野良箱

同人漫画サークル

「レイトン教授と最後の時間旅行」感想 

レイトン教授と最後の時間旅行 特典 レイトン教授トリロジー メインテーマCD付きレイトン教授と最後の時間旅行 特典 レイトン教授トリロジー メインテーマCD付き
(2008/11/27)
Nintendo DS

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【途中まで、ネタバレなし】

レイトン教授シリーズ第三弾です。
ナゾトキ×タイムスリップということで、未来のルークから手紙が届き、レイトンとルークは、タイムホールになっている時計店を通じ、10年後のロンドンに行きます。
彼らは、未来のロンドンを支配し暗躍しているギャング(マフィア)のボスに会いに行くことになります。
未来人達は、レイトン教授の帽子を見ては脅えるのです。

エンディングを見ました。
THE END後も続きがあるので、お見逃しなく。

相変わらずアニメーションやその他背景等のイラストが美しかったです。

私の苦手な古典パズルが減っていて、その点では易しくなっていました。
まだ解いていない問題にそれ系があるのかもしれませんが。

青年ルーク役の小栗旬さんは、声が合っていました。
落ち着いた声ながら、大変青年らしかったです。

ゲストキャラのナゾリーヌ。ゆうこりん(小倉優子)のキャラクターとピッタリでした。
黒い不思議ちゃん…。

レイトンの声は、前作に引き続き大泉洋さんです。
普段素で喋ってる声より渋いです。

レイトンの過去が描かれています。

作中、レイトンが点目であることについて、何度か触れていたと思います。
アロマは、その目がいいんだと言います。

ホテルでアロマが「レイトン先生とルークが一緒のベッドで寝れば、私も同じ部屋で眠れますね」とか言っていたと思います。(検索したら、「先生とルークがそっちに寝て、私がこっちに寝れば問題ないわね」というのもあったのですが、意味はあまり変わらないのでそのままで。)
ツインの3人使用ですか。狭い!

ノラネコがひょろっとした独特のフォルムでした。干からびた…猫?

あちこちをタッチすると出る台詞が、時々面白かったです。

今作では、3つのヒントの他に、ひらめきコインを2枚使うスペシャルヒント(Sヒント)があります。
これは、4つめのヒントにして、かなり答えに近いものです。
にも関わらず、Sヒントを見ても自力で解けない問題があり、かつ、それが絶対に解かなくては前に進めないものだったので、人の手を借りました…。くやしいです。
あと、ものすごく簡単な問題に、ひらめきコイン5枚を使ってしまったのもくやしいです。

前作までだと、移動といえば徒歩か車、あるいは急行列車でした。
今回は、地下鉄とバスによる移動が可能です。
案内板から目的地を選ぶだけというお手軽さです。

解いていない問題、解けていない問題が多いですし、ミニゲームも全然進めていないので、ストーリーの感想だけ書きます。

【以下、ネタバレあり感想】

※エンディングに到達していない方は、ご覧になられませんようご注意下さい※ 【“「レイトン教授と最後の時間旅行」感想 ”の続きを読む】
  1. 2008/11/28(金) 07:07:10|
  2. ゲーム

新編 宮沢賢治詩集 天沢退二郎編

新編宮沢賢治詩集 (新潮文庫)新編宮沢賢治詩集 (新潮文庫)
(1991/07)
宮沢 賢治天沢 退二郎

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表紙や中身に見覚えがあったので、読むのは2度目のようです。

横文字・アルファベットが混じっています。
英語やドイツ語だそうです。

化学物質や星座、植物、鉱物、宇宙など、理科系の用語が多かったです。

妹さんが亡くなる時の詩は、TVでも放送されたことがあると思います。

伊坂幸太郎の「魔王」および、そのコミカライズ作品で引用されていた詩も収録されていました。
犬養の言っていた「新たな詩人よ (中略) 諸君はこの颯爽たる 諸君の未来圏から吹いて来る 透明な清潔な風を感じないのか」ですが、これは、もっと長い詩の一部なんですね。最後は、ちょん切れていて「以下空白」となっています。
未完成の詩だったのでしょうか。

「疾中」の冒頭「眼にて云ふ」は、何度読んでもインパクトがあります。
「だめでせう とまりませんな がぶがぶ湧いてゐるですからな ゆふべからねむらず血も出つづけなもんですから(中略)あなたの方からみたらずいぶんさんたんたるけしきでせうが わたくしから見えるのは やっぱりきれいな青ぞらと すきとほった風ばかりです。」

