野良箱

●WEB漫画●日記●読書感想●猫写真●昆布漁●

煙草を吸うお姉さん(チャイナ風)

16万ヒット記念絵 お団子 おだんご髪 喫煙女子 チャイナ服まがいのジャージ ノースリーブ

16万ヒットありがとうございました。
手ぇでかいですね…。全体的になんかゴツイです…。

テーマ:創作・オリジナル - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2009/07/04(土) 06:26:03|
  2. カラーイラスト
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

カミュ「異邦人」

異邦人 (新潮文庫)異邦人 (新潮文庫)
(1954/09)
カミュ

商品詳細を見る

【あらすじ】
ムルソーは、母親が死んだという電報を受け養老院に向かった。
門衛に勧められるまま、大好きなミルク・コーヒーを飲んだ。
埋葬の時には涙を流さなかった。
その翌日、海水浴に行き、恋人の女と関係を持ち、喜劇映画を見た。
ムルソーは、ある事件を起し、裁判を受けることになった。

【ネタバレなし感想】
「私」=ムルソーを女性だと思って読み始めました。
「主人」というのを、夫・旦那だと捉えてしまったのです。
実際には、仕事上の上司とか雇い主とかいう意味の模様です。

ムルソーが恋人のマリイとイチャついているシーンを読んでも、「夫がいるけど、女性も好きなバイセクシャル」なのだと勘違いしてました。

裁判は、ムルソーの引き起こした事件よりも、彼自身の在り方に焦点が当てられていました。

ムルソーも自覚していますが、彼は、気持ちや心より、肉体的な感覚や衝動で動くことの多い人物です。
「マリイを愛していて結婚したい」ではなく「彼女に欲望を感じる」、「母親が死んで悲しい」ではなく「葬式で疲れた、やっと寝れる」なのです。
著者解説を参照すると、ムルソーは、非人間的なのではなくて、自分に正直で、周囲の人に対して演技をしていないだけなのだと取れます。
果たしてそれが罪になるのか。って所が大事な話なのでしょう。

犯罪の理由を聞かれて「太陽のせいだ」と答えた。このやりとりはどこかで聞いたことがありますが、この物語が元ネタなんですかね。

サラマノ老人は、スパニエル犬に対してツンデレ過ぎると思います。
もう少し優しくしてあげても良いのでは。

最初の方は、「われわれは、●●した。■■が、●●とは見えなかった。私は、●●だと感じた。」という感じで文体が固く淡々としていて、これは、日本語版がやや直訳っぽいせいなのかと考えていましたが、後半、流れるような文章になっていたので、原文の雰囲気を活かして訳すとこうなるのかなと思い直しました。

裏表紙のあらすじは、結末までネタバレしてますので、初見の方は要注意です。

テーマ:感想 - ジャンル:本・雑誌

  1. 2009/07/04(土) 00:39:50|
  2. 読書感想文(小説)
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

浜田政彦「神々の軍隊VS国際金融資本の超暗闘」

神々の軍隊VS国際金融資本の超暗闘 国体=天皇を護る人々の聖なる敗戦 (5次元文庫)神々の軍隊VS国際金融資本の超暗闘 国体=天皇を護る人々の聖なる敗戦 (5次元文庫)
(2008/06/07)
浜田 政彦

商品詳細を見る

【概要】
日本を戦争に引きずり込んだのは誰だ!?
ニ・ニ六事件を起した青年将校、自衛隊駐屯地で自害した三島由紀夫。
彼等「神々の軍隊」は、天皇を中心とする神話国家、良き原理「国体」を護る為に決起した。

【ネタバレあり感想】
この本は、最近、ユダヤ陰謀論や天皇家=ユダヤ説、メソポタミアシュメール文明=日本同祖論、宇宙人関連に興味深々な、さる人(以下M)に頼まれて、私のAmazonアカウントで買った本です。
お陰で、Amazonからのおすすめが一変してしまいましたよ。

