを極端に描いた風刺的なキャラ造形なのでしょう。

双子の兄弟の職業は、結婚式に付き添いをする「男色衆(おかましゅう)」なのですが、ネット検索してもそれらしいものが出ません。
フランスには実在する風習なのか、創作なのか謎です。
兄は、女性も好きな人なのですが、弟はそれを不潔だ、変態だ、というように扱います。仕事中女性に近づき過ぎる兄の腰を力任せにつねっているのを見て、弟は男性が好きというよりお兄ちゃんを独り占めしたい人なのかなぁと感じました。それゆえに暴言を吐くし攻撃をする。

この双子、話の本筋には絡まないのに出てきました。微妙に同性愛・倒錯っぽい描写は他にもありました。
女性キャラ(?)が、16歳と18歳の少女が酔いつぶれていて帰れないからと、自分の所に泊めて、ベッドに空きに入り込んで朝まで一緒に寝ていました。
また、主人公コランが結婚するのにあたり、親友シックがネクタイ結ぶのを手伝ってくれるのですが、14回も失敗し、内3回ネクタイが裂けるのです。しまいには、シックの指がネクタイに巻き込まれた状態で力いっぱい引いてしまったので、怪我をしてしまいます。
ここの描写になぜこんなに行数を割く?というくらい精密で、少女を賛美するのと同じくらい長く克明でした。
何か、元ネタの神話や古典、聖書の記述でもあるんでしょうか?
シックとコランのその後を暗示してるのか?とも考えましたが、それなら、コランが巻き込まれないとしっくりきません。(うろ覚えなので、読み返したら、コランが指怪我するのかも?)

「労働」について描かれてます。
人間はなぜ、自分が働かなくて済むような機械をつくらないのか。
働くことが最も素晴らしく尊い行為だと(宗教的にも道徳的にも?)教え込まれている社畜、労働厨のみなさん、おつかれ様!みたいな立場の主人公コラン。彼の主張も、間違いではないと感じましたけども、周りの人から「何をして生きてます?」って訊かれた時、それは「仕事」「職業」を指しているんですよね。働く人が居ないと社会・経済・国は回せないですね。
コランは、高等遊民というやつなんだと思います。食うのに困らず、文化・芸術・愛する人、趣味だけで生きている。
果たして、それだけで美しい睡蓮に太刀打ちできるのか。人間、本当に「人間らしい生き方」だけで、「人間」を続けられるのか、という事を考えさせられました。

ラスト付近が超展開でして、ぐいぐい引き込まれました。とても面白い構図ですが、映像化版は見たくないです。

作者がジャズ音楽家でもあるらしく、作中、随所に音楽の話が出てきます。楽器やマイクロフォンなど録音、再生機器に関する描写も多いです。

【以下、ネタバレあり感想】 
【“ボリス・ヴィアン「日々の泡(うたかたの日々)」感想”の続きを読む】

テーマ:読んだ本の感想等 - ジャンル:小説・文学

  1. 2012/03/19(月) 17:01:34|
  2. 読書感想文(小説)

映画「シャーロック・ホームズ2 シャドウ・ゲーム」感想

映画「シャーロック・ホームズ1」(無印)の感想はこちら
以下、「2」の感想です。
シャーロック・ホームズ シャドウ・ゲーム オリジナル・サウンドトラックシャーロック・ホームズ シャドウ・ゲーム オリジナル・サウンドトラック
(2012/02/22)
サントラ

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【あらすじ】
ヨーロッパの情勢が不安定になる中、各地で起きる未解決の爆発事件。
謎を追うホームズは、その黒幕が天才モリアーティ教授だと推理するが、教授はそんなホームズをつぶすために刺客を送ってくる。
魔の手は、新婚の助手ワトソンに迫る。
ホームズコンビは、モリアーティ教授の計画を、そして戦争勃発を止められるのか。
ロバート・ダウニー・Jr、ジュード・ロウ主演、ガイ・リッチー監督作品。

【途中までネタバレなし感想】
1を知らないで、いきなり2を見ても十分意味が分かりますし面白いですよ。
舞台はイギリスにとどまらず数か国移動しますので、冒険活劇としても楽しめます。

ホームズの登場シーンからして変則的でした。あやしい…。
また、ホームズとワトソンが最初に揃う所もわけのわからない状況とテンションとなっております。
前作ヒロインのアイリーンもブツ輸送係として登場。