その次の詩もなんだか凄いです。
「丁丁丁丁丁」が沢山ですし、「尊々殺々殺」が繰り返されていますし。

以下の詩は数年前からやたら印象に残っていたものなのですが、再読するまで、宮沢賢治の詩だということを忘れていました。
意味は分りませんが、ロックです。

三八三 鬼言(幻聴)

三十六号!
左の眼は三!
右の眼は六!
斑石をつかってやれ

漢字とカタカナの組み合わせで書かれているのは「雨ニモ負ケズ」だけのようです。
代表作でありつつ、特殊な作品なんですね。

「蜂雀(ハニーバード)」が何度か出てきます。

モーターボートなど、カタカナ外来語も多用されています。

一人称が「わたくし」だったり「おれ」だったりします。
日本語ならではの美しい詩が沢山収録されていました。

テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学

  1. 2008/11/25(火) 23:14:58|
  2. 読書感想文(小説)

ロバート・A・ハインライン「夏への扉」

夏への扉 (ハヤカワ文庫 SF (345))夏への扉 (ハヤカワ文庫 SF (345))
(1979/05)
ロバート・A・ハインライン福島 正実

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【あらすじ】
1970年、ダンは恋人と親友に裏切られ、愛猫ピートと共に冷凍睡眠(コールドスリープ)することにした。

【途中まで、ネタバレなし感想】
6歳の女の子と、ゲームとはいえ結婚の約束をする大人って。
紫の上(若紫)状態ですね。

猫のピートが喧嘩強いです。鳴き声が可愛いです。

ロボットが生活に入り込んでいる世界を描いています。
タイプライターのキーボードを使って大きな図面を描く製図機というのは、未来予想として良い線突いてると思います。

SFの世界と違って、1970年の服も2000年の服もそんなに変わってませんよね。

タイムパラドックスを扱っており、恐らく後の「時をかける少女」や「涼宮ハルヒの憂鬱」「バックトゥー・ザ・フューチャー」に続くタイムトラベルものの基礎になっているだろう作品でした。
(夏への扉以前にも、タイムスリップものの作品は沢山あるらしい。)

【以下、ネタバレあり感想】
【“ロバート・A・ハインライン「夏への扉」”の続きを読む】

テーマ:SF小説 - ジャンル:本・雑誌

  1. 2008/11/22(土) 22:58:31|
  2. 読書感想文(小説)

伊坂幸太郎「ゴールデンスランバー」

映画版の感想はこちらのエントリーです。
以下は、原作小説の感想となります。

ゴールデンスランバーゴールデンスランバー
(2007/11/29)
伊坂 幸太郎

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【あらすじ】
仙台で金田首相のパレード中、ラジコンヘリが飛んできて爆発した。
首相暗殺事件の犯人として報道されたのは、樋口晴子の昔の恋人、青柳雅春だった。
仙台は、二年前に起きた連続殺人事件の犯人、通称「キルオ」(切る男の意)を捕まえるという名目でセキュリティーポッドを導入し、市民を監視していた。

【途中まで、ネタバレなし感想】
書店で何度か見かけましたが、実際手に取るまで「ゴールデンドライバー」というタイトルだと思っていました。
表紙の下部が帯で隠れていたため、マイナスドライバー(工具)に見えたのです。

この物語は、ジョン・F・ケネディ大統領暗殺事件を下敷きにしています。
暗殺に使用されたラジコンヘリは、教科書倉庫ビルから飛んできたとされています。
ビルの名称まで一緒です。
ゴールデンスランバーは、JFK暗殺事件が存在しない平行世界なのかと思っていましたが、作中、「逃げろ!オズワルドにされるぞ」というセリフが出てきたので違いました。
オズワルドというのは、JFK暗殺事件の犯人とされていたが、別の人物に射殺された人です。真相がうやむやですが、実際には犯人ではなかったとされています。
映画やドキュメンタリーで、オズワルドが単独で暗殺した可能性は極めて低いと言っていました。
疑惑の銃弾とか言われていて、教科書ビルの方向から撃ったとすれば、銃弾が空中でUターンしなければ無理な軌道で命中したことになるそうです。
前から複数で撃った説とかを見ました。