本の表紙とタイトルを見た感じ、「神々の軍隊」とは旧日本軍のことで、「天皇の為に人々が命を散らした戦争」を正当化したもの?という印象だったのですが、全ッ然違いました。

おおざっぱに言うと、「天照大神の子孫であるところの天皇を現人神とする、日本人の精神性が、国際金融資本と手を組んだ財閥による貨幣神話に取って代わられ、人間は、無気力・無感動な「ひと」という生き物に変わろうとしていた。
太陽であらせられる天皇様の周りを取巻く邪神(貨幣という記号)のスモッグを取り払わねばならぬ!
てな具合で、「神々の軍隊」が天皇の為に決起したのに、天皇に怒られてて反逆徒扱いされた挙句、軍上層部に処刑されちゃったよー!
「神々の軍隊」を失った日本は、全国民に天皇は現人神だ、お国の為に喜んで死ねと教育し、国際金融(ロックフェラーやロスチャイルド・フリーメイソンなど)に操られるまま、愚かな侵略戦争に突入してしまったのだ。天皇は神ではなく、政治の歯車として利用された。(これを「天皇機関論」と言い、神々の軍隊には我慢ならない思想だった。でも、天皇自身、機関論を支持していらっしゃった節があるらしい)」っていう筋でした。

最初ッから飛ばしてんなーという本で、割りとトンデモでしたが、読み物としては面白かったです。
「真っ白な車の中で三島の脳裏に浮かんだのは、遺作となった大作「豊饒の海」の第二巻、「奔馬」の一説だった」みたいな文章がバンバン出てきます。
そんなの三島本人にしか分らないじゃん!という事柄なのに、その決め付けっぷりが素晴らしいです。

「ある一人のお筆書きから始まった宗教が大きくなるが、不敬罪に当たらないよう、教義を国家体制に沿うものに修正した」というような部分があります。恐らく史実に基づいているのでしょう。ちょうど、これとほとんど同じ設定のフィクション小説を最近読みました。
この辺の時代背景を参考にしたのでしょうね。

「神話を失い、金が全ての世界だと、人々は無機質になってしまうよ。
自分達のルーツが農業の神様だと思うからこそ、お米を大事にするのに。」
といった事が書かれてましたが、んなことないですよねぇ。お米は普通に大事。
天皇を神として扱い直そうにも、各所から非難続出で無理っぽいです。

日本人が日本人である所以の神話を失ってしまった?
――ご安心を。
「日本書紀」や「古事記」に登場する神々は、漫画・ライトノベル・アニメに引き継がれてますので。
実体を持たない二次元美少女を崇める限り、日本は平和で安泰でしょう。多分。

5次元文庫の本をはじめて読みましたが、既刊紹介を見るにつけ、スピリチュアル関連以外は、Mが普段閲覧しているサイトと同系統の内容を扱ったラインナップのようですね。
その辺の領域好きに向けて作られた文庫なのでしょうか。
それとも、閲覧者に5次元文庫の本を買うよう仕向けているのが、Mお気に入りサイトの書き込みなのでしょうか。
「人間×宇宙×ai」で5次元らしいです。…3つしかないんですけど。あとの2次元は?
「人間」だけで3次元なのでしょうか。

テーマ:最近読んだ本 - ジャンル:本・雑誌

  1. 2009/07/03(金) 23:52:14|
  2. 読書感想文(小説)
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

COMITIA89(コミティア89)新刊サンプル

2009/08/23のティアで発行予定の新刊タイトルは、「報われない子供」です。
本文1ページ目が大体出来たので、UPします。
報われない02改定 8月コミティア 8月ティア

この後、ひたすら小学生女児の出てくる漫画になります。
1991年〜1998年くらいの話なので、プチレトロな感じになると思います。

委託スペースで申し込んだので、抽選で落ちる可能性が高いです。
落ちたら11月ティアで出します。

テーマ:創作・オリジナル - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2009/06/27(土) 00:38:17|
  2. WEB漫画
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

