野良箱

同人漫画サークル

三雲岳斗「少女ノイズ」

少女ノイズ (光文社文庫)少女ノイズ (光文社文庫)
(2010/04/08)
三雲 岳斗

商品詳細を見る

【あらすじ】
スカと呼ばれる大学生の高須賀克志(たかすかかつし)は、塾講師として雙羽塾(ふたばじゅく)でアルバイトをすることになった。そして、斎宮瞑(いつきのみやめい)という少女の担当となる。
瞑は、どこにも繋がっていない巨大なヘッドフォンをし、屋上に横たわる死体のような少女だった。
スカは、猟奇殺害現場の写真を撮るのが趣味だった。
二人は、様々な事件に遭遇する。

【途中まで、ネタバレなし感想】
表紙がイラストチックなカバーなので、ライトノベルっぽいと思い、よくラノベを読む人にこれはラノベかと聞いたら、違うのではないかと言われました。
ラノベの定義って難しいですね。
読んだ感じ、ラノベレーベルじゃない出版社で書いた時の、乙一、桜坂洋、西尾維新、舞城王太郎、桜庭一樹、程度のラノベ度合でした。

少女や女性のキャラクター付けは、漫画に近い印象です。

ジャンルは、青春ミステリーだそうで、かなり真面目に推理小説していました。
トリックや動機、犯行状況や真相などが意外でした。

どの事件も、関係者の多くが雙羽塾に在籍しているため、なんて物騒な学習塾だ!!!とは思いました。

登場人物が、普通に「腐肉食動物(スカベンジャー)」とか「天空恐怖症(アストロフォビア)」とか言って会話が成立するのがすごいです。
かなり昔の日本推理小説にも、探偵とその他大勢が、とんでもないハイレベルで会話しているものがありましたが、それに近いものがあります。皆知能高!!っていう。
「少女ノイズ」だと、瞑は飛びぬけて頭がいいという設定なので、その他のキャラはそれほど難しい語彙は使わなかったと思います。

【以下、ネタバレあり感想】
【“三雲岳斗「少女ノイズ」”の続きを読む】

テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学

  1. 2010/05/28(金) 21:58:33|
  2. 読書感想文(小説)

映画「俺たちに明日はない」(原題:Bonnie and Clyde)感想

俺たちに明日はない [DVD]俺たちに明日はない [DVD]
(2010/04/21)
ウォーレン・ベイティフェイ・ダナウェイ

商品詳細を見る

【あらすじ】
出所したばかりの男クライドは、ウェイトレス・ボニーの母親の車を盗もうとする。
そこで出会った二人は、銀行強盗を繰り返すようになる。
初期段階で人を殺してしまい、追われる身となる。

【途中まで、ネタバレなし】
映像、特に銃撃の描写がかっこいいです。
ボニーの銃の撃ち方がどんどん様に、実戦向きになっていきます。

車の窓の外にしがみ付いた人の口を撃つシーンは、どうやって撮っているのか分かりませんが、スタイリッシュです。
丁度口の真ん中辺りは、ガラスのひびでよく見えないんですけど、血のりのタイミングとピッタリです。

もっとこう、主役カップルのせっくるシーンとか多そうというイメージでしたが、男の方のクライドが性的不能でそうはなりませんでした。
フィクションにおいて、男性機能の有無は、何かを象徴していそうなのですが、この映画の場合どうなんでしょうか。
クライドは、マッチョでオシャレで、本当に、ザ・男くさい、って感じなのに、そこだけ不完全なように描かれています。
どこか欠けた人であるというしるしなのでしょうか。

ボニーは、初登場時全裸です。しかし、なるべく映っちゃいけないポイントが映らないギリギリのカメラアングルになっており、上品なつくりでした。

予告などで使われている、銃を持ってカメラの前でポーズを取るボニーは、そのシーンだけ切り取るといかにもセクシーかっこいい!という感じできまっているのですが、全体の中でみると、自分の中のかっこいい女像を模倣しているって感じがしました。田舎の女給仕に納まってる柄じゃないのよ!フフン!私は全米一の良い女なんだからね!的な。(クライドからそういう風におだてられたりしてましたし)
とはいえ、似合ってました。写真に写るその姿は。

後半、マシンガンか何か、長い銃を連射するボニーは、カメラ前の時のようなカッコつけポーズではなく、本当にガンマン(ガンウーマン)状態でした。
殺されたくないので、こっちから殺してやる、という迫真の銃撃戦になっています。

主人公カップルに、金を払わずに食べ物を奪うことに対する罪悪感はありませんが、全く不快になりませんでした。

クライドの行動原理は忘れましたが、ボニーについては、田舎で自分に言い寄ってくるつまらない男達、つまらない自分、そんな日常から逃げ出したかったという部分があったようです。

チビのC・W・モスは、賢いのかアホの子なのか良く分からない人ですね。
車整備に関する知識はあるけど、愚か、というところでしょうか。ミスって叱られたり、親父に料理かけられたり情けない部分はありますが、憎めないキャラクターです。

恐らく、この映画の途中とラストをTVで見たことあります。

【以下、ネタバレあり感想】
【“映画「俺たちに明日はない」(原題:Bonnie and Clyde)感想”の続きを読む】

テーマ:私が観た映画&DVD - ジャンル:映画

  1. 2010/05/28(金) 20:30:57|
  2. 映画感想

パコと魔法の絵本 簡易感想

パコと魔法の絵本 通常版 [DVD]パコと魔法の絵本 通常版 [DVD]
(2009/03/06)
役所広司アヤカ・ウィルソン

商品詳細を見る

【あらすじ】
とある病院に、変な医者と入院患者達がいた。
嫌われ者の老人大貫は、パコという少女と出会うが、次の日パコは大貫のことを忘れていた。
パコは、事故により1日しか記憶が持たなかった。
パコの心に何か残そうと大貫がとった行動とは。

【途中まで、ネタバレなし感想】
大貫が嫌われ者らしいというのは事前に知っていたのですが、せいぜい偏屈頑固親父くらいかなぁと思っていたら、もう少し暴力的で短気でした。
猫を怪我させたというのは、冗談かと思ったら本当だったようです。

色使いがカラフルでした。
小池栄子さんの胸がとても大きかったです。

パコの声が、まだ「子供!」って感じでかわいかったです。

基本的には、大貫とパコの交流を描いているのですが、メインキャラクターが多く、各人少しずつ秘密の設定があり、関わりあっているので、群像劇として見られるかもしれません。

現実パートからして奇天烈なので、3Dアニメ部分に違和感はありませんでした。

音楽が外国映画っぽかったです。

【以下、ネタバレあり感想】 【“パコと魔法の絵本 簡易感想”の続きを読む】

テーマ:DVDで見た映画 - ジャンル:映画

  1. 2010/05/28(金) 20:25:29|
  2. 映画感想

ヘブライ語アニメーションドキュメンタリー映画「戦場でワルツを」感想

WALTZ WITH BASHIR 戦場でワルツを 完全版 [DVD]戦場でワルツを 完全版 [DVD]
(2010/05/12)
不明

商品詳細を見る

【あらすじ】
映画監督のアリ・フォルマン本人が、レバノン内戦についての記憶を探るドキュメンタリー。ノンフィクション。
インタビューやその証言に基づいた、過去、夢などの再現映像は、全てアニメーションで表現されている。
フォルマンの内戦に関する記憶は失われている。
「その時俺はそこにいたか?」「俺は何をしていた?」
様々な人に聞くことで、兵士としての日々を思い出して行くフォルマンだが、パレスチナ難民大虐殺の日にとった行動だけは忘れたままだった。
抜け落ちた記憶を埋めるように、夜、戦友と海水浴をしていたイメージが残っている。

