野良箱

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筒井康隆「ヘル」

ヘル (文春文庫 つ 1-14)ヘル (文春文庫 つ 1-14)
(2007/02)
筒井 康隆

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読後、本が行方不明になったので、あらすじは後で書きます。多分。

【ネタバレなし感想】
地獄、というかヘルの話でした。
死んだ人達が行くところです。

一般的な地獄のイメージ(針の山、血の海)などとは全く異なり、現実の世界とほとんど変わりません。
空港があり、飲食店があり、橋があります。
神の不在がヘル、今の日本はヘル状態、ならしいです。
だから、現実と大差ないのでしょうか。

誰かがヘルに来た場面が書かれていても、いつ死んだのかその瞬間が分りません。
ゆるーっと、にょにょーっとヘルの世界に以降しているのです。

生きている人の夢はヘルに繋がっているらしいです。
なので、ヘルにいるのは、死者だけではないのです。
ヘルでは、なぜかものの値段を知っている、考えが全て相手に通じてしまう、など夢っぽいことがよく起こります。

ものすごく痛そうな拷問シーンがありました。ぎゃあーーーー!
あと、エロとか下品とかもありました。

物語の場所も時系列もバラバラでしたが、ちゃんと連続していました。
連続しすぎて、過去と現在、ヘルと現世、夢と現実がマーブル模様のように混ざり合っていました。

巻末に対談とインタビューが載っています。
それを知らずに読んでいたので、まだまだページがあると思ってました。
なので、え、ここで終わり!?という感じでした。
ヘルの管理組織は本当にあるのか、あるのなら、どのようにヘルを運営しているのか気になります。

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  1. 2008/07/25(金) 23:22:14|
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本間裕・編「超短編アンソロジー」

超短編アンソロジー (ちくま文庫)超短編アンソロジー (ちくま文庫)
(2002/09)
本間 祐

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【概要】
古今東西の小説・神話・落語・日記・詩・小噺等の中から、超短編と呼べそうな作品を集めた本。
1編の長さは、一行から3〜4ページ。

【感想】
超短編は、短編小説やショートショートとは異なり、落ちに頼らず詩的だというのです。

この本の収録作品は、はじめから超短編として書かれたものは少なく、何かの作品の一部が独立して紹介されているものが殆どのようです。

1篇引用してみます。
以下、ルナールという人の「蛇」という超短編です。

「長すぎる。」

以上です。
短すぎる。

太宰治作品が、嘘蓄(嘘の薀蓄)とかガセビアみたいで面白かったです。
本当より嘘の方がそれらしくて、危うく信じてしまいそうになりますね。
最後まで読んで、漫画「24のひとみ」のひとみ先生を思い出しました。

桂枝雀の落語「定期券」が気に入りました。
シュールです。

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  1. 2008/07/23(水) 04:33:08|
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乙一「夏と花火と私の死体」

夏と花火と私の死体 (集英社文庫)夏と花火と私の死体 (集英社文庫)
(2000/05)
乙一

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乙一が16歳の時に書いたデビュー作。
ジャンルとしては、ホラーもしくはミステリーらしい。
表題作他、1篇収録。

【あらすじ】
「夏と花火と私の死体」
九歳の夏休み、少女五月は死体になった。
五月の友達で同級生の橘弥生と兄の健は、五月の死体を隠す。
何度も大人達に見つかりそうになる死体。
一方、近辺では、児童が行方不明になる事件が多発しており、連続誘拐事件なのではないかと噂されていた。
物語は、死んだ五月の一人称で語られる。

「優子」
鳥越家で住み込みとして働く清音は、主人の政義の妻である優子を一度も見たことがなかった。

【途中まで、ネタバレなし感想】
読みやすかったし、おもしろかったと思います。

「夏と花火と私の死体」
タイトルの「私の死体」というのが気になって、あらすじも読まずに買いました。

なるほど、確かに、「わたし」こと五月が「わたしの死体」について語っています。
しかし、完全に死体視点というわけではありません。
死体から離れた場所での橘兄妹や、橘家の親戚緑さん等について、五月の言葉で書かれており、視点は拡散しています。
あとがきの解説では、五月が死んで神の視座を上ったとされていました。

舞台の状況説明やキャラクター付けの為だけに出てきたと思われた幾つかの事柄が、後ほど登場する伏線になっていました。

最後の箇所を読むまで全く結末を予想できませんでした。

「優子」
これは、余裕で先がよめるぜーと思って読んでたら、まったく読みきれていませんでした。
思いっきりミスリードしました。

【以下、ネタバレあり感想】
【“乙一「夏と花火と私の死体」”の続きを読む】
  1. 2008/07/19(土) 00:48:13|
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パウロ・コエーリョ「アルケミスト 夢を旅した少年」

