野良箱

同人漫画サークル

アルフレッド・テニスン=著 原田宗典=訳「イノック・アーデン」

イノック・アーデンイノック・アーデン
(2006/10)
アルフレッド テニスン

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【あらすじ】
海辺の町に三人の幼馴染がいた。
かわいい女の子アニー・リー。粉屋の息子、フィリップ・レイ。海で死んだ船乗りの息子、イノック・アーデン。
二人の男の子は、アニーを取り合っていたが、幼いアニーは、両方のお嫁さんになると言っていた。
大きく育ったアニーは、船乗りのイノックと結婚する。
ある日、イノックは怪我をしてしまい、妻子を養えなくなる。
そこで、遠い支那の国まで稼ぎに出かけたイノックだが、そのまま行方不明になってしまう。
粉屋のフィリップは、アニーを援助し、子供達を学校に行かせることにした。

【途中まで、ネタバレなし感想】
原文が詩であるらしく、細かく改行してあり、全体の文字数が少ないので、短時間で読めます。
それでいて、ものすごい名作感、伝説感があり、おすすめです。
おもしろかったです。

神話ってまともに読んだことないんですけど、この本には、そういった伝承に出てきそうなお話が書かれています。

イノック・アーデンが良い漢すぎます。

そして、アニーのもう一人の幼馴染男性フィリップ・レイが、これまた欠点がないんじゃないかというくらいの優しく知的な人でして。

でも、その二人に愛されるアニーが心底幸せだと言い切れない感じがします。どちらかが、すごく嫌な奴だったらまだよかったんですけどね。

ラスト付近のセリフがとてつもない愛情の大きさを感じさせます。

【以下、ネタバレあり感想】
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テーマ:オススメ本 - ジャンル:小説・文学

  1. 2010/07/30(金) 19:16:52|
  2. 読書感想文(小説)

映画「団塊ボーイズ 原題:WILD HOGS」感想

WILD HOGS/団塊ボーイズ [DVD]WILD HOGS/団塊ボーイズ [DVD]
(2008/07/02)
ジョン・トラボルタティム・アレン

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【あらすじ】
コレステロール制限されている歯科医ダグ、仕事をやめて本を執筆中だけど夢追い期限の1年を迎えたボビー(女系家族の中で肩身が狭い。嫁の尻に敷かれている。現在、配管工。)、パソコンおたくで恋愛に縁のない技術者ダドリー、自己破産と離婚をした元実業家ウディー(見栄っ張りなので皆には内緒)、そんな駄目な中年おやじ4人で結成されたバイクチーム「WILD HOGS」。
彼らは、ウディーの提案で、バイクによるアメリカ横断の旅に出る。
旅の途中立ち寄ったバイカー酒場には、本格派で前科持ちだらけのワルなバイカー軍団「デル・フエゴス」がたむろしていた。
「デル・フエゴス」にダドリーのバイクを奪われた報復にちょいとした悪戯をしたら大事に発展。
「デル・フエゴス」に目を付けられ追いかけられている、というか、殺されかけていることを知っているのは、悪戯をした張本人ウディーの一人だけだった。

【途中までネタバレなし感想】
ギャグばっかりのコメディーなのですが、最終的には良い話だったなー、と思える内容でよかったです。
敵対勢力あり、あこがれのヒロインあり、アクションあり、友情あり、というエンターテイメントでした。

コメディに歯科医とパソコンおたくが出てくることって多い気がします。

歯医者ギャグはお約束ですが、毎度、ぎゃーーってなります。
この映画における歯医者パートは一瞬ですし痛いものではないのでご安心を。

どこの国でもコンピューターおたくは、恋愛から最も遠いっていう扱いなんですかね。
めがねかけてて痩せててチェックのシャツをズボンインしているという。
ダドリーは、傍から思われる以上に、僕はモテなくてダサいやつなんだ!と強く自覚しています。
一番活躍していたのがダドリーな気がします。

