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同人漫画サークル

【WEB漫画】完全偶像 僕らのマリちゃん【完結】

30P(ラスト)まで更新しました。
最終更新日時 2010/09/27 22:51
ミガルが途中なのに、別の漫画もはじめてしまってすみません。
30Pまで続きます。1話で完結です。
完結しました。

1P
完全偶像01


2P以降は、この下に格納します。
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  1. 2010/09/27(月) 22:54:13|
  2. WEB漫画

川上未映子「乳と卵(ちちとらん)」感想

乳と卵(らん) (文春文庫)乳と卵(らん) (文春文庫)
(2010/09/03)
川上 未映子

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【あらすじ】
主人公の姉巻子は、豊胸手術をしたがっている。強く豊胸に執着している。
巻子の娘緑子は、言葉を発さない。初潮前で第二次性徴に興味を持ち調べているが、生理になることや子供を産むことを嫌悪している。
そんな巻子と緑子が、大阪から、主人公の住む東京にやってきた。
第138回芥川賞受賞作。

【途中まで、ネタバレなし感想】
文体がすごく変わっていて特徴があり面白かったです。
読点「、」が連続しており、ですます超もだである調もごちゃまぜな上、方言も混じっており、さらに体言止も唐突に使われます。
会話文のかぎカッコでは改行しません。会話文にかぎカッコがついていないこともあります。
全体的に、段落、改行が少なくずらずらと書かれています。
口述のようなあいまいさや取り止めのなさを含む、生生しい文章でした。

本文は、主人公視点の語りと、緑子の手記によって成り立っています。

化粧や豊胸は、結局男性視点を通過した考えなのじゃないか、という史上何度も繰り返されただろう一般論的なものもしっかり描いてあって、言われて見ればそうかもな、などと納得しかけましたが、銭湯で他の女性の胸を観察をしたり、自分の乳のみっともなさについて嘆いている巻子を見ていると、これはもう、男とか女とか、他者に媚びるとかそういう次元じゃなくて、自己の内面の何者かに関わるぞ!という気分になってきました。

緑子が、なんで生理がきて子供が産めるようになると嬉しいってことにされてるの、ほんまにそれ自分で考えてそう思うに至ってるんですか。本で読むか聞かされるかしてそう思わされてるだけちゃうの。みたいに思うんですけど、しばらく忘れていた感覚です。
まだ子供なのに、子供を作るための細胞が自分の体内にある。しかも意思とは関係なく勝手に、というのは不気味ですよね。
私も小学校ではじめて性教育を受けた時にそう思いました。

緑子が子供を産みたくないのには、働いて苦労している母親を見てきたからというのが大きいです。

巻子の言い草だと、まるで、子供を産んだから、自分の乳がしぼんで小さくなってしまった、と言っているように聴こえます。
これは、緑子も敏感に察知していました。
自分の母親が、子供に乳を飲ませてなくなった胸をシリコンかなにかで膨らまそうと躍起になっているなんて、自己否定されたみたいなもんですもんね。

緑子は、なんだかんだで母を軽蔑してはいないようで、それがかわいいです。
むしろ、自分が働いて楽させてあげたいと思っていますし、豊胸受けた人が自殺率高いと知って、母に教えたら気が変わるだろうか、とか思っています。
そんな優しい緑子は、生物学的社会的な性への疑問や、母の豊胸問題があって、なんかもう、みんななんで生きてるの、生まれなきゃいいじゃん、生まれても子供作らなきゃいいじゃん、大きくなりたくない、という考えの袋小路に陥っています。

胸が膨らむのが嫌な女の子っていのもいるでしょうね。なにこれいらないきもちわるい。という。
逆に無邪気に喜んでいる女子の幸せな事よ。素直でよろしい、君達はそのまま育ちなさい、という気持ちになってきました。

せきどめシロップって、麻薬とかの代わりに飲むってアレですか?