【予告編】
http://www.waltz-wo.jp/clips.html

【途中まで、ネタバレなし感想】
話は置いといて、映像を見てるだけでも面白い映画でした。

キャラクターの動きがリアルかつ滑らかなので、全面的に3Dモデルで、それをモーションキャプチャーか、実写映像のトレスでやってるのかと思ってましたが、ネットで見たところ、Flashアニメーションと古典アニメーションに3Dグラフィックを合わせたものだったそうです。

絵柄は、コントラストの非常に強いもので、影の部分がくっきりと黒いです。

人間の動きも細かいですが、見ていて特にかっこいいのは、戦車、機関銃、戦闘機などが、パーツごとに細かく振動したりする所です。
ガチャガチャ動く様は、実写よりリアルなのではないでしょうか。

背景は、実在の町や建物に基づいて制作されていそうです。
抑えた色調ながら、現実のように沈んで色褪せた感じではないので、見やすいし好感が持てます。
ギャルゲやアニメで、実際の背景写真をイラストに起こしたものに近いでしょう。

原題は「バシールとワルツを」です。
バシールは、キリスト教側ファランヘ党の若き指導者で、そのカリスマは圧倒的、彼を性的に好きという人すら居たかもらしいです。
町にバシールのポスターが沢山貼ってあります。
このタイトルの元になっているシーンは、狂気じみていて美しく、大変かっこいいです。

現実の悲惨な事件を取り扱った作品を「かっこいい」と褒めてしまうのは、本当は良くないんでしょうね。
戦争の悲しさや虚しさも伝わってはきました。
この人達が殺し合って、あの人達が死んだから、だから一体なんだったんだろう、という。

キリスト教徒とイスラム教徒が共存しているイスラエルにパレスチナ難民が入ってきたことで内戦になったのが、レバノン紛争らしいです。
詳しくは知りませんが、第五次中東戦争と呼ばれるなど、国内情勢と宗教がこじれにこじれ、一言では説明できない状況になっています。
主人公のフォルマンは、イスラエル軍に従事していて、キリスト教側を支援していました。

戦争そのものの説明も、フォルマンが戦争においてどういう立場の兵士だったかも、映画ではほとんど描かれていません。

個人の証言から映像が起こされているため、そこには記憶の脚色がありそうです。
事実が変形していたり、一部の印象や感情が誇張されていたり。
それが、色鮮やかなアニメーションでやられているので、とてもインパクトある映像となっております。
実写的でありながら、爽快感・疾走感・ダイナミズム、等そういったアニメならではの醍醐味があります。

流行歌やロック、クラシックと戦争場面をあわせた映像は、音楽PVのようでもあります。
向こうの軍歌は、歌詞が残酷で、曲調が明るいんですね。軍公式の歌なのではなく、替え歌なのかもしれません。

帰還兵の語りによると「誰誰は、一日中戦車から撃ちまくっていた」「戦車は死体を満載して走った」「それまで血さえ見たことなかった」というのがありました。
兵士というのはもっとこう、対戦相手の軍とか組織に対する敵意や怒り、思想上、宗教上の主張、みたいなものを持って戦っていそうなイメージだったのですが、兵士一人一人はあまり考えていないし、素人に近いのに、なんか殺していた、って感じに見えました。
外から大きく見れば、巨大勢力のぶつかる戦争なんですけど、一個人から見るとこんな感じだったのかもしれません。

元兵士が良く見る夢、というのも映像化されています。
女性の縮尺が大きいなど、明らかに夢映像なのですが、それが、現実パートと同じアニメーションという手法で描かれているので、同一ラインのものに見えなくもないです。
つまり、現実(現在)、記憶の中の過去、存在しなかった場面の嘘記憶、夢、を近いトーンで受け取ることができるのです。

カウンセラーも登場します。
PTSD(心的外傷後ストレス障害)を扱った物語と言えそうです。
主人公のフォルマン以外の帰還兵も、未だに心がやられています。

記憶というものの説明で、10枚の写真に、1枚だけ偽の合成写真を混ぜても、見せられた人はそのありえない記憶を補完してしまう、という実験がありました。
行ったことない遊園地に幼い自分がいる写真を見ると、「そうそう、そこ行ったわ!懐かしいー」となるのです。
「覚えてませんね」という人にも、「本当に?」と念押しすると、「ああ、やはり行きました。その時父が~」と、ありもしない思い出を語り始めるのです。
いかに、記憶というものがあてにならないかが分かります。

上に載せたDVDジャケットは、主人公フォルマンが虐殺のあった夜について持っている偽の記憶、幻覚の場面です。
一緒に海に居たという仲間の兵士に、そのことは否定されています。
では、本当はその夜、フォルマンは何をしていたのか。
そういった点で、ミステリー要素もあります。

【以下、ネタバレあり感想】
【“ヘブライ語アニメーションドキュメンタリー映画「戦場でワルツを」感想”の続きを読む】

テーマ:アニメ - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2010/05/25(火) 01:03:39|
  2. 映画感想

映画「ハンサムスーツ」感想

ハンサム★スーツ スペシャル・エディション 初回限定チェンジング仕様 [DVD]ハンサム★スーツ スペシャル・エディション 初回限定チェンジング仕様 [DVD]
(2009/03/13)
谷原章介塚地武雅

商品詳細を見る

【あらすじ】
定食「こころ屋」で亡き母の味を継いでいる大木琢郎は、デブでブサイクなせいで女性にモテなかった。
バイトに応募してきた美女・星野寛子に告白するが、失望されてしまう。星野寛子は、店を辞める。
大木琢郎は、ある日「洋服の青山」で、「ハンサムスーツ」(試着品)を手に入れる。
ハンサムになった大木琢郎は、光山杏仁として生きる。人気モデルとなる。
その頃、「こころ屋」には、ブスだが性格が良く仕事ができる新しいバイト橋野本江が入っていた。

【途中まで、ネタバレなし】
琢郎は、冒頭からブタ顔を晒し、ブサイク設定なのですが、開始数分、「こころ屋」で手早く料理する様は、いきなりかっこよかったです。ハンサムスーツ着なくても男前じゃないかブタ郎、と思いました。

星野寛子は、琢郎のくしゃみを避けませんでした。私は画面を見ていて避けそうになりました。
CGか合成だと分かっていても、こちらに飛散してくる飛沫は嫌なものです。それがイケメンのものでも避けます。

学生時代の三つ編み星野寛子がかわいかったです。
寛子の回想を見ればすぐ分かるのですが、寛子は昔、父と訪れたこの店で、琢郎の優しく寛大な心に触れ、惚れていたのです。
でも、ここで両想いになったら、映画が終わってしまうので、そうは行きません。