革ジャン着てハーレー乗っててもかっこつかない、といいますか、本格派バイカーとは全く雰囲気が違います。
ジョン・トラボルタあたり、そういう格好したら屈強なバイカーに見えそうなんですけどね。
そもそも、バイカーの服装、髪型、髭、体型、ガラの悪さっていうテンプレはどこでいつ固まったんですかね。
「デル・フエゴス」のメンバーが、まさにその「いかにも」なんですよ。

「WILD HOGS」のメンバーだって、内2人(?)は刺青してたんですけど、キャラクター性のせいか迫力がありません。
ダドリーの刺青は、アップル社の社標であるりんごマークです。(ちなみに、猫に「iキャット」という名前をつけている)

ゲイネタが多いです。
主人公達がノンケなのに、ゲイに間違われる回数が多いですし、ゲイの警官も出てきます。
それと、擬似ゲイっぽいシーンもいくつか。
仲間のコロンの匂いを嗅いだり、ゲイの警官を見て「いい男だ」と言ったり、おっさん二人で男パートと女パートに別れてダンスの練習をしたり、全裸で水遊びしたり。
4人とも女怖い!みたいになっている部分があるので、素質あるのかと思ってみていました。

【以下、ネタバレあり感想】
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テーマ:DVD - ジャンル:テレビ・ラジオ

  1. 2010/07/23(金) 08:03:27|
  2. 映画感想

映画「借りぐらしのアリエッティ」感想

借りぐらしのアリエッティ サウンドトラック借りぐらしのアリエッティ サウンドトラック
(2010/07/14)
セシル・コルベル

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【あらすじ】
心臓病の手術を控えた少年・翔は、祖母の家で療養することになる。
その初日、庭で小さな女の子アリエッティを見かけた。アリエッティは、植物の葉を採取しに来ていたのだ。
小人は、人間の家の床下などに住み、少しずつ人間の家のものを借りて暮らしている。人間に見つかったら、引っ越さなければならない。

【途中まで、ネタバレなし感想】
これは、家族やお子さん連れで見るのにお勧めの映画ですね。事前の期待よりも大分面白かったです。

物語は一つの屋敷の敷地内で展開しますし、ストーリーの起伏としても、それほどの大事件、例えば、魔女が空飛ぶとか、豚が空飛ぶとか、少女が空飛んで王蟲にぶっとばされるとか、天空に城があるとか、そういうことはありません。
しかし、動きのダイナミズム、空間の巨大感など、そういったアニメならではの魅力は十分発揮されてましたよ。

淡々としていて静かで、でも時々、ハラハラ要素や、頭脳プレイもあって、ということで、小さい物語ながら楽しめました。
小人に限らず、人間でも動物でも、今いる場所、認知できる空間が全てなのだから、その外を描いてもしょうがないといいますか、映画作品としての焦点がぼやけるので、今作の舞台範囲の狭さ、期間の短さで、十分だったかと思います。

彩色や絵柄、背景などが、スタンダードジブリな感じで見やすかったです。もののけの前くらいな感じでしょうか。
千尋、ハウルのあたりの毒々しいまでの装飾・色彩や、ポニョに見られたパステル調の歪んだ背景とかそういうものはありませんでした。が、それが良かったです。

「パっと見てストーリーの意味が分かる」度合いだと、最近のジブリ作品の中ではトップではないでしょうか。
意味不明なりの変なパワーと神話性と独自のフェティシズムと狂気が感じられるのが、宮崎監督作品の強みだと思いますけど。
アリエッティは、監督が違いますからね。

主題歌は、歌詞が外国語でキラキラした透明感があってガーリッシュな曲なので、オシャレな外国映画みたいでよかったです。

アリエッティがとても可愛かったです。髪を下ろしてても上げてても似合うし、動きがよいです。
初登場のカットから目を惹き付ける魅力がありました。美少女!