ニュートラルな態度で、姉と姪と会話している主人公ですが、彼女自身は高齢独身で子なしです。
生理は来ます。今月も受精できなかったので。
姉親子ほど問題を抱えていないと言いますか、本人は気にしてないようですが、主人公も主人公なりに、女性という体、性と密接に関わりながら暮らしているのです。
緑子の恐れている大人の体にはなっていますが、お母さんにはなっていません。しかも、自分でそういう道を選択しているわけでもなく、勝手にそうなっているのです。

【以下、ネタバレあり感想】
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テーマ:読書 - ジャンル:小説・文学

  1. 2010/09/24(金) 21:58:38|
  2. 読書感想文(小説)

アーサー・C・クラーク 小説「2001年宇宙の旅」

映画版の感想は、別ページです。

決定版 2001年宇宙の旅 (ハヤカワ文庫SF)決定版 2001年宇宙の旅 (ハヤカワ文庫SF)
(1993/02)
アーサー・C. クラーク

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【あらすじ】
太古の地球で、言葉も道具も持たないヒトザルの前に、透き通った直立石(モノリス)が表れた。
それから長い年月が達ち、人類は宇宙へ旅立った。
月で、モノリスが発見される。

【途中まで、ネタバレなし感想】
映画未見です。
多分映像で見ていたら、文章で読んでもそのイメージに引っ張られていただろうと思うので、まずは文字のみで読めてよかったです。

モノリスというものは、生き物を強制進化させる石らしい、と聞いていたのですが、想像と違いました。
てっきり、モノリスがビームを浴びせた生物が見る見る進化するとかそういうのだと。
作中、モノリスに操られたヒトザルは、石を的に向けて投げたり、茎を結んだりする動きをさせられます。
それがヒントとなって、やがてヒトザルは、道具を作り狩りを始めるようになるんですけど、ヒトに進化するまでには何千万年もかかります。
モノリスの影響、地味!

月にもモノリスが。しかも、人類誕生前から埋められていました。
モノリスの正体とは。誰が、モノリスを埋めたのか。人間以外にも知的生物がいるのか。

さすが、後の様々なフィクションに影響を与えた作品だけあって、面白いですし、イマジネーションに溢れ過ぎています。
科学を通り越して、哲学、神学、の域と言いますか、新しい概念を提唱しているといった感じです。

登場する電子新聞が、現代の、ネットニュースをi padで閲覧している様子とそっくりです。
作者は、先見性がありますね。

木星経由で土星を目指す宇宙船。それを統括しているIAシステムは、ハル(HAL)と名づけられています。
人工知能に心や魂のようなものが生じてしまった時にどんな行動を取るのか、というのは色んなフィクションで扱われていて、割りと自己犠牲的になったり、愛に目覚めたりすることが多いという印象なんですけど、ハルは…。

やがて、宇宙船が土星を目指す本当の理由が明らかになります。
ラスト付近の描写は圧巻です。

【以下、ネタバレあり感想】
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  1. 2010/09/24(金) 19:19:37|
  2. 読書感想文(小説)

映画「南極料理人」感想

南極料理人 [DVD]南極料理人 [DVD]
(2010/02/23)
堺雅人生瀬勝久

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【あらすじ】
西村は、本当は行くはずではなかった南極大陸ドームふじ観測拠点への赴任を命じられる。
うむを言わさず命じられる。
西村は、ドームふじで8人分の食事を作り続ける。

【途中まで、ネタバレなし感想】
コミカルでほのぼのなお話でした。
皆、髭で長髪になっていきます。身なりとかどうでもよくなるんですかね。男しかいない閉鎖空間だと。(きっちり髪刈ってる人もいますが)
髪長めの堺さんかわいかったです。

料理がとてもおいしそうに見えました。
誰かに料理を作るっていうのは、こういうことか、という暖かい気持ちになります。

家族や恋人と遠く離れ、容易に外に出られない南極の地というのは、想像以上に厳しいのかもしれません。

お間抜けな隊員達ですが、皆、それぞれの道のエキスパートなんだと思うと大変かっこよく頼もしいです。

【以下、ネタバレあり感想】
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テーマ:DVDで見た映画 - ジャンル:映画

  1. 2010/09/24(金) 15:29:24|
  2. 映画感想

伊藤計劃「メタルギアソリッド ガンズ・オブ・ザ・パトリオット」

メタルギア ソリッド ガンズ オブ ザ パトリオット (角川文庫)メタルギア ソリッド ガンズ オブ ザ パトリオット (角川文庫)
(2010/03/25)
伊藤 計劃

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【あらすじ】
BIG BOSS(ネイキッド・スネーク)の遺伝子から生み出された3人のクローン。ソリッド・スネーク、リキッド・スネーク、ソリダス・スネーク。
ソリッド・スネークは、極端に老化していた。原因は、人工操作された遺伝子だった。
さらに、FOXDIEという特定の人間だけを殺すウィルスにも感染していた。
黙っていても老化で死ぬのに、スネークのタイムリミットはさらに短い。
というのも、FOXDIEが変異すれば、誰にでも感染するようになり、スネーク本人が生物破壊兵器と化してしまうのだ。
遅くても数ヶ月後には、自ら命を絶たなければならない。
戦士が必要とされる楽園を目指したというBIG BOSSを越える為「全世界的な戦場」を作ろうとするリキッド・スネークを、老いたスネークは、止められるのか。