とあるシーンで、石田純一さんが一瞬登場します。ご本人に「トレンディー」というセリフを言わせるとはw

全体的に流れる曲が15年~20年くらい前の邦楽な感じです。

どういう展開でどういったオチに行くのか読めませんでしたが、これ以外にない着地だったと思います。

【以下、ネタバレあり感想】
【“映画「ハンサムスーツ」感想”の続きを読む】

テーマ:コメディー映画 - ジャンル:映画

  1. 2010/05/23(日) 13:12:16|
  2. 映画感想

「劇場版カンナさん大成功です!」(日本)感想

カンナさん大成功です! プレミアム・エディション [DVD]カンナさん大成功です! プレミアム・エディション [DVD]
(2009/07/24)
山田優山崎静代(南海キャンディーズ)

商品詳細を見る

【あらすじ】
幼少の頃からブスが原因でいじめられまくっていた神無月カンナは、大人になり、亀戸グループの縫製工場に勤めるがそこでもいじめられていた。
何百万円もかけて全身整形美人になったカンナは、亀戸商会に勤めるコースケ(蓮台寺浩介)と再会する。浩介は、カンナがブス時代荷物をぶちまけた時に優しくしてくれた唯一の男性で、カンナはコースケに一目惚れしていた。
亀戸商会の受付嬢となったカンナは、立花れい子率いる美女軍団に圧倒され、本物の美人を目指す。

【途中までネタバレなし感想】
人形アニメが効果的に使われており、テロップもタイミングよく、テンポよかったです。
悲壮な物語もコミカルに魅せていました。
カンナの今までの人生をまじめに描かれたら最初っから重すぎますからこれでよかったと思います。

カンナのライバル(?)天然美人として登場するのが隅田川菜々子です。
役者さんには申し訳ないのですが、山田優と比べるとそこまで美人ってわけじゃないんじゃない?…と思っていましたが、エンディング間近は、もう超美人にしか見えませんでした。
その人が美しいかどうかは、造形的な見た目だけじゃなくて、精神性や行動、表情の見え方も大きく影響するんですね。

カンナさんの、ブス時代の言動が抜けない感じの演技がとてもうまかったです。
物を見るとき目を細めるとか、乾杯する時に猫背っぽくて「おうふwww」みたいな動きするのとか、リアルです。
また、カンナさんがブス時代に思い描いた「美人像」を演じているのですが、ステレオタイプで、自然に美人な人ならやらないというオーバーアクションなんです。でもそれもまたかわいかったです。

ブスや虐げられる人の気持ちが分かっていて、かつ、ブス時代の癖が染み付いている、それでいてルックスが山田優とか最強すぎないか?つまり、カンナさんが最高にかわいいってこと?となりました。

山田優は、脱いでも凄いですね。スタイルが良すぎます。ガリガリではなく、くびれがあって、胸は大きいという。

最初の方は、ブス=おどおどしている、暗い、すいませんすいませんって言う、店にも人にも気を使ういい人 美人=わがまま、性格が悪い、人の話きかない、金を払わない と描かれていました。
これでは、カンナさんが美人というものを勘違いして性格ブスになってしまうのでは!?と心配しましたが、そういうストーリーではありませんでした。

飲食店の中に存在する、美人ゾーンと、ブスゾーン、圧倒的にブスゾーンに共感できました。
店員からしても、ブスゾーンの方が片付けやすいしストレスにならないと思います。

勘違いブス「カバコ」役だと分かっていてオファーを受けるしずちゃんが男前です。
勘違いしはじめてからのカバコは、初登場時のカバコよりかなりかわいく見えると思います。メイクも違いますしね。

【以下、ネタバレあり感想】
【“「劇場版カンナさん大成功です!」(日本)感想”の続きを読む】

テーマ:コメディー映画 - ジャンル:映画

  1. 2010/05/22(土) 15:58:59|
  2. 映画感想

26万ヒットありがとうございました

映画「僕の彼女はサイボーグ」感想

僕の彼女はサイボーグ 通常版 [DVD]僕の彼女はサイボーグ 通常版 [DVD]
(2008/10/17)
綾瀬はるか小出恵介

商品詳細を見る

【あらすじ】
2007年、誕生日を祝ってくれる人もいない冴えない大学生活を送っていた「僕」北村ジローは、ある日、不思議な女性「彼女」と出会う。
最初、ボディースーツを着ていた「彼女」は、店頭の服と靴を試着してそのまま立ち去っていった。
一人レストランで過ごすジローの元にまたしても「彼女」が現れた。
彼女は大変な大食漢であり、謎の言葉を残して去っていった。
それから一年後、「彼女」は再び現れた。未来からやってきた人造人間である彼女は、怪力を持ち高速移動のできる、スーパーウーマンだった。数々の悪人を倒し、弱者を救っていった。
「彼女」に惹かれていくジローだったが、彼女には心がないらしい。

【途中まで、ネタバレなし感想】
まず「僕」に感情移入することを困難にしたのが、犯罪行為への嫌悪や反省、罪悪感がない点でした。
「彼女」が服を万引き、というか窃盗しても咎めませんし、「彼女」と一緒に食い逃げする形になった時も、逃げ切れれて良かったね、楽しい、みたいな感じでした。
せめて「え、ちょっと無銭飲食はよくないよ!お金払わないと!いいの?」とか「その服勝手に持ってきちゃだめだよ」とか常識的なセリフがあれば、「僕」に共感できたのですが。
ただ、そんな性格だと当たり前すぎて、フックが弱いかもしれませんね。

私と「僕」の共通点と言えば、オタク要素なんですけど、一人でレストランにいる時に突然、綾波レイフィギュアを取り出して眺めるオタクってあんまりいなんじゃないかと思います。完全にゼロではありませんけど。
さらにつきあっている友達が非オタ過ぎる、というかむしろオタクがDQNと呼んで毛嫌いしそうなキャラクターだったのも気になります。
「僕」は、ダンスパーティで女の子と踊れるとか、どうもオタクっぽくありません。
部屋には漫画やフィギュアがあるんですけど。
最近はイケメンリア充オタクとか、行動的なライトオタクなどもいますので、逆にステレオタイプなオタク像に捕らわれていないと言えるかもしれません。
エヴァキャラが好きなようなので、プラグスーツ、ボディースーツ萌えの部分があると思いきや、特に「彼女」に「またあの時のスーツ着て見せてよ!」等とは言いませんでした。

途中まで、え、これ、犯罪推奨映画なの?と思って見てました。

「彼女」を演じる綾瀬はるかさんはひたすらかわいかったです。胸の谷間ごちそうさまでした。お尻もムチムチでしたし、少し綾波っぽいボブカットもよく似合っていました。

アンドロイドもの+タイムトラベルもののストーリーとして、上手いこと作りこまれていたと思います。

コメディシーンが多いのですが、ギャグが、ブラックユーモアや下ネタ、悪ノリを越えて、グロテスク、猟奇の域でした。
これは、意識してわざとやっているようで、劇中でもそのジョークを聞いた人が気絶したり、周りの人がドン引きしたりしていました。