【無料Web漫画】ミガルガリ【第1話再更新中】

※第1話(修正版) 2Pまで更新しました。
(最終更新日 2009/06/25 17:40
ミガル扉絵四角1更新

【用語説明】
ミガル…人喰い種族 ネコミミとしっぽがある以外は人間と同じ姿をしている
ミガル狩り…ミガルを狩るハンター

【あらすじ】
元ミガル狩りの男バリーは、ミガルが絶滅したことにより職を失い、ホームレスとなった。
バリーがダンボールハウスの中で寝ていると、そこに花売り少女サリスがやってきて…。

第1話 NEW!
サーバから削除されたため、作画修正しての再掲載となります。
なお、元のセリフが分らないため、ネーム(テキスト)は原版と異なりますので、予めご了承下さい。
第2話 
第3話 完了
■第4話 準備中

【WEB漫画ランキング参加中です】
↓アイコンクリックで投票画面へ
 
  1. 2009/06/25(木) 17:41:55|
  2. WEB漫画
  3. | トラックバック:1
  4. | コメント:14

谷崎潤一郎「痴人の愛」

痴人の愛 (新潮文庫)痴人の愛 (新潮文庫)
(1947/11)
谷崎 潤一郎

商品詳細を見る

【あらすじ】
堅物会社員の河合譲治は、カフェ(今で言うキャバクラみたいなものらしい)で出会った15歳の美少女ナオミを、自分好みのハイカラで西洋風な女性に育て上げるため、同居することにした。
ナオミをいずれ自分の妻にするつもりで教育し、ついに結婚したのだが…。

【途中まで、ネタバレなし感想】
巻末の脚注解説には、物語のネタバレがあるので初見の方は注意して下さい。

脚注解説に、「谷崎潤一郎は足へのフェティシズム傾向が強かった」と何度もでてきて笑いました。
谷崎の別の小説では「女の足の形をした墓の下で、死んでも踏まれていたい」という意の文章があるそうです。
どんだけ足フェチでドMなんだよ!

「痴人の愛」の主人公譲治も、女性の足への強い執着があります。

大正時代に、水着跡萌えや剃毛萌え、チラリズムを描いています。これまた、フェチっぽいです。

15歳のナオミを洗ってあげたり、お馬さんしてあげたりしていました。
別にロリコンではないようです。より成熟した大人の美しい女性に仕立て上げたいのです。

ナオミという名前は、聖書か何かに出てくる女性の名前で、世界的なクリスチャンネームなのだそうです。

譲治は、西洋文化や、西洋人の女性に対する異常なまでの憧れを抱いています。
これは、作者の本心なのか、あくまでも譲治という人物のキャラ立てなのか分りません。

【以下、ネタバレあり感想】
【“谷崎潤一郎「痴人の愛」”の続きを読む】

テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学

  1. 2009/06/25(木) 02:32:50|
  2. 読書感想文(小説)
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

村上春樹「1Q84」(イチキューハチヨン)

1Q84 BOOK 11Q84 BOOK 1
(2009/05/29)
村上春樹

商品詳細を見る

1Q84 BOOK 21Q84 BOOK 2
(2009/05/29)
村上春樹

商品詳細を見る

【あらすじ】
「青豆」編
マーシャルアーツ・インストラクターの青豆(「あおまめ」という苗字。本名。女性。)は、タクシーに乗っていた。
車は、首都高速道路上で渋滞に巻き込まれてしまった。このままでは彼女の予定に間に合わない。
青豆は、タクシー運転手に教えられ、高速の非常階段を下りることになった。
「天吾」編
川奈天吾は、塾講師として数学を教えながら小説を書いている。彼は、新人賞の最終候補に残るも受賞歴はなく、未だデビューしていない。副業でライターもやっている。
ある日天吾は、担当編集の小松の画策で、新人賞に応募してきた17歳の少女「ふかえり」(本名は、深田絵里子。女子高生。)の小説「空気さなぎ」を書き直すことになる。
「空気さなぎ」は、あくまでもふかえり一人の作品として発表することになっている。