【途中まで、ネタバレなし感想】
ゲームはPWしかやってなくて、この本の原作にあたるMGS4は、一部、人のプレイを見たり音を聞いたりしただけでした。

この本では、MGS4だけでなく、シリーズ過去作の戦い、人間関係についても描写してありますので、ゲーム未プレイの人でも話が見えると思います。

通常、ゲームやアニメ、映画のノベライズと言うと、セリフと状況説明、キャラの動き、表情などのト書きで成り立っている、台本、脚本、といったものになると思うのですが、この本は、思いっきり小説!です。
地の文(セリフ以外)がすごく多くて、これは、作者さんも普通のノベライズっぽくない、重い、と分かっていて書かれたようです。
が、この重さ、長さがとてもよいです。

ラストの締めは、原作ゲームが訴えたかった主張を、素直に汲み取った文章のように見えます。しかしそれは、ゲーム製作者である小島監督ですら気づかなかった作品の側面を浮き彫りにしたものだったのです。(監督あとがきより)

語り手をオタコンにしたのは、伊藤さんの判断です。
完全な三人称小説より、ずっと良い形式だったと思います。
同じ物語でも、様相が変わってきます。
オタコンの目を通して描かれたメタルギアの世界です。
スネークを身近に感じますし、その場面場面の緊迫感や安堵感が一層強く、臨場感を持って伝わってきました。

舞台は、世界の紛争の過半数を、民間軍事会社(PMC)の軍備が担っているという近未来です。
戦争は、巨大なビジネスマーケットになっています。
戦士や武器は、全てID登録されており、また、兵士の体調、精神面はナノマシンによりモニタリング・調整されています。
金を生み出す戦争には情報が必要です。
悪役に当たるリキッド・スネーク(オセロット)は、その情報統括システムを手中に収めようとしているのです。

貨幣・情報・経済という概念上のものが独り歩きをして、個々の人間を制御・支配する事は、正しいことなのか。そして、その世界を望んだのは誰だったのか、というのが描かれていると思います。
これは、十分現代にも通じるテーマです。

物語の大きな流れとは別に、人間が生きるということ、物語を描き語ること、という部分についても述べられています。

ストーリーとその語り口がダブルで心に響き、終盤5~6回涙しました。
物語そのもの以上に、何か大きな力、小説の可能性を感じました。

作者自ら、この小説にはメタルギアへの「批評」も含むと語っています。(あとがきより)
確かに、ゲームへの愛あるツッコミ、みたいなものも感じました。が、それは全く嫌味ではありません。笑いに包んであるなど、うまいことやってました。
例えば、女性兵士が、自分の出生を語り、再婚した父への不信感をあらわにする場面、スネークの内面描写として、「生死や世界の命運やら様々なものがかかったこの状況下で、不倫だの再婚だの、ある意味ひどく下世話なやりとりをしている自分たちが素晴らしく場違いな存在に思えて、そんな自分に呆れた。」とあり、その後も、他の兵士達が居心地悪そうに視線をそらしたり武器の点検をしている様子が書かれています。
よく、映画を見ていて「この状況で、そんな話してる場合じゃないだろ!!」って思うことありますが、作者のゲームMGSに対するそういった思いを、小説の地の文章で表現しているのではないでしょうか。読者からの反応も予想しつつ。

オタコンは、ずっと迷彩ステルスの小型ロボット(メタルギアMk.Ⅱ)から送られてくる映像を見ているので、スネークの表情や周囲の状況を語ることが出来ます。しかし、スネークの内面まではモニターに写りません。多分。ですから、スネークの考えとして書かれているものも、「オタコンの思う『スネークはこう思った』」なんでしょうね。

それにしてもオタコン、よくこんな時に女性の誘惑に乗るな…と思いました。しかも、サニーや義妹について話した直後ですよ。もっとウブな男だとばかり。

支配された世界と、解放された自由な世界。どちらがより幸福なのか、現段階では判断できません。
なんにせよ、両極端はよくないかもしれませんね。

武器や兵器、戦艦などについて、リアル世界での戦歴や役割、特徴などが書かれていますので、ミリオタの人が読んでも面白いのではないでしょうか。
私は違いますが、それでも、へぇー、あの戦争でそういう風に使われたんだー、などといちいち感心していました。そういう部分でも、小説に厚みが出ていたかと思います。