女の子がゲップ連発シーンとか、かなりマニアックですけど、これもギャグなんですよね。
動物虐待ネタも何度かあって、愛護団体の人が怒りそうな展開でした。笑いの為のやりとりなんですけど。

脚本・監督が韓国の方なので、こういうのがコリアンジョークなのかもしれませんし、あるいは、国籍関係なく、監督個人のセンスなのかもしれません。

伏線が効いていて、あとで、このシーンはこういうことだったのか、と分かる点がいくつかあったので、構成がうまかったと思います。

【以下、ネタバレあり感想】
【“映画「僕の彼女はサイボーグ」感想”の続きを読む】

テーマ:DVDで見た映画 - ジャンル:映画

  1. 2010/05/18(火) 02:31:22|
  2. 映画感想

映画「ブレードランナー」感想

ブレードランナー クロニクル [DVD]ブレードランナー クロニクル [DVD]
(2010/04/21)
ハリソン・フォードルトガー・ハウアー

商品詳細を見る

【あらすじ】
人類の多くが宇宙に移住している時代、宇宙では、人造人間「レプリカント」が奴隷として働いていた。
6人の最新レプリカントが、人間を殺し脱走、地球にやってきた。
レプリカントを処刑する職業「ブレードランナー」であるデッカードは、脱走レプリカントを狩る。

【途中まで、ネタバレなし感想】
原作小説 フィリップ・K・ディック「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」とは、設定が同じだけで、ストーリーはかなり別物なようです。
映画版の方が、テーマやストーリーが分かりやすく、アクション・ハードボイルド要素など、エンターテイメント性が増していて、見やすかったと思います。
とは言え、原作には、原作の良さがあります。

人間とレプリカントを見分けるには、感情・共感性の有無を判断する、フォークト・カンプフ検査なるものが必要です。この時代、本物の動物は貴重なので、動物愛護の精神が行き過ぎているくらい進んでいます。なので、動物虐待を連想させる質問を投げかけると、人間ならば感情が大きく動くのです。
ただ、最新型ともなると、見分けるのは困難なようです。

創造主に歯向かう人造人間、というモチーフはそう珍しくはないと思うのですが、その動機が面白かったです。

私が見たのは、公開当時のオリジナル版です。
今見ても、映像が全然古臭くないです。さすがに「2019年にこんなに未来っぽくはならないよ」とは思いますが、かっこ良くてリアリティもある、日本のSFアニメやゲームに通じるようなビジュアルデザインになっています。(ブレードランナーの方が先だと思われる)

アジア、特に日本ネタが多いです。
ビル全体を使った広告で、芸者が「強力わかもと」のCMをしていたり、日本的音楽が流れたり、日本語を話すキャラクターがうどんの屋台をやっていたり、箸を使ったり。
漢字の多い背景は、チャイナタウンという設定だったと思います。

ガヤ声(モブ・群集)に「誰か変なもの残してったで」という日本語が聞こえました。少なくとも2回。他に、「なんだこりゃ」というセリフも聞こえました。
4カ国語くらい入り混じっている設定らしいので、音声素材として使いまわしているんでしょうね。

折り紙も日本の文化でしょう。

レプリカントは、偽の記憶を植えつけられています。さらに、自分の子供時代が写っているというものやその他沢山の写真を持っています。
実際には、寿命が4年です。感情が芽生えると人間に反抗したりするからそうなっているみたいです。それと、遺伝工学的に突然変異が起こりづらい寿命設定でもあるらしいです。

偽の記憶を本物と信じ、さらに、存在しない母や、思い出、写真を大事にしている所が切ないです。
自分がレプリカントだと気づいていない者もいるようです。

人間に対して、敵のようなポジションとして登場するレプリカントですが、そちらにも同情してしまいます。

SFと言っても、科学的な武器による戦闘だとか、宇宙船による戦争だとかそういうものは出てきません。
物語は全て、地球上で展開されます。

人間もレプリカントも、役者さんが、皆良い顔をしていました。
服装やメイクのデザインも面白かったと思います。

レプリカントを設計したタイレル博士の秘書レーチェルと、主人公デッカードのロマンスもあります。

【以下、ネタバレあり感想】
【“映画「ブレードランナー」感想”の続きを読む】

テーマ:特撮・SF・ファンタジー映画 - ジャンル:映画

  1. 2010/05/16(日) 06:03:59|
  2. 映画感想

映画「ラスベガスをぶっつぶせ」(原題:「21」)感想

ラスベガスをぶっつぶせ [DVD]ラスベガスをぶっつぶせ [DVD]
(2009/06/03)
ケイト・ボスワースケヴィン・スペイシー

商品詳細を見る

【あらすじ】
マサチューセッツ工科大学の学生チームが、数学理論に基づいてブラックジャックをし、カジノで荒稼ぎする。
主人公は、学費の為チームに参加するが…。

【途中まで、ネタバレなし感想】
見る前、主人公は、特技である数学を生かし、自ら考案した理論で進んでカジノに向かうのかと思ってました。
しかし、実際には教授が組織した学生グループに勧誘され、乗り気ではない様子でした。

ネットで見たところ、モデルになった事件では、学生チームがアジア系のメンバーで構成されていたのに主演が白人だったことでアジア系コミュニティから非難の声も上がったそうです。
この映画だと、メインとヒロインこそ白人ですが、結構アジア系の顔立ちや名前が目立つなぁくらいに思ってました。これでも少ない方だったのですね。

主人公は、頭が良い上に女の子とも仲良くできるイケメンリア充なのですが、その友達というのが、いかにもオタクっぽい見た目と性格なのです。だ が そ れ が い い。
現実のMIT生徒は、どちらかと言えばその友達の方っぽい感じだと勝手にイメージしてますが、本当のところはどうなのでしょうか。

「カウント」という行為がよく分からないのですが、見張り役とプレイヤーによってチームを組んで、その理論でブラックジャックをすると高確率で勝てるようです。
「カウント」は、違法ではないようですが、カジノ側からは「荒らし」として歓迎されておらず、この映画では、「カウント」がバレると掴まってとっちめられるという設定でした。

【以下、ネタバレあり感想】
【“映画「ラスベガスをぶっつぶせ」(原題:「21」)感想”の続きを読む】

テーマ:DVDで見た映画 - ジャンル:映画

  1. 2010/05/12(水) 10:42:09|
  2. 映画感想

監督・三谷幸喜「ザ・マジックアワー」(The Magic Hour)感想

ザ・マジックアワー スタンダード・エディション [DVD]ザ・マジックアワー スタンダード・エディション [DVD]
(2008/12/03)
佐藤浩市妻夫木聡

商品詳細を見る

【あらすじ】
ホテルの支配人・備後登(びんご のぼる)は、マフィア手塩商会ボスの愛人・高千穂マリ(たかちほ マリ)に手を出したので、マリと共に消されそうになる。しかし、幻の殺し屋・デラ富樫と知り合いだととっさの嘘を付いたことで、命拾いをする。
助かるためには、5日以内にデラ富樫を連れて来ることが条件だが、そのデラはどこにいる誰なのか全くわからない。
そこで、売れない映画俳優・村田大樹(むらた たいき)を騙し、撮影を装ってデラ富樫を演じさせる。