JFKの話は置いておいて、ゴールデンスランバーの感想行きます。

すごく面白かったです。
伏線が大量に散りばめられているのですが、ちょうど忘れたころに生きてくるのです。
とは言っても、読者が完全に忘れていたら伏線の意味がありません。
面白い言い回しだとか、軽妙な会話だとか、軽く引っかかっていた言葉が、再び輝き出すのです。
そうきたかー!って感じで爽快でした。
最初から最後まで、大変よく出来ていました。

作中「シーマン」と思しき、変な魚と会話するゲームが出てきます。
シーマン、割と活躍します。

マスコミや巨大な陰謀の怖さが分る話です。
情報操作って凄いです。
松本サリン事件発生時の報道を思い出しました。

この物語では、誰が暗殺の首謀者なのか等、そう言った事は掘り下げていませんでした。
あまり重要なテーマではないのか、諸説あるよ、って感じでサラっと流してました。
私も別に真相を知りたくて読んでいたわけではありません。
青柳雅春が逃げ切れるかどうか、できるとしたらどうやって?と言うのが気になって、先へ先へと読み進めていったのです。

登場人物の大学時代のエピソードが登場します。
同じ記憶・経験を共有したような気持ちになりました。

ラスト付近、かなーり印象的な場面があります。
映像化したら、山場に持ってこられそうです。予告編では流さないで欲しいシーンです。ネタバレになるので。

痴漢嫌いの父親に書かされたという書初めが、笑えました。

人間の習慣や癖は、中にはみっともないものもあります。
しかし、それすら愛しいその人の一部なのだと思わされました。

【以下、ネタバレあり感想】
【“伊坂幸太郎「ゴールデンスランバー」”の続きを読む】
  1. 2008/11/19(水) 21:05:25|
  2. 読書感想文(小説)

11月16日のCOMITIA86(コミティア86)に参加します

※この記事は、時々トップに浮上します。
※ティアズマガジン86の「PUSH&REVIEW」p15で紹介していただきました。
※「価格」情報追加しました。
入稿完了しました。

COMITIA86
【日時】2008年11月16日(日)11:00~15:30
【場所】有明・東京ビッグサイト東1ホール

【サークル名】野良箱
【スペースNo.】せ01a ←入場してすぐ
【配置図】http://www.geocities.jp/azukari2007/kokuti/comitia.html

【ジャンル】その他
【参加形態】直接参加
【売り子】舵木野良、バロン金山さん
隣接サークル売り子も兼任

【隣接サークル】せ01b「Phi_sta+メスカルボタン」
 ↓詳しい「Phi_sta」情報はこちらで。
 

【頒布物】
《新刊1種》
スパルタ
「スパルタな姪と二人の叔父」400円
A5/46P/オンデマンド印刷/フルカラー表紙
姪と叔父の同居もの漫画1本収録
青年向け
<含まれる要素>
毒舌少女、女子高生、ダメなおっさん、髭、眼鏡、Mじゃないのに虐げられる男達、現代日本、日常etc...

《既刊2種》
アイロス
「アイロス・ブラントの学園生活」600円
B5/64P/オンデマンド印刷/フルカラー表紙
学園ファンタジー漫画1本収録
少年向け
<含まれる要素>
異世界・洋風高校・金髪碧眼ヘッドホン少年・ニーソックス美少女・読書眼鏡ポニテっ娘・主人公の悪友ポジション・奇術使い・戦争の遺恨・留学生・バトルetc...

野良猫技師
「野良猫技師」1000円
B5/138P/オンデマンド印刷/フルカラー表紙
読みきり短編漫画6本収録
少年・青年向け
<含まれる要素>
幼女・少女・おっさん・兄さん・眼鏡・巫女・ゴスロリ・妖精・踊り子・ハーフ・年の差・昆布・エレキギター・流星群・ラジオ・アイヌ・洗脳・ヒゲ・代筆屋・現代日本・20世紀初頭フランス・函館・異世界・学校・SF・ファンタジー・コメディ・ほのぼの・シリアス・ダークetc...
  1. 2008/11/14(金) 20:28:56|
  2. 同人誌・オフライン

サマセット・モーム「月と六ペンス」

月と六ペンス (光文社古典新訳文庫 Aモ 1-1)月と六ペンス (光文社古典新訳文庫 Aモ 1-1)
(2008/06/12)
モーム

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【あらすじ】
チャールズ・ストリックランドは、今では誰もが認める偉大な画家である。
作家の「私」が、初めてストリックランドと会ったのは、夫人に招待された晩餐会であった。
ストリックランドは、株式仲買人をしており、取り立てて特徴のない男だった。
そんなストリックランドが、突然家出をした。
妻ではない女と一緒にパリに行ったという。
「私」は、ストリックランドを探しに行った。