芸能人が声当ててるんですが、違和感なしでした。
翔君の少し影がある病弱な美少年感とか、アリエッティのこの年頃の少女にありそうな元気さと少しの憂い、落ち込み、などが良く表現されてました。
お父さんの頼れる渋さや、そんなに美人でもないのになんだか生足や声がエロかわいいお母さんというのも良かったです。

小人から見た住宅や人間の巨大感がすごいです。
その他のカットでは、普通に見た感じなのに、小人から見た感はどうやって出してるんですかね。

小人が、小人の家にいる時は、家具が通常のスケールに見えます。
ただし、水の表現が粒大きくて粘着質なため、この食器やティーポットはとても小さいのだなぁということが一目で分かります。
切手を壁掛けにして、絵画のように飾ってあるのがかわいいです。

家の裏側や下がこうなってるかもと想像すると楽しく、これを見た子供などは小人ごっこをしそうです。
壁内部の通路として使っている釘は、お父さんが昔打ったのですかね。踏み外したらこわいです。
「狩り」ならぬ「借り」行為は、知恵と体力を絞った、登山やロッククライミング、トレジャーハンターのようでワクワクです。
棚かテーブルを登るために、お父さんが足に両面テープみたいなものをつけるのですが、そのテープを切る様が大変かっこよかったです。左足を軸にしてテープを巻き取り、切っていきます。なにやらとてもプロっぽい仕草。

これから先、角砂糖や洗濯バサミやマチ針を見る度にアリエッティを思い出しそうです。

虫がちょくちょく出てきますが、目がくりくりした漫画っぽいデザインになっており、多少ビビりますが虫嫌いでも直視できますよ。

画面に締めるオバサン率が高いです。ババアのドアップ!イエー!!!

翔君は、ベッドで横になっているカットが多いです。病気なので。

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テーマ:映画館で観た映画 - ジャンル:映画

  1. 2010/07/22(木) 05:16:16|
  2. 映画感想

J・M・G・ル・クレジオ「地上の見知らぬ少年」

地上の見知らぬ少年地上の見知らぬ少年
(2010/03/18)
J・M・G・ル・クレジオ

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ジャンルとしては、長編エッセイということでして、物語性やストーリー性は皆無です。

長い詩のような本で、作者の考えが延々と書かれています。

雲、空、光、海については、何度も書かれています。重複してます。
はっきりとした章立て、段落分けにはなっていません。
「私は、雲が好きだ。」みたいな感じでしょっちゅう出てきます。

この作者は、人間の人間らしい欲望やよろしくない感情、名誉、金、地位といったものにこだわる俗っぽいものが大嫌いです。
その分、それらに無関心な大人(もはや世捨て人?)や子供を神聖視しています。
子供の目で世界を見たい、というのが、この作者にはあるのだと思います。
が、子供は5歳も過ぎれば、そこまで純粋無垢ではなく、様々な思惑や戦略や不安や自我を内包していて、もはや、世界を見たそのまま受け入れることは出来ないのではないでしょうか。幼い自分の記憶だとそうなのですが。

「子供のまなざし」というものにこだわりがありそうです。
広告などで、子供がじっとこっちを見ている写真を見ると、確かに何かを見透かされている感じはしますけど、その子が本当にどう考えているのか分からないですね。
受け取る印象は、キャプションに左右されます。

作者、および、見知らぬ少年は、どうやら、自然物の中に溶け込み、光あふれる世界いっぱいに拡散していきたいようなのです。

一人称「僕」で展開する部分は、まんま、作者が語ってると取って良さそうです。
時々、三人称「少年」で書かれる「見知らぬ少年」パートがあります。
「僕」の箇所より「少年」の部分の方が好みです。
本の開始早々「少年」の細かい描写がされるのですが、それがとても美しいのです。

手元に本がなくて細かくは覚えていないのですが、少年と雷と夜のあたり、描写が良かったです。

全体的な特徴として、虫や岩や草木などの自然物の話をしている所に、突然、道路やタンカーや車などの人工物の話が突っ込まれている、というのがあります。
別に、「僕の好きなあるがままの状態を人間が壊してる!調和が乱れた!気に食わない!」という不満や警告の意図は感じません。
自然物と人工物を同列に並べて書いてあるように見えました。
メリハリがあると言いますか、ダイナミックな印象を受けていいなぁと思いました。