【途中まで、ネタバレなし感想】
テンポ良く、画面の色合いもよい感じでした。
作中作は、白黒映画です。

「マジックアワー」とは、映画・写真業界の用語で、日没後数十分間、わずかに残光が残った状態で、一日で一番美しい時間とされているそうです。
この作品の中でも、象徴的に登場します。

コメディでありつつ、いつデラが偽者だとバレるのか、村田はいつ、映画の撮影ではないと気づくのか、というハラハラ要素があります。

映画撮影だと思い込んだまま、ヤクザとマフィアのガチ戦闘に巻き込まれる村田のデラ富樫っぷりが板についてました。
ナイフを舐めてみせる行為は、村田お気に入りの演技なようです。
エキストラとしては、やけに暑苦しく大きい芝居なのですが、伝説の殺し屋ならこんな感じかもなという雰囲気です。

村田とヤクザサイドの、お互い勘違いしたまま、それでいて、やけに噛み合う会話がギリギリで面白かったです。
村田は、あくまでも役者論として言っているのに、ヤクザがマフィア業界の話と取ったり、その逆であったり。

古きよき映画へのリスペクトが感じられる作品でした。

【以下、ネタバレあり感想】 【“監督・三谷幸喜「ザ・マジックアワー」(The Magic Hour)感想”の続きを読む】

テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

  1. 2010/05/12(水) 09:57:03|
  2. 映画感想

映画「真夜中のカウボーイ(真夜中のカーボーイ)」感想

真夜中のカウボーイ [DVD]真夜中のカウボーイ [DVD]
(2007/01/26)
ダスティン・ホフマンジョン・ボイド

商品詳細を見る

【あらすじ】
ジョーは、色々とトラウマのあるらしい地元テキサスからニューヨークに出て、体一つで稼ごうとする。女性相手の男娼、ジゴロになる気なのである。彼は、いつもカウボーイの服装をしてラジオを聞いている。
ジョーは、ラッツォ(ネズ公)という脚の悪いホームレスの男に売春を斡旋してもらうが、相手は男な上に宗教どっぷりだったので逃げた。ラッツォに騙された!と怒るがなんだかんだでラッツォと同居生活を送ることになる。
ラッツォは、ジョーの仕事がうまくいくようサポートする。

【途中まで、ネタバレなし感想】
ホモ・セクシャルと熟女と狂信者だけで9割構成されているような映画でした。
公開当時は成人指定だったというだけあり、全編ちょくちょく性描写がありますので、家族や友達と一緒に見ると気まずいかもしれません。

突然過去シーンが挿入されるので、最初なんだか分からなかったのですが、ジョーのトラウマは、幼少期に自身の祖母に性的虐待をされていた、美人の彼女を集団Go!KANされた上精神病院送りにされて、自身もレイポされた、父親か牧師みたいな熱心すぎるキリスト教徒に(恐らく洗礼だろうけど)川に沈められた、などがあるようでした。

おばあちゃんにいたずらされていた割に年上の女性に対する嫌悪はなく、どちらかというと熟女好きに見えました。
おばさんばかり狙うのは、金持ちそうだからだとは思うんですけど、てっきり自分のばあちゃんで目覚めて熟女マニアになったのかと。

主人公のジョーは、カウボーイの衣装を着ていることで、より、「田舎から出てきたてのオノボリさん」という雰囲気が強くなっていました。今時、大きな街で、そんな格好している人なんて他にいないのです。

自称「リコ」のラッツォが怪しくてかわいかったです。背が低いのは、役者さんが本当にそうなんですかね。キャラクターに合ってました。
決して性格は良くない、むしろ悪いのですが、魅力的ですね。
車に轢かれそうになったのは自分が悪いのに、運転手に罵声を浴びせて車のフロントをバンバン叩いたり、何かにつけて「俺は脚が悪いんだぞ!」と強調したり、デモ活動している人をヤジったり。
ラッツォは、詐欺師的な位置で結構稼いでるのかと思っていましたが、実際は廃墟に住みつく無職で金がありません。
その上、病気でいつも咳き込んでいます。
ラッツォが孤独だったのは、その奇妙な容貌やハンディキャップによるところが大きいようです。人格歪んでますし。

ジョーもずっと孤独だったようです。
ラッツォの紹介で相手させられそうになったキリスト大好き過ぎおじさんにも看破されてました、孤独だと。
おじさんは、誰にでもそう言っているのかもしれませんが、ジョーにとっては図星だったのだと思います。

ジョーは、心の傷を与えてきた対象に拒否感と愛着両方を持っているようです。
キリスト教についてはどう思っているんでしょうか。全面的に嫌悪と恐怖だけってこともなさそうなんですけど。
最初、ニューヨークに向かうバスの中で聞いていたラジオから、かなり狂信的な番組が流れてたんですけど、その時、ジョーはどういう顔して聞いてましたっけ。

【以下、ネタバレあり感想】
【“映画「真夜中のカウボーイ(真夜中のカーボーイ)」感想”の続きを読む】

テーマ:★おすすめ映画★ - ジャンル:映画

  1. 2010/05/08(土) 10:51:16|
  2. 映画感想

穂村弘「本当はちがうんだ日記」感想

本当はちがうんだ日記 (集英社文庫)本当はちがうんだ日記 (集英社文庫)
(2008/09/19)
穂村 弘

商品詳細を見る

【概要・あらすじ】
歌人、穂村弘によるエッセイ。
あだ名のなかった少年時代。
エスプレッソは「素敵な人が飲む素敵な飲み物」だから好きだけど、苦くて飲めない。体調のいい時は無理して飲むが美味しくない。
硝子に包まれていたような硝子人間時代には感動しなかった書物に、最近感動するようになった。
「キムタク着用」「レア物」という宣伝文句についての考察。
「近くにいても声が遠くから聞こえてくるみたい」と言われるほど存在感が薄い。
そんな、「素敵側の世界」に行きたいと願いつつもうまくいかない人生についてユーモアを多分に交えつつ書いている本。

【ネタバレあり感想】
穂村さんという方は全然存じなくて、本業の歌集の方も未見です。ごめんなさい。
この本は、おもしろかったです。

一つのタイトル、テーマにつき、4ページ弱の文章量です。
どこから読んでも大丈夫です。
話の持って行き方やオチのつけかたが上手で、短時間で読めました。
肩肘張らず気軽に読める本なので、内容の重い小説の合間などに挟むと良いと思います。

著者は、とにかく「素敵側」に行きたくて、自己啓発本を沢山読んだり、素敵な人と自分の違いについて知人に聞いてみたり、10年ほどジムに通ってみたりするものの、素敵側にいけないのです。
ジムでは新入りもどんどん打ち解けて仲間になっていくのに、自分だけは輪に入れず、しかも密かに「修行僧」というあだ名まで付けられていたという。
いい具合に駄目ですが、修行僧の如くトレーニングを続けられているのだから、本当に心底駄目というわけでもありません。
真の駄目人間なら、そもそもジムにいかないし、通い始めてもすぐにやめてしまうと思うので。
変な所で一生懸命で、長いことあがいている人、ということで、ある種魅力的なのではないでしょうか。