【途中まで、ネタバレなし感想】
画家ストリックランドのモデルは、ポール・ゴーギャンですが、両者には相違点が多いため、ストリックランドの生き方は、モームの創作だと言われています。

前置きとして、ストリックランドの偉大さと、性格の規格外である様が書かれていました。
本文で、ストリックランドが登場した時、彼と気づきませんでした。
前置きとのイメージが違いすぎたからです。(名前がちゃんと頭に入っていなかったせいもありますが。)

巻末解説によると、タイトルの「月」は理想を「六ペンス」は現実を表しているそうです。
作者のモームが同性愛者だったのには気づきませんでしたが、この人は女が嫌いなのか?なんか恨みでもあるのか?とは少し思いました。

【以下、ネタバレあり感想】
【“サマセット・モーム「月と六ペンス」”の続きを読む】

テーマ:感想 - ジャンル:小説・文学

  1. 2008/11/14(金) 19:27:55|
  2. 読書感想文(小説)

奥田英朗(おくだひでお)「ララピポ」

ララピポ (幻冬舎文庫 お 13-2)ララピポ (幻冬舎文庫 お 13-2)
(2008/08)
奥田 英朗

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【あらすじ】
対人恐怖症のフリーライター杉山博は、上の階のホスト風男性と、彼が連れ込んだ女性の性交渉を盗聴をして、自慰行為にひたっていた。
杉山他、複数の人物が主人公の短編が続き、それぞれの話がリンクしている。
読み進めると、各登場人物の素性が分ってくる仕組みになっており、連作短編、もしくは、群像長編と言える。
全6話。

【途中までネタバレなし感想】
以前、劇団ひとりの「陰日向に咲く」の感想を見て回っていた時に、「同じ手法の作品だと●●●●の『□□□□』が良く出来てた」という意見を見ました。
十中八九、それが本作「ララピポ」です。
本屋で作者名とタイトルを見て、これが「陰日向に咲く」と同手法のあれかもしれん…、と思い購入しました。

裏表紙のあらすじは、ちょっとネタバレしてます。
最終話にならないと判明しない事実まで、サラっと書いてあるので。

全話が性的なストーリーでした。
しかも、耽美でも芸術的でもないタイプの下世話なエロです。
映画化してるそうですが、これを映像でやるとR15かR18くらいになるのではないでしょうか。

登場人物が皆、性欲強すぎです。老若男女問わず。
これだけ欲求が強かったら、満たされない場合さぞかし辛いでしょうね。

誰かと誰かの人生が、どこかで交錯している様子が描かれているので、人間一人ぼっちでありつつ、繋がりあっている安心感がありました。
町で一瞬すれ違っただけの人にも、それぞれの人生があるんです。

負け組で下流な人間が大集合なお話でした。
恋愛感情を全く伴わない性行為が複数回描かれていたりして、心をどこかに置き去りにしてる感がありました。
その割には、暖かさも感じる小説でした。

【以下、ネタバレあり感想】
【“奥田英朗(おくだひでお)「ララピポ」”の続きを読む】

テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学

  1. 2008/11/10(月) 20:48:07|
  2. 読書感想文(小説)

小畑健先生が描いたゼラとジャイボが美しい

マンガ・エロティクス・エフ vol.54マンガ・エロティクス・エフ vol.54
(2008/11/06)
古屋 兎丸中村 明日美子

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今月のエロティクスFには、小畑先生の描いた「ライチ☆光クラブ」ポスターと、古屋兎丸先生の描いた「バクマン。」ポスターがついてました。

小畑先生と古屋先生の対談が載ってました。

小畑先生は、「ストップひばりくん」が好きだったそうです。
古屋先生も画集の中で、ひばりくんが好きで、ああいう学校生活に憧れて私服の高校に行ったとおっしゃっていたと思います。
ひばりくん大人気。女装ホモショタ漫画大人気。

小畑先生がカブラペン使ってるとは…。「バクマン。」だと、カブラじゃなくてGペン使えみたいな感じですけどね。
ちなみに、冨樫先生もカブラペンを使用してるそうです。ジャンプ巻末コメントで、「バクマン。」内のキャラクター川口たろう先生(サイコーのおじさん)に向けて書いてました。