「オレンジ」一つでよくこんなに長文かけますね。
オレンジをナイフで切るということに関して、本当は僕らがオレンジの中にいるのではないのか?と問う所が文学者らしく、言葉の扱いがきれいです。

「神」が出てくる他、どこか宗教っぽい感じもしますが、特定の教義・団体は出てきません。
思想、哲学を突き詰めるとそういう雰囲気になることは良くある気がします。

この作者クレジオ氏、「人文学」が大っ嫌いです。
文化人類学や民俗学、社会学などですね。(哲学や美学など、この本でやってるような内容も、人文学に含まれるらしいですが。)
ええー、私、そういうの結構好きなのにー、と思いましたが、それがクレジオ氏の信念なのですから仕方ありません。
彼は、人文学の何が嫌いなのかと言えば、太古から空や自然と対話し、自分達の作り上げた神話とともに生き続けてきた、時として生贄なんかで人命を捧げてしまうこともあるような未開の民族を、研究解析するということが大変的外れでおこがましいというのです。そんなの外の人間にできるわけない、無理、と。
ああ、確かに腐女子が、「頼むから腐女子研究とか、人はなぜ腐女子になるのかとか、分類したり、説明したりするのやめてくれない?ほっといてよ。」とぼやいているのを聞いたり見かけたりしたことがあります。
私は、そのような研究好きなんですけどね。答えは出ないかもしれないけど、統計とって考察してみる感じとか。

言葉をつづり操るのが小説家のお仕事ですが、彼は、言葉に縛られてしまった人類というものに否定的です。
職業とその主張がどこか逆説的ですね。
一方で、各国の言語から受ける印象を書いたり、美しいとも感じているようです。音楽としての言葉に注目しているんですかね。

色々なことについて、半ば取り留めなく書かれた本ですが(本当は、すごく計算しつくした構成なのかも)、中には、自然科学、化学、物理学、心理学に属するような話題もあります。
しかし、作者はそこまでそれらの学問に沿って書いているわけではなく、自分なりの感性で見た世界について詩のように綴っていますので、事実と異なる場合もあるでしょう。
この本の文章の何箇所かを総合すると、何を真実とするかは、その人のとらえ方次第だから、そもそもあらゆるものに名前をつけ、法則を見つけ、分かった気になるのはどうだろう、ってことだと思います。

テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学

  1. 2010/07/20(火) 21:49:12|
  2. 読書感想文(小説)

映画「アップタウン・ガールズ」感想

アップタウン・ガールズ [DVD]アップタウン・ガールズ [DVD]
(2007/02/20)
ブリタニー・マーフィー/ダコタ・ファニング

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【あらすじ】
ロックスターの娘で親の財産を継いだ大富豪のモリーは、自分の誕生日パーティーでミュージシャンのニールに一目ぼれして、部屋に引き込む。
ニールの暗い歌に息が詰まりそうだ、追い出したい、と思っていたが、いざ、ニールが去るとなると追いすがった。
そうこうしているうちに、モリーの財産管理人が金を持ち逃げ、モリーは無一文になる。
わがまま放題で生活能力の無いモリーは、すぐに職をクビになり、そのうちに、音楽プロデューサーの娘のベビーシッターとなる。
その8歳の娘レイは、大人びていて可愛げがなく、クールな少女だった。
どちらかといえば、モリーの方が常識や音楽に対する知識などが不足しており、子供っぽいままだった。

【途中まで、ネタバレなし感想】
DVDジャケットに美少女がいたからという理由だけで借りましたが、正解でした。
よくできたお話と魅力的なキャラクターで面白かったです。

ダコタ・ファニング演じるレイがとにかくかわいくてですね。
8歳で潔癖症で、精神薬を服用、クラシック音楽を愛好し、尊大で物言いがハッキリしていて、しっかりしているんです。
でも、お人形を集めていたり、ままごとをしている所などは、子供らしくもあります。
サングラスも似合っていてかわいいです。