実際、歴代ガールフレンド、彼女がエッセイにちょくちょく出てきます。
私は、「おい!彼女がいるなんて!車でいちゃつくなんて!全然駄目じゃないじゃないか!あんた、完全に素敵側の人間だよ!!」と思ったのですが、それは、本人も周囲から指摘されているそうです。「でも、ほむらくんは結構女の子に好かれるからいいじゃん、とか慰められる。うじうじしててかわいいとか云われて。」と。
しかし、著者は否定します。
「かっこよくなくてもエレガントでなくても、異性に好かれることはできる。」
「かっこわるい人間がかっこよくなることの困難に比べれば、かっこわるいまま異性に好かれることの方ががずっと簡単だ。」
な、なんだってーーーーーー!!
この主張には目から鱗が落ちました。
彼女が度々できるような人=リア充=素敵側の人間
だとばかり思っていました。
素敵側の人間になるのは、異性に好かれるより困難な道なのですね…。
「誰も見ていない時にもうつくしい人」に著者は憧れています。
そこまでいくと、もう他人との関係性など関係なく、単体で、絶対的に素敵な人、ということなんでしょうね。

「みえないスタンプ」という項目では、「正」にも「負」にもスタンプがあって、ある程度貯まると突然体重が減ったり、突然恋人が叫んでキレたりするのでは、という内容が語られています。
そういうのはありそうですね。積み重なったポイントが、閾値を越えると沸騰する感じで。

「僕にはあだ名がないんだ」って何かの漫画のセリフでありましたよね。
これ、想像以上につらいんですかね。「あだ名という力に守られていない」という状況は丸腰で世界に放り出されている感じなんでしょうか。

「いろいろなものをこわがる大人になった」という言葉どおり、このエッセイ、結構「こわい」という単語が出てきます。
普段、ラジオや文章で、他人が怖がっている話と見聞きすると、最初は「そんなのなにが怖いんだか」と思っているのに、のちのち影響を受けて自分もこわい気がしてくる「恐怖が伝染」現象があるんですけど、この本の「こわい」はなんだか安心して読めました。

マネキンが着ている服が素敵に見えて、マネキンに気づかなかった振りをしつつマネキンと同じ服を買い、着てみたら全然素敵じゃなかった、というエピソードは共感できました。
素直に、あのマネキンの服下さいって言えないのは何なのでしょうかね。

スーツに巨大なスキー手袋をするというコーノさん、決定的に何かが狂っている感が良いですね。別に誰に対して悪いことしているわけでもないのに。この位の、日常の中のささやかな狂気というのは大好物です。

人によって金銭感覚、ものの価値観が大きくことなるという話で、離婚した知人が「元妻にマンションをあげて家賃を払うことになった」と笑顔で言った、5000万払って満面の笑みを浮かべるとか、修行を積んだ高僧でも難しいだろう、人間の意識をそこまで高めてしまう結婚ってこわい、っていうまとめ方が面白かったです。

何度か結婚こわいとうネタがあり、また、40過ぎて独身彼女なし、というようなフレーズもよく出てきたのですが、突然「妻」が登場するエッセイがあったりして「え?え?」ってなったのですが、ネットで検索した所、最近結婚されたんですね。

著者は、沢山本を読まれていて、いくつかの詩歌や文章を引用しています。
それに添えられたプチ解釈がいい感じでした。

店のカウンター席にいる「常連」が恐ろしい、「一家言ある人」がこわい、というのは少しわかります。
「一家言」は、「その人独自の主張ということなんです」けど、特にそれらが見られるのは、頑固なラーメン屋やその他の飲食店です。張り紙で食べる順番を指定してあったり、書いてないけど暗黙の了解が存在したりするというものです。

「オリーブ」という雑誌の見出しすごいですね。
・昨日までの恋 1万メートル上空を通過中

著者は、少女漫画や少女向け雑誌を愛好していたようです。
男性誌だと、雑誌の中の世界と自分の現実との落差を感じてしまうので、そちらを見ていました。
少女の視点を借りることで、夢と未来への憧れを持てたというのです。

著者は本についてイメージする時、「電車の中で本を読む女性の顔に微笑みが浮かんでいる」という光景が浮かぶそうです。これは、ユングでいう原型で、人類共通の深い夢のパターンなのだろうと、色んな人に話していたのですが、ある日、「『本』のイメージに必ず『女』がセットで付いてくるというのは、真の本好きとは言えませんね。女好きです」と指摘されるのです。見も蓋もない、それでいてなんと鋭い意見。
しかし考えようによっては、異性に対するくらいの愛情や恋心、ロマンチシズムを本へ抱いていると取れなくもないです。本について想いを馳せる時、『女』が連動しているわけですから。

「可愛い子は、鏡じゃなくて本を見ていることが多い」という昔の人の文章に、著者は理想とファンタジーを感じつつ、実際本ばかり見ていたらひとはきれいから遠ざかるのではないか、とも書きます。一方、オシャレにしか興味のないコスメマニアの女子高生が綺麗でも夢がない、とも。なんだか分かりますね。そこらへんの感覚を突き詰めていくと「萌え」に繋がりそうな気がします。

本の形をしていて、装丁とタイトルとデザインが好きだけど、未来永劫読まない本、についての文章が興味深かったです。
表紙絵だけが画集に載っていても、タイトルが書かれていないとなんか違う、カバーだけ取ってみてもやっぱり違う、中身とカバーは一致していなければならない、というこだわりはどういう心境なのでしょうか。そこまでやって、中身読んでないわけですし。
本といものの持つ、物質性やそこからにじみ出る精神性を愛しているのでしょうか。

著者の知り合い女性のエピソード、元彼が部屋に侵入して、金魚の餌を足していた、というのがとても微妙な不気味さでよかったです。

心の中では、ある一定の場所で時代が止まってしまうものについて。著者の場合、夢の中の電話はいつもダイヤル式であること、新しい球団名になじめないこと、自動改札切符がしっくりこないこと、などがあります。
新しいものが「入ってこない」というのは、誰にでもあると思います。ジャンルによって止まる時期が違うようですが。
音楽なんて、そういうのが顕著でしょうね。
カラオケで歌う曲が、10年前で止まっている、とかよくあると思います。

住んでいる場所を「板橋区 でもあと20メートルで豊島区なの」という女性の見得、が可愛かったです。
彼女の中では、なぜか豊島区の方が序列が高いようです。
そこで完全な嘘をつくでもなく、やけに細かい見得を張るのが面白いです。

「レア物を身に着けてもレアな自分にはなれないんだよね」と言う著者に対し、電話の向こうの女性が言った「四十歳過ぎて『キムタク着用』とか『レア物』とか言ってる時点で駄目なのでは」が面白かったです。

あとがきその他で、「40歳過ぎてるから、もう今が『将来』なんだよ」というのがあって、現在=将来になる日が来る、いや、既に来ているのかもしれない、なんて考えたことなかったと、ハっとしました。

テーマ:オススメ本 - ジャンル:小説・文学

  1. 2010/05/07(金) 23:47:42|
  2. 読書感想文(小説)