アルケミスト―夢を旅した少年 (角川文庫―角川文庫ソフィア)アルケミスト―夢を旅した少年 (角川文庫―角川文庫ソフィア)
(1997/02)
パウロ コエーリョ

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【あらすじ】
羊飼いの少年サンチャゴは、アンダルシアからエジプトに向かい旅に出た。
それは、ピラミッドのそばで宝物を見つけるという夢を見たからだ。

【ネタバレなし感想】
アルケミスト=錬金術師です。
錬金術の極意や真意について、色々書かれていました。

「大いなる魂」「前兆」などの言葉が何度も出てきました。

「おまえが誰であろうと、何をしていようと、おまえが何かを本当にやりたいと思う時は、その望みは宇宙の魂から生まれたものなのだ。それが地球におけるおまえの使命なのだよ。」

「おまえが何か望めば、宇宙のすべてが協力して、それを実現するように助けてくれるよ。」

等価交換の話も出てきました。

「人生の全てには対価が必要だ」

実際、主人公は、何度も何かを失い、代わりに何かを手に入れます。

錬金術に触れた本はいくつか読みましたが、今のところこれが一番「鋼の錬金術師」(ハガレン)に近いです。
真理の扉は出てこないけど、それに似たものを感じます。

「少年は大いなる魂に到着し、それが神の魂の一部であることを知った。そして、神の魂はまた彼自身の魂であることを悟った」

夢(寝ている時に見るアレではなく、将来のやりたい事という意のアレ)に関する名言がわんさかでした。

「ではどうしてメッカに行かないのですか。」と少年がたずねた。
「メッカのことを思うことが、わしを生きながらえさせてくれるからさ、そのおかげてわしは、まったく同じ毎日をくり返していられるのだよ。
(中略)
わしはただメッカのことを夢見ていたいだけなのだ。わしはな、砂漠を横切ってあの聖なる石の広場に着いて、その石にさわる前に七回もそのまわりをぐるぐるとまわるようすを、もう千回も想像したよ。
(中略)
でも実現したら、それが自分をがっかりさせるんじゃないかと心配なんだ。だから、わしは夢を見ている方が好きなのさ」

「人は、自分の一番大切な夢を追求するのがこわいのです。自分はそれに値しないと感じているか、自分はそれを達成できないと感じているからです。」

「夢を追求している時は、心は決して傷つかない。」

「夢を追求する一瞬一瞬が神との出会いだ」

果たして少年は、宝物を見つけられるのか。
最終ページ付近まで、結末がどう転ぶか分りませんでした。

主人公同様、期待と不安が入り混じってしまいました。

解説によると、「アルケミスト」は、「星の王子さま」に並び称されるほどの賞賛を浴びた作品だそうです。
少し童話調なので、少年少女にお勧めの一冊ですが、夢を忘れて久しい人や、日常に忙殺されている大人が読むのも、これまた味わい深いと思います。

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

  1. 2008/07/15(火) 22:28:53|
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アーロン・J・クライン「ミュンヘン 黒い九月事件の真実」

ミュンヘン―黒い九月事件の真実 (角川文庫)ミュンヘン―黒い九月事件の真実 (角川文庫)
(2006/02)
アーロン・J. クライン

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【あらすじ】
一九七二年ミュンヘンオリンピックで、イスラエルの選手団が、パレスチナ人テロリストに殺された。
「タイム」誌のイスラエル特派員が取材した、ノンフィクション。

【感想】
ミュンヘンでの虐殺については、本の前半部分で書かれています。
残りの部分は、さらなるテロを防止するための報復行為・暗殺について書かれていました。

PLO、ファタハ、モサドなどの組織が出てきました。
ニュースでその名称を聞いたことはありましたが、どちらがイスラエルで、どちらがパレスチナなのかは、この本を読んで知りました。

日本赤軍の話が何度か出てきました。
日本赤軍がイスラエルの空港で一般旅行者を大量殺害したらしく、パレスチナ側には仲間だと思われているようなのです。

ミュンヘンの悲劇は、未然に防げた可能性があったんですね。
人為的なケアレスミスの積み重ねで、この惨事になってしまったようです。
武器の運び屋が、空港を通れてしまったところは、かなりずさんだと感じました。
トランク4個中、1個が下着類で、係員はそれしか確認しなかったのです。
残り3個のトランクには、武器が入っていました。

AK−47という銃が何度も登場しました。

暗殺方法って色々あるんですね。
好物にウィルス仕込むとか、手紙爆弾とか、遠隔操作で爆殺とか。

自分のボディガードに殺されてしまった人がいました。
仲間だからと油断できないのですね。

暗殺対象と間違われて殺されてしまったモロッコ人が可哀想でした。
人違い殺人をしてしまった側にもダメージが残ったようです。

パレスチナ人がもともと住んでいた所に、「この土地は、二千前に先祖が約束の地として暮らしていたんだ」とユダヤ人が先住権を主張して流入してきたというのが、パレスチナ・イスラエル問題ならしいです。
そして、そのユダヤ人は、ナチスに迫害されてやってきたらしいのです。
誰が正義で誰が悪なのか、誰が加害者で誰が被害者なのか、大変複雑です。