小畑先生が、ナイフ所持で逮捕された時のエピソードを語ってました。
小畑先生、見た目がカタギっぽくないから…。

対談後の古屋先生のコメントで気になった点。
「L座りの小畑先生に萌えた。」
萌えたんか。

古屋作品人気投票1位は、漆黒の薔薇なあの人でした。

今回のFで気に入った漫画は、以下の感じ。どれも初めて読みました。

「終わりと始まりのマイルス」鬼頭莫宏 明るい変態
「回遊の森」灰原薬 このおじさんロリコンなの?違うの?
「ケーキを買いに」河内遥 関根くんってデブ専の素質あるね
  1. 2008/11/09(日) 19:07:51|
  2. 雑記

オスカー・ワイルド「ドリアン・グレイの肖像」

ドリアン・グレイの肖像 (光文社古典新訳文庫)ドリアン・グレイの肖像 (光文社古典新訳文庫)
(2006/12/07)
ワイルド

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【あらすじ】
画家のバジル・ホールワードは、美青年ドリアン・グレイに魅了され、彼をモデルに肖像画を描いた。
バジルの友人、ヘンリー卿は、ドリアンに美と若さの素晴らしさと儚さを説いた。
影響を受けたドリアンは、年を取らない自分の肖像画を妬んだ。そして、絵が変わっていき、自分はこのままの姿でいられたらと願った。

【途中まで、ネタバレなし感想】
解説によると、この作品は、ワイルド唯一の長編だそうです。

第一章開始20ページ以内からして、名言っぽいものがわんさかでした。
物語が動き出す前から、作者の思想そのものが面白かったです。
序盤で、特に印象に残ったのは、以下の部分です。

「笑いで友情が始まるのは、なかなか悪くないね。そして笑いで友情が終わるのはもっといい」
「人間はみな自分と同じ欠点を持つものに耐えられない」
「良心と臆病は同じものさ」

過去に読んだいくつかの小説で、良心と臆病の類似性が示されていました。
しかし、ここまではっきりと書いてあるのは初めて見ました。

画家バジルの、ドリアン・グレイへの思い入れや崇拝ぶりが凄いです。
ドリアン・グレイを自分の芸術の全てだと言い切ったりしていました。
あらすじを読んだ限り、バジルが主人公の物語になるのだと思っていましたが、実際には彼の登場場面は少なく、ドリアンがメインでした。

日本・ジパング・和紙・東京など、日本に関する言葉がちょくちょく出てきました。
作者のワイルドは、日本に関心があったのでしょうか。

ドリアン・グレイというキャラクターが単体で、映画に登場したようです。私は、未見です。
【以下、ネタバレあり感想】
【“オスカー・ワイルド「ドリアン・グレイの肖像」”の続きを読む】

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

  1. 2008/11/08(土) 18:44:02|
  2. 読書感想文(小説)

有栖川有栖「月光ゲーム Yの悲劇'88」

月光ゲーム―Yの悲劇’88 (創元推理文庫)月光ゲーム―Yの悲劇’88 (創元推理文庫)
(1994/07)
有栖川 有栖

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【あらすじ】
有栖川有栖所属の英都大学推理小説研究会は、キャンプの為、矢吹山に登った。
そこで、他の大学の学生達と知り合いになった。
第一の殺人が起こった時、被害者は「Y」という文字を残していた。
火山の噴火により、学生達は下山できなくなってしまった。
探偵役は、江神二郎。

【ネタバレなし感想】
作家アリスものは、数冊読みましたが、学生アリスものは初めてでした。

「登場人物多っ!」というのが第一印象でした。

ルナこと深沢ルミが、ちょっと電波さんでした。
突然「クンダバファー」とか言い出して、何事かと思いました。
「人は月のため労働しているが、それがあまりにつらいから、天使達は人間に幻想を見せる。」というような論理らしいです。
オカルト本でも読んで、そういう思考になったのでしょうか。

ダイイングメッセージ、クローズドサークル、作者から読者への挑戦状、犯人はこの中にいる、解決編といった要素から成り立つ、本格ミステリというやつらしいです。
どこかで読んだ「本格」の定義には、「読者に対してフェアであるかどうか」というのが含まれていたと思います。
この作品は、終盤に挿入されている挑戦状手前までに、推理に必要な全ての要素が出揃っていました。
確か、ホームズあたりだと、探偵の推理・解決編の途中で新たな手がかりが提示され、読者には推理をしようのない話があるんですよね。そんなの聞いてないよって言うヒントが後出しされるという。