映画「悪夢のエレベーター」感想

悪夢のエレベーター [DVD]悪夢のエレベーター [DVD]
(2010/03/19)
内野聖陽佐津川愛美

商品詳細を見る

【あらすじ】
ムショ帰りの空き巣とジョギングに行こうとした超能力者と自殺志願のゴスロリ少女と妻が出産間近の夫がエレベーター内に閉じ込められる。

【途中まで、ネタバレなし感想】
予告を見た感じ、コメディなのかと思っていましたが、レンタルショップではサスペンスの棚にありました。
確かに、サスペンスですし、少しホラーでした。
前半、それと数日前の回想シーンはコメディです。

密室で人間関係の真実が明らかになっていきます。
しんみり要素もあります。

原作は未読です。
特典で原作者のインタビューが入っています。喋り方がヤンキーっぽかったです。

最初のナレーション時と、エレベーター内で、内野さんの雰囲気と声色が違ったのですが、そういうわけでしたか。

あとから思えば、あれもこれもうまくできていたなぁという感じです。

緑のバッタみたいなジャージと内のさんのテラテラした赤いシャツが画面に映えてました。

一転二転しそうだというのは、予告から予想していましたがここまでとは思いませんでした。また、真相も見抜けてませんでした。
これがオチなのかと思った所でまだ半分くらいでした。

ゴスロリちゃんの声が可愛かったです。

「スラムダンク」や「マトリックス」など、皆が知ってる有名作品、的なものの名称が登場しました。

【以下、ネタバレあり感想】
【“映画「悪夢のエレベーター」感想”の続きを読む】

テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

  1. 2010/05/06(木) 19:32:45|
  2. 映画感想

筒井康隆「男たちのかいた絵」感想

男たちのかいた絵 (新潮文庫)男たちのかいた絵 (新潮文庫)
(1978/10)
筒井 康隆

商品詳細を見る

【あらすじ・概要】
ヤクザ×異常性欲・人格異常な短編集。各タイトルは、ジャズの名曲になっているらしい。
「夜も昼も」…ドMが反転してドSっぽくなっているヤクザが拳銃片手に脅しまくる。
「恋とはなんでしょう」…付き合っている兄貴が大好きなゲイのヤクザが、組長命令で人質として事務所に差し出される。そこで他の男に傷物にされる。 
「星屑」…超マゾヒストのヤクザが、あえて拷問されておほほほほほほほほ。加虐側のヤクザが気絶するほど凄惨な状況に。
「嘘は罪」…嘘つきヤクザが兄貴分の殺人に乗っかる。という話だと思う。
「アイス・クリーム」…エディプス・コンプレックスのヤクザがアイスを買って欲しがる話。
「あなたと夜と音楽と」…八郎というヤクザは、「音楽学校にさえ行ってりゃあ」と後悔していた。
「二人でお茶を」…杉夫と松夫という二つの人格を持つヤクザの話。
「素敵なあなた」…ヤクザの愛する飼い犬に子供が生まれた。

【少しネタバレ感想】
再読です。以前は、あまりに残虐なシーンがあってまともに読めませんでした。
数年経って、そろそろグロ耐性も付いたかなと読み返しましたが、やはりきつかったです。
この本は、痛いのやグロテスクな暴力表現が苦手な人は絶対に読まないで下さい。
特に「星屑」はきついですよ。行き過ぎたギャグとして読めば良いんでしょうが。

眼鏡に関する描写が細かかったです。単にキャラ書き分けの特徴として出てくることもありますけど、フレームの形やレンズの状態がしっかり書かれていることもあります。

登場人物が変態ばかりで、性描写も多いので、嫌いな人にはお勧めできません。

以下、各短編についての一言感想です。

「夜も昼も」。MとSは紙一重なんですね。「こんな悪夢みたいな死にかたは、絶対に嫌だ」に対して「どんな死にかただって、悪夢さ」と返したのは、ハードボイルドっぽくてかっこよかったですが、状況が変質的すぎます。

「恋とはなんでしょう」。ゲイカップルが純情な感じがしました。

「星屑」。ぎゃー、グロいー。これはひどい。

「嘘は罪」。「自分は殺ってない」と言うことで、逆に「殺った」と思い込ませたいんですかね。

「アイス・クリーム」は、父親に説教と暴力だけを受けて育った息子の話です。
父親が唯一してくれた優しい事とそれ以外の事は、全く釣りあいが取れてないのですが、それでも主人公は、完全に父を憎むことはできないのです。
投影という要素も大いにありました。別の人に父を重ねる行為です。

「二人でお茶を」。この本に収録されていることも、筒井さんが書いたということもすっかり忘れておりましたが、二重人格の男の話があってラストがこうなった、というのだけ覚えていました。
この終わり方、好きです。
杉夫が暴力団員になったのは、どちらかと言うと第二人格であるほうの松夫の性格によるものなので、こういう結末になった責任も重大です。松夫はワルですが、男気は感じました。

「あなたと夜と音楽と」は、主人公の死ぬシーンが何度かあります。
場面が繰り返しつつ結果が変わっていくのは、事前のシミュレーションなのか、パラレルなのか、ループなのか。とにかく、「音楽学校に行ってればなぁ」というのが口癖なのは分かりました。生きても死んでも。

「素敵なあなた」。おおう、いくら犬を愛していると言っても肉体関係を持つとか…。
  1. 2010/05/06(木) 18:19:17|
  2. 読書感想文(小説)

映画「バットマンビギンズ」感想

バットマン ビギンズ [DVD]バットマン ビギンズ [DVD]
(2008/07/09)
クリスチャン・ベイルマイケル・ケイン

商品詳細を見る

【あらすじ】
幼い頃、井戸(洞窟?)に落ちたブルース・ウェインは、その時自分に襲い掛かったコウモリが怖かった。
大富豪の両親とオペラを見に行くが、演者の衣装がコウモリっぽかったためトラウマでうぎゃあああってなって見てられないので早めに退場した。そしたら、両親が悲劇に見舞われた。自分のせいでこうなった気がした。
ブルースは、大人になってもコウモリが怖かった。
貧困が犯罪を生むということで、自分も貧者になって放浪したブルースは、ヒマラヤで青い花を手に入れて頂上に行けば、欲しいものが見つかるといわれて、渡辺謙に弟子入りしたり、忍者アクションを身に着けたりした。なんだかんだで、バットマンになる。

【あまりネタバレなし感想】
これの続編に当たるダークナイトがとても面白かったので、さかのぼってこちらも見ました。

ダークナイト感想は、こちら。

バットマンの手裏剣的なものや、火薬を使った演出(直接攻撃ではないが敵の気をそらす)などの戦い方は、忍者のやり方を踏襲していたのですね。

今回の敵は、「スケアクロウ」と「ラーズ・アル・グール」となってますが、続編の「ジョーカー」ほど萌えキャラではありませんでした。
敵の思想の規模は、ダークナイトよりビギンズ勢の方が大きいです。
駄目な社会を一旦壊すというのが、「ラーズ・アル・グール」の組織が昔からやってきたことみたいです。
再生の為の破壊ですね。
「スケアクロウ」は、パッと見知的なキャラですし、実際頭脳派で、精神攻撃が武器です。