バレエ少女とエレキギターと遊園地なお話なので、そういったものが好きだという方におすすめです。

モリーとレイは、正反対のキャラクターなようで、共通点もありますし、物語を通して互いに影響を与えていきます。
親と子の関係についても描かれていて、事前のイメージよりも真っ当に展開していきました。

メインの女性キャラは皆、金髪です。

モリーとニールの関係ですが、最初は、性格も合わない上に、自分の気に食わない曲を歌っているような男に、顔が良くて肉体的に魅力的だからという理由だけでそんなに惚れるかね!?と思っていました。
モリーは、ミュージシャンやスポーツ選手、モデルなどと付き合ってきたようです。
実在の女性作家で、愛する父親を失い、その幻影を求めて、奔放な男性遍歴を送ったという人がいたようですが、それに近いものなのでしょうか。
モリーとニールは、やがて、お互いに何かを与え合うような良い関係になっていきました。

ニール、禁欲はどこいった!それを破らせたモリーというのも、良い方向に作用したんでしょうね。ミュージシャンとしてのニールには。


【以下、ネタバレあり感想】
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テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

  1. 2010/07/17(土) 04:50:55|
  2. 映画感想

映画「マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋」感想

マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋 [DVD]マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋 [DVD]
(2008/09/17)
ダスティン・ホフマンナタリー・ポートマン

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【あらすじ】
発明家のマゴリアムおじさんが営むおもちゃ屋は、魔法の力で動いていた。
ピアニストとして神童扱いを受けていた女性モリーは、おもちゃ屋の支配人をしている。
ある日、おじさんは、モリーに店を譲り引退することにする。
店の経理を担当する会計事務所の男ヘンリーは、冗談のきかない堅物だった。魔法も信じていない。

【途中までネタバレなし感想】
変わった帽子を収集し、毎回違う帽子をかぶった男の子が登場します。
彼の帽子は、他の子より優れすぎた知能、周囲から浮いてしまい友達が作れないことを端的に表しているものかと思います。
個性があるのは良いことですが、それが人間関係を築くことを阻害してもいます。
実際には、自分から「一緒に遊ぼう」と話しかけられないという性格のため、いつも一人なのですが。
彼は、友達ができるのもいいかもしれませんが、ずっと一人でも、何かしら成し遂げられそうです。

カラフルで不思議な映像でした。

人生の長さその退場方法に関するイメージが独特でよかったです。

モリーにとってのピアノとは一体なんなのでしょうか。
彼女が輝ける部分は、ピアノの動きをする指なんですが、店を継ぐとなると、本格的なピアニストは無理ですね。

象徴的な要素は沢山あるんですが、その絡み合いの解釈が難しいかもです。
すごくシンプルな筋なんですが。

リア王のセリフは存じませんでした。シェイクスピアという有名で語彙も豊富であろう方が、あんなにも素朴な一文に収めたのですね。

四つダイヤルがある扉は、はうるっぽかったです。

【以下、ネタバレあり感想】
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テーマ:DVD - ジャンル:テレビ・ラジオ

  1. 2010/07/17(土) 03:32:15|
  2. 映画感想

ガス・ヴァン・サント監督作品「エレファント」感想

エレファント デラックス版 [DVD]エレファント デラックス版 [DVD]
(2004/12/03)
ジョン・ロビンソンアレックス・フロスト

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【あらすじ】
高校における銃乱射事件を題材に、様々な高校生の日常を描く。

【途中までネタバレなし感想】
この映画は、なぜ悲劇は起きたのか、その動機は、再発防止策は、そういったことを一切描いていませんので、銃乱射の真実が知りたいという人には向いていません。

エレファントというタイトルですが、作中だと、金髪の少年ジョン(地毛じゃなくて脱色してる?)が着ているTシャツに象の絵が描いてあることくらいしか関連がありません。
元からある映画「エレファント」と似たアプローチで描いていることや、象に関する諺などの意味も含んでいるそうですが、パっと見た感じ、象はほぼ無関係です。