登場人物は、皆関西弁でした。

「俺以外の人間は本当に存在するのか?自分以外は役者で、出番が済んだら幕の袖で談笑しているんじゃないか?」という考えに陥っていたキャラクターが出てきます。
そういう妄想に取り付かれる人って結構いるらしいですね。作中でも「月並みな空想」と言われていますし。
上記のセリフをリアルにやってしまったのが、映画「トゥルーマン・ショー」です。

この本の中には、本文の他に、写真や図も登場します。

自分では、全く真相を読めませんでした。
自力での推理を放棄して、解決編を読みました。

テーマ:ミステリ - ジャンル:小説・文学

  1. 2008/11/05(水) 19:50:51|
  2. 読書感想文(小説)

ティアズマガジンVol.86のP&Rで紹介していただきました

コミティア86(COMITIA86)のカタログであり、また雑誌でもあるTia's MAGAZINEの「PUSH&REVIEWジャンル別同人誌紹介」p15で、うちの既刊「野良猫技師」と「アイロス・ブラントの学園生活」の2冊を紹介していただきました。
ジャンルは、「少年まんが」です。

ティアズマガジン発売店一覧は、こちら。(公式ページ内)

引用されてるカットは初版時のもので、第2版に向けて描き直したくらい絵のヘボいコマでした。
よりにもよってそこか!
でもまぁよし!描き直した後の絵も変だし。
ご紹介ありがとうございました!大変嬉しいです。

既刊本の販売価格を前回イベントより引き下げたのですが(オフセットからオンデマンドに変えた為)、ちゃんと反映されてました。
編集員の方が、このブログをチェックしてくださったのでしょうか。
ありがたや!

新刊等の情報につきましては、こちらのエントリーでご確認下さい。
サークルカットは、ティアマガp175にあります。髭と眼鏡の男二人。花がない!

ちなみに、ティアマガP44にタイムレコーダー擬人化ネタで載りました。
これはひどいイラストだ。字も汚いし。

テーマ:同人活動日記 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2008/11/04(火) 19:40:11|
  2. お知らせ・宣伝

小川洋子「ブラフマンの埋葬」

ブラフマンの埋葬 (講談社文庫 お 80-2)ブラフマンの埋葬 (講談社文庫 お 80-2)
(2007/04/13)
小川 洋子

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【あらすじ】
音楽家、絵画、カメラマン、舞踏家など、様々な創作活動に打ち込む芸術家に仕事部屋を提供している<創作者の家>管理人の「僕」は、怪我をした野生動物の子供と出会う。
「僕」は、<創作者の家>に出入りしている碑文彫刻師により、サンスクリット語で「謎」を意味する言葉を教えてもらい、それを動物の名とした。「ブラフマン」。

【途中まで、ネタバレなし感想】
ブラフマン以外、固有名詞が出てきません。
主人公の「僕」も碑文彫刻師も雑貨屋の娘もホルン奏者も、名前が一切書かれないのです。
また、町の名前も分りません。

最初、日本の話だと思っていたのですが、棺を川に流し、それを引き上げ石棺に入れる「埋葬人」という仕事が出てきたので、舞台は外国なのだと思われます。
「古代墓地」の様子も、日本のそれとは様子が違いますし。
どこの国かは分りません。

<創作者の家>管理人の仕事は、大変そうですが、魅力的です。
自分が管理人になりたいわけではありませんが、<創作者の家>の描写を見ているのが楽しかったです。
各芸術家にとっても、「僕」にとっても、互いに刹那的な関係であるように思われました。
22ページの「バイオリンの音は風と一緒に流れ去り~風と林と光だけだ。」の所がまさにそれを象徴しているようでした。
その部分の文章がとても綺麗です。

ブラフマンが何の動物なのかは、最後まで明かされませんでした。
犬かと思って読み始めましたが、水かきがついてるとのことで違いました。
泳ぎが得意なので、カワウソかなんかでしょうか。
もしかしたら、架空の動物なのかもしれません。

【以下、ネタバレあり感想】
【“小川洋子「ブラフマンの埋葬」”の続きを読む】
  1. 2008/11/04(火) 06:30:06|
  2. 読書感想文(小説)