ドラッグを「ブツ」や「ヤク」と翻訳していました。

メインテーマは、「恐怖」という感情だったと思います。
自分自身が恐怖になって、敵を恐れさせる存在になるということで、バットマンはコウモリを模してるんですね。でも、コウモリをそこまで怖がるのはブルースくらいなので、結局は自分がそれに打ち勝つためそのような服装をしている気がします。
トラウマ解消の為、あえて、その時の場所に行くとか、同じ行動をするとかして、恐怖を克服するっていうのは、実際の治療法でもあったと思います。

父に対する葛藤を描いているというのは、フィクションの王道ですね。
いわゆるエディプスコンプレックスというのは少し違う感情ですかね。
自分が父を死に追いやったんじゃないかという負い目と、穴に落ちた自分を救ってくれた力強い父への感謝尊敬が混じった状態だと思います。

アメリカンヒーローなアクションシーンは、開始からしばらくないです。なので、爽快感の少ない映像が続きますが、そんな中でも爆発やチャンバラはあります。

ブルースが途中から、プレイボーイキャラを演じてみたのは、執事の助言だったと思うのですが、理由は忘れました。
幼馴染はその姿を見て「内面は昔のまま変わってないのね。でも、人間の本性は行動で決まるの。」と言います。
これが、今作で一番印象に残ったセリフでした。

人間が落ちるのは、這い上がるため、ということで肝に銘じておきます。

テーマ:映画 - ジャンル:映画

  1. 2010/05/03(月) 16:30:54|
  2. 映画感想

ヒルトン「チップス先生 さようなら」菊池重三郎 訳

チップス先生さようなら (新潮文庫)チップス先生さようなら (新潮文庫)
(1956/07)
ヒルトン

商品詳細を見る

【あらすじ】
ブルックフィールド中学校で長年教師をしていたチップス先生は、退職後学校の側に住んでいた。
彼は、この数十年を回想する。
沢山の生徒達との思い出、妻との出会い、そして別れ、様々な記憶が去来する。
チップスは、古い気質の厳格な教師でありつつも、洒落を飛ばすユーモアを持ち合わせ、それは円熟の域に入っていた。

【ネタバレなし感想】
チップス先生が歳を取ってきてからの口癖「あーム」、これがあまりに多いので、脳内で読み飛ばそうとしましたが、うっかり黙読してしまいました。

物語には、当時のイギリス風俗や流行、英国パブリックスクールというものの普遍的な雰囲気が反映されています。
婦人解放の流れや、ストライキ、授業合理化の為いくつかの旧カリキュラムを削除変更しようとする校長の存在などが時代の変化として顕著な例だと思います。
その時既にあった文学や戯曲も引用しています。

時代遅れのチップス先生ですが、皆に愛されていました。
新しくて合理的なものは、尊敬され恐れられてはいましたが、愛されてはいなかったのです。

お茶の時間、紅茶に関する描写が細かかったです。さすが英国人。

チップス先生は、現代的で先進的な女というものが苦手でしたが、そんな女性を好きになります。それが、後の妻なのですが、彼女は、自ら車を運転し、山登りをするような人なのです。
本来嫌いなタイプのはずなのに、そのような異性を好きになってしまう現象というのは現実にもありそうです。

タイトルのセリフ「チップス先生 さようなら」は、かなり早い段階で一度登場しますが、それが最後ではありません。

物語の締めくくり。チップス先生の場合、あれ以上を求めるのは難しいくらい幸福だったと思います。
妻を早くに亡くし、子供も持たなかったわけですが、教師であったことが彼の人生を支えています。

なお、作中沢山出てくるチップス先生のイングリッシュジョークですが、音や綴りの駄洒落になっているものに関しては全く理解できませんでした。
また、(哄笑)と書かれているのを読んで、あ、今のギャグだったんだ…?と気づくことも多く、日本人とは笑いのツボが違うのかなと思いました。
中には、普通に面白い冗談もありましたけど。親子三代に渡って勉強を教えた生徒への、先生らしいユーモラスな台詞など。

チップス先生の生徒は全員男子です。
先生の心の中では、生徒達はいつまでも少年のままなのですね。
  1. 2010/05/01(土) 01:11:32|
  2. 読書感想文(小説)

映画「イントゥ・ザ・サン」感想

イントゥ・ザ・サン [DVD]イントゥ・ザ・サン [DVD]
(2009/10/07)
スティーヴン・セガール大沢たかお

商品詳細を見る

あらすじを書こうと思いましたが、把握できてないので省略です。

多分この映画は、トンデモっぷりにツッコミ入れながら鑑賞するのが一番精神的に負担の掛からないスタイルだと思います。

映画を見る時は、真面目に話の筋を追ったり、テーマを読み取ったりしたい方、何かを得たいから映画を見るんだ!という人には不向きな作品かと思います。

外国(東南アジア系)から物語がはじまって、舞台が日本に移ります。
たしか、偉い議員だったかが殺されるんですけど、それにヤクザが関わっていて、FBI(?)のスティーヴン・セガールが調査、大沢たかお演じるヤクザ黒田にたどり着くという話で、ヤクザとFBIとCIAと蛇頭(中国マフィア)が出てきてドンパチやって日本刀バトルする映画です。
終わってみると、最初の外国がなんだったのか分かりません。

芸者、寿司、箸、指きりげんまん、障子、畳、和服、刺青、デシ(弟子=スチューデント)、キッサテン(喫茶店)、魚市場というザ・日本趣味が炸裂しています。

銃で撃たれるより刀で斬られる方が痛そうに見えるのは、切り傷なら経験あるけど、銃で撃たれたことはないからイメージできないからだと思います。

ヤクザ黒田は、派手派手な服装をしています。その舎弟の髭ロン毛の人と眼鏡おっさんの人も良いキャラデザと性格してました。
大沢さんのあまり品の良ろしくないやけっぱちな叫びっぷりとかよかったです。「帰れぇー!アメリカの犬め!」

セガールの関西弁に脱力しまくりました。
東京下町育ちだから日本語話せるという設定みたいですが、江戸っ子はそんな関西弁喋らない。

脇を固める日本人俳優さん達は皆実力派の大物揃いなんですけどね。なのにこの雰囲気…これは一体…!

これが噂のセガールアクションですか。型的には様々な格闘技を正確に取り入れているらしいですね。
映画のアクションで、ローキックを効果的にちょこちょこ使っていくとか、地味ですが。実際の戦いにおいては、有効なんでしょう。

英語と日本語の入り乱れるお話で、日本人キャラも結構英語を話します。
時には、英語と日本語でそれぞれ喋って会話が成立していたりします。

なにがどうなると問題の解決なのか、サラっとしか見てないので理解できてません。
とにかく、セガールとヤクザが激突します。

すぐに銃をぶっ放す人たちが多いのは見ていて面白かったです。

【以下、ネタバレあり感想】
【“映画「イントゥ・ザ・サン」感想”の続きを読む】

テーマ:見た映画 - ジャンル:映画

  1. 2010/05/01(土) 00:24:42|
  2. 映画感想

FC2Ad