この作品は、明確な主人公や、物語の主体がいません。ナレーションもなかったように思います。
テロップとキャラクターの名前はでますが、視点が拡散しています。
私は、癖っ毛で眼鏡で猫背でジャージの下を脱いで短パンになりたがらない暗くてダサいと馬鹿にされている女の子に一番注目してしまいました。
彼女と対照的な三人娘は、噂話や男の話が好きなイケてるオシャレ女子です。
なんという格差…!と思って見ていましたが…続きは以下のネタバレゾーンで。

他にも、ボーイフレンドと会う約束をしている女の子や、同性愛・異性愛会議に参加している少年、写真を撮る少年、撮られるカップル、などがいました。
この映画は、ストーリーのアウトラインが決まってるだけで、セリフは役者のアドリブだったそうです。
全く気づきませんでした。

通常、物語はあるセリフや行動が重要な意味を持っていたり何かを象徴していたりして、それがテーマや結末に繋がると上手い事行ってるなぁと感じますが、この話の場合、登場人物たちの会話は、全く後に続きません。
監督インタビューでもおっしゃってますが、その場限りで完結する、かなりどうでもいい日常の一幕です。

銃乱射の起きた理由も全く分からないのに、どう解釈すれば良いか戸惑う方も多いのではないでしょうか。
何を感じ取るかは視聴者の自由ということでしたので、私としましてはとある一種の「装置」であると捉えることにしました。この事件を。

イケてる女の子達、トイレで吐いてました。食べたら吐くことでダイエットでもしているのでしょうか。あんまりそれが過ぎると過食症ってことになりそうなんですけど。

象徴的に流れるベートーヴェンのピアノ曲すら、出演者がアドリブではじめたことだというのは驚きです。
てっきり、監督が意図して指示しているものと。

人物が歩いているカットをずっと後ろから追いかけるように撮影している場面が何度も出てきます。
監督インタビューによれば、通常はカットする部分をあえて残すことで現実感を出したとか。
とても印象的で、しかも、いまいちだれが銃乱射する人なのか顔を覚えていなかったので、各キャラがこの後事件起こすんじゃ…と勘違いしながら背中を見つめていました。

写真の現像している様子も、化学兵器テロの準備だと思ってましたし。思い違いもいいところです。

この作品は、場面の時系列がバラバラです。
事件直前と、それよりもっと前の場面が混じっているのですが、見ていく内に、ああ、あの場面の裏ではこういうことが起こっていて、さっきのあのシーンの続きにこれが起ったのか、などと分かるような作りになっており大変面白かったです。

監督がゲイであることもあってか、ゲイに関する話題や同性愛的表現も含まれます。

映像の色合いや空の様子が綺麗で、また、人の声や物音や音楽など、音全般がクリアーでした。
音にエフェクトをかけて心理描写をしている所もありました。

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テーマ:映画レビュー - ジャンル:映画

  1. 2010/07/11(日) 02:38:37|
  2. 映画感想

映画「十二人の怒れる男(原題:12 Angry Men)」

十二人の怒れる男 [DVD]十二人の怒れる男 [DVD]
(2009/11/20)
ヘンリー・フォンダマーティン・バルサム

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【あらすじ】
少年による父親殺害という事件の裁判に表決を出すため、12人の陪審員が一室に集まり討論する。
状況証拠や目撃証言によれば、少年が犯人であることは確定的であり、有罪は免れないかに見えた。
しかし、陪審員8番の男だけは、無罪の可能性を指摘、証拠についての疑問点を挙げて行く。

【途中まで、ネタバレなし感想】
タイトルしか知らないでDVDを借りました。
なので、白黒映画であることも、密室劇であることも存じませんでした。

この物語は、ほぼ全編同一の部屋の中で進行します。
全体の9割5分以上は、同じ場面です。

推理小説的な部分があり、視聴者に対して大変フェアな作りになっています。
というのも、後々議題に挙がるような証拠は、余す所なく提示され、その後何度も繰り返されるのです。
何の気なしに聞き流していると、少年が有罪としか考えられません。

