![]() | ショーン・オブ・ザ・デッド [DVD] (2011/04/27) サイモン・ペッグ、ケイト・アシュフィールド 他 商品詳細を見る |
【あらすじ】
家電量販店に勤めるショーンには、幼馴染の親友のエドがいて、いつも一緒にゲームをしたり、音楽を聴いたりしている。
ショーンの恋人リズは、彼の煮え切らない態度や、いつでもどこでもエドがくっついてきて、なかなかショーンと二人きりになれないことに苛立つ。
ショーンとリズが別れた次の日、理由は忘れたけど(人工衛星的なものがどうかなかった?)町中にゾンビがあふれ出す。
ショーンは、リズとエドと母と義父を守り、皆で生還する為のプラン(浅はかかつやたら都合のよい妄想を数パターン)を練り、皆で馴染みのパブ「ウィンチェスター」に向かう。
【途中まで、ネタバレなし感想】
普段、レンタルショップに行ってもホラーは苦手ジャンルで棚ごとさけていたのですが、機会があり見てみました。
これは、とても楽しい映画でした。ギャグだらけです。
ロメロ監督の「ゾンビ」が下敷きになっているということで、ショーン~の後に元ネタを見て、基本設定をはじめ、あちこちがパロディになってるんだという事が分かりました。
なんでもない動作を、細かくカット分けて、さも意味ありげにテンポよく効果音(短い音楽?)をつけてバン・バン・バン・バンとドアップにするという手法が何度も用いられていました。
これも、他の監督のパロなんでしょうか。(追記・・・どうやら、この監督オリジナルの編集スタイルらしい)
ショーンとエドがTVから流れて来た、ゾンビに対する対処法や、家の中に隠れて実を守る方法、「ドアはきちんとしめてバリケードを築こう」を食い入るように見つめているその奥のドアががら空きでゾンビが入ってきているのに、直前まで気付かない、など、本来ならとても恐ろしい場面なはずなのに、幼馴染二人組のアホっぷりのせいで、コメディになっていて笑えました。
また、ショーンとエドが趣味で集めている音楽レコードを武器に戦うわけですが、緊急時なのにいちいち投げていいレコードとこれは投げちゃ駄目だというものを選別していてバカでした。
とはいえ、家で聴いていても車で聴いていても「うるさい!」と言われ、何の金にもならないし、本職とも無関係で、純然たる趣味である音楽レコードが、自分の身を守り敵を打ち砕く武器になるというのは、何でもその人の肥やしになるんだなぁ、音楽という娯楽を好きでいてよかったね、と思えました。
厳格なショーンの義父には、ゾンビ騒ぎより、車中の音楽のやかましさの方が大問題で、即刻消せ!と怒ります。
論点ずれていて緊張感薄いといいますか、なんとも、結束力のないサバイバルチームです。
だからこそ、楽しくて、ホラーが苦手な人でもいけると思います。
とはいえ、若干の痛々しい場面や、血、グロテスクな表現は付き物ですから、そういったものに全く耐性がない!あらかじめそういうのだと分かってたら絶対に見ない!という人にはお勧めできません。
途中から、昔リズに振られた眼鏡男デービッドとその彼女ダイアンも合流します。
デービッドは、まだリズのことが好きならしく、ショーンとエドをあまり心よく思ってはいない、という設定らしいですが、それを知らずに見ると、常識的な事しか言ってないなぁという印象でした。少し冷たすぎる、人間味に欠ける、とも取れますが、その場面での最善策は、彼の言ったとおりだと思いました。
が、映画最後まで見たら、必ずしもデービッドの考えが正しいというわけでもなかったことに気付かされました。
クイーンの音楽に合わせて、まるで餅つきのようにゾンビをかわるがわる殴打する場面には笑いました。
この映画のハイライトの一つと言ってもいいかもしれません。
♪ハバナグッターイ ハバナグッターイ
全体的にはコメディ・ホラーなので笑って気楽に見れるのですが、人としてとても辛い選択を迫られる場面が何度もありますし、登場人物が怒りや悲しみに暮れたりもします。
友情、愛情、勇気、希望など、王道かつ大事なことも描かれています。
そして、なんとも社会派な皮肉に満ちた、妙にリアルなラストを迎えるのです。
ゾンビ映画ってこういう終わらせ方があったのか!!と驚くと共に、いじわるなアルアルって感じで大変楽しめました。苦笑いと大笑いの間くらいの、なんとも言いがたい笑いが出ました。
こんなのありかよww という。
【以下、ネタバレあり感想】
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