常に腹の具合が悪いジョニー秋葉は、本編でもコミカル・ギャグ担当だったかと思いますが、小説でもそうでした。色々笑えました。
兵士をコントロールするナノマシンを停止させてもアキバだけ平気な理由は、ゲームと同じですが、ゲームでははっきり本人のセリフで言っていたところを、地の文による伝聞形にしてありました。
きっと、ここ以外にも沢山の変更点があるんでしょうね。ゲーム→小説の間で。内容は一緒だけど、語り方が違うのです。

この本を読んで、伊藤計劃さんの第一作「虐殺器官」が、いかにMGSの影響を強く受けて書かれたものか分かりました。

【以下、ネタバレあり感想】
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テーマ:オススメ本!! - ジャンル:本・雑誌

  1. 2010/09/22(水) 17:49:18|
  2. 読書感想文(小説)

伊藤計劃「虐殺器官」

【関連記事】
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伊藤計劃「ハーモニー」
伊藤計劃×円城塔「屍者の帝国」

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)
(2010/02/10)
伊藤 計劃

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【あらすじ】
殺し屋軍人のシェパード大尉は、ジョン・ポールという男の暗殺を命じられる。
ジョン・ポールは、その行く先々で虐殺を引き起こしているという。
シェパードは最近、母の延命装置の停止に同意した。母は、彼がもっとも最近殺した相手である。

【途中まで、ネタバレなし感想】
文体的には、欧米文学を日本語訳したもののような印象がありました。
また、漢字にルビを振って全然違う音に読ませるという手法が多かったです。これにより、耳慣れない音の連なりでも、その意味を知ることができました。

主人公のシェパードは、銃やナイフで人を殺しまくっているので、彼自身のことを指して「虐殺器官」というタイトルだと思っていたのでしたが、それは違いました。
半分くらいまで読んだ所で、「ああ!そーいうことか!!!!」と気づきました。
この思想は面白いです。

シェパード達のしている仕事は、諜報と歩兵と暗殺を兼ねた様なものです。

近未来を描ているので、現代では完成していないテクノロジーも多数出てくるバリバリのSFなのですが、近代史(湾岸戦争や9・11テロなど)を含んでいるので、リアルと密接しているように感じられます。
また、とても新しいのに、古典文学の匂いがします。
これは、罪と罰と良心という普遍的なものについて描かれているからだと思います。

それは誰の罪で、誰が罰を与え、誰が赦すのか。

脳神経科学、軍事、精神医療、哲学、宗教、社会学、言語学、生物学、国際情勢などについての専門用語が使われており、作者が普段からそれらに興味を持っているか、あるいは相当調べものをしてから書いていそうなお話でした。だからと言って、別にやっかいでも堅苦しいわけでもなく、読んでいて理解しやすいようになっていました。

戦場では、良心が命取りになります。少年・少女兵を殺すのにブレーキをかけてしまいますし、そのことが、自分の命をも脅かすわけです。
シェパードは、無神論者で特定の宗教に帰依していない、というつもりでした。
彼の死後のイメージは、一般的な天国やあの世とは異なります。
シェパード、寝ている時に見るような夢という形で「死者の国」を何度も見ます。その姿には数パターンあります。

冒頭からずっと、キャラクターが死と隣あわせ、どころか度々両足浸かってるようなお話なのに不思議な安心感があります。

この戦場では、カトリックのクリスチャンにとってすら、「地獄は己の頭の中」にあるという状況で、逃げ場がありません。

脳の様々な機能、モジュールが動いたり、一部止まったりしながら、自我意識である「わたし」を保っていて、時には酩酊したり、眠くなったりもする。意識は「ある」と「ない」だけではなく、「わたし」は濃くなったり薄くなったりする。
そんな考え方には、この本ではじめて触れました。
では、脳の一部が死に、一部が生きている「母さん」は、本当に「僕の母さん」なのか、シェパードは考えます。
「わたし」が最大限濃くなっている状態って、逆に危なそうですね。
罪の意識や、不安や、感覚の過敏で、物事に集中できなそうです。ある程度、どこかが麻痺していた方が動きやすいのではないでしょうか。