家の間取りパネルや凶器という物的証拠も登場し、視覚的に分かりやすいです。

1時間半くらいずっと議論している映画ですが、目から鱗なセリフや、おっと驚くような場面があって楽しめました。

陪審員が討論を始める前や始めた直後、皆、だらけていてやる気がなくテキトーなのが笑えました。
途中で、自分の広告業の営業を始めたり、○×ゲームしたり、一刻も早く野球を見たくてうずうずしていたり。

【以下、ネタバレあり感想】
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テーマ:DVDで見た映画 - ジャンル:映画

  1. 2010/07/10(土) 03:04:51|
  2. 映画感想

ロマン・ポランスキー映画「オリバー・ツイスト」感想

オリバー・ツイスト [DVD]オリバー・ツイスト [DVD]
(2006/06/30)
バーニー・クラークベン・キングズレー

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【あらすじ】
孤児院に暮らす少年オリバー・ツイストは、籤引きによってお粥のお替りを要求する係を押し付けられ、実行、先生にすごく怒られ、葬儀屋への奉公に出される。
そこで母を侮辱されて喧嘩。とても怒られる。
ロンドンまで歩き、フェイギンという、泥棒少年を統括する爺さんに育てられる。
仲間がスリをする様子を見ていたら逃げ遅れて逮捕され、なんだかんだで裕福で知恵のある爺さんブラウンローの家の子として扱われる。
ブラウンローのお使いで金と本を持って出かけたオリバー少年だったが…。

【途中まで、ネタバレなし感想】
やけに映像が綺麗で、これはなんという名画感と思いながら見ていました。
1970年代くらいの映画だと勘違いしてましたが、最近の作品なんですね。

オリバー・ツイストくんが、小さくて細くて白くて美少年です。
顎が割れてますが、光の加減によっては見えなくなります。

陰の表現が美しいです。
背景はセットなのでしょうか?
服のデザインや生地の色合いがとてもよかったです。
世界名作劇場、または、ハウルやラピュタや紅の豚あたりのジブリ的な街並みと服装でした。
皆、ファンタジー世界の住人みたいです。

ロンドンに向かうオリバーが、まさに「旅する少年」という格好でした。
木の枝を肩に担ぎ、その先には布袋が結びつけてあります。

フェイギン爺さんが、オリバーが寝てる横で、隠しておいた宝石箱を開けて、今まで泥棒をしてきた少年の名前を呟いているシーン。物語の説明上必要ですけど、わざわざバレような所でバレるようなことを言うな!wとも感じました。
案の定オリバーに聞かれてしまうわけですが、鋏で脅します。
わざと聞かせた部分もあるのでしょうか。
フェイギンは、さながら悪いジャニーさんです。(ジャニ~ズ)
アジトで行われた、スリの練習と実演は、見事でした。その努力、もっとマシな方向に使えないんでしょうか。

フェイギンの元を去った少年達は大人になってどこに行ってしまったのでしょうか。
皆、逮捕されて、絞首刑になったんですかね。

本来、とてもいい子のオリバーが、悪の道に落とされる、というか、堕ちざるを得ないわけですが、それを、ブラウンローが、の裕福で清浄な世界へと引き上げてくれます。
ブラウンロー氏は、オリバーが賢くて真面目な子だと信じています。

裁判所で名前を聞かれたオリバーが、意識朦朧で「水を下さい(プリーズ・サム・ウォーター)」と言ったら、「サム・ウォーターズ」という名前だということにされてしまいました。
後で訂正しましたが、オリバーはそう呟いたことすら覚えていないので「僕、そんなの言ってません」と述べます。
ブラウンロー氏に嘘つきだと思われないか心配でした。