「青豆」編と「天吾」編が交互に展開される。

【途中まで、ネタバレなし感想】
最初の1ページ目だけで「ヤナーチェック」という作曲家の名前が4回も出てきて、何回言えば気が済むんだよ!とツッコミたくなりましたが、作者はあえてやっているんでしょうね。
ちなみに16Pでも「ヤナーチェック」が4回でてきます。
私が村上春樹作品を読むのは、まだ数作目です。
世の中には少なからず彼の文体が苦手だという言う人もいますから、そういった方が読んだら、冒頭で脱落してしまうかもしれません。
でも、そういうツッコミがいのある作品って好きです。

書店で目次をパラパラっと読んだ時「エッセイか?」という印象を受けました。
「見かけにだまされないように」「あなたがそれを望むのならば」
そういったサブタイトルが、小説ではないもののように感じられたのです。
サブタイトルは、その章に含まれる文から取られています。
まんまの時もあれば、表記や言い回しが変わっている時もあります。

「ふかえり」というキャラクターは、最初、「ライトノベルっぽい」と思いました。
ラノベはあまり知らないので、あくまでイメージ上の「ラノベっぽい」なんですけど。
彼女は、疑問文に「?」をつけないで喋ります。また、2つ以上のセンテンスを繋げて話すことは滅多にありません。読字障害があり、言葉にアクセントが不足しています。
「スウレツがすき」これで、「あなたは数列が好きなんですか?」という意味です。
見た目的には、胸の形の良い美少女とのことです。
芥川賞作家の綿矢りささんっぽい感じだろうかと想像しました。(彼女の顔はうろ覚えですし、まだその作品を読んだ事がありません。)
声は、「涼宮ハルヒの憂鬱」に登場する長門有希で脳内再生されました。
しかし、途中から、もう少し明るく高く幼い声に変化していきました。

全体としての感想は、「すごくすっきり、全てが分った!これが、こうなって、起承転結はこうだった!」という風に明確には理解できなかったのですが、しかし面白かったです。
読んでいる間中、続きが読みたくて堪りませんでしたし、読後も余韻が残りました。
深読みしがいのあるメタファーに溢れていたと思います。
作者の意図を全て汲み取るには、沢山の人の解釈を突き合せる必要がありそうです。

誰かと話をする時や、自分がなんらかの作品を創作する際に、引用したくなるような小説でした。

「自分は今30歳だけど、心の中には、10歳の姿をしたままの初恋の人がいる」という状況にすごく萌えました。
大人になり、沢山の人と男女の関係になっても、小学生時代好きな人から受けた強い印象、衝撃、そういったものが損なわれることなく輝き続けているというのは、好きなモチーフです。
おそらく、「本当にあの時誰かを好きだった」という記憶を抱えつつも、結局別の人とそれなりに付き合って結婚してしまうということは、非常に多そうな気がします。

私が好きだった「パイオニア・ピュアビジョン」のCMを思い出しました。
動画を発見できず記憶が定かではないのですが、俳優の津田寛治さん演じる眼鏡の男性「タカシ」が、部屋でDVDだかホームシアターだかを見ていると、いつの間にか木造校舎の小学校にタイムスリップしていて、成人の姿のまま、教室の席についている。当時好きだったと思われる赤いランドセルの少女が「タカシくん」と呼びかけ微笑む。そんな筋だったと思います。
過去も鮮やかに蘇るくらい、素敵な画質の「パイオニア・ピュアビジョン」をよろしく!って意味のCMなのでしょう。

作中、何度か出てきたジョージ・オーウェル作「1984年」に付きましては、こちらのエントリーで感想を書いています。
ジョージ・オーウェル「1984年」

登場人物が男女問わず「やれやれ」と言うのは、大変村上小説らしいです。
しかし、この作品でゴーストライターを扱っている為、「いかにも村上文学っぽい作品だけど、本当は別人が書いてたりしないよなぁ…?」と少し心配になりました。