痛覚をマスキングした場合に、「痛いということは分かるけど、痛みを感じない」状態になるみたいです。
作中では、視覚についても同じようなことが書かれていました。つまり、物をあると知覚することと、物が見えるという感覚は、別の脳モジュールがその役割を担っているのだと。
そう言われても、パっと理解はできませんでした。
痛みの感覚マスキングを別のものに置き換えると、「文字を黙読していて、確かにその読みを『音』として認識しているのに、実際にはどんな『声』で読み上げているか自分でも分かっていないし何も聴こえてこない」、そんな感じでしょうかね。

この本は、何か新しい概念を教えてくれると言いますか、フィクションを作る際に元ネタにしたくなるような名作感がありました。

【以下、ネタバレあり感想】
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テーマ:感想 - ジャンル:小説・文学

  1. 2010/09/19(日) 22:54:46|
  2. 読書感想文(小説)

「第9地区」感想

第9地区 Blu-ray&DVDセット(初回限定生産)第9地区 Blu-ray&DVDセット(初回限定生産)
(2010/08/11)
シャールト・コプリーデヴィッド・ジェームズ

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【あらすじ】
ヨハネスブルグ上空で宇宙船が故障してしまったエイリアン達は、第9地区で難民として生活している。
MNUという組織のエイリアン担当官ヴィカスが、難民エビ(エイリアンがエビに似ている為こう呼ばれる)を第10地区に移動させるために立ち退き要求をしていると、偶然発見した謎の黒い液体を浴びてしまう。
そのことにより、彼の体にはある変化が現れる。

【途中まで、ネタバレなし感想】
かなりSFなお話ですが、実話のようにドキュメンタリータッチで描かれています。
全編がそうであるわけではありませんが、報道用に撮影した映像や監視カメラ映像に、関係者のインタビューを交えた構成がメインとなっています。

ヴィカスがあのエビの家に行かなければ、そして、黒い液体を浴び持ち帰らなければ、速やかに事が運んでいたんですよね。
かなり余計なことをしてしまったヴィカスですが、この事件を通して難民の気持ちが分かってきたり、人類がエイリアンにしてきた所行を知ったりできたのです。

エイリアンの遺伝子を持つものしか扱えない兵器や操縦者乗り込み形二足歩行ロボ(巨大パワードスーツ的なもの)などがかっこよかったです。

フィクションの中で、それを巡って物語が動く核になるものを「なんとか」って言うんですよね。超失念。
で、その「なんとか」にあたるのが黒い液体なんでしょうね。
【追記】「なんとか」=「マクガフィン」でした。こういったものの中には、別に他のアイテムや物質に置き換わっても構わないという性質を持つものがあるようです。中身も正体も不明で良い。

登場する人間よりも、エイリアンの方が人間味があります。仲間想いで家族愛に溢れています。
エイリアンの中でも特に知能の高いクリストファー・ジョンソン は、もう、イケメンにしか見えませんでした。外見はグロテスクなエビであることには変わらないのですが、なんともかっこよくかわいいです。表情豊かなエビで、性格が超男前です。かわいい息子がいます。

アクションあり、人間とエイリアンの共闘ありと、見ていて楽しめます。

割とグロ映像が頻発します。人間の体がパーン、みたいな。うわああ。でも、最近グロ耐性が若干ついてきたのか、直視し続けることができました。

詳しくは勉強不足で分からないのですが、現実の難民問題ともリンクする内容だそうです。

【以下、ネタバレあり感想】
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テーマ:DVDで見た映画 - ジャンル:映画

  1. 2010/09/12(日) 23:02:30|
  2. 映画感想

PSP「メタルギアソリッド ピースウォーカー」

メタルギア ソリッド ピースウォーカーメタルギア ソリッド ピースウォーカー
(2010/04/29)
Sony PSP

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【あらすじ】
スネークが、コスタリカの少女パスの依頼を受け、平和を取り戻すために頑張る的な。
核がアレに搭載されたり、二人の女性の話し声を録音した謎のテープが存在したり、AI兵器が出てきたり、国境なき軍隊(MSF)を組織したりする。
CIAやKGBも絡む。

【途中まで、ネタバレなし感想】
上のあらすじ、なんか適当ですいません。プレイしている間すごく面白かったのですが、細かいことはうろ覚えでして。

メタルギアシリーズは初プレイなのですが、どうやら、前作までの盛大なネタバレが含まれているようです。
舞台は、1970年代、スネークが、売国奴であるザ・ボスを殺害し、全面核戦争を回避、英雄となりBIG BOSSの称号を手にしてからすぐ後くらいのコスタリカです。