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  1. 2008/07/13(日) 23:58:28|
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パウロ・コエーリョ「悪魔とプリン嬢」

悪魔とプリン嬢 (角川文庫)悪魔とプリン嬢 (角川文庫)
(2004/09)
パウロ コエーリョ

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【あらすじ】
田舎町ヴィスコスに異邦人がやってきた。
異邦人は、「われわれは誘惑に屈する機会をあたえられれば、遅かれ早かれ必ず誘惑に屈する、というのが私の発見した真実だ。条件さえ整えば、地球上のすべての人間がよろこんで悪をなす」と言う。
異邦人は、ホテルのバーで働いているシャンタール・プリン嬢に純金を見せ、「七日の間に町の誰かが死体になれば、金が住民皆のものになる、つまり、『汝、殺すべからず』の戒めを破り、犯罪を犯して欲しいのだ」と持ちかける。
殺しをするのは、町の誰であっても構わないし、殺す対象も誰でもいい。
「世界の全てが悪なのだと分れば、異邦人のくぐった悲劇は正当化される」とプリン嬢は言う。
人間は、善なのか悪なのか、その賭けの行方は。

【ネタバレなし感想】
善と悪ということについて、描かれています。

レオナルド・ダ・ヴィンチが、「最後の晩餐」を描いた時のエピソードは実話なのでしょうか、創作なのでしょうか。
イエスとユダのモデルが同じ人物だというのです。(イエスのモデルを務めた時から、ユダのモデルを務めるまでの3年間で、すっかり落ちぶれて別人のようになってしまった。)
善と悪は、表裏一体で、同じ顔を持っているのだという意のことが書かれています。

作中に登場する、「呪われた狼」は、何を象徴しているのでしょうか。
現れたタイミング的に、善・良心・罪への恐怖・臆病さの内のどれかだと思うんですが。
「呪われた狼」という言葉のイメージでは、悪って感じなんですけどね。

異邦人に取り付いた悪霊は、次のように言います。
「善は存在しない。徳というのは恐怖の顔の一つでしかない」

人生について、人間の心理について、心に刻んでおきたい良い感じの文章がいくつも含まれていました。

訳者あとがきによると、アフロ・ブラジル系の宗教、福音主義的新派閥のキリスト教、新興宗教の信者が増えているブラジルにおいて、作者は、マリア信仰を奉じているのだと言います。
  1. 2008/07/06(日) 21:54:38|
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唐沢俊一「裏モノの神様」

裏モノの神様 (幻冬舎文庫)裏モノの神様 (幻冬舎文庫)
(2005/10)
唐沢 俊一

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Uramono no Kamisama
【概要】
週刊アスキーに連載されたコラム。

KとU(神様)の対談形式になっている。

題材は、呪術、コミケで逮捕、猟奇事件、胎盤ドリンク、B級特撮映画、ベジタリアン、交通事故実験用ダミー人形のマスコット、セクシャルマイノリティー、水虫…など、「裏」な事柄。

【感想】
上の概要に書くことも憚られるような、下ネタの多い本でした。
下品なものが嫌いな人は、読まない方が吉です。

O崎K子(文脈から言って岡崎京子だと思われる)ファンにはお勧めできない一冊。
読んでもいいけど、著者に殺意を抱く可能性あり(?)。

著者は、「三島由紀夫 剣と寒紅」(三島の恋人男性が書いた本らしい)を読んで、三島の言動に大爆笑し、政界やおい漫画を読んで大笑いしたそうです。
色々な事柄を、笑い飛ばし、面白がっています。

が、hideとねこぢるの件については、結構神妙な感じで書かれているように思われました。

所々、エヴァンゲリオンの話題が出てました。
「綾波はじめました」という貼り紙の噂は、私もネットで目にしたことがあります。

テーマ:読んだ本 - ジャンル:本・雑誌

  1. 2008/07/03(木) 19:52:25|
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北森鴻「花の下にて春死なむ」

花の下にて春死なむ (講談社文庫)花の下にて春死なむ (講談社文庫)
(2001/12)
北森 鴻

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【あらすじ】
ビア・バー「香菜里屋」(かなりや)マスター工藤が探偵役の連作短編ミステリー。
第52回日本推理作家協会賞短編および連作短編集部門受賞作。