笑いどころとほのぼの場面、戦闘シーンが多く、気楽に見られました。
メカや武器の好きな方にもおすすめです。

推理要素もちゃんとあるのですが、エンターテイメントなアクション映画+仲良しバディ(相棒)もの、という色合いが、1よりも濃くて楽しいです。

ホームズの髪が無印より少し伸びていてチャーミングです。
ワトソンは賭け事となると熱くなってしまうし、言動がちょっとチンピラっぽい時がありますね。

予告編をご覧になった方ならお分かりかと思いますが、いわゆる「公式が病気」という状態です。
どうも、ホームズの他人への変装はやっつけな事が多いようなのです。一方、背景への擬態は無駄にレベル高いです。

前作から引き続き、ホームズはワトソンの結婚により自分が一人ぼっちにされることを嫌がっています。
嫉妬でふてくされてワトソンに嫌がらせして余計ムカつかれつつ、ちゃんとワトソンの世話をして結婚を祝福してあげたりもします。
しかし、モリアーティに挑むということは、そんなワトソンを危険に晒すことになるわけです。

ホームズの兄、マイクロフト・ホームズが登場します。やたら背の高いぽっちゃり巨漢で、弟に負けないぐらい天才なのですが、さすがホームズの名を持つ者、かなり変人です。紳士かつ変態なのですが、憎めません。
ホームズ家のおじいちゃん執事、スタンリーが、笑えて仕方なかったです。
ホームズは、マイクロフトを「マイキー」と、マイクロフトはホームズを「シャーリー」と愛称で呼んだりしてました。なお、ワトソンもホームズを「シャーリー」と呼ぶ場面があります。(皮肉で)
兄弟は再会後、微妙に理解不能な会話をしていたので、暗号か、薬でもやってるのか?と感じましたが、劇場同行者の話によると、あの会話でワトソンの知力を試していたんじゃないか、ということでした。(未確認)
マイキーとワトソンは初対面なのですが、ホームズはワトソンの事を「推理力がない」とか悪く言っていたようなのです。
しかし、お兄ちゃんも認める通り、ワトソンには推理力がちゃんとありました。1に比べて、自分で考えられるようになっておりました。

2のヒロインは、ジプシーの占い師女性シムです。エキゾチックで自立した力強い女性です。
シムは行方不明の実兄を探すのに精いっぱいなので、ホームズやワトソンに対するセクシー・ロマンス要員という要素は皆無です。同じ目的を持った同士、仲間、戦士、といった雰囲気です。
主人公コンビを生暖かく見守っているような場面がありました。シムにはあの二人の関係がどう見えてたんでしょうか。

ワトソンの新妻メアリーが、とても常識的な女性でして、それなのにかなり苦労するんですよ。
メアリーはいざとなると勇敢でかっこいいので惚れますよ。2回ほど、メアリー素敵!ってなりました。
ホームズが凄い状況でとんでもない恰好で現れ「私を信じろ!」というのですがメアリーは「NO!」と言います。
アレを瞬時に受け入れるのは無理ですから、至って当たり前の反応です。
その後取ったホームズの行動がさらに衝撃的でしたけれども、さすが天才名探偵、別に行き当たりばったりでも感情任せでもなかったのです。その真相は、もう少し後で回収されます。

ホームズを下宿させているハドソン夫人は心労が絶えません。ホームズがちゃんとご飯食べないでコーヒー・煙草・コカのみを摂取、植物を部屋に生い茂らせて寝ずにおかしなことをしているので。
これ、ワトソンの結婚への抗議姿勢かと思ってたんですけれど、しっかりモリアーティ教授にまつわる事件を分析しているので、そちらがメイン要因なんでしょうね。
原作でも、一晩中、山のように煙草を吸いながら考え事してたり、阿片窟に入り浸ったりしてましたから、それが推理モードなんでしょう。そのせいで少し痩せたようです。
なぜ、ハグでお互いの体型の変化が分かるの…ホームズとワトソン…。

ホームズは、ヒーローとヒロインポジションを兼ねた主人公でした。
普通それ、非力な女の子のされることでしょう、というのもホームズが担当してました。
一方、自分がモリアーティを追うせいで命を狙われるワトソン夫妻のナイトとしても活躍しており、単なるか弱い髭お姫さまというわけでもありません。ちょっとした「ランボー」みたいでした。

映画の大まかな流れは、とある原作小説を下敷きにしています。
映画は、総じてキャラクターの戦闘能力が高いなど、原作とは別物なのに、そこは忠実なんだ!という驚きがありました。(ホームズのキャラクター設定は1の時からほぼ原作通り)

映像的には、色合い、建物、服装、特殊効果、演出、カメラワーク、編集、どれも良くできていて、安定のハイクオリティーでした。音響も良いです。

【以下、ネタバレあり感想】 
【“映画「シャーロック・ホームズ2 シャドウ・ゲーム」感想”の続きを読む】

テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

  1. 2012/03/19(月) 15:03:14|
  2. 映画感想

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