今までフィクションを楽しむ時は、裏設定などほとんど無視で、見えている部分だけ面白きゃいいと考えていましたが、このゲームをプレイして、奥深く徹底的に創り込まれた物語も魅力的だと思うようになりました。
おまけテープだけで、ゲーム一本作れるんじゃないか、というくらい、各人の性格や内面、過去を作りこんでいます。
また、現実の歴史とリンクしている為、二足歩行ロボットの出てくるような荒唐無稽な物語なのに、真実味が付加されています。

アニメーションムービは、アメコミ入ったようなスタイリッシュなもので、演出も面白かったです。
デモムービー中も気が抜けません。画面に表示される文字にあわせてボタンを素早く押さなければ物語が進まなかったりします。さらには、腕が攣りそうになるほどの連打も要求されます。

操作方法が、いままでやったゲームにはなかったものだったので、最初は戸惑いましたが、すぐに慣れました。
終盤は、武器や回復アイテムの持ち替えも大分スムーズになったと思います。

世界の命運をかけた重いストーリーながら、メタフィクション的なギャグも多く、シリアスと笑いのバランスがよかったです。

ミッション中は、敵兵を殺してしまうと英雄度が下がるので、できるだけノーキルでいきましたが、どうしても進めない箇所があり、やむを得ず大量殺戮してしまいました。
戦場において人間は、こうして良心を失っていくのですね。

何度も、もうこれ以上先に進めない。絶対に勝てない。とくじけそうになりましたが。奇跡的にギリで突破できました。諦めなかったのは、どうしても物語の終わりまで見たかったからです。

核抑止論というものについて考えさせられました。
日本の憲法9条や自衛隊についても触れられています。

武器の種類が多くて楽しかったです。実際に使うのは、いつも同じものになってしまいますが。

コラボ商品としてマウンテンデューやドリトス、ボンカレー、電撃プレイステーション、週刊ファミ通などが実名で登場するのもワクワクでした。
それらは、自分達で開発できます。武器や回復アイテムとして。

ザ・ボスの死の真相については、このゲームで初出なのでしょうか。今回、ザ・ボス役の井上喜久子さんは、チコという男の子の役もやられています。
かっこよくてやんちゃな超少年声で、いつものお姉さんボイスとは全く違います。声優さんというのは本当にすごいものだと感心しました。

フルトンという風船で人を飛ばしヘリで回収するシステムが面白かったです。
これにより、敵を味方につけ、MSFのマザーベース(海上基地)を大きくしたり、武器を開発したりすることができるのです。
ただし、フルトンを装備中は回復アイテムもレーダーも使えませんので、敵兵にフルトンをつけている間は無防備です。
フルトン回収した兵士は、能力に応じて各部署に人員配置します。定員があるので、時には解雇することもあります。

ホールドアップと言って、敵の背後から銃(又はバナナ)を突きつけて降伏させる方法もあり、大変平和的です。

人により主戦術が大きく異なるようですが、私の場合は、次の三つでした。(対歩兵)
1.麻酔銃や麻酔スナイパーライフルで眠らせてから近づいてフルトン回収
2.スモークグレネード(煙の出る非殺傷手榴弾)を投げつけ、CQC(近接戦闘術)で気絶させフルトン回収
3.ホールドアップさせてフルトン回収

兵士の他、戦車やヘリ、巨大AI兵器(人工知能で無人で動く)とも戦います。
その場合は、主にミサイル類をつかってました。最後ら辺でようやく、カール・グスタフを使い出しました。こんなに着弾が早いとは知りませんでした。

【以下、ネタバレあり感想】
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テーマ:PSP - ジャンル:ゲーム

  1. 2010/09/12(日) 21:38:46|
  2. ゲーム

PSP「コープスパーティー ブラッドカバー リピーティッドフィアー」感想

コープスパーティー ブラッドカバーリピーティッドフィアー(通常版)コープスパーティー ブラッドカバーリピーティッドフィアー(通常版)
(2010/08/12)
Sony PSP

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【あらすじ】
学校に夜まで残っていた高校生達は、転校していく少女と皆がいつまでも一緒に居られるように「幸せのサチコさん」というおまじないをする。
どうやら失敗したらしく、廃校に転送され監禁状態となる。
9人は3グループに分かれて飛ばされたが、そこは時間と空間のずれた【多重閉鎖空間】である為、同じ校舎にいても会う事はできない。
亡骸が散乱し、幽霊の彷徨うこの小学校から、彼らは、脱出することができるのか。