「花の下にて春死なむ」…俳人・片岡草魚が自室で死んだ。部屋の中では、季節はずれの桜が咲いていた。
「家族写真」…駅に設置された、貸し出し・返却自由の本棚の複数の本に、同じモノクロ写真が挿んであったという。
「終の棲み家」…カメラマン・妻木信彦の個展ポスターが、何者かによって全て剥がされてしまった。
「殺人者の赤い手」…赤い手の魔人が子供を襲うという怪談が流行っている。
「七皿は多すぎる」…回転寿司で、鮪ばかり続けて7皿食べた男の真意とは。
「魚の交わり」…かつて、放浪の俳人・片岡草魚と接点を持ったらしい女性がいた。

【ネタバレなし感想】
タイトルは「はなのもとにてはるしなむ」と読みます。

ビア・バー「香菜里屋」には、推理好きが集まっています。
あとがきの解説には、「安楽椅子探偵」ものであり「推理クラブ」ものであると書いてありました。

小さな日常ミステリーといった感じでした。
物語の舞台が日本中に散らばっているとはいえ、最終的にはビア・バー「香菜里屋」内が中心となって話が進みます。

どんでん返しの要素があって面白かったです。
ヒントがちりばめられているのに、自力では、真相にたどり着けませんでした。

登場する料理がおいしそうです。
が、私はビールが飲めないので、「香菜里屋」が実在しても、行けそうにありません。

多岐に渡って取材しないと、書けなそうなお話でした。
ビア・バー「香菜里屋」シリーズは、あと2冊出ているそうです。
  1. 2008/07/03(木) 07:04:08|
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アンドレ・ブルトン「黒いユーモア選集2」

黒いユーモア選集 2 (2) (河出文庫 フ 7-2)黒いユーモア選集 2 (2) (河出文庫 フ 7-2)
(2007/08)
アンドレ・ブルトン

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【概要】
シュルレアリスムの先導者、アンドレ・ブルトンが、精神分析学に基づき、様々な人物の小説・戯曲・詩等を集め、説明・紹介したアンソロジー。

【ネタバレなし感想】
なんでいきなり「2」なんだと思われるかもしれませんが、「1」も買ったのですよ。
ですが、「1」は読んでる途中でなくしてしまったのです。
なので、「2」の感想だけ書きます。

この本は、すごく難しかったです。難解!

紹介されている個々の作品は、「黒い」「ブラックだ」「毒がある」ということは理解できるのですが、どの辺が「ユーモア」なのか分りづらいものが多かったです。

そもそもこの本が定義している「ユーモア」が難しいんです。
以下、引用。

『ユーモアとは、自我が非常に悪い立場に置かれている時に、超自我に結びつく快楽の原理が、自我に結びつく現実の原理に対して行う一つの復讐である。』

む、難しいーーーー!
何言ってんだアンドレ。

素直に面白いと思ったのは、次の部分です。

『われらは自由兵、やって来るのは伍長殿。―自由バンザイ、バンザイ、バンザーイ!われらは自由兵。―忘れてはならないわれらの義務、それは自由でいることだ。もっとゆっくり行こう、でないと時間どおりに着いてしまう。自由、それは断じて時間どおりに着かないってこと―断じて、断じて!われらが自由の教練のため。そろって不服従だ…いや、そろってではないぞ!』

ピカソの書いたらしい文章が凄まじいです。
絵だけでなく、文章でも食べていけたんではないでしょうか。
たいへん個性的です。

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  1. 2008/06/30(月) 19:35:28|
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伊集院静「眠る鯉」

眠る鯉 (文春文庫)眠る鯉 (文春文庫)
(2005/12)
伊集院 静

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短篇集
【あらすじ】
花いかだ…守口喜一郎は、三十八年勤めた会社から、元会長の妻が危篤だという電報を受けた。
川宿…十五年前に鍛冶屋を廃業した斉藤清次は、画家の小嶋治輔に絵を習う。
う八…真次郎のは、背中を黒紫の斑に覆われ、死を感じた。
しぐれの実…祖父の一年目の命日に、祖母が亡くなった。
時計の傷…結婚五十五年目の夫婦の所に、孫から葉書が届いた。
ラビット君…四十四歳の那須征雄は、霧の中で、息子の幻を見た。
眠る鯉…池の岸で、重岡辰三、八十三歳の遺体が発見された。心臓麻痺だという。

【ネタバレなし感想】
登場人物の平均年齢が高いです。

七十歳越えの男性が、長年恋心を秘めていたり、昔の恋心を蘇らせたり、というストーリーが多めです。

「う八」は、最後にタイトルの意味が分るようになっています。

「ラビット君」は、ボクシングの話が出てくるので、他の作品とは毛色が違います。

「眠る鯉」の中で、若かりし頃の重岡辰三が「鯉になりたい」と一度だけ思う場面があるのですが、そこが印象的でした。

テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学

  1. 2008/06/26(木) 04:02:55|
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