桜庭一樹「ブルースカイ」

ブルースカイ (ハヤカワ文庫 JA)ブルースカイ (ハヤカワ文庫 JA)
(2005/10/07)
桜庭 一樹

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【あらすじ】
西暦1627年、ドイツのレンス、ライン川沿いの水車小屋に、10歳の少女マリーと祖母が住んでいた。
広場で、若い修道士が叫んだ。「バビロニアで<アンチ・キリスト>が生まれた!終末の日は近い!」
レンスの町で、魔女狩りが始まった。

【途中まで、ネタバレなし感想】
3部構成です。
少女とは何か、考えさせられます。

「少女」「ゴシック」「崩壊」「セーラー服」に特別な感情を抱いている人にオススメの一冊です。

【以下、ネタバレあり感想】
【“桜庭一樹「ブルースカイ」”の続きを読む】

テーマ:感想 - ジャンル:小説・文学

  1. 2008/11/03(月) 17:42:13|
  2. 読書感想文(小説)

中島らも「今夜、すべてのバーで」

今夜、すべてのバーで (講談社文庫)今夜、すべてのバーで (講談社文庫)
(1994/03)
中島 らも

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【あらすじ】
35歳の小島容(いるる)は、アルコール中毒で倒れ、入院することになった。
検査と断酒の日々。
病室には、個性的な面々がいた。

【途中まで、ネタバレなし感想】
アル中、薬物依存に関する文献を多数参照・引用しているため、読むとそれらに詳しくなれる、かもしれない一冊です。

主人公の小島は、フィクションのキャラクターですが、著者中島らもの体験が色濃く反映されてそうです。
物書きであることも、酒にとりつかれているところも、検査の詳細も。

「アル中地獄」という本が引用されてました。
断酒による禁断症状が、アル中患者本人によって書かれたものなのですが、不謹慎にも笑えました。
自分の頭が破裂して、その脳細胞を拾い集めるという幻覚症状が出たのです。
「右後頭部の細胞が一番大事」とか意味が分りません。
最後のパーツが見つからなくて絶望していると、他の患者が「トイレの前に落ちとるぞ!」と言いました。
実際トイレの前にパーツがあったので、それを頭に嵌めたが、またしても脳がバラバラになり、泣きながら失神した、というのです。
ちゃんと他の人に言われた通りの幻覚が見えるものなのですね。
なんだか、インタラクティブです。
幻覚に付き合ってやる周りの患者の様子が微笑ましいです。

アル中というのは、「酒が美味くて仕方ない」と言う人がなるのだと思っていましたが、違うようです。
料理と共に酒の味を楽しみ、ほろ酔い気分を良しとする人は、アル中になりにくいのだと言います。
なりやすいのは、薬として、道具としてアルコールを摂取している人で、例えば、寝るために酒を飲む、などという習慣があると、危険なのだそうです。

ドラッグの話も多く、広い意味で何かに依存することについて描かれていました。
中毒(アディクト)、依存症(ワーカホリックを含む)と絡めて、アル中というものを理解しようとしていました。

小島が、アル中になりかけの頃から、アル中に関する文献を漁り、それらを肴に酒を飲んで、立派なアル中になったというのが面白いです。
アル中に関する知識が豊富にあってもなってしまうという。

アル中患者や薬物中毒者は、死にベクトルが向いているという印象を受けました。慢性自殺だという説も紹介されてましたし。
前後不覚になるまでラリっていたエルビス・プレスリーは、「みじめな状態でいるよりは、意識を失っていた方がマシだからね」と言ったそうです。
大人気スターなのに苦悩があったのでしょうか。

アルコールにより引き起こされた病気、肝臓の変化など肉体面のことも書かれていましたし、どういう心境で、どういった環境で、どういった性格の人がアル中になっていくのかという、精神面のことも書かれていました。

小島が、死んだ親友と寺にいて、腔腸動物の香腺液の結晶(賢者の石)を湧き水に落とし飲むという夢を見たのですが、その味の描写が滅茶苦茶美味しそうでした。
それが酒なのだと判明するのですが、酒の嫌いな私でも「それなら飲んでみたい」と思わされました。

小島が入院して断酒してから、徐々に食欲が復活してくるのですが、食べるということ行為がとても大切で、人生の楽しみの一つなのだと改めて感じました。

【以下、ネタバレあり感想】
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テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学

  1. 2008/11/01(土) 21:18:01|
  2. 読書感想文(小説)

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