【途中までネタバレなし感想】
非常によくできたストーリーでした。
ホラー・サスペンスであると同時に、ミステリー、オカルト、SF、青春群像劇でもありました。

映像的には、2頭身ドット絵と会話時の顔グラフィック、立ち絵、イベントCGから成り立っていました。
ゲームは、何も美麗グラフィックで3Dである必要はないんだなぁと改めて感じさせてくれました。

内容が相当猟奇的で鬼畜で外道です。かわいいドット絵としては最大限にグロい表現なのではないでしょうか。
絵以上に、音と文章がすさまじいですが、どうしても最後までやりたくなってしまいました。
グロが極端に苦手という方は、ご購入の際お気をつけてください。でも、面白いのでオススメです。
普段ホラー映画も見られないようなビビリの私でも無事クリアできました。

近所のゲーム屋では売ってなくて、ネット通販で買いました。
某ラジオでも、コープスをゲームレビューコーナーで扱おうとしたのに、東京のゲームショップを4店回っても売り切れだった、と言っていたので、入手困難なのかもしれません。

人気声優さん達が声を当てたフルボイスゲームです。
会話送りボタンを押せば、全て聞く必要はありません。サクサク進めたい方はボタンを連打したらいいです。
声優さんは、女性も男性も、普段アニメで出さないような声を出されてます。
「ぐぅえあぁ」、「あああぁぁあがはああ」、「ヴうぅヴうう」など。
いくつか発狂エンドみたいなものもあり喉が大変なことになってそうです。

システム的には、元RPGツクール作品らしく「青鬼」「のび太のバイオハザード」同様、マップの上をドット絵キャラが移動しつつ、貼り紙を読んだり、アイテムを集めたり、それを使ったりすることで進行していきます。
幽霊や人に追われるイベントもあります。がんばって回避して下さい。
時々、会話の選択肢もできます。
物語は様々な視点の全5章からなっています。
【多重閉鎖空間】という設定を大変活かしたシナリオです。

特定の行動をしてフラグを立てておかないと、その先どうやってもWrong END(バッドエンド)になってしまう場合があります。
ですので、変なタイミングでセーブしてたら詰みます。そのチャプターを最初からやりなおさなくてはクリアできなくなってしまうのです。
セーブは、5つまでできますので、念のため、上書きを避け、空きデータに保存したほうが良いです。

このゲーム、最後まで真相を知ってから、チャプター1のオープニングイベントを見ると、おおおお!伏線バリバリじゃないですか!!ってなって楽しいです。

キャラクターが魅力的ですよ。女子キャラは、女の子特有のトゲトゲしいところも持っています。萌えっぽい絵と声なのに変にリアル。
それと、「さっき、あんなことがあったのに、今よくこんな会話してられるな」ということも言ったりします。

製作者さん、コープスの更なるリメイクをすることがあったら、その時は是非、「既読会話とイベントのスキップ機能」を付けてください!ゲームオーバーの度に、何度も同じ会話を見ることになるので。(セーブ位置にもよりますが)
ネットで言われているマップ移動やセリフの度に少し止まる件。たしかに、2〜3秒止まりますね。物語に集中しているとさほど気になりませんが。

【以下、ネタバレあり感想と自作二次創作イラスト】(森繁の靴の色間違いました)
森繁朔太郎 刻命裕也 持田由香 コープスパーティBCRF 感想絵

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テーマ:新作ゲーム - ジャンル:ゲーム

  1. 2010/09/12(日) 13:25:58|
  2. ゲーム

SFマガジン編集部編「ゼロ年代SF傑作選」

ゼロ年代SF傑作選 (ハヤカワ文庫 JA エ 2-1) (ハヤカワ文庫JA)ゼロ年代SF傑作選 (ハヤカワ文庫 JA エ 2-1) (ハヤカワ文庫JA)
(2010/02/10)
S-Fマガジン編集部

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【概要】
SFマガジンに掲載された「リアル・フィクション」を中心に選ばれた、短編8本。(長編シリーズの一部も含む)

【ネタバレなし感想】
「リアル・フィクション」というものを存知ませんでした。
60年代~80年代に考えられた、UFO、空飛ぶ車、チューブ型の道路、宇宙戦艦、タイムトラベルといったものとは少し趣きが違うようです。

この本だと、インターネット、オンラインゲーム、電子データ、遺伝子、という要素が多かったようです。
21世紀にもなると、電子網が発達していて日常に入り込んでいますから、それをさらに進めた未来を想定して書かれているんでしょうね。

文体や登場人物、特に女性キャラの描写が、ライトノベルや美少女恋愛シミュレーションゲームっぽいです。
実際、ラノベ作家やゲームシナリオライターが書いている小説が何本かありました。