服のブランド名や車種や店名、音楽の曲名、映画タイトル、書名など、やたら具体的な固有名詞が沢山でてきます。

最初、青豆という女性の服装描写がちょっと今時じゃないなぁと思いましたが、それもそのはず、舞台は1984年なのです。

未成年の飲酒や、様々な人の性描写が複数回出てきますので、青少年向け優良図書とは言えなそうです。むしろ、有害図書かもしれません。映像にしたら成人指定だと思います。もし全年齢対象に作ったら、重要なシーンが丸ごとカットになってしまいます。

【以下、ネタバレあり感想】
【“村上春樹「1Q84」(イチキューハチヨン)”の続きを読む】

テーマ:オススメ本 - ジャンル:小説・文学

  1. 2009/06/23(火) 20:32:36|
  2. 読書感想文(小説)
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

筑波昭「津山三十人殺し 日本犯罪史上空前の惨劇」

津山三十人殺し―日本犯罪史上空前の惨劇 (新潮文庫)津山三十人殺し―日本犯罪史上空前の惨劇 (新潮文庫)
(2005/10)
筑波 昭

商品詳細を見る

【あらすじ・概要】
昭和13年、22歳の都井睦雄(といむつお)が2時間で部落民31人を虐殺した「津山事件」。
当時の捜査文献や雑誌の評論、新聞記事などを多数引用し、その全貌を明らかにしようとするノンフィクション。
睦夫は、詰襟の学生服を着、頭に2つの懐中電灯をくくりつけ、ナショナルランプを腹に、足にはゲートルと地下足袋という異様ないでたちで、大量殺人を行った。
使用された凶器は、日本刀と匕首、斧、猟銃である。
予め電線を切り、一帯を停電にしてからの、暗闇に乗じた犯行だった。
犯人の睦夫は、三通の遺書を残し、森の中で自害した。

【感想】
津山三十人殺しという事件があったのは知っていましたが、その内容は全く把握していませんでした。

睦夫の遺書によると、事件の動機は次のようなものです。
「不治の病で絶望していた所、女達に恥辱を味わされ、皆の笑いものになった。女を恨み復讐しようと思った。自分の挙動が不審なためか、世間一般から疑惑の目を向けられるようになった。そこで、多くに人に殺意を抱くようになった。」

犯人の遺書を全て鵜呑みにするわけにもいきませんし、かと言って、生き残った関係者の証言を全面的に信用するわけにも行きません。
住民と犯人の言い分は異なっていますし、著者によれば、同一人物の証言にもブレや矛盾があるそうです。

犯人は、村の複数の女性と関係を持っていました。
女性達は、「自分は最後まで拒んだ」とか「金銭は貰っていない」などと言っていますが、死人に口なしということで、自分達に都合の良いように言っている節がなきにしもあらずっぽいです。
少なくとも、部落の女性の多くが、村の有力者の男性と不倫関係にあったそうです。
犯人は、それを夫にバラされたくなかったら俺と関係しろと迫ったらしいです。
フィクションみたいな話ですね。

著者は、犯人と部落の女性達には、やはり肉体関係があったのではないかと見ています。
真相は、本人達しか知りませんが。

犯人は、なんでそんなに性欲がありあまってたんでしょうか。
悪友に女を教えられ、かつ、売春婦と素人女は全然違うと言われて興味が沸いたのですかね。
娘を襲いに行ったけど断られたので母親に鞍替えしたりと、色々酷いです。
受け入れる母親もなんかすごいです。断れよー。

当時の評論でも、「この地域は田舎にありがちな、男女関係のルーズさがあった。娯楽施設がないとどうしてもこうなってしまう。夜這いなど悪習が残っている。」と言われがちだったそうですが、部落の人々は反論しています。