二人の対照的な老人の元を行き来するオリバー・ツイストくん。名作っぽいテーマでした。

原作未読です。

【以下、ネタバレあり感想】
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テーマ:DVD - ジャンル:テレビ・ラジオ

  1. 2010/07/10(土) 01:57:46|
  2. 映画感想

ドラマ「はいっ、こちらIT課!」ファーストシーズンVol.1感想

ハイっ、こちらIT課!ファースト・シーズン Vol.1 [DVD]ハイっ、こちらIT課!ファースト・シーズン Vol.1 [DVD]
(2007/07/06)
クリス・オダウドリチャード・アヨエイド

商品詳細を見る

【あらすじ】
ビルの地下にあるIT課には、二人のコンピュータオタク男が勤務していた。そこに、パソコンのことなどまるで分からない女が上司としてやってくる。

【感想】
このDVDには、第3話まで収録されていました。

イギリスのコメディドラマです。
OPは、曲がかっこよく、初期のファミコンみたいなドット絵アニメが可愛いです。

全世界的に、「オタク」「イケメン」「ワルい男」「バカな女」のイメージって共通なんですかね。
ダサい男がかっこつけて悪ぶっても、笑えるだけ、というのが良く分かりました。短いカメラの切り替えの間に、サングラスの形が次々変わっていくのが地味に面白かったです。

下ネタや微グロがありました。
オタクのうちの一人、ロイは毎回流血しますし。
足の指が…というシーンもぎゃーーーでした。作り物とは分かっているのですが。

ギャグが色々と笑えました。
IT課にかかってくる電話とその応対はパターンが決まっているので、そのうち自動音声装置に切り替えますが、全く問題ありません。

社長が「チームでやれないやつはクビだ!」と電話の向こうに向かって言った直後に「もうこのチームではやっていけません」と発言するモス。てっきり、「いや、社長なんでもないです」とすごすご退散するオチかと思っていたので意外でした。モスの空気の読めなさが良いです。

救急・消防の緊急電話番号が長すぎです。メロディーに合わせて歌っても、最後が「3」であることしか覚えていません。登場人物もそうでした。
火事をスクリーンセイバーに見せかけてごまかしたことや、ストレス抑制の専門家が短気だったこと、イギリス製の物は壊れやすいという自虐など笑いどころが多かったです。

モスが驚いてマグカップを落として割るアクションのあと、「もう一つあるから大丈夫」と言ってカップを持ち、また驚いて落とす、というのがアホでした。少しメタっぽいのかも。てんどん。

クイズミリオネアに出た男(警備員)とそのライフラインで失敗した女(ジェン)と悪い男が好きな女(出会い系)と悪い男を演じる男(ロイ)。
この状況で、ミリオネア男がからかってくるピエロに激怒、暴行、それを見て悪い男好きの女が惚れる、という上手いんだかアホなんだか分からん展開をしてました。

モスがネット上で演じたワルい男像は、チョイ悪を通り越して完全に犯罪者です。

モスが「計画」という言葉に反応して眼鏡を別のものに変える、という決まりが謎設定でよかったです。

エンディング映像は毎回異なります。
第一話は、皆の笑いを取ろうとして話題のチョイスを誤りドン引きされた「娼婦と遊園地に行った」エピソード時の写真。いかにもケバい女性で面白かったです。
第二話の、モスが指の間をカカカカカってやるやつは、いつかしくじるんじゃないかとビビりながら見ました。
第三話は、モスが出会い系にUPした動画ですが、これじゃ絶対出会えないだろうというものでした。母親と同居しているのでトイレで撮影しているのですが、そこに母親との言い争いが入っています。

オタク男二人は、服装や対人面に難がありますが、コンピューターにガチで詳しいという部分はかっこよかったです。
会社の他部署からIT課にかかってくる相談電話は、どれも低レベルなので、その知識が生かせてませんけど。

社長は、やけにスタイルがよく足が長かったです。

テーマ:DVD - ジャンル:テレビ・ラジオ

  1. 2010/07/07(水) 18:54:03|
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