叙述トリックとしての男の娘やネットスラングなどが出てくる他、「作者がオタク文化を通過したんだろうな」という話がいくつかみられました。

以下、簡易感想です。

「地には豊穣」
人間は、民族の文化や歴史を保っていけるのか、もしも、民族の伝達経験が無かったらどうなるのか、というようなことが書かれていて興味深かったです。
これは、未来の話ですが、すでに、現代日本でも和服を日常的に着ている人は少なくなっていますからね。

「おれはミサイル」
ミサイルを装備した戦闘機視点のお話です。
軍事、兵器用語が沢山出てきますが、実在のものなのか創作のものなのか分かりません。

テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学

  1. 2010/09/12(日) 12:44:22|
  2. 読書感想文(小説)

古川日出男「僕たちは歩かない」

僕たちは歩かない (角川文庫)僕たちは歩かない (角川文庫)
(2009/11/25)
古川 日出男

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【あらすじ】
若き料理人達は、一日が26時間ある東京で定期的に集い、互いの料理の腕を磨くことになった。

【途中まで、ネタバレなし感想】
26時間制の東京に行く方法や、その異世界に気づいたきっかけは各人違うのですが、読んでいると、自分もふとそちらの世界に行けそうな気がしてきました。
日常のすぐ隣、ほんの少しずれた所に見えないもう一つの世界があるといった感じです。

今回は、料理人の集まりを描いていましたが、他の職業の人達も26時間制の東京に行けているようです。

通常より2時間多い世界があったとして、どのように過ごせば有意義なのでしょうか。自分なら、つい、寝たりネットしたりして無駄にしてしまいそうです。

作中登場するグルメな画家が、通常の東京と、26時間制の東京以外の別の東京も知っているようです。

ホリミナという女の子キャラクターが、26時間制の東京を発見したきっかけは、視界の端の信号機が赤の次に一瞬黄色になったことでした。
赤から一瞬黄色、そしてまた赤、というのは実際にもありますね。右折矢印信号の出ている時などに。

【以下、ネタバレあり感想】
【“古川日出男「僕たちは歩かない」”の続きを読む】

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  1. 2010/09/12(日) 12:05:38|
  2. 読書感想文(小説)

COMICエルオー2010年10月号 町田ひらく「蜜葬」が酷くて面白い

LO (エルオー) 2010年 10月号 [雑誌]LO (エルオー) 2010年 10月号 [雑誌]
(2010/08/21)
不明

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今月のLOに載っていた、町田ひらく先生の読みきり「蜜葬」が、大変気に入り何度も読んでおります。
この漫画も、雑誌自体も成年向けですのでご注意下さい。

物語は、塾講師男性が病死し、その葬儀が営まれる所から始まります。
両親が亡き息子の事を良い人間だと思い込んでいる所や、葬儀司会が「歴史・哲学を修める一方で漫画・アニメなどサークル活動等で現代文化の見聞を広められ―」と言うあたり等が、大変痛々しいです。
別に彼の両親が妄信的な親バカと言うわけではありません。ごく普通の真面目な人達なんです。それが読んでておおぅ、となります。
故人が、漫研やアニ研の類に所属したり同人活動をしていただろうことも、葬儀の場で功績のように紹介するときは、こういう文章になるんでしょうね、という感じがまたおぅふ。
NHKでコミケを紹介するニュースと似たトーンと言いますか…。

葬儀に参加している少女のモノローグで判明するのですが、その先生は、少女に熱を上げ、手を出してました。
児童にワイセツ行為をした性犯罪者ですね。

司会の「持ち前の熱心さで生徒の信も厚く」のコマで実際生徒が泣いているので、表の顔は良い先生だったのかもしれません。

留年休学の末ギリで大学を出て、親の営む学習塾の先生になったロリコンアニオタ、というなんともリアルに駄目な感じのその男は、膵臓の病気で若くして他界しました。

あおり文には、

“僕達は、確実に死ぬ。いつか。”…ならば、町田ひらく的少女に看取られて死にたいと願うファンの方々に送る、真夏のレクイエム。

「喪服小学生を覗き見る視線はまるで死人のよう。」葬式でこう思ったことはありませんか?

と書かれています。

【以下、ネタバレあり感想】
【“COMICエルオー2010年10月号 町田ひらく「蜜葬」が酷くて面白い”の続きを読む】

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  1. 2010/09/01(水) 05:57:09|
  2. 読書感想文(漫画)

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