犯人は小説を書くのが好きで、また、子供たちに物語の読み聞かせをしていました。
小説家や学校の先生を目指したこともありますが、叶いませんでした。
肺病にならないか、なったとしても、それを必要以上に重篤に捉え悲観しなかったら、また、女狂いにならなければ、そして、でかいことやってやる的な虚栄心や自己顕示欲がなかったら、事件を引き起こさず、やがて子供に好かれる教師になれていたのではないでしょうか。
犯人は、学校での成績がとてもよかったとの事ですし、周りからも頭が良いとされています。
そのわりに、遺書に誤字が多いのが気になりますが。

最初に猟銃を手に入れた動機は、事件を起すためではなく、女に迫る時に威圧するためだったのではないかという説が出ていました。

金を借り、武器を集める手口が自然で鮮やかでした。
そういう才能を他に活かせばよいのにと思いました。

この本の構成は、まず事件を報せる新聞の記事から始まり、警察資料など客観的な文章の引用が続きます。
その後は、犯人の生い立ちが年齢ごとに、当時の社会情勢も合わせて書かれています。
著者の考察も入ってきます。
終盤、事件場面の再現がなされています。
それまでは、どちらかといえば、論文的、編集的な内容でしたが、大量殺人の描写は、小説的かつ創作的です。
あたかもそこで事件を見ていたかのように書かれています。
死因や犯人と住民のやりとりは、それまでの報告書や証言から再構成されているものなので、そこまで事実と異なっていないかと思います。
結構グロくて猟奇的な表現となっています。
淡々とした本だと思っていましたが、ラスト付近で印象が変わりました。

本書の最初の方に犯人の遺書があるので、それを事件の真相だと思ってしまった部分があります。
しかし、その後の記事や考察を見るにつけ、犯人の目から見た世界と、現実には大分差異があったのだと感じさせられました。

犯人は、自分が結核だから、周囲から蔑まれ差別されてきたと述べていますが、他の住人は、彼が結核だと知らなかったり、もしくは、犯人睦夫が自分で言いふらしていたと証言しています。
もし犯人が嫌われていたとしたら、それは、睦夫の女癖が最悪なせいであり、また、猟銃を持ってぶらぶらしているせいだったのではないかと思います。

本書では、津山事件の他に、ドイツで起こった「ワグネル事件(ワグナー事件)」と日本で起こった「安部定事件」についてもページを割いています。

ワグネル事件の動機に唖然です。
ワグネルは、自分がかつて獣姦したことを、皆が知っていて嘲っているのだと思い込み、大量殺人を行いました。
しかし、ワグネルの過去の過ちを知る者など、誰一人としていなかったのです。
被害者がかわいそう過ぎます。否がないにもほどがあります。

阿部定事件は、あまりのヤンデレぶりにガクブルです。
犯人の阿部定は、殺した相手の男をもの凄く好きなようです。
津山事件の犯人睦夫は、安部定事件にとても関心を抱き、安部定のファンだったようです。
わざわざ、阿部定の住んでいた部屋に行って、娼婦を買ったりしていました。
彼には、阿部定を越える大きなことをしたいという野心があったと言います。
睦夫が事件を起す前に、ニ・ニ六事件や五・一五事件がありましたが、睦夫は興味を示さなかったようです。

ところで、「阿部定」でyahoo!検索したら、モザイクのかかった死体っぽい写真がトップにきたので怖かったです。

子供を間引きする習慣が歌となって残り、それを子供達が歌っているという状況は恐ろしいですね。
間引いた子供について尋ねられたら、「シジミ拾いに行きました」と答えるのが習わしだったそうです。
婉曲的かつ詩的かつ意味深で粋にすら感じられるやりとりですが、そんなこと思ってる場合じゃない文化です。

津山事件を一部モチーフにしているという「八つ墓村」は未読ですし、映画も未見です。

なお、上の文章にでてくる「部落」という単語に差別的意味合は含まれていません。
本書で使われているのでそのまま書いたというのもあるんですが、私も子供の頃普通につかってました。
しかも、「うちの部落では〜」とか、自分の住んでる場所をそう呼んでました。「部落対抗運動会」とかありましたし。あくまでも、地域、町内というくらいの意味しかありませんでした。
今は、放送禁止用語らしいですね。

テーマ:最近読んだ本 - ジャンル:本・雑誌

  1. 2009/06/20(土) 23:51:44|
  2. 読書感想文(小説)
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

黒武洋「パンドラの火花」

パンドラの火花 (新潮文庫)パンドラの火花 (新潮文庫)
(2008/01/29)
黒武 洋

商品詳細を見る

【あらすじ】
2040年の日本では、すでに死刑制度が廃止されていた。
そのため、判決が確定済みの死刑囚が宙に浮くこととなった。
更正の余地があるとされる死刑囚には、刑執行を免れるチャンスが与えられた。
それは、タイムマシンで過去の自分に会って説得し、事件を未然に防ぐことだった。

【途中までそんなにネタバレなし感想】
まずは、家族6人を含む12人を殺害した死刑囚・横尾友也視点で話が進みます。
横尾は、事件当時高校生だった自分に、事件を起さないよう説得します。

次に、インターネット上での繋がりから、ゲーム感覚で動物を殺し、やがてさらなる凶悪犯罪に手を染めることになる三日月憲人がメインキャラクターとになります。
これは、説得される側としての物語となります。つまり、過去の世界における三日月憲人は、まだ死刑になるようなことはしていないのです。

最後は、過去に戻る死刑囚に同行する時空監視官・十九番の心の中を描きます。
ストーリー的には、自分の会社を爆破した死刑囚・氏家孝仁の行動を追っています。

過去の自分ということで、相手の内面まで知り尽くした上での説得となります。
また、人生の大半を塀の中で過ごし、後悔と贖罪の日々を送ってきた自分の悲惨な姿を見せることで反面教師となることもできます。
しかし、「年や経験を重ねた私」として過去の自分に接したとしても、社会や友人、仕事や家族といった、所謂一般的な人生とは大きくかけ離れた生活をしていた為、年齢=人生経験とは言い難いものとなっています。
それで説得力に欠ける部分があり、それを過去の自分に見透かされる場面もあります。

「映像ペーパー」や「ハンディPC」など、未来の電子機器が登場します。
そのネーミングが、少し昔のSF小説を思わせます。

タイムマシンこと「時空移動システム」の装置は、仁徳天皇陵にあるという設定です。

【以下、ネタバレあり感想】
【“黒武洋「パンドラの火花」”の続きを読む】

テーマ:読んだ本 - ジャンル:本・雑誌

  1. 2009/06/16(火) 07:17:46|
  2. 読書感想文(小説)
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

寝台特急 北斗星 札幌⇔上野

先月乗った「北斗星」の写真をUPします。
以前載せた写真は、二段ベッドのB寝台でしたが、今回は個室(ソロ)です。
北斗星入線
函館駅のホームに入ってくる所です。
北斗星個室外観

個室車両の通路です。
北斗星個室内装1 ブルートレイン

個室内の寝台は、このような感じです。
掛け布団が乱れていますね。お見苦しくてごめんなさい。
北斗星個室内装2

ドアには、内側からも外側からも、鍵をかけられます。
北斗星朝食

食堂車の朝食です。
この他に、コーヒーor紅茶、フルーツヨーグルトもついてきます。
また、パンとスープではなく、ご飯と味噌汁を選択することも可能だったと思います。
函館駅でも、上野駅でも、車両の写真を撮っている人が沢山いました。
私を含め「旅の記念」感覚でデジカメ撮りする人、ケータイに納める人、三脚を立てて本格的に撮影している人、など様々でした。
ニンテンドーDSiのカメラ機能を使っている子供を見て、未来を感じました。
上野駅では、父親らしき男性に一眼レフカメラの指導を受けつつ、最終的には一人で撮影していた男の子がいました。将来、立派な撮りテツになりそうな予感です。何気に美少年でした。

テーマ:鉄道写真 - ジャンル:趣味・実用

  1. 2009/06/13(土) 12:05:42|
  2. 雑記
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
次のページ

FC2Ad

FC2